映画『ショーシャンクの空に』を見た

2011年11月4日(金)放送のラジオ『上柳昌彦ごごばん!』の中で、山瀬まみが好きな映画の一つとして『ショーシャンクの空に』(1994)を挙げていた。当方の愛する山瀬まみが好きだと言っている映画なのだから、当然当方も見ておかなければならない。放送から随分時間が経ってしまったが、今夜やっと見ることができた。
そして、この映画はとても良い作品だった。こんなに良い作品をお気に入りとしている山瀬まみに惚れ直した。

映画の主人公は有能な銀行員だった男だ。しかし妻が不倫をしており、さらに悪いことには、妻とその間男が情事の最中に何者かによって射殺された。主人公の男が容疑者として逮捕された。無罪を主張するが認められず、彼は終身刑を受けてショーシャンク刑務所に服役することとなった。
主人公は刑務所の中の不条理に戸惑う。他の囚人たちからの嫌がらせだけではなく、看守たちも腐敗しきっていた。所長ぐるみで理不尽な暴力や収賄が横行していたのだ。良識があり有能な銀行家であった主人公は彼らとは距離をおきたがった。

しかし、終身刑という長い年月の孤独に耐えられようはずもなかった。
いつしか主人公には気のおけない仲間ができた。そればかりか、看守たちの無償の税理士として働くことで一目置かれるようになった。ついには、類まれな経理能力を活かして、所長の裏金作りの片棒を担ぐまでになった。

その一方、親しかった囚人との不慮の別れが彼を追い詰める結果となった。

・・・と、そんなお話。

この映画、まるで『大脱走』のようだと思った。『大脱走』というのは、ドイツ軍の捕虜となった男たちが収容所に密かにトンネルを掘って脱走するという有名映画だ。
似ている理由は2つある。ひとつは、女性がほとんど出てこないということだ。『大脱走』も『ショーシャンクの空に』も、男たちばかりが集められた収容所/刑務所という点が共通しており、とにかく出てくるのはむさ苦しい男たちばかりだ。本作で出てきた女性といえば、主人公の妻くらいのものだ。あとはスーパーの店員とか、慰問映画の中に出てくる女優とか、それくらいのものだ。あまりの男臭さにくらくらする。
似ている理由のふたつめは割愛する。気になる人は本作を見よ。

私事になるが、最近、いろいろ落ち込んでいたり、厭世的になっていたりしている。
そういうブルーな気分の時に、この映画は少々キツい部分があった。刑務所の中の理不尽な暴力や汚職は見ていて気持ちのいいものではなかった。

それに加え、生きる希望を失って自殺する登場人物がいる。

どうもよく眠れない。
落ちて行く夢を見て飛び起きる。
ここがどこか分からなくなる時も。
(中略)
疲れ果てた。不安から解放されたい。だから死ぬことにした。
私などが死んでも迷惑はかからんだろう。

このシーンは、今の僕にはキツかった。しんどかった。
なんだか、このまま自分も首をくくってしまいたくなった。
もう希望も何もあったもんじゃねーよな、という気分になった。

しかし、しかしなのである。
首をくくる前に、とりあえずこの映画だけは最後まで見ておこうと思ったわけである。1時間や2時間遅れたところでどうってことはないだろうと思って。

すると。
なんと、映画を見終わる頃には全く正反対の気分になっていた!
人生は捨てたもんじゃないなーーー、ととても明るくハッピーな気分になってしまったのである。

さっきまであんなに暗かった自分が、底抜けに明るくなっていることを発見した時の驚き。これは半端じゃなく気持ちいい。
この映画のあっと驚くどんでん返しの驚きとともに、とても気持ちいい。

いい映画を見た。

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コメント (2)

  1. メイ

    こんばんは。
    2度目のお邪魔です。

    今回のブログは映画!ということで、しかも、きゃあ!『ショーシャンクの空に』!!!

    私も以前ブログで題材にしましたが、珍しくあまり本編の無い様には触れていません。

    なんだか書き過ぎちゃう気がして。

    木公さんのブログはとってもいい感じに書いてあって、とっても良かったw

    初めて見たときは、もう!本当に何とも言えないすがすがしい気分になりました。

    この映画の感想はとても一言では表現出来ないですよね・・・感慨深くて。
    多くを語るにはもったいないというか、見たことない人にはとってもオススメしたくなりますよね。

    私も大好きな映画で、間違いなく5本の指には入ります。
    (自分のブログでは10本の指に・・・とか書いてるけどw)
    でも私は、好きな映画の順位ってなかなかつけられないんです。

    どの映画にもそれぞれ違った魅力があって甲乙つけがたい。
    って、美女に弱い男のような物言いだわ・・・(-_-;)

    「ベイビー、君たちはみんな魅力的で、とても順位なんてつけられないよ」(by美童グランマニエ風に言ってみてください)
    みたいな感じですw

    主演のティム・ロビンスですが、私が一番最初に知ったのは
    「ジェイコブス・ラダー」という映画です。

    「ジェイコブス・ラダー」っていうのは聖書の中に出てくる
    「ヤコブの梯子」からとった題名ですが、宗教映画ってわけではありません。

    戦争シーン出てきますがね、戦争映画のくくりとも違うし、ジャンル的にはサイコスリラーかな。
    (私は戦争映画はあまり見ないので)

    ちょっと(?)暗くて、好き嫌いが分かれる映画なので、そう言った意味ではあまりオススメできないですが
    ティム・ロビンスの神髄が見れる映画だと思います。

    何気に、コアなファンが多い映画です。

    • 木公

      美童グランマニエが一条ゆかりの『有閑倶楽部』の登場人物であることは思い出せたのですが、彼がどんな口調だったかは思い出せない当方です。

      「ジェイコブス・ラダー」チェックしてみます。情報ありがとうございます。

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