NHK『カーネーション』第126回

昨日は、少なくとも山瀬まみよりは胸が大きいと見積もられている女性と一緒に静岡でエビをたっぷりご馳走になり、二次会ではビールやラムを飲んでぐでぐでになったわけだが、いくら飲み過ぎと寝不足でしんどくても「カーネーション見にゃならんから起きろ」という声と共に朝の始まる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第126回目の放送を見ましたよ。

* * *

第22週「悔いなき青春」

1973年(昭和48年)3月。
聡子(安田美沙子)は、家族や近所の親しい人々に見送られてロンドンへ旅立って行った。

糸子(尾野真千子)は空港まで聡子を見送った帰りに、心斎橋の優子(新山千春)を訪ねた。優子は、聡子が姉たちよりも先に海外へ飛び出して行ったことをしきりに感心していた。

糸子は、優子の東京行きや離婚することについて穏やかに訪ねた。優子は静かにそれらを肯定した。糸子は、そんな大事な事を北村から聞かされるまで親に黙っていたこと注意した。心配を掛けたくなかったという優子に対して、子の心配することが親の仕事だと言って再び注意した。

優子は、糸子も一緒に東京へ行くよう誘った。東京は経済や文化の中心であり、アパレル業界で成功しようと思ったら東京に拠点を置く必要があるというのが優子の考えだ。優子は自分の店の本店を東京に構え、全国に支店を展開する計画だという。5年以内に50店舗を作り、売上を30倍にしてみせるという。

熱心に語る優子であったが、糸子には少しも面白いと思えるところがなかった。東京行きが気に入らないのではなく、自分が本当にやりたい事が何なのかを見失いかけていたのだ。岸和田で仕事を続けることと、東京に進出することのうち、どちらがより面白いのか全く判断できなくなっていた。

その夜、八重子(田丸麻紀)が訪ねてきて、珍しく糸子と酒を飲んだ。八重子は自分の美容院を閉じることを決めたという。近頃では立ち仕事が辛くなってきたし、子供にも心配されているという。これまで働き詰めの生活だったので、「働かない」という新しい生活を始めるのにも労力が必要だと思われる。それだけの力が残っているうちに店をやめるというのが八重子の決断だった。

一方で、八重子は糸子のことを応援した。今や、オハラ洋装店は岸和田一の名店なのだから、長く店を続けて欲しいというのだ。
糸子は、北村(ほっしゃん。)や優子に東京行きを誘われていることを話した。店をたたむとなると、昌子(玄覺悠子)らの仕事もなくなってしまう。それを気兼ねする心境もあった。
台所で聞き耳を立てていた昌子は、自分達のことは気にする必要はないと言って糸子を後押しした。悪い話ではないし、糸子の自由にするのが何よりだというのが昌子の正直な気持ちだった。

糸子は自分の迷える胸のうちを話だした。
糸子はアパレル業界が戦争ゲームのようになっているのが気に入らないのだ。戦争と同じように周りは敵ばかりで、敵に負けないように頭がのぼせておかしな事を信じたりやったりする。最新モードを追いかけるばかりで、去年の流行服が今年は誰からも顧みられなくなる。そういったことは、糸子には少しも面白い思えないというのだ。

糸子は、自分に洋裁を教えてくれた根岸(財前直見)の言葉(第23回)を引用した。
「本当に良い服は、人に品格と誇りを与えてくれる。人は品格と誇りを持って、初めて希望が持てる。」
ところが、自分はその言葉を忘れかけていた。流行の服は一時的に希望を与えてくれるかもしれないが、すぐに別の服がその希望を奪い去ってしまう。そんなイタチごっこのようなことに自分も加担してきたと反省するのだった。

糸子の弱音を聞いて、珍しく八重子が怒り出した。彼女は何も言わずに突然立ち上がると、あっけにとられる糸子らを無視し、ぷいっと大股で家に帰ってしまった。

10分後、八重子が小走りで戻ってきた。そして、風呂敷包みを糸子に差し出した。
中には、安岡美容室の新装開店の際に糸子が作った制服(第86回)が入っていた。それと一緒に、玉枝(濱田マリ)や奈津(栗山千明)と一緒に撮った写真も収められていた。

安岡美容室の改装直前、安岡一家はどん底の状態だった。けれども、糸子が作ってくれた制服のおかげで八重子らは希望と誇りを取り戻した。黄ばんだ制服を指し、それのおかげで生きてくることができたと言って八重子は涙を流した。

糸子は昔の自分にひっぱたかれたような衝撃を受けた。

* * *

続きを読む

NHK『カーネーション』第125回

今日は逆旧ドリカム状態(現代風に、もしくは厚木に住む者として言うならば逆いきものがかり状態の方がしっくりくる)でデート(デート?デートなのか!?)をする予定であり、自分はなんと果報者なのだろうかと思えば、「尾野真千子、高橋一生と同棲…2年前から交際」(サンスポ)という記事を読んだところで少しも堪えることはない、ていうか、山瀬まみだって中上雅巳と3年近く同棲をしていた(しかも、全く報道されなかった)のだから今さら何が起きても驚かない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第125回目の放送を見ましたよ。

* * *

第22週「悔いなき青春」

大晦日に、聡子(安田美沙子)が家族の前でロンドンへ行くことを宣言した。糸子(尾野真千子)はすぐにそれを許可した。優子(新山千春)と直子(川崎亜沙美)に責め立てられ、小さく縮こまっている聡子のことがかわいそうで仕方がなかったのだ。
思ってもいないのに、つい勢いでロンドン行きを許可してしまったというのが本音だった。

年が明けて、1973年(昭和48年)1月。
糸子はすぐに昌子(玄覺悠子)と松田(六角精児)に報告した。年末までは聡子に店を譲ることで話がまとまっていたのに、急に反故になってしまったことにふたりは驚いた。
聡子までいなくなったらオハラ洋装店の跡取りが完全になくなる。店をどうするつもりかと聞かれ、糸子は自分が最後まで店を続けると話した。そして、自分の手で店をたたむ覚悟であることを告げた。
みんなの前では強がっている糸子だったが、自分の店が一代限りでなくなってしまうことは心苦しかった。

繊維商業組合の三浦組合長(近藤正臣)にも事の次第を報告に向かった。新年の挨拶もそこそこに、跡取りが無くなったことを話そうとするのだが、三浦は気もそぞろでまともに聞いてくれない。

なんと、つい数分前まで、事務所に周防(綾野剛)がいたのだという。周防は岸和田を去る挨拶に来ていたのだという。子供は全員独立し、妻にも先立たれた。一人ぼっちになった周防は、生まれ故郷の長崎に帰りたくなったのだという。長崎の田舎に一軒家を買い、畑をやりながらゆっくりと暮らすつもりなのだという。
その話を聞いているうちに、糸子は泣き出してしまった。周防の心境を思いやると悲しくて仕方がなかった。家族と離れ、歳をとってから見ず知らずの人間関係の中で、新しい生活を一人で組み立てることの寂しさを思うといたたまれない気持ちになったのだ。三浦は、人のいい周防のことだからきっとうまくやれる、むしろ近所のおばさんたちがおせっかいを焼きに来るだろうと軽口を言うのだが、糸子はさめざめと泣き続けるのだった。

北村(ほっしゃん。)は聡子に会って、彼女のロンドン行きについて詳しく話を聞いた。何かと頼りない聡子が一人で異国に行って暮らしていけるのだろうかと心配でならないのだ。けれども、聡子は全てを楽観的に捉えていた。あてはないけれどロンドンに行き、まずは語学学校に通いながら仕事を見つけるのだという。犬がどこでも暮らしていけるのと同じように、自分も大丈夫だなどと子供じみたことまで言い出す始末だった。北村はもうそれ以上何も言えなくなってしまった。

北村は話題を変えて、糸子の好きな花を聡子に尋ねた。

早速、赤いカーネーションをたくさん持って、北村は糸子に会いに来た。家族が寝静まった後、北村と糸子はゆっくりと静かに酒を飲み交わした。北村の様子がいつもと違うことに気づいた糸子は、話をするよう促した。

北村は優子の話を始めた。
優子の心斎橋出店については北村が融資した。融資の際、北村は冗談半分で、優子が成功したら独占契約を結びたいと言っていた。実際に優子の店は太繁盛し、その時の約束を優子が履行したのだ。北村と優子は東京に進出することを決めたという。

娘のことながら、その話は糸子には初耳だった。暮れに優子が帰省した時も何も言っていなかった。
優子が東京に行くと知って、糸子は優子の家族の事が心配になった。優子の夫(内田滋)は大阪で働いているはずだし、どうするのかと思った。そういえば、暮れに夫が顔を出さなかったことも思い出した。
北村によれば、優子の夫婦仲は冷え切っているという。優子本人は、離婚したがっているという。

そこまで話を聞いて、糸子は北村が花を持って話に来た訳を理解した。優子と北村が不倫をしており、その報告と謝罪に来たのだろうと思った。ふたりは大阪から逃げるように東京へ行きたがっているのだ。

もちろん、それは糸子の早合点だ。
北村は冷静に不倫を否定した。むしろ、小さな頃から知っている優子と男女関係になるなど考えられないと怒った。言われてみれば確かにその通りで、糸子も自分の勘違いがおかしくて吹き出してしまった。

北村は居住まいをただした。そして、自分と一緒に東京へ行くことを提案した。それは、北村なりの求婚の一環だった。けれども、勘の悪い糸子は、何をしに行くのか、旅行か?などと的はずれな反応しか示さなかった。

はっきりと本心を伝えられない北村は、東京の新会社の副社長になって欲しいとしか言えなかった。糸子は渋った。どうしても一緒に上京したい北村は、即座に社長就任でも良いという条件を出した。
糸子は完全に仕事の話だと思い込んでいる。北村の申し出に感謝しつつも、考える時間が欲しいと答えるのだった。

* * *

続きを読む