『決める: 意思決定の心理学』 中西大輔

NHK教育「出社が楽しい経済学」(土曜23時)を見て楽しめる人は、中西大輔『決める: 意思決定の心理学』を読んでも楽しめると思う。

出社が楽しい経済学は、人々がいろいろな思惑に従って物事を進めるのだが、それが経済学的合理性にのっとってるかどうかというのを寸劇でオモシロくかつ飽きないように見せる工夫をしている。そして、毎週テーマを一つに絞って、簡潔に経済学の概念を説明してくれる。

この番組で取り上げられているような内容は、必ずしも(過去の)経済学のメインストリームではなく、どちらかというと心理学との学際領域で昔から扱われてきた分野。
本書、『決める: 意思決定の心理学』は、その学際領域を心理学側から眺め、NHK教育の番組並みに簡潔にわかりやすく説明してくれているガイドブック。
#さすがに、寸劇はない。

出社が楽しい経済学を見ていると、「人って意外とバカなんだなぁ」なんて思ってしまったりするわけだが。
それに対して、本書では(ていうか、進化心理学的アプローチでは)、どうして人がそういうバカげた意思決定をするようになっちゃったのかということを、「そうした方がいい理由があるんだよ、本当は」という観点から明快に示してくれている(特に4章あたり)。

この本を読んで、チョー専門家になれるかっつーとはなはだ疑問ではあるが、NHK教育の番組の副読本としてはチョーお勧め。
薄いし、軽いし、わかりやすく書いてあるし、安いし。

コメント (11)

  1. 木公

    某知人からメールをいただいた。当記事を見て、別名『決める: 意志決定の心理学』の購入を決意したとのこと。

    著者氏は当方を宣伝部長と任命し、新鮮な生牡蠣(鮮度に不安があるなら、もみじまんじゅうも可)などを俸禄として当方に送付すべきだと思うが、読者諸氏の意見やいかに?

  2. sterai

     うわっ、凄い本読んでるな…。著者の人、進呈してくんないかな…。

  3. 大彦

    ここの出版社、印税の話をさっぱりしないと思ったら、どうやら本当にでないようだ。売れそうにないのに安いから赤字とは聞いていたが……。著者分もたった5冊しかない! 方々に配らなきゃと思って自分でamazonぽちっとしちゃったぜ。

    なので、生牡蠣代ももみじまんじゅう代も出せないのだ。

  4. 大彦

    ここに紹介されて、在庫4冊あったやつが一日で全部売れてる!

    Amazon.co.jp ランキング: 本 – 5,859位

    はじめて1万位以内に入れたし。こんどなんか安いもんおごるよ。

  5. オルニオ

    ワタシも買うアルよ。

  6. 木公

    アマゾン・アソシエイトの昨日の売り上げをチェックしました。この本、3冊売れてました。
    頻繁にアマゾンのリンクを貼っている当blogですが、一気に複数売れたのは初めてです。当blog的ベストセラー。

    お買い上げくださった皆さん、まことにありがとうございます。著者に代わってお礼を申し上げます。

    ちなみに当方の取り分は 3.75% なので、630*3*3.75/100 = 70.875円 となりました。
    本当にありがとうございます。

    著者に言いたいことは、とりあえず70円以上の安いもんをおごってください。

  7. すぎぽん

    僕も買おうかな。
    今時630円の本は安いよね。
    amazon.comで買えば、木公氏にもメリットあるってこと?
    昔、大学のゼミでは”decision maker”ならぬ”decision makee”として確固たる地位を気付いた当方。この本を読んだら確信を持って意思決定が出来るようになるんでしょうか。
    ちなみに今、会社社長の秘書をしていますが、近くで見てると社長って「決める」ってことが仕事とも言えるので、すごい大変そう。僕には務まりません。当たり前ですが。

  8. 木公

    当サイトのリンクをたどって amazon か楽天で買ってくださると、僕にちょこっとお小遣いが入る仕組みです。どーぞよろしく。

    Decision makee、懐かしす。

  9. 『決める』(日本行動科学学会・中西大輔)

     『決める』
     日本行動科学学会(編)
     中西 大輔(著)
     2009年
     二瓶社
     ☆☆

     日本行動科学学会が数年前から刊行を始めた「行動科学ブックレ…

  10. a2c

    amazonの最初の2ページを印刷して,秘書さんに渡すだけの僕が通りますよっと.

  11. 木公

    amazon 通してくれないと、僕にお小遣いが入らないじゃないですか!?

    でも、当方の知人であるところの著者は、なんか嬉しそうな様子でしたよ。

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