NHK『てっぱん』第1回

 散々あちこちで「やらない」と言っていたもんだから、なんだか決まりが悪くて、「これは、ゲゲゲ仕事のボーナス・トラックっつーか、アンコールっつーか、そういうもんですよ」と言い訳から始める当方が、NHK連続テレビ小説『てっぱん』の第1回めの放送を見ましたよ。

* * *

第1週「ばあちゃんが来た!」

 2008年夏、広島県尾道市。
 高校3年生の村上あかり(瀧本美織)は吹奏楽部に所属し、トランペットを担当している。卒業後の進路は未だ決めかねているが、できれば一生トランペットに携わりたいと思っている。漠然と、吹奏楽部のある大学に進学できれば良いと考えている。

 今日は、野球部の地区予選大会の応援団として球場に来ている。しかし、あかりの高校の野球部は弱小チームで、コールド負けまで打者一人となった。チームも応援団も意気消沈してしまった。
 そんな中、あかりは一人スタンドの最前列まで飛び出し、みんなを奮い立たせるように応援曲を吹き出した。それにつられて、一同も元気を取り戻した。

 あかりのようなやんちゃな子のことを、尾道では「がんぼたれ」と呼ぶ。
 結局、試合には負けてしまったが、あかりはみんなで演奏できたことを楽しく思い、応援だけは相手チームに負けていなかったと胸を張った。

 その頃、尾道の古道具屋を謎の老婆(富司純子)が訪れていた。彼女は楽器ケースに付けられたテントウムシのぬいぐるみと中身を確認し、自分の娘が使っていたトランペットであると確信した。すぐにそれを買い求めた。
 ケースの中には、1枚の写真が一緒に収められていた。

 あかりの自宅は瀬戸内海に浮かぶ小島にあり、鉄工業を営んでいる。尾道は造船業が盛んであり、その下請けで部品の作製を行っている。

 渡船で帰宅するために港に向かうと、堤防に見知らぬ老婆(富司純子)が立っているのが見えた。彼女はトランペットを手に持ち不穏な動作をしていたため、あかりの目を引いたのだ。あかりが見ている前で、老婆はトランペットを海に投げ捨てた。
 あかりは海に飛び込んでそのトランペットを拾い上げた。なぜ海に捨てるのかと尋ねるあかりに対して、老婆は明確な理由も述べず、捨てたのだと言いはる。欲しければあかりにくれてやるとまで言った。
 そのトランペットは、あかりの目から見て高価な物だった。自分が普段使っている物より立派なトランペットであると言った。
 その一言を聞き、あかりがトランペット吹きだと知った老婆は、態度を急変させた。ラッパを吹いているようではロクな一生を送ることができないと言い捨てて立ち去るのだった。

 老婆はトランペットを投げ捨てる前に、ケースに入っていた写真だけは手元に残しておいた。彼女はその写真をひとりで見て、何かの決意を固めたようだ。

 びしょ濡れで帰宅したあかりを両親(安田成美遠藤憲一)は工場で出迎えた。あかりの「がんぼたれ」ぶりに、両親は驚くやら呆れるやらであった。
 母・真知子は、あかりが見慣れないケースを持っていることに目を留めた。そして、そこに付いているテントウムシのぬいぐるみに思うところがあったが、その場では何も言わずに見送った。

 その日の村上家の夕食はお好み焼きだった。父・錠が船の廃材をリサイクルして作った鉄板を庭に備え付け、協力してお好み焼きを作るのが一家の何よりの楽しみだった。
 あかりにはふたりの兄がおり、彼らに特に可愛がられて育ったせいか、男勝りの「がんぼたれ」になってしまった。長男の欽也(遠藤要)は地元の信用金庫で堅実に働いている。一方の次男・鉄平は高校を留年し、今はあかりと同じ高校3年生である。

 楽しく団らんをしていると、家の呼び鈴がなった。
 あかりが出てみると、そこには昼間出会った老婆が立っていた。

* * *


 語りは中村玉緒。流暢な関西弁の老婆の語りってことで、当方の大好きだった朝ドラ『ちりとてちん』(2007年)の語り(上沼恵美子)を思い出してしまいました。『ちりとてちん』では、最終回になって初めて、語りの主と主人公(貫地谷しほり)の意外な関係が明らかになるわけですが、『てっぱん』でもそれと同じパターンになるような雰囲気が漂っていました。もし同じパターンだと、ちょっと興ざめかな、僕的には。

 オープニングは「アバンタイトル方式」でした。最初に本編が少しあって、途中でオープニングが入るという形式です。『ゲゲゲの女房』(2010年)は全話がアバンタイトル方式でした。最初の頃は見慣れなくて違和感があったのですが、慣れてくればなかなか良い演出でした。
 『てっぱん』も全話アバンタイトル方式になるのか、初回のインパクトを強めるために今日だけそうなっているのかはわかりません。明日以降に注目です。

 オープニングのテーマ曲は葉加瀬太郎のバイオリン曲でした。曲調があまりにキャッチーすぎるせいなのか、放送前の番宣で意識せずに何度も聞かされたせいなのかわかりませんが、なんか「昔から知ってる曲だなぁ」という気になってしまい、あんまり新鮮さが感じられませんでした。

 オープニングの映像は、尾道市民(?)が揃いのダンスを踊るというもの。おそらくこのドラマ用に振りつけられたものだと思いますが、スタッフロールを見た限り、振付師は近藤良平(コンドルズ主宰。テレビサラリーマン体操などでおなじみ)のようです。確かに、彼っぽい脱力系ダンスです。でも、味がある。
 ただし、一つ危惧するのは「まゆげねこ・パターン」になること。「まゆげねこ」っつーのは、朝の連ドラ『瞳』(2008年)に出てきた着ぐるみで、ヒロインがそれを来て独特のダンスを踊るというものです。何が酷かったかというと、どうも脚本の尺が足りなかったようで、本編の最後にダンスレッスン・ムービーが頻繁に流れた。
 どうも『てっぱん』も話の密度が薄そうだし、ネタ切れになった頃に「みんなでオープニングダンスを踊ってみよう!」みたいなレッスン・ムービーが流れそうで嫌な予感がします。いや、流れたら流れたで、僕は見ながら練習するけど。

 ドラマ本編に関しては、番宣で何度も流れた瀧本美織の飛び込みシーンが早くも登場。あれが前半の最大に見せ場だと思っていた僕は、まさか初回に披露されるとは思ってなかった。あれを見せちゃったら、もうあんまり気になるシーンが無いような気がしないでもない。
 ただ、驚いたことに、瀧本美織の飛び込みシーンは2回あった。
 富司純子がトランペットを捨てる → 瀧本美織が飛び込んで拾う → 富司純子に返す → また捨てる → また飛び込む
 という展開。これはちょっと驚いた。瀧本美織も体張ってますねぇ。

 体を張るといえば、妙に瀧本美織のお色気シーンも多い。まずさ、白い夏服セーラーで海に飛び込んで、水でぴったり肌に張り付くってのがエロいだろ。朝からこんなん放送していいのか?
 でもって、海から上がったら、スカートの裾を上に引っ張り上げて水を絞る。その時に見える、細いが健康的な太ももよ。いったいどういう層の視聴者を釘付けにしようとしてるんだ?

 ・・・いや、俺みたいな視聴者を釘付けにしようって魂胆だろうけれど。
 ああ、見るさ、瀧本美織のお色気シーンを期待して、朝っぱらから見まくるさ。

コメント (1)

  1. 木公

    オープニングのダンス映像(公式)を見つけた。字幕なしバージョン。

    真ん中あたり、男女が腕を組んで回るシーン、女の子の胸がちょっとタプタプしていて見ごたえあり。
    そして、その直後(お好み焼きにソースを塗った後)の集団の左下の巨乳はもっと見ごたえアリ(はてな匿名ダイアリーで指摘されていて、確認して、頷いた; http://anond.hatelabo.jp/20100927172113 )。

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