事例に学ぶ心理学者のための研究倫理 / 安藤寿康・安藤典明(編)

ご存知の方はご存知だと思うのですが、当方は心理学系研究者なわけで。

現在、ヒト(もしくは動物)を用いた実験を行う際に倫理審査を受けなければならない組織に所属しているわけで。
研究倫理審査委員会が設置されていること自体は、政治的に正しい。ものすごく。

しかし、個人的に困っていることは、必ずしも実験研究を行ってきた経験のある人々が委員を務めているわけでは無いということ。
ある特定の役職に付いた人が、それまでの経験とは無関係に、自動的に倫理委員に就任することになっている。
一方で、素人的な素朴な見解の下に審査を行うので、より実験参加者の立場に立って吟味できるという利点がある。
他方で、素人であるが故に、(我々の業界にとっては)ごく当たり前の実験手続きについても、いちいち質問や意見が寄せられてしまって、なかなか審理が終了しなくなってしまう。それどころか、実施不可という判断に至りかねなくなったりして、かなり綱渡り。ちょっとトホホ。

ただ、愚痴ってばかりいるだけでは、事態の好転は望めないので、「泣かぬなら、泣かせてみせようホトトギス」の精神で、いろいろ啓発活動をしていたり。


そのための”理論武装用”として、まずは「事例に学ぶ心理学者のための研究倫理」をパラパラと眺めた。
本書は、架空のケーススタディの羅列という印象で、散漫な感じがぬぐえなかった。
一つ一つの事例は、いかにもありそうな感じで、倫理問題について考え直すいい例題になっていると思う。
個人が研究倫理問題について考えるのには、いい教材。

しかし、第三者を説得する道具に使うにはつらそう。
#なんかいい本があったらおせーてください。「APA論文マニュアル」はチェック済みです。

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