アメリカ人は相手の口に注目し、日本人は目に注目

「エイチ ティー ティー ピー コロン スラッシュ スラッシュ スラッシュドット ドット ジェー ピー スラッシュ」
こと
http://slashdot.jp/、つまりはスラッシュドット ジャパンに「アメリカ人は口で、日本人は目で話す」というストーリーが載っていた。

なんのこっちゃ? と思いながら覗いてみると、JESPこと Journal of Experimental Social Psychology に採録されている Yuki, Maddux, & Masuda .(2007). Are the windows to the soul the same in the East and West? Cultural differences in using the eyes and mouth as cues to recognize emotions in Japan and the United Statesだった。

この論文の、俺的まとめはこんな感じ。



東洋と欧米では文化の違いにより、感情の表出に関する規範が異なる。
東洋では感情を抑制する必要があり、欧米では感情をストレートに表出する必要がある。

また、ヒトの生理的な機能として、目の周りの筋肉は不随で、口の周りの筋肉は随意。
つまり、表情を作るとき口の周りは意識的に操作できるが、目の周りはできない。
#たとえば、作り笑いをするとき、口の形は変えることができるが、目は笑えない。

文化による感情表出の違いと、顔面筋肉の性質から類推すると
東洋人: 表情を抑制しようとし、口の動きは抑制するが、目には思わず”ホンネ”が出てしまう。ゆえに、相手の感情を読み取るためには目に着目する。
欧米人: 感情が正しく伝わるように、オーバーな表情を作る。目をオーバーに動かすよりも、口元の方が操作しやすい。ゆえに、口に着目して相手の感情を読み取る。
と考えられる。

face_stim.JPGこの仮説を検証するために、楽しそうな目/悲しそうな目、楽しそうな口/悲しそうな口 を操作したイラスト(図のように単純なもの)を日本人やアメリカ人に提示して、どのような感情を表しているか回答させた。
でもさー、こんな単純なイラストじゃ、実際の人を相手にしたときと全然状況が違うじゃん
という声が著者らに聞こえたのか、聞こえなかったのかは知らないけれど、実際の人のモンタージュ写真を作って、目や口を操作した刺激も準備して同じ実験を行った。

実験から、日本人は刺激画像の目の部分に反応し、アメリカ人は口の部分に反応して感情を読み取るという結果が得られ、仮説が支持された。

この研究から得られた考えを発展させると、顔の天地が揃っている日本式顔文字 (^_^) (T_T)と、顔が横向きになっているアメリカ(?)式顔文字 :-) :-< の違いを説明できるかもしれない。
日本の顔文字は目の表情で感情を変え、アメリカのやつは口の表情で感情を変えていることにつながってるっぽい。



分かりやすく正確にまとめられた気はしていないが、まぁ、こんな感じでいいやね?




第一著者の M. Yuki さんは、当方の学生時代に ちょうどStarwars EP1公開の頃で、スターウォーズのオタク話をしたなぁ大学院生向けゼミでお世話になったなぁ、なんて思い出してみたり。

ていうか、コンピュータ系のサイトなので、身の回りのIT屋の誰が最初にスラドに取り上げられるかと日々注目していたのだが、まさか非IT屋の人がトップバッターになるとは。
ちとビックリ。


ちなみに、スラドのコメントに引用されたのみというレベルでは、当blogを紹介してくれた人がいる。
これ
コメントしきい値が低いのが悲しい。

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。