朋有り遠方へ呼び出される、また楽しからずや

今日は東京に出張だった。
一部読者にはおなじみの、JR中央線で西へ西へとガタゴト走り、バスに乗って某市役所で降りてトコトコ歩いて到着するあのビルが行き先だった。

東京に出張の折には、当地に在住する読者諸氏に挨拶周りをするのが本来であるが、今回は割愛してしまったことをご容赦いただきたい。
東京近辺の皆様に沙汰を申したい気持ちは十分にあったのだが、それを許さない状況があった事情を勘案していただきたい。

いったい当方の身に何が起きたのか。
読者諸氏への不義理を謝罪する意味でも、そのいきさつをここに記しておく必要があるだろう。

それは2日前に受信した1通のメールに端を発する。

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二条城を見学した(クイズに答えて二条城コインをGETしよう)

今日は、とある用事で二条城の目と鼻の先のホテルに行っていた。

ホテルなんて言ったら、なんとなく男女の隠微な想像もあったりなかったりするのだが、そういう浮いた話じゃなくて。
某政党の元代表の挨拶を聞いたり、その退屈さにケータイをいじって遊んでいたりしていたわけだが、そういうこととはまったく関係なく、とにかく天気もいいし、すぐそばなので二条城の見学に行くことにした。
二条城のweb サイトもある。

二条城は、徳川家康が天下統一後に築城を命じたもの。将軍が上洛したときの宿舎および政務執行所として使うことを目的に作られたそうだ。
十五代将軍・慶喜が諸大名に対して初めて大政奉還を発表したのも二条城だったそうだ。そのときに使われた大広間(二の丸内)も見ることができた。

当方は、城に造詣が深いわけではないが、出かけた先に城があればできるだけ見物するようにしている。それらと比べると、二条城がかなり特殊な造りであることが、素人ながらによくわかる。
日本各地にある城のほとんどは、徳川幕府以前の戦国時代までに造られたものだ。そのため、戦で生き抜くことを目的に造られている。大きな石垣の上に、階層化された天守閣を持ち、敵の侵入を防ぐための仕組み(銃を撃つための穴など)がたくさん造りこまれている。
それに対して、二条城は徳川泰平時代に作られたものだ。国内に明確な敵がいなかった時代であり、戦目的に作られたようには見えなかった。刀や鉄砲で命のやり取りをするということではなくて、朝廷との舌戦を戦い抜くという目的のため、上品で華美な装飾が施された特殊な城だと思った。

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山尾光平ライブペイント@藤井大丸

山尾光平ライブイベント今日、京都四条のあたりをブラブラと歩いていたら、藤井大丸の入り口前で、なにやら看板を作っているお兄ちゃんがいた。

6階のメンズフロアがリニューアルされたということを宣伝する看板らしいのだが、日中に看板を作り変えているというのが奇妙だった。普通、こういうのは業者に発注して、営業時間外に掲示するもんじゃないのか?

それが、今日はモヒカン頭の怪しいお兄ちゃんが、デパート入り口の目の前で堂々と看板作成に精を出している。

よく見ると、往来の目の前で絵を描いていくというライブパフォーマンスだった。
書いているのは、山尾光平

彼のことを事前に知っていたわけではないのだが、迷うことなくフリーハンドでスラスラと幾何学模様を描き上げていく姿には、感激してしばらく見入ってしまった。

山尾光平さんが描いているところ

総理の椅子の重さは約30kg

今、ブロード・キャスターを見てる。
今週福田首相が辞任したこと、さらに昨年の安倍前首相の辞任などに絡めて、「近年、首相の椅子の重みがなくなってきている」という話をしている。

ナレーターが「首相の椅子の重さを、大真面目に検証した」と煽った。

“首相の椅子の重み” というのは、もちろん「軽々しく首相になったり、首相をやめたりすることはできない。首相とは、重大な覚悟や責任を伴うものだ」という比喩であることは明らかだ。

“首相の責任” なんて映像では表現しにくい抽象的な問題なので、どういう風に切り込むのかと続きを楽しみにした。
その反面、「もしや、単なるオヤジ・ギャグなんじゃないか」と不安になったりもしたのだが。

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お好み焼き 慈恩弘国

慈恩弘国京都・東寺から徒歩5分にあるマニアなお好み焼き店、慈恩弘国に行ってきた。

店構えの写真を撮ったのだが、看板にライトが反射してうまく撮影することができなかった。まぁ、店の名前「慈恩弘国」と書いてあるわけだが。
どのようにマニアな店かということは、店の前に停まっている自動車のボンネットを見ていただければおわかりいただけるかと思うけれど。

それでもわからない人に説明すると、店の名前・慈恩弘国の読み仮名は「ジオンこうこく」である。

それでもわからないトンチンカンな読者に説明するなら、ようするにガンダムをモチーフにしたお好み焼き屋さんである。
昨年12月にオープンし、前々から気になっていたのだが、金曜と土曜の夜しか開いていないという超レアっぷりでなかなか出かけるチャンスが無かった。金曜日の今日、たまたま京都市内で夕方まで用事があったので、千載一遇のチャンスと思い、帰りに寄ってみた。

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今日泣いたこと

今日は慶応のSFCに行ってきた。
某学術会議で、セッション座長を務めることになっていたからだ。

セッション座長といえば、三つ子の魂百まで、っつーか “学部3年の魂サラリーマンまで” の当方である。

僕が大学3年生のとき、助手室に
「セッション座長の唯一の心得は、時間通りに終わらせること」
という紙が一番目立つところに貼られていたのを、今でもよく覚えている。
そして、その言葉の主として、某指導教官の名前も書いてあった。

元上司がある学会で座長をしていたそうだ。
そのとき、質疑応答が紛糾し、セッションの終了時間を大幅に超過してしまったそうだ。
その件に関して、某指導教官から「議論をうまくまとめて、時間内に終結させるのが座長の役目だ。それができなかったとは何事か」とこっぴどく叱られたとか。反省のために、元上司が自分で貼ったという話を聞いた。
#ていうか、すでに元上司は異動していて、後任者の部屋に貼られっぱなしだったのだが。

学部3年生だった僕は、まさか将来自分が座長をやるような立場になるとは想像していなかったのだが、その心得だけはずーっと覚えていた。
そんな僕が、今日のセッションで2時間の予定のところを15分も超過した。
6人の発表者がいて、そのうち2人がPCとプロジェクタの接続にトラブって合計5分以上は時間を浪費したという事実もあるが。
しかし、それでも10分ちかくは、僕のマネジメントの失敗だ。
悔しくて泣きそうになった。

6人の発表者はいずれも学生さんで、あまり慣れていない様子だった。
ちょっと慣れれば、セッションが始まる前にプロジェクタのチェックをしておくなんてことは常識中の常識なんだけれど、それすらも気が回らないくらいのビギナーだったのかもしれない。

そんなもん、指導教官なり講座の先輩なりが教えるのが当たり前なんだけれど、不幸にして彼らはそういうことを教わらなかったのかもしれない(一人は留学生だったし)。
ここで僕が一言教えてあげないと、将来の学会で同じように迷惑を引き起こすかもしれない。だから、僕がハッキリと言ってやるべきだと思った。
一方で、初めて(と予想される)参加する学会で座長のおっさんに怒られたら、それだけで萎縮してしまってもう二度と学会発表ができないようになってしまうかもしれない。

どうしたものかと考えて、
「時間超過したのは座長の私の責任です。確かに機材のトラブルもありましたが、事前に機材のチェックをするよう指導するのも座長の勤めであり、それを怠った点は申し開きできません。」
と、自分を下手人にすり替えて謝罪してみることにした。
この話を聞いて、件の学生さんたちが発表会のマナーについてきちんと悟ってくれるとよいのだけれど。
そんなことを思いながら、カッコつけな自分に酔って泣きそうになった。

僕らのセッションは時間割の最後だったので、みんなが一斉に帰る時間帯。バス停は混雑していた。
バスのルートは2つであり、”JRルート” と “私鉄ルート”。
私鉄ルートの方が所要時間も乗り換えも便利なのだが、その時点で僕の忍耐力をはるかに超える行列ができていた。
腹も減ってきたし、見ていると泣きそうになった。

JRルートも多少混雑していたが、待つ必要はなさそうだった。乗り換えの多少の不便は我慢して、こちらに乗り込んだ。
座席はほとんど埋まっていて、立ったままの人も少なくなかった。しかし、入り口のすぐ横にある2つの「優先座席」には誰も座っていなかった。僕と前後して乗り込んだどっかの中年の先生と目が合った。その瞬間、工藤静香のように「♪目と目で通じあう」感じで、優先座席に2人でドカッと座り込んだ。
その中年の先生以上のお年寄りや体の不自由な人は見当たらなかったし、僕が座ることによって通路も1人分だけ広くなるわけだし。座らない理由はまったく無い。
タナボタで座れる喜びに、うれし泣きしそうになった。

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『AV神話: アダルトビデオをまねてはいけない』杉田聡

本書の志は尊敬に値する。
男性がエロビデオに描かれる虚構を真実だと信じ込んでしまうことで、女性を虐待してしまう可能性が大きい。ゆえに、エロビデオで描かれている不条理なセックス観を是正するのである、と。

大きな期待を持って読んだのだが、残念ながら途中で飽きた。文章が冗長だし(同じことが何回も繰り返される)、結論ありきの都合がよすぎる引用や分析はちょっと読むに耐えなかった。

ただし、目次はチョー役に立つ。
むしろ、目次だけ読めば、本文はすべてふっ飛ばしてもいいと思う。
エロビデオを見て僕らが誤解しやすいことが、目次にすべて列挙されているので、そこだけ読んで「そうか、これらは誤解なんだ。信じちゃいけないんだ」と覚えておけば、それだけでいい。

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私のしごと館・リニューアル

赤字公共事業の象徴となっている、京都府精華町の仕事ミュージアム “私のしごと館” であるが、当面は民間委託の上存続することが決まっていた。
2008年9月1日より、いよいよ株式会社 コングレに運営が委託され、私のしごと館が地味に再スタートした。
コングレは、北海道洞爺湖サミットの運営を行ったという実績も持っているそうだ。きっとそのカラミだろうけれど、現在私のしごと館では「北海道洞爺湖サミット: 首脳会議をめぐる仕事」展をやってる。

これまでの運営母体は独立行政法人 雇用・能力開発機構であり、私のしごと館の web ページも http://www.shigotokan.ehdo.go.jp/ という具合に、ehdo.go.jp ドメインにおかれていた。
しかし、9月1日から新ドメイン http://www.shigotokan.jp/ で運営されている。

京都新聞の報道によれば、

総合コンベンション企画運営会社「コングレ」(本社・大阪市中央区)が2年間の運営費約18億9900万円で受託。委託後に存廃が検討される。

だそうだ。

そんな私のしごと館の様子を、某ご近所さんが知らせてくれたので、勝手に紹介。
#事後報告でごめ~ん

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福田首相の最後っ屁

会見する福田首相2008年9月1日21:30、福田康夫首相が辞任表明の記者会見を行った(写真は、毎日の記事から)。

最後に質問した記者から、
「これまでの福田首相の公の場での発言が、どこかヒトゴトのような雰囲気をかもし出すことが多かった。今日の会見もヒトゴトのようだ」
というような指摘を受けた。

それに対する福田首相の返答。
私は自分のことを客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです。

失笑するやら、大胆さに感心するやら。

よくさ、人から説教されるときに「自分を見失うな」とか「自分の分をわきまえなさい」とか「お前は自分の置かれている立場がまったくわかっていない」とか、「オレはお前のことを思って言ってるんだ」とかいろいろ言われるじゃん。
そのとき、福田首相を見習って、このセリフをぶちかまそうと思ったり、思わなかったり。