愛を知る旅(3) -内海温泉-

内海の海岸での俺

名古屋中心部から一路南へ、知多半島を目指す。


そうなのだ、賢明な読者ならすでにお気づきかと思うが、「愛を知る旅」とは、すなわち「愛知県を知る旅」なのである。
愛知の海岸と温泉と海の幸を求めて、知多半島は南知多町にある内海温泉へ足を伸ばす。

今回宿泊したのは、内海温泉・ホテルみかどという温泉宿。
昨年あたりにリニューアルオープンしたそうで、館内はとてもきれいで、ピカピカ。

ホテルみかどの客室から海をのぞむ

建物も素晴らしいが、そのロケーションがまた感動。
ホテルのエンタランスを出て、一方通行一車線の道路を渡ると、いきなり砂浜。
ただし、道路ぞいには海水浴客相手の海の家っぽい建物が並んでおり、その一帯を抜けなければ海岸にはたどり着かない。それでもなんでも、ホテルから100mたらずで波打ち際に到着。

すばらしい。
夏なら、温泉に海水浴と、リゾート感を満喫できることでしょう。

しかし、今は冬。
外には、ネコの子一匹くらいしかいない。

ネコのお出迎え

寂しいなぁと思いながらも、砂浜に出てみると、女の子の2人連れがぼんやりと夕焼けの水平線を眺めていた。
この2人、実はホテルのフロントですれ違った女性客である。
ホテルは閑散としており、ヘタするとこの女性客の他には宿泊客はいないかもしれない。
こりゃ、季節外れの海辺で、一冬のアバンチュールですか!?

そうなのだ、賢明な読者ならすでにお気づきかと思うが、「愛を知る旅」とは、すなわち「うらぶれた観光地で愛を求め合う旅」なのである。

♀A「さっき、フロントでお会いした方ですよね?」
木公「はい、あなたたちもあのホテルにお泊りですか?」
♀B「そうです。ちょっと季節外れで人も少なくて、『寂しいね』って2人で話していたところなんです。ねぇ?」
♀A「うん」
♀B「よかったら、ホテルの人に頼んで、夕食とか一緒にしてもらえないか頼んでみませんか?」
木公「いいアイディアですね。僕も、この冬の海を見て、ちょうど人恋しくなってたとこなんですよ。ぜひお願いします」

そして、夕食後には、

♀B「このホテル、貸切露天風呂がいくつかあるみたいですよ。もしイヤじゃなかったら、一緒に行ってみませんか?」
木公「(心の中ではガッツポーズと勝利の雄叫びを上げつつも、表情は冷静に)あ、面白そうですね。行ってみましょうか」

・・・などなど、一足も二足も先に「俺に春が来ちゃった?みんな、ごめんね」的な妄想を夢見るも、世の中はそんなにうまく事が運ばないわけで。
海にいた2人連れとは、宿泊中に一言も言葉を交わさなかったわけだけれど。
まぁ、そういうもんさね。

海風に吹かれて冷えた体を温めるべく、最上階の大浴場に向かいました。
さすが、シーズンオフ。浴場には僕一人。そして、浴場の窓からは海が一望でき、その風景も独り占めです。
思わず、夏に海水浴をしている自分を頭に描きながら、浴槽で水泳しちゃいました。

さてさて、一風呂浴びて、ポカポカとしてきたら、猛烈にお腹が空いてきたわけで。
名古屋駅周辺で食べた、”午後なのにモーニング”だの、”糖朝のマンゴ豆腐花”だのは、完全に胃から追放された感じ。

おもちゃ屋の前で駄々をこねるガキんちょのように、畳の上で全身を使ってジタバタと「腹減った~」とのた打ち回り、会社へのお土産として購入した「すやの栗きんとん」で空腹の急場をしのごうかと思い始めたその時、部屋の電話が鳴って「お食事の用意ができました」とのこと。
シーズンオフで宿泊客が少ないせいか、夕食は他の客室にしつらえてありました。

お刺身

ダッシュでその部屋に向かい、空腹にビールを流し込む。
船盛のお刺身のほか、デラでかいエビフリャー(さすが、愛知)だの、赤味噌汁(さすが、愛知)だの、いろいろありましたが、一気にビールが回って料理の撮影不能に陥る。
ごめんなさい。

その後は、いまいち、記憶があるようなないような状態で、気付けば翌朝。

ホテルみかどのまとめ】
・海水浴場まで徒歩1分
・リニューアルしたばかりで館内がきれい
・貸切露天風呂ナイス(ただし、冬場は寒かった)
・料理は知多で採れた(?)海産物メイン
・大浴場も全客室もオーシャンビュー
・周りには飲食店、コンビニなどは皆無。気をつけろ

てな感じです。
次回はぜひとも夏に行きたい。

【次回予告】
渥美半島は未踏なれど、愛知の南部はもう十分。
取って返して、愛知県北部へ向かうぜ。
カーナビの目的地を「犬山城」にセットし、いざ出発!

コメント (4)

  1. keyquo

    全ての人の妄想が,もしサトラレみたいに周囲につつぬけだったら,世の中.....もっと面白くなりそうですね.
    愛...知....かー,なるほどー.

  2. 木公

    妄想が全て筒抜けだったら、僕は恥ずかしすぎて生きていけなくなっちゃうカモー。

    全ての人がサトラレの世の中ってどんなんだろうと考え始めました。
    最初は「詐欺がなくなる」とか「”信頼”という概念が必要なくなる」とか、ちょっと真面目に考えていたのですが、最終的には

    「ああ、富野がガンダムの中で”ニュータイプ”という概念で語りたかったことは、人類総サトラレ化のことか」

    に落ち着きました。

  3. 匿名

    おー。楽しそうですねー。

    ワタクシ前の彼氏が三河田原に住んでいた事もあって
    へたすりゃ毎週R163→R25→亀山から高速→郡山で降りて渥美半島へ
    もしくは鳥羽からフェリーで渥美半島へ通っていた時期がありました。

    渥美半島へ参られましたら
    田原銘菓「あさりせんべい」を食べてみてください。
    なかなか美味しいですよ。

    名古屋で個人的にお勧めなのは
    「オーフェルクリン」というチョコレートショップのチョコレート。
    バレンタインも近い事ですし・・・(以下略)

    あとはすがきやの味噌煮込みうどんを昨日食べましたが
    美味しかったです。ビバ愛知。

  4. 木公

    >「オーフェルクリン」というチョコレートショップのチョコレート。
    >バレンタインも近い事ですし・・・(以下略)

    「どーせ、アンタは1個もチョコをもらえないだろうけど、カッコつかないから自分で買ってくるんでしょ?せっかくだから、オーフェルクリンにするといいよ」
    という、突き放しつつも暖かいアドバイスありがとうございます。(T_T)

    あさりせんべいも、チャンスがあったら探して食べてみます。
    愛知のえびせんも美味しいですよね。「ゆかり」とか

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