連ドラ「だんだん」 第26回 (10/28)

モズという鳥は漢字で「百舌」と書くそうだ。モズのさえずりはとても複雑であり、他の鳥や動物の鳴きまねが得意なところから、まるで舌が百枚あるように思えることに拠るらしい。二枚舌と言えば悪口だが、「君は百舌のようだね」という表現は褒め言葉になるんだろうかと考えてしまった当方が、「だんだん」の26回目の放送を見ましたよ。

めぐみ(三倉茉奈)は、新しい生活の初日を迎える。女将(藤村志保)は、祇園の作法を事細かに厳しくめぐみに躾ける。家族の再会をゆっくりと喜ぶ間もなく、置屋は「都をどり」の準備で忙しい。めぐみとのぞみ(三倉佳奈)は、夜中に時間を見つけ、二人でベランダから夜空を見上げる。その時、めぐみのケータイにスカウトマンの石橋(山口翔悟)から、デートに誘い出すメールが届く。本気で取り合わないめぐみと、一瞬表情を硬くするのぞみであった。

今日の放送の大部分は、めぐみが祇園の生活を仕込まれるという内容。
これは、単に視聴者サービスとして祇園の生活を垣間見せることが目的だったのか。それとも、それ以上の意味があったのか。掴みかねている当方がいる。
僕もたまに祇園のあたりを散歩したり(お座敷にはあがったことがない)するけれど、確かに舞妓や芸妓がどのような生活をしているかを知らないし、他の多くの人々もそうだろう。そんな視聴者のために、ドラマの舞台の背景事情を説明してくれるのは親切だ。料亭の表玄関は客のためにあるのだから、身内は勝手口を使うようにと言われていた。また、建物の内部は、茶屋(客を迎える場所)と置屋(生活のためのスペース)に別れている。めぐみは身内だから、茶屋へ立ち入ってはいけないことなどが、かなり厳しく言いつけられていた。ドラマ上は彼女への注意事項でありながら、視聴者の僕にもルールがよくわかり、勉強になった。

単に説明的なシーンであるだけであれば、それ以上は深く考えないところであるが、一方でそれ以上の意義を持たせているようにも見えた。
たとえば、茶屋にある客用の階段は絶対に使うなということが、2回も言及されていた。これは、将来、何か事件が起きたときにめぐみが客用の階段を使わざるを得ない展開が待っているということだろうか?また、食事のシーンではめぐみの箸の持ち方が無作法だった。セリフはなかったが、手元がクローズアップされ、真喜子も難しい顔をしていたようだ。以前に、女将がめぐみの箸の持ち方の陰口を言っているシーンもあったはずだ。食事の作法についても、小さな事件が起きるのだろうか?

あとで「あの思わせぶりなシーンはなんだったんだ?」とならないように、蒔いた種(もしくは、枝先に刺した獲物)はちゃんと回収していただきたいわけで。
百枚舌の超絶技巧な脚本をお見せいただきたいわけで。

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