NHK『カーネーション』第142回

3月からヒロインを含めほとんどのキャストが入れ替わったことに関して「糸子が味わったのと同じ『喪失感』を視聴者にも追体験させるための壮大な演出である」という説のあることを小耳にはさみ、それならそれで仕方ないか・・・と納得してしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第142回目の放送を見ましたよ。

* * *

第25週「奇跡」

病院のファッションショーにおいて、患者をモデルとすることを糸子(夏木マリ)が強硬に主張した。患者に万が一の事があった場合を心配する総婦長・相川(山田スミ子)であったが、不承不承それを受け入れた。院内のあちこちに張り紙を出し、広く門戸を開いてモデルを募集することになった。

その病院に入院している奈津(江波杏子)もその張り紙を意味深げに眺めていた。しかし、そのことを誰にも知られないように注意していた。院内で糸子の姿を見かけても、奈津は特に話をしようともしなかった。むしろ、ふたりは早足で歩き、相手を抜いてやろうと無言で競い合った。

モデル募集には、15人の枠に対して54人もの希望者があったという。そのうち病院スタッフは13人のみで、ほとんどが患者であった。応募してきた患者の申込用紙には、カルテと照合した本人の病状の軽重が記されていた。総婦長・相川は、病状の軽い者の中からモデルを選ぶよう促した。

しかし、糸子の意見は正反対だった。より重い病状の者から優先的にモデルにすべきだというのだ。今はまだ夏であり、ファッションショーの行われる10月までは時間がある。病状の重い人が10月のショーに出たいということは、将来に対する夢を抱いたということだ。自分の病気を悲観することなく、夢を持った人々の希望を叶えてやりたい、彼女らを落胆させることはできないと主張した。

けれども、総婦長、および病院側にも言い分はあった。病院は、患者が治療に専念する場所である。それが病院の責任である。その責任を自ら放棄するわけにはいかないと言って、相川は譲らなかった。
結局、病院スタッフから7人をかき集め、残りは病状の軽い患者4人、重めの患者4人をショーのモデルとすることとなった。

糸子は応募書類をよく確かめたが、やはり奈津は応募していなかった。
それでも、糸子は奈津の洋服を作ることにした。自分のものと揃いのデザインにして、自分が赤、奈津が白の洋服にすることにした。そして、ショーの最後にふたりで並んで出演することとした。ワクワクしながらデザイン画を描きあげ、本番でふたりがにこやかに登場する場面を想像した。ふたりの長い腐れ縁の果てに、そういった晴れ舞台があることを思うと、顔がニヤケてしょうがなかった。

2001年(平成13年)8月。
ショーのモデルらとの顔合わせが行われた。糸子は膝とヘルペスを患っていることを自己紹介して患者たちに仲間意識を持たせつつ、ショーに関しては一切の妥協を許さないことを宣言した。その上で、今日から本番に向けて、モデル役には美しくなる努力をして欲しいと頼んだ。モデルが輝いてこそショーの価値が生まれるのであり、自分たちの輝く姿こそが観客に力を与えるのだということを肝に命じて欲しいと訓示した。
モデル役たちはその話に納得した。その後は、各人の衣装の打ち合わせや、採寸が行われた。終始、和気藹々とした雰囲気だった。

作業が全て終わると、糸子は帰宅前に奈津の病室を覗きに行った。
しかし、奈津のベッドはすっかり片付けられていた。病室の名札からも奈津の名前だけが消えていた。

* * *


糸子が奈津と並んでショーに出るシーンは、糸子の空想として、実際に夏木マリ江波杏子によって撮影されていました。
でも、正直、派手な衣装を着たおばあちゃんのツーショットは、朝からきつかった。

そんなことは大人の事情で無理だとは思うけれど、糸子が想像するふたりの晴れ舞台の映像が尾野真千子栗山千明さまだったら、朝っぱらから号泣だったろうな。

で、奈津が消えたわけで。
可能性としては、(1)死亡、(2)糸子に黙って退院/転院、(3)単に病室が変わっただけ、などが考えられるが、(3)のようなコントネタだけはやめて欲しいな。

コメント (2)

  1. nekobasan

    毎日ありがとうございます。
    livedoorからリンクで産経ニュースに、
    NHK朝ドラ主役交代「なぜ突然」・・・という記事が出ていました。
    残り少ないから気力振り絞って観ているものの、日曜日のダイジェスト版でも充分、な感じです。。

  2. 木公

    これと同じ記事ですかね?
    http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120321/wlf12032112190006-n1.htm

    ダイジェスト版で充分というのは、確かにその通りかもしれません。最近、お話の密度が薄いと感じています。まとめ記事用のメモを書いているとよく分かるのですが、1回の放送で同じセリフや状況説明が何度も出てきて、遅々として話が進まないのですよ。おかげで、まとめ記事もサクッと書き終わる。

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