NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』第2回

初めての冒険で往路は楽かったのに、帰り道に心細くなってしまう子供というお話に、つい芥川龍之介『トロッコ』を思い出してしまった当方が、『ゲゲゲの女房』の2回目の放送を見ましたよ。

林の中で姿の見えない何者かに追われている気配を感じる布美枝(菊池和澄)。その時、「しげ」と呼ばれる少年と出会う。
彼によれば、足音の正体は「べとべとさん」だという。2人で道の脇にそれ、「べとべとさん、御先にお越し」と唱えて道を譲るとそれっきり足音はしなくなった。
少年は妖怪に詳しく、布美枝が物置で感じたのが「小豆はかり」であること 腹が減っているとヒダル神に取り憑かれて行き倒れてしまうことなどを話してくれた。

その頃、布美枝の家を叔母の輝子(有森也実)が尋ねてきた。小さな女の子が何も言わずにキャラメルを預けていったと聞いたのだが、それは布美枝ではないかと思い確かめに来たのだ。
その時になってやっと布美枝がいなくなっていることに気づき、家は騒動になる。

布美枝は家のそばですぐに発見された。父(大杉漣)は彼女の軽率な行為を叱責する。一方、母(古手川祐子)や祖母(野際陽子)は、叔母が夏風邪をひいたという噂を聞いて見舞いに行ったという布美枝の心優しさを認め、かばってくれた。






本日の最大の見どころは、妖怪に詳しい少年「しげ」に出会ったことでしょうか。
キャストには「少年」としか書かれていませんでしたが、妖怪に詳しい&あだ名「しげ」ということから、水木しげるの少年時代であることを暗示するキャラクターでした。
ふたりの運命が初めて交錯するシーンであると共に、ふたりには妖怪の存在を実際に感じることができることをうまく説明したシーンだと思いました。


また、布美枝の帰宅後のシーンでは、家族内のパワーバランスが自然に描かれていて、背景の理解が進みました。
父は典型的な家父長として描かれており、布美枝にも比較的辛くあたります。昨日放送で彼女が大人になったシーンでも、頭ごなしに命令をしているシーンがありました。また、家族にロクな相談もなく事業を広げようとしているようです。現在は呉服屋なのですが、昨日放送(約20年後)では酒屋になっていました。今日の放送の中では「米子で金物屋を始める」などと言っています。時代背景では数年後に終戦を迎えることもありますし、きっと家族を揺るがす大きな事件に繋がっていくのでしょう。

対して、母と祖母は、内気な布美枝への接し方に苦心しながらも、彼女を暖かく見守ってやろうとしている姿が描かれていました。
特に、祖母はヒロインの見合いの頃にはすでに他界しているのですが、演じている野際陽子はナレーションとして最後までドラマに出演します。人としての実体はなくなってしまっても、守護霊や妖怪のように布美枝を生涯見守る存在というメタファーではないかと思います。


ひじょうに巧妙な作りになっているドラマで、この2日間に関しては非の打ち所の無いドラマだと思います。

コメント (1)

  1. NHK『ゲゲゲの女房』第156回 [終]

     全156回完走できたことを感謝したい当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の最終回を見ましたよ。 * * * 「ありがとう」  源兵衛(大杉漣)の…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。