NHK『あまちゃん』第21回

39回めの誕生日の朝は、三角コーナーの目に詰まったゴミを使い古しの歯ブラシで除去するという、とても地味で小市民的な行為から始まった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第21回めの放送を見ましたよ。

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第4週「おら、ウニが獲りてぇ」

北三陸市観光協会ホームページにアキ(能年玲奈)の動画が掲載されたことで、彼女を目当てにした観光客がやって来た。洗練された美少女だが近寄りがたい雰囲気のあるユイ(橋本愛)とは対照的に、アキの訛りや幼さという親しみやすいキャラクターがウケたのだ。袖が浜はいつもの3割増しの人出と売上だった。

アキは客たちの応援を受けて海に潜った。けれども、やはりウニを獲ることができずに終わった。客の期待に応えられなかったことに落ち込んだ。また、ウニ漁は9月いっぱいで終了となる。アキは夏(宮本信子)との約束で、禁漁までに1個でもウニを獲らないと海女を辞めさせられてしまう。あと1週間しか時間が残されておらず、アキは焦った。

その様子を見た春子(小泉今日子)は、さり気なくアキを励ました。昔のアキならこのような状況に追い込まれたら、諦めて投げ出していたはずだ。しかし、アキは変わったのだろうと言った。春子自身も、以前ならアキに諦めるように仕向けただろうが、今はそれをしないのだと言う。春子はみなまでは言わなかったが、アキは母の言わんとすることがわかった。翌日も前向きに浜へ向かった。

アキは懸命に頑張ったが、どうしてもあと一息のところでウニが穫れない。ところが不思議なことに、海からあがると腰に下げた網の中にウニが1つ入っていた。アキの初収穫を目撃した客は大いに盛り上がった。その雰囲気に飲まれ、アキも細かい経緯は忘れ、大喜びした。

アキは持ち場を離れ、すぐさま家に戻って春子と夏に報告した。本当に自分で獲ったのかと春子に念を押され、アキは自信がなくなった。夢中で潜っていたのではっきりとは覚えていないが、網に入っていたのが何よりの証拠だという。もしかしたら、ウニが自分から網に飛び込んできたのかもしれないが、自分の獲物に間違いは無いと主張した。

訝しむ春子を尻目に、夏はアキの成果を認めた。約束通りウニを収穫したので、アキが今後も海女を続けることを認めた。

アキは再度浜に戻り、漁を続けた。しかし、そこで真相を知ってしまった。実は、安部(片桐はいり)がウニを獲り、それを海中でアキの網に入れていたのだ。安部はそのうち一つをアキの手に持たせ、それを掲げて浮上するように促したりもした。この行為は、先輩海女たちが示し合わせたことだった。

客の手前、アキは自分で獲ったことを装い続けたが、持ち前の笑顔が消え、気分が沈み込んでしまった。仕事を終え、海女クラブに戻ると、みんなの前でインチキはしたくないと訴えた。安部の獲物を自分が横取りする形になるのも不公平に思うと話した。しかし、先輩海女たちは、誰もが一度は通る道だと言ってアキを説得しようとした。安部や美須々(美保純)も、若いころは夏に同じ事をしてもらったと言う。

それでも納得の行かないアキに、夏が口を挟んだ。自分たち観光海女はサービス業だということを忘れるな、と言うのだ。男は単純なもので、同じ値段の同じウニを買うにしても、若い女の子に獲ってきてもらった方が断然喜ぶ。客が喜ぶことを優先するのがサービス業の鉄則で、客が喜べばまた来て金を落としてくれる。誰の手柄かということは二の次であると言い聞かせた。

アキは、一人前と半人前の間で揺れた。これまで自分が海女をやっていたのは、海が好きであり、素潜りが楽しいからであった。しかし、それでは一人前の海女とは言えないのだという。自分の楽しみを犠牲にしてまで打ち込む価値があるのかわからない。

アキはユイのことを思った。彼女は役割をよく自覚しており、自分に会いに来る客に対してプロ意識を持ってサービスに徹しているからだ。

* * *


アキ(能年玲奈)は、安部(片桐はいり)の収穫を自分のものとすることに納得がいきません。そのことを、「まるで落ち武者のようだ」と言って拒絶します。
それを聞いていた漁協長・長内(でんでん)が首を傾げて、考え込みます。海女たちが議論を行い、それが一段落したタイミングで、彼は「影武者でねーか!」とツッコミを入れます。
ありえないくらい笑った。絶妙です。再放送(総合12:45、BSプレミアム23:00)を見るべきですよ、みなさん。

未だ、自力ではウニを穫れずに焦るアキ。
これまで、海女になれるかどうかは「ウニを獲ることができるかどうか」という身体能力の問題だったのですが、今日の放送で「客を喜ばせることができるかどうか、その気があるかどうか」という精神的な問題にシフトしました。上手いプロットだなぁと思います。ユイ(橋本愛)との対比も見事。

『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
『あまちゃん』 つづく

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