NHK『てっぱん』第6回

 山瀬まみが朝ドラに出演することはあるだろうかと考え、年齢や容姿的にヒロインは絶対に無理っぽいので、せめてヒロインの母親役はどうだろうか、ヒロインの母役っつーのはいつもわりと意外な女優がやっていてそれはそれで楽しみだしな・・・などと思うのだが、芸能界におけるキャラ/立ち位置的にあと10年くらいは山瀬まみにドラマの仕事が回ってくるとは思えず、それだけ経てば山瀬まみも50歳を超えてしまうので、母役っつーよりは祖母にキャスティングされてしまう可能性が高く、それを見てみたいような見たくないような気がするのだが、冷静に考えれば「ヒロインの近所に住む、噂好きで何かと口うるさく、お節介なおばちゃん」役が山瀬まみにぴったりっぽいよな、みんなもそう思うよね?・・・とつらつら考えた当方が、NHK連続テレビ小説『てっぱん』の第6回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週「ばあちゃんが来た!」

 遺品のトランペットを吹くことは、自分の産みの母親(木南晴夏)のことを認めることになる。逡巡するあかり(瀧本美織)。
 しかし、腹をくくって演奏を始めた。

 トランペットを吹きながら、あかりは尾道の育ての家族の顔が次々に思い出された。それはとても不思議な感覚だった。
 そして何よりも、演奏することが楽しくて仕方なかった。

 初音(富司純子)も同じだった。あかりの吹くトランペットの音色を聞くと、死んだ娘のことばかりが思い出された。その音は、まさしく死んだ千春の音だった。
 あかりはその音色を会ったことのない母親の音だと感じるのだった。

 1曲終わると、初音は背中を向け急ぎ足で立ち去ってしまった。

 演奏会の打ち上げはお好み焼き屋で行われた。
 あかりは大阪のお好み焼きを見て驚いた。広島地方では具とタネを別々に焼いて重ねる食べ方が主流だ。しかし、大阪では具と小麦粉を最初によく混ぜあわせてから焼くらしく、初めての経験に興味津々だった。

 いよいよ食べ始めようという時に、バンドの顧問の音大講師・岩崎(柏原収史)から声をかけられた。使用したトランペットとあかりの相性は抜群だという。演奏中のあかりはとても気持よさそうだった。楽器の方も気持ちいいと思っている、もっとあかりに吹かれたいと思っているに違いないと言うのだった。
 その話を聞いて、あかりは居ても立ってもいられなくなった。焼きあがったお好み焼きには手をつけず、慌てて店を飛び出してしまった。

 あかりは一目散に初音の家に向かった。初音と顔を合わせると、胸を張って「トランペットを吹いた!」と叫んだ。遺品のトランペットを吹いたことで、モヤモヤしていた気持ちは全て吹っ切れたと言う。
 あかねは自信満々にトランペットを初音に突き出した。返すというのだ。

 初音が受け取るのを躊躇していると、あかりの腹が鳴った。初音はちょうど昼食の用意をしていて、奥からは美味しそうなにおいがする。そういえば、朝早くに尾道を出てきて、まだ何も食べていなかったことを思い出した。
 初音は、ぶっきらぼうな態度は改めなかったが、あかりを家にあげてやって食卓に付かせた。

 あかりは初音の作った親子丼を一口食べて、満面の笑みを浮かべた。その様子を見た初音はこっそりと、かつ、微かにうれしそうな顔をした。
 家のことを聞かれた初音は、自分は親戚縁者がなく、モデルのジェシカ(ともさかりえ)を下宿人でお置いているだけであると話した。夫にも一人娘にも先立たれたというのだ。
 初音は、家出した娘が尾道で孫を産んだことの因果を恨めしく言いながらも、あかりには尾道の育ての家族に感謝しろと説いた。

 腹の膨れたあかりは、すぐさま尾道に帰ることにした。トランペットは丁寧にケースにしまって、初音のところに置いていくことにした。

 立ち去る時、あかりは「最後のお願い」があると言い出した。何があってもトランペットは捨てないで欲しいと懇願した。初音は呆れ顔を作りながらも、最後の願いなら仕方が無いと請け負った。
 あかりは一本とった気持ちで得意になった。

 逆に初音は、食事は美味しかったかと尋ねた。あかりはとても美味しかったと答えた。満腹になったと答えた。
 初音は「音楽みたいなものでは腹は膨れない」と言った。それは、尾道でふたりが最初に出会ったときに、初音があかりに言い放ったのと同じ言葉だった。

 初音は勝ち誇った表情を浮かべ、ピシャリと戸を閉めた。
 あかりは家の前で地団駄を踏んだ。
* * *





 この1週間、つまんねードラマだなぁと思い、自分をだましだまし見てきたわけだが。

 しかし、あかりと初音の食事シーンはとても良かった。
 瀧本美織は本当にうまそうに飯を食うなぁ、と。それを見ているだけで幸せになってしまった。そして、とても明るいシーンなのに、なんだか胸がキュンとして、ちょっと目がうるむっつーか、なんつーか。
 生まれて初めて赤ずいきを食べて、「すっぱい・・・」とつぶやく姿も俺の琴線に触れまくり。やられた。

 孫との初めての食事で本当は嬉しいのに、強がってみせる富司純子の芝居とか。粋で頑固で強い婆さんなんだけれど、初めてのことで戸惑っている様子がありありと分かる。すごいなぁ、と。

 で、よく見れば、初音は婆さんのひとり飯の割には、結構大きな鍋で多めに味噌汁を作っている。演奏会が終わってあかりがやってくることを想定していたと考えられる。初めから彼女に振舞うつもりだったのが伺える。
 そう考えれば、演奏会で1曲だけしか聞かずに帰って行ったこととも符号する。演奏会が終わって家に戻ってくるかもしれないと予期し、その時にすぐに食事が出せるように準備のために帰っていったと考えられなくもない。

 午前中にこの記事を読んだ人は、12:45から再放送があるから、今日だけは放送を見て、僕とこの気持を共有して欲しいなぁ。
瀧本美織のトランペットがすごく吹き替えクサイとか、そういうところには目をつぶろう!

 ・・・と、最後にかなりハートを鷲掴みにされてしまいましたが、昨日予告したとおり、『てっぱん』の日々まとめは今日で終了させていただきます。
 短い間でしたが、お付き合いありがとうございました。

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コメント (1)

  1. NHK『てっぱん』 第2週「18歳の決断」

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