フジ『北の国から』第2回

週1回ずつの再放送だと思っていたのに、1日1回(月-金)ずつだと知ってにわかに焦った当方が、BSフジ『北の国から』の第2回を見ましたよ。

* * *

一家が富良野の麓郷に暮らし始めて5日目の朝。
蛍(中嶋朋子)は新しい生活に順応し、むしろ毎日が楽しくて仕方がない。
一方の純(吉岡秀隆)は心底嫌になっていた。これから冬に向かっていくというのに、家はオンボロで寒くて仕方がない。生活の準備のため、毎日朝から晩までこき使われて疲労困憊している。

五郎(田中邦衛)の命令で、今日は室を作ることになった。石を積み上げて作る貯蔵庫で、冬の間の食料を蓄える重要な設備である。純と蛍は材料となる石を集める係となった。手押し車いっぱいに石を積み、何度も往復しなくてはならなかった。ここでも蛍は楽しそうに作業を行ったが、純はふてくされていたり、サボって昼寝をしたりしていた。

中畑木材の若衆・クマ(南雲佑介/現・南雲勇助)の手伝いもあって、その日のうちに室は完成した。夜、一人で仕上げ作業をしている五郎のところへ蛍がやって来た。

蛍が言うには、純が東京にいる母・令子(いしだあゆみ)に手紙を書いているのだという。手紙の内容は、子供たちを東京に連れ戻すよう懇願するものだという。口止めされていたのだが、蛍はそのことを五郎に知らせたのだ。
五郎は静かな声で蛍をたしなめた。蛍は純の秘密を勝手に漏らし、告げ口をした。蛍に対する純の信用を裏切ったことにほかならないと指摘したのだ。蛍はうつむいて黙りこんでしまった。しかし、五郎はそれ以上は叱らなかった。代わりに、純も呼び寄せ、蛍と共に山の高台へ連れて行った。そこからは富良野の街の夜景が一望できた。美しい光景に蛍はすぐに元気を取り戻した。

あくる日、五郎は子供たちが通う予定の小学校へ手続きに来た。そこは山村の子供たちのために開かれた分校で、児童も数人、教師は一人しかいなかった。分校の教諭である涼子(原田美枝子)が対応した。成績表を確認したところ、純は良好な成績であったが、蛍はいまひとつだった。純だけは東京で塾に通っていたのだという。
しかし、どうにも涼子はやる気が無さそうだった。五郎に面と向かって「気が進まない」と言う始末だった。今の分校は来夏に閉校することが決まっているので、始めから本校へ通っておいた方が何かと都合が良いと言うのだ。ついには、「東京の子どもは気が重い」などと常識はずれなことまで言い出した。

五郎と涼子が面談している部屋に児童が乱入してきた。正吉(中澤佳仁)がみずえ(清水まゆみ)のスカートを捲ったと訴えるのだ。涼子は顔色も変えず静かな声で、正吉のズボンを下ろして仕返ししろと命じた。それを聞いて、みずえは正吉を追い回した。

その様子を見ていた五郎は、涼子に話したくなった。これまで子供たちのことは妻に任せっきりだった。自分は富良野の農家のせがれで難しいことは全く分からないが、妻は東京出身で教育には熱心で物事をよく知っていたのだという。けれども、五郎には五郎なりの教育方針があるという。近頃の小学校は子供たちに知識ばかり詰め込むが、人間が一人で生き抜く知恵は授けていないように思われるというのだ。口下手な五郎はしどろもどろになってしまい、上手く話すことはできなかったが、涼子は意味を理解してくれたようだった。

涼子と面談を終えた五郎は、清吉(大滝秀治)の家に寄った。そこには思いがけず、義妹の雪子(竹下景子)がいた。令子に頼まれて来たのではないかと警戒する五郎であったが、全ては雪子の一存なのだという。実は雪子は、令子が家を出た直後、黒板家に居着いて家族の面倒を見てくれていた。その縁もあって、雪子は子供たちのことが心配なのだという。しかし、五郎はひどく困惑した。やっと子供たちが富良野の生活に慣れてきたところなのに、このタイミングで雪子に会うと東京のことを思い出して里心がつくというのだ。それでも、仕方なく家へ案内することにした。

清吉の家を去る時、そこの息子の草太(岩城滉一)が雪子に目を留めた。美人で東京風に小洒落ている雪子のことをいっぺんで気に入ってしまったのだ。雪子にちょっかいを出そうとする草太であったが、五郎は彼を冷たくあしらって車を発進させた。草太にはつらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)という恋人がいるし、軽薄な性格の草太と仲良くさせていいことがないと思ったのだ。

その間、純と蛍は家で留守番をしていた。
純は、母への手紙を書き終え、切手も貼った。内容はもちろん、自分たちを東京に呼び戻すよう願うものだった。ただし、手紙を出すためには街まで行って投函する必要がある。そこで純は、蛍に手紙を出しに行くよう命じた。その手紙には2人の運命がかかっているから作業を分担するのは当然だというのだ。純が手紙を書いたのだから、出しに行くのは蛍の使命だという。本当は山道を歩くのが怖かったのであるが、蛍にそれを指摘されても強がってみせた。蛍は断ろうとしたが、あまりに純がしつこいので渋々引き受けた。

それでも蛍は道を歩き出すとすぐに楽しい気分になった。足取りも軽く、街へ向かった。
途中、橋に差しかかった所で沿道にきれいな花を見つけた。蛍は手紙を橋の上に置き、その花を摘もうとした。その時通りがかった自動車の巻き上げる風に乗って、手紙が川に落ちてしまった。みるみるうちに手紙は流されていった。
蛍は川に沿ってどこまでも手紙を追いかけていった。

夕方になって、五郎と雪子が家に帰ってきた。蛍はまだ帰っておらず、珍しく純が食事の準備をしていた。
五郎に蛍の行方を聞かれると、純は知らないと嘘で答えた。そして、雪子の姿を見つけるや、感極まって彼女に抱きつくのだった。

日が暮れても蛍は帰って来なかった。純は根拠のない予想だと断った上で、蛍は街に行ったのではないかと述べた。確信の持てない五郎はもうしばらく待つことにした。

19時になった。純の話によれば、蛍は14時ころ家を出たという。
ついに五郎は蛍を探しに行く事にした。もっとも近所にあるつららの家で電話を借り、街に住んでいる中畑(地井武男)に応援を頼んだ。すぐに中畑とクマが捜索を始めた。中畑の妻(清水まゆみ)も電話であちらこちらへ問い合わせを始めた。

家に残った雪子は、純に何か知っていることはないかと尋ねた。しかし純は黙ってばかりいた。
そこへ草太がやってきた。本当は雪子に接近することが目的であったが、蛍が行方不明だと聞いて、すぐに純を伴ってバイクで捜索に出た。騒ぎはどんどん大きくなっていった。

雪子が留守番をしていると、分校の涼子がやって来た。彼女は子供たちの転校について話し合うつもりで来たのだ。しばし雪子とふたりで話し合った。涼子の意見は、この家で子供たちが暮らすことは不可能だということだった。五郎の子どもの頃と現代とは事情が全く異なるし、ましてや純と蛍は東京で生まれ育った子供たちなのだから絶対に無理だというのだ。そしてそれは子供だけではなく、雪子や五郎ら大人にとっても過酷な生活だと告げた。

21時半をまわり、五郎が中畑木材に一度引き上げた。そこには、草太に連れてこられた純もいた。事務所で五郎と純がふたりっきりになった。
純はついに自分から白状した。東京に帰りたいと母に頼む手紙を書いたこと、そして蛍に手紙を出しに行かせたことを告白した。蛍に万が一のことがあったら、責任は全て自分にあると述べた。加えて、自己弁護もした。自分は北海道では生きていけない、東京が性に合っている、それが根本原因だといって泣くのだった。
五郎は何も言わずに外へ出た。

その時、やっと蛍が見つかった。清吉が見つけて、車で中畑木材まで連れてきた。
蛍は「ごめんなさい」と行ったきり、街へ出かけた理由も、道に迷った原因も一切話さなかった。泣きながら五郎に抱きつくだけだった。五郎は何も言わず、優しく蛍を撫でてやった。

家に帰ると、涼子は2つのことを五郎に告げた。五郎の家と分校は大人が歩いて40分かかるという。今夜、彼女が実際に歩いて計測したのだ。もう一つは、子供たちを学校で引き受けるという事だった。
そうして、涼子と雪子は清吉に送られて帰って行った。雪子は富良野のホテルに泊まるという。

純と蛍はすでに寝床に入っていた。
蛍は手紙を紛失してしまったことを純に詫びた。そして、手紙のことは一切他言していないと説明した。
純は何も答えられなかった。
* * *



純(吉岡秀隆)が書いた手紙は、五郎(田中邦衛)には秘密だという事になっている。けれども、一家全員が知っているという皮肉が描かれている。
最初は純は蛍(中嶋朋子)にだけ秘密を打ち明け、口止めした。しかし、蛍が即座に五郎にチクってしまった。それを自分の胸だけにしまい、蛍を優しくたしなめる五郎がかっこいい。後で純が真相を明らかにした時も、蛍から事前に聞いていたということはおくびにも出さなかった。素敵なお父さん。まさか蛍が話しているとは思っていないので、純は自分から五郎に話さなければならないと思っている。一方で、父への裏切りを告白することになるので、それができずに苦しむという。
そしてラストシーンでは、蛍が嘘をつく。本当は五郎に手紙の事を話しているのに、純に対しては秘密を守ったと自ら言う。ちょっとズルい女。

そういえば、第1話でも五郎から「純は恨んでいるか?」と聞かれて、否定するという小さな嘘をついた。あんたちょっといい女だったよ、その分ズルい女だね(つんく?)。
今後、蛍の嘘に注目してドラマを追いかけて行こうと思う次第。

けれども、やはり。
今回のナンバーワン・クズは純をおいて他にはないでしょう。
蛍は富良野の生活が気に入り始めており、東京に帰りたいとも言っていないのに、純が勝手に自分の側に引き込もうとしているわけで。それで、小学2年生の妹に街まで(10kmくらい?)郵便を出しに行かせるんですから。しかも、彼らは一度車に乗せられて街まで行った経験があるだけで、自力で街まで行ったことはなかったという。それで純も恐ろしくて、自分では出しに行けなかったわけで。ひどいヤツだ。
しかも、蛍がなかなか帰ってこないことについて、初めは知らんぷりを決め込んでいた。いよいよ切羽詰まって白状するけれど、それでも「北海道で暮らせない」などと話をすり替えてしまったり。セコいやつだ。

とはいえ、こういう弱虫でズルくてクズな連中が一生懸命生きようとする姿こそが、このドラマの一番面白いところなんだけど。

そして、涼子先生役の原田美枝子のかわいさよ。

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