朝倉かすみ『少しだけ、おともだち』

短篇集。
そのうちのひとつ『C女魂』は、著者が「3.11小説」だと宣伝していた。

どれどれと思い、興味を持った。

朝倉かすみは今年知った中で最大のお気に入り作家なのだが、文庫化されたものしか買ってなかった。しかし、今回これをどうしても早く読みたくて、ついに単行本で買った。本棚で他の文庫と揃わなくなるのは残念だが。
あと、帯の応募券を貼って送ると抽選で手ぬぐいがもらえるとのことで、それも目当てだったわけだが。

書名にあるように、短篇集のテーマは「おともだち」。
その割には、仲がいいんだか悪いんだか微妙な関係や、表面上は親しく付き合っているけれど心の中ではちょっとウザったく思っている話やらのオンパレード。ひらがなで「おともだち」と記されたほのぼのムードとは若干距離がある。
それでいて、お友達のことをおともだちらしく思わないでいることを申し訳なく思い、心苦しく感じている人物たちがたくさん出てくる。そんな微妙な「少しだけ」遠い感じが主題。
そういう意味では、絶妙な書名。
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DVD『表に出ろいっ!』

女の子に一途でのめり込む当方は、最近では黒木華という女優さんが大好きで、彼女が出演していると知ったのでDVDを取り寄せ、野田秀樹・作『表に出ろいっ!』という演劇作品を鑑賞した。

同作は2010年9月に東京芸術劇場で上演されたそうだ。中村勘三郎野田秀樹、そして黒木華の3人芝居。物語の舞台はある家族の居間なのだが、舞台装置も役者の衣装もカラフルな色彩でちょっと前衛的な雰囲気を醸し出している。そんな舞台設定の中、中村勘三郎が歌舞伎の所作を滑稽に見せたり、野田秀樹が飄々としながらギャグを飛ばしたり、黒木華が若手らしいひたむきさでコミカルな演技をしたりという作品。
野田秀樹とかにあまり興味のない当方だったので、正直に言えば黒木華以外は特に期待せずに見始めたのだけれど、3人の息もぴったり合っていたし、スピーディーでありながらツボを外さない小ネタも満載で、とても面白い演劇だった。始まって3分も経たないうちに惹き込まれ、70分あまりの上演があっという間だった。

左から、黒木華、中村勘三郎、野田秀樹



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フロントでわらわら黒木華(NHK『純と愛』第21回)

今朝は出張で『純と愛』の放送前に家を出なきゃいけなかったので、つまらないドラマだしもう二度と見るもんかと思っていたのだけれど、どうしても千香ちゃん(黒木華)が気になったわけで。23時からの「夜の朝ドラ枠」で見ました。
オオサキプラザホテルのロビーで暴力事件が発生し、警察(?)に連絡したのがフロント係の千香ちゃんでした。セリフはなかったけれど、異常事態に緊張し、わらわらしている様子を表情だけでうまく表現していらっしゃいました。黒木華は実力派女優、実力派女優は黒木華。
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←黒木華がじっと見ている(NHK『純と愛』第20回)

千香ちゃん(黒木華)を背景画像(WEB版)にしてみた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第20回めの放送を黒木華目当てに見ましたよ。
今日の放送では、最初の10分間に大量に出演します。とてもすがすがしい朝でした。

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本日の黒木華、密かな人気の加藤千果(NHK『純と愛』第19回)

黒木華はワンシーンだけの登場。セリフなしの顔芸のみ。純(夏菜)と水野(城田優)がロビーで話しているのを、フロントの中から不安げに見るという場面。

そして、今日の隠し玉は加藤千果。この人、『カーネーション』で百貨店のエレベーターガールをやってた人です。かわいらしい関西弁で「上へまいりま~す」という、その一言で巷の男性陣のハートをキャッチアッププリキュアした人です。今日は、服屋の店員役で登場。柳原可奈子がモノマネするような、軽薄な店員を演じていました。笑った。しかし、かわゆい。
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映画『BUNGO ~ささやかな欲望~』を観た

最近、当方が黒木華にZOKKON命であることは当ブログの読者諸氏にはお馴染みであろう。

そんな当方は、黒木華が映画『BUNGO ~ささやかな欲望~』に出演しているという情報をキャッチした。twitter で「黒木華」をキーワードに検索すると当方のツイートが大量にヒットする(記事執筆時)ほど彼女を愛した当方なので、当然この映画も観に行かなければならない。

上映館を調べたところ、全国で4館したかけているところがない(記事執筆時)。「黒木華の活躍を見れる人間は全国でも限られている。俺がこの目で彼女の一挙手一投足を銀幕で見届けてくる!」そういう熱い思いに駆られ、角川シネマ有楽町まで出かけてきた。

なお、2日前には『おおかみこどもの雨と雪』を同じ劇場で観た。娘・雪の声優が黒木華なのだ。ナレーションも兼ねているので、彼女の語りで映画が始まるぞ!素晴らしいぞ!


#1:04に出てくる上の手が黒木華の手だ。心して見るように。
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今朝の黒木華、もしくは今夜の千香ちゃん(NHK『純と愛』第18回)

千香ちゃん(黒木華)はワンシーンだけ登場。
いつの間にか水野(城田優)を落とし、彼の部屋に入ることに成功。水野がシャワーを浴びている間、純(夏菜)に電話をかけ、部屋に来たことを報告。二人の仲が進展したので、純はもう水野に色目を使うなとわざわざ告げる。
嫌な女だぜ。しかし、黒木華がそう言うなら許せる当方です。
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今日の黒木華、そして山野さゆり(NHK『純と愛』第17回)

千香役・黒木華の登場は1シーン。純の不在中、外国人客への対応結果を教えてくれた。表面では純を慰めつつも、内心では純の失敗を小気味良く思っているという場面。
なお、それだけでは黒木華が少なすぎる。少なすぎるので、今日は会社を休ませてもらうことにしたことだし、彼女が声優を務めている映画『おおかみこどもの雨と雪』を見に行く。

そして、大先社長(舘ひろし)の愛人役で、山野さゆりが登場。この女優さんは僕と同い年なのだが、『カーネーション』で「中年女性」という役名で登場していた。「俺と同い年なのに、世間からは中年と呼ばれるのか」と思い、「俺も明日から中年と名乗ろう」と思うきっかけとなった人。
ご活躍、嬉しく思います。
当ブログの参考記事: 「33歳と37歳の間には深くて暗い谷がある」、「仮面ザイバー
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NHK『純と愛』第15回

僕が朝ドラに注目する理由は、NHKらしい手堅い脚本や出演者の演技はもちろんだが、ヒロインの故郷や職業を通じて地方の景観や風俗、職人芸、職業観などを垣間見せてくれるという「雑学的面白さ」への期待があるわけで、『ちりとてちん』(主演:貫地谷しほり)では福井県小浜市の名物や落語家の生態についてよくわかったし、世紀の駄作『だんだん』(主演: マナカナ)ですら島根県松江市の紹介だけは見事だったし実際に行って好きな街になったし、『つばさ』(主演: 多部未華子)を見てはいつか埼玉県川越市に遊びに行ったり和菓子を食べたいと願うようになったし、『ゲゲゲの女房』(主演: 松下奈緒)は隻腕・水木しげるの漫画を描く様子が見事に写実されていて舌を巻いたし、広島県尾道市が舞台の『てっぱん』(主演: 瀧本美織)を見てから初めて大林宣彦の「尾道三部作」に興味が湧いて原田知世の『時をかける少女』を見て楽しんだし、『おひさま』(主演: 井上真央)の長野県安曇野の風景の美しさに心打たれて先日ドライブに出かけたし蕎麦も食ったし、『カーネーション』(主演: 尾野真千子)を見て日本のファッション史のおおまかな流れを理解できて満足したわけであり素晴らしいわけでもあったわけだが、一方で『梅ちゃん先生』(主演: 堀北真希)とかありゃなんだ?東京蒲田という舞台も医者の仕事の裏事情もほとんど絵空事で架空の土地の架空の職業みたいな感じで少しも憧れを抱かなかったし、本作に関していえば、つい半月前までは沖縄県宮古島の位置すら知らなかった俺なのでそこがどんな場所なのかふんだんに紹介してくれるのかと期待していたのに九州訛りの大阪弁をしゃべる武田鉄矢が島民をこき下ろすだけだったり、ホテルの裏方の苦労ややり甲斐をめいっぱい紹介してくれるのかと期待していたら中学生が作文で想像して書くようなホテルスタッフしか出てこないからがっかりだし、ほんとどうにかしてくれよとブツブツ言っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第15回めの放送を見ましたよ。

* * *
第3週「しんじるこころ」

兄・正(速水もこみち)が那覇にいる女性を妊娠させた。しかし、彼女と別れたがっている。実家の母(森下愛子)にせがまれ、純(夏菜)は那覇にやってきた。歳の近い純ならば、相手の女性を説得して穏便に別れさせることができるだろうと当てにされたのだ。

空港で純は母、正と合流した。
正の説明によれば、相手はマリヤ(高橋メアリージュン)という名で、日本人とフィリピン人とのハーフだという。那覇のキャバクラで働いており、そこで正を出会ったという。普段はおとなしい性格だが、興奮すると人が変わるという。我を忘れると英語で喚き立て、何をしだすか分からなくなるという。

3人はタクシーでマリヤのアパートの前に乗り付けた。ただし、ふたりはアパートの前で待つといい、純を一人で説得に向かわせた。不承不承ながら純はマリヤの部屋へ向かった。
呼び鈴を鳴らすと、すぐにマリヤが出てきた。純が正の使いで来たと言った途端、マリヤに殴られた。純のことを正の新しい恋人だと早合点して、かっとして手が出たのだ。すぐに妹であることを説明するとマリヤは深く謝罪の上、部屋に招き入れ鼻血の手当をしてくれた。

手当が済むと、マリヤはお茶の準備を始めた。純を歓迎しているのだ。
マリヤの暮らしは質素なものだった。中では、正とマリヤが楽しそうに写っている小さなスナップ写真だけが目を引いた。それを見るだけで、マリヤが正のことを大切に思っている様子がうかがえた。マリヤと話をして、彼女の真の愛情も確認できた。優しくてハンサムな正のことを心から愛していると言うのだ。

話しているうちに、マリヤの感情は高ぶってきた。彼女が言うには、自分が正のことを好きになればなるほど、彼の気持ちが離れていくのがわかったのだという。そして、子供ができたとわかった途端、正はひどく冷淡になったというのだ。腹の中の子が、正の子ではないことを疑っている素振りもあるという。マリヤは自分の愛を信じてもらえないことにひどく落胆している。
ついに包丁を握り、この場で死ぬとまで言い出した。

慌てて純は包丁を取り上げた。互いに落ち着くことと、包丁をマリヤから遠ざけるため、純はトイレに篭った。
するとそこへ、愛(風間俊介)から電話がかかってきた。外国人宿泊客(ベン・スレター)のために購入するケーキは無事に買えそうだから安心しろという連絡だった。ただし、大阪に嵐が近づいていおり、悪くすると飛行機が欠航になる恐れがあるという。今日中に外国人宿泊客にケーキを渡すためには、早く大阪へ戻った方が良いという助言だった。

純は、正とマリヤを直接話し合わせることにした。マリヤの心情を思いやれば、ふたりが面と向かって話すことが必要だと思ったのだ。その上、純もこの話には深入りしたくないし、何よりも嵐が来る前に大阪に帰りたくなったのだ。

アパートの外で、純は正に対して、マリヤの愛が本物であることを説明した。けれども正は、マリヤに口を開くやいなや、本当に自分の子どもかどうか疑わしいと言ってしまった。
怒ったマリヤは何も言わずに正の頬を叩いた。そして、出勤するといって歩き去ってしまった。
正はマリヤを追いかけた。母はどうしていいかわからずオロオロするばかりだった。しかし純は、飛行機に乗るために、母を無視して空港へ向かった。

空港への道中、純は土産物屋で竹笛を見つけた。外国人宿泊客の娘は珍しい楽器を集めるのが趣味だと言っていたのを思い出し、彼女の誕生日プレゼントに最適だと思い、それを購入することにした。
そして土産物屋に入って行くと、なんとそこで働いていたのは弟・剛(渡部秀)だった。家出し、昨夜届いた絵葉書では東京にいると書いてあった剛が那覇にいることにひどく驚いた。剛の方も、大阪で働いているはずの純が那覇にいることに驚いた。
しかし、そんなことに構っていられない純は、早く大阪に帰りたくて焦れた。ところが、焦れば焦るほど、マリヤのことが気になり出して留めることができなくなった。剛と連れ立って、歓楽街へマリヤの働いている店を探しに行った。

ほどなくマリヤの店は見つかった。そっと覗いて聞き耳を立てると、正は離れた所に座っていた。代わりに、母がマリヤに向かって説得している最中だった。母は、自分も3人の子持ちだから子を授かった女性の気持ちはよく分かるとは言うものの、マリヤに堕胎しろと言うばかりだった。対するマリヤは、正を愛しており、ふたりの子どもをどうしても産みたいと言って聞かなかった。

そのやり取りを聞いて、純は頭に来た。店内に飛び入り、傍観を続ける正へ食ってかかった。
するとそこへ、新たな人物が現れた。宮古島にいるはずの父・善行(武田鉄矢)だった。
* * *

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