機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-

ZガンダムIII -星の鼓動は愛-ZガンダムIII公開初日(3月4日)の21:10上映開始の回で見てきました。
ZガンダムIIを見に行った時は祝日で、しかも”木曜はメンズデー”ってことで料金も安いのにも関わらず、劇場はガラガラで「おいおい、Zガンダムの映画プロジェクトは失敗だったんじゃねーの?」と、当方は制作には一切かかわりのない一観客に過ぎない立場でひどく心配したものですが、今回は夜の回だというのに満員でした。
まぁ、アレです、お客さんの90%くらいはオタクっぽい20代後半以上の人々でした。中には妙齢の女性2人組などというお客さんもいましたが。

なお、「DVDを持って劇場へ行こう!」という割引サービスをやってるそうです。大人200円引きだそうです。
僕はレイトショーだったので対象外でしたが。

全国の劇場窓口で『恋人たち』DVDパッケージを提示すると下記の割引料金で『星の鼓動は愛』がご覧いただけます。
なお、このサービスは第1部『星を継ぐ者』のDVDパッケージでもOKです。

http://www.z-gundam.net/news/index.html


以下、ネタバレ。


駄作。

ミネバ謁見以降をTV版のラストまで、特に山場もなくダラダラと繋げただけです。
「新訳」というテーマを打ち出しており、「誰も知らないラスト・・・」というキャッチもつけて、かなり煽っていましたが、映画を見終わった僕がこのキャッチを付け直すなら「誰でも想像できたラストorz」です。
オリジナルのストーリーは熟知しているので、「どこで話が分岐するんだろう?」とワクワクしながら見ていたのですが・・・。
もうこれ以上は書きませんが、この映画を見るつもりの人はあまり過度の期待を抱かない方が楽しめます。

どうしても見に行く人で、オリジナルストーリーを知っている人は、初めの10分程度とラストの10分程度を眺めて、あとは寝ていても大丈夫です。
#実際、上映中どこからかイビキが聞こえてきた・・・。

オリジナルZガンダムにおけるシャアの最大の見せ場のアソコ(想像に任せます)は、ばっさりカットです。
オリジナルZガンダムの後半オープニング(森口博子「水の星へ愛を込めて」)を初めて見たときに、全国のみんなが色めきたった「あの人」も、シャアのあのシーンがなくなったことで話の繋げようがなくなってしまうので、登場なしです。
「新訳」でヒロインの座はピンク髪のあの人に挿げ替えられたようです。
オリジナルZガンダムの「裏テーマ」を一言で表した、ファ・ユイリィの名セリフ「カミーユの女好き!」関連のシーンもナシ。
「カミーユの女好き!」が出ないとなると、名エピソードの『湖畔』を出しようがないのは当然。妙に老け顔でハスキーボイスなのに「おにぃちゃん!」と萌えセリフを吐くあの人のエピソードもなかったことになりました。となりゃあ、凶悪なあの可変モビルスーツも黒歴史です(同時に、隠れハイザックも没。そのくせ、バウンドドッグは出てくるのでその筋のファンの方はご安心を)。
そうそう、これに伴って、当然「身体検査シーン」がカット。往年のお色気シーンはナシです(ファのパンツ一丁シーンもカット)。そのくせ、”スケベ医者”の通り名をほしいままにしているハサン先生がアンナと一緒に1カットだけ出てきます。
ほのぼのエピソードが全部カットで、物語の収束を最優先にしたようで、美しい背景のあるシーン(上記『湖畔』のエピソード等)はまったくナシで、ほぼ宇宙での戦闘シーンばかり。非常に色見が地味な作品に仕上がりました。唯一、グワバンの内装くらいです、見た目がきれいなのは。

義理で、良かったところを挙げておく。
ネオ・ジオンで、エンドア級巡洋艦(ZZガンダムに出てくる戦艦)が実戦配備されており、戦闘に参加しています。マニア的には嬉しい。
ジ・オの頭が光ります。地味なエピソードだけれど、原作になかった話だから良し。
グリプス2のコロニーレーザー内部のレーザー発生機構の背景が全て新作カットです。きれいに描かれています。
ZガンダムとZZガンダムの間に起きる、ミネバ・ザビの処遇がちょっとだけですが語られます(ただし、「影武者問題」の謎は残ります)。
アーガマのブリッジクルーの中で一番地味なサエグサ(この人の名前は音楽担当をしていた三枝成彰にちなんでいることは有名)がラストで喋りまくります。軽く笑えます(あくまで、軽く)。
旧ホワイトベースの主要乗組員のほとんどに新作カットがあります。

そして、ホワイトベースの主要乗組員の中で、オリジナルZガンダムで唯一セリフのなかったあの人。
なんと、セリフつき!
すげー!すげー!すげー!すげー!
もうね、あのシーンがあったおかげで、溜飲を下げました。
まじ、感動。

ちなみに、スタッフロールには「××× (ライブラリー出演)」という謎の出演方法が記されていました。
きっと、生前にゲーム用か何かのセリフが録音されていて、それを流用したんだと思うんだけれど。
登場したときは驚きと「どうせ、代役だろう」なんて思っていたので、セリフの内容は失念してしまいました。

とにかくだ、セイラファンのあなた、ラスト5分は絶対に見逃せない。

ていうか、そこしか楽しめない映画だった。

コメント (2)

  1. bamboo

    ネタバレを読んでいて、すっかり自分が、TV版の内容を忘れていたことに気付きました。

    これはもう、全52話を見直すしかないですね。

  2. 木公

    いやいや、本文は威張って書きましたが、僕もTV版の内容をずいぶん忘れちゃっています。
    自分が印象深くて覚えているシーンが、全部なかったせいで、プリプリしていたんです。

    TV版は、ちょうどバンダイチャンネルで販売中ですね。

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