NHK『あまちゃん』第6回

ドラマの舞台は北三陸市という架空の街なのだが、岩手県久慈市がモデルであるということは判明しており、劇中の北三陸鉄道というのは三陸鉄道であり、第1話で主人公らが降り立ったのも同鉄道北リアス線の久慈駅を模した北三陸駅であり、地図で見るとずいぶん北にあるんだなあと驚くわけだが(‘ j ’)/、同じように久慈市の海人センターの辺りを地図で見ると駅から9kmほどの距離があることがわかり、駅長の大向(杉本哲太)が春子(小泉今日子)や夏(宮本信子)を車で送迎するのも納得なのだけれど、そのわりには春子が時折一人で駅と実家を簡単に往復したり、サイレンが鳴った途端に大向が家に現れたりするのでどうにも腑に落ちないなあと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第6回目の放送を見ましたよ。

* * *
第1週「おら、この海が好きだ!」
アキ(能年玲奈)は自ら海に飛び込んだ。誰かに背中を押されるのではなく、自分の意思で海に飛び込んだ。そうすることで、アキは自分で自分の殻を破ろうとしたのだ。

海に沈みながら、アキはこれまでの学校生活を思った。クラスメイトたちから、アキは何を考えているかわからず地味でつまらない少女だと思われていた。それどころか、目の前でまるで本人がいないかのように、アキの悪口を言うのだ。東京には忌まわしい思いしかないのだ。

しかし、自ら飛び込むことでアキは変わった。海面に浮上したアキの表情は晴れ晴れとしていた。その時を境にアキは生まれ変わった。地味で暗くてパッとしない自分自身を海の底に捨ててきたのだ。

サイレンを聞きつけて海へ駆けつけた春子(小泉今日子)と夏(宮本信子)に向かって、アキは「海女になる」と満面の笑みで宣言した。

漁協の海女クラブには、話を聞きつけた人々が早速集まってきた。24年ぶりの海女の誕生に大いに盛り上がった。しかし、春子だけは面白くなかった。アキが海女になることをまだ認めたわけではないと言い、ふたりで話し合いたいと言うのだ。

アキと春子は、実家の縁側で話し合った。夏は向こうで居眠りをしていた。春子はそれがタヌキ寝入りであって、ふたりの話を盗み聞きしているだろうことは分かっていたが、放っておいた。

春子は、海女がどんなに厳しい仕事かを説明してアキを翻意させようとした。水が冷たいことや、場合によっては海難事故に遭うことなどを説明した。過酷である証拠に、もう24年間もなり手がいないのだと言った。

けれどもアキは珍しく強情だった。実際にやってみなければ、本当に良いことがあるのかないのか、悪いことばかりなのかわからないと言うのだ。

春子は自分の生涯について話し始めた。

初めての記憶は、仕事をする夏に連れられて海へ行ったことだ。幼い春子(豊嶋花)は、その時から海を見ると不安になるようになった。夏が海に潜ると、二度と浮かんでこないのではないかと、流されて死んでしまったのではないかと恐ろしくなるのだ。やっと海から顔を出すと春子はほっとした。しかし、またすぐに潜るので不安になる。その繰り返しだったのだという。

小学校高学年になると、春子(田附未衣愛)は強制的に潜りの練習をさせられた。当時の夏は今よりもずっと厳しく恐ろしかったので、春子は逆らうことができなかった。

1984年6月30日、高校3年生の春子(有村架純)のところへ、市長(北見敏之)らが訪ねてきた。翌日の北三陸鉄道開通、および、海女漁の解禁に合わせて春子を海女としてデビューさせたいというのだ。観光客やマスコミが大勢集まるので、高校生海女を話題にさせて、街を盛り上げようという目論見なのだ。夏をはじめ、周囲の人々はすでに承知済みのようだった。すでに春子の海女用絣半纏まで準備されていた。

それが嫌で、ついに春子は家出したのだ。開通した鉄道の始発列車に飛び乗って東京へ出た。それから24年間、一度も帰省することはなかったのだ。

アキは、初めて聞く母の生い立ちに興味をいだいた。祖父・忠兵衛(蟹江敬三)や、父・正宗(尾美としのり)のことも聞いてみた。

春子の父・忠兵衛は遠洋漁業の船乗りで、年に10日ほどしか家にいない。この辺りではどの家でも同じ境遇なので、そういうものだと納得はしていた。けれども、やはり寂しさを感じずにいられなかったのだという。両親共に仕事ばかりだったからだ。

そういう思いがあったので、春子は家庭を大切にしてくれる人と結婚したいと思った。漁師や船乗りではなく、陸にいて、毎日家へ帰ってきてくれる夫であり父が理想だと思った。それで正宗と結婚した。しかし、実際に正宗が毎日帰ってくると、それはそれで疲れると本音を言った。こんなはずじゃなかったのにと自嘲した。

そこまで話すと、春子は何かが吹っ切れた。結婚はやってみなければわからない。海女も同じだ。アキが海女になることを許可した。ただし、夏休みだけの期間限定とした。2学期が始まったら東京の学校へ戻り、勉学に励んできちんと卒業することを条件とした。アキは喜んで約束した。

アキは、すぐに夏に報告しようとした。しかし、そこで寝ていたはずの夏は、翌日のウニ丼の仕込みのために台所に入っていた。その代わり、床の上に海女の衣装が置いてあった。見ると、春子の名前が縫いつけてあった。24年前、春子が着るはずだった絣半纏だ。アキはそれを愛でた。

翌日、アキはその衣装を身につけ、先輩海女たち(渡辺えり木野花美保純片桐はいり)と共に磯へ向かった。最初の仕事は、観光宣伝ポスターの撮影だった。

こうして、晴れて24年ぶりに新人海女が誕生した。
* * *


ラストで撮影した「北の海女」ポスターは、実際のものを見たことがあります。
「確か、公式サイトにあったよねー」と思い、今見に行ったのだがなかった。あるのはキャスト紹介ポスターだけでした。

そこで思い出した。僕は、去る3月31日に渋谷ヒカリエで行われていたNHKのイベント(福士蒼汰のトークショーなど)のパネル展示で実物を見たのだった。そうだった、そうだった。で、「きっと写真を撮ったはずだ」と思って画像フォルダを探してみたのだけれど、なかった。

そこで思い出した。僕は、自分がオタク青年に思われうのがイヤで、北の海女ポスターにケータイカメラを向ける勇気がなかったんだ。それで撮影しなかったんだ。俺のバカバカ!

こういうバカな写真は自分撮りできたくせに、どうして肝心な北の海女ポスターは撮影しなかったんだ。俺のバカバカバカ!!



さて。
1週間分の放送が終わりました。

ヒロインはアキ(能年玲奈)のはずなのに、ほとんど春子(小泉今日子)が中心に描かれるという作り。春子を演じるのは小泉今日子以外に、3人(有村架純田附未衣愛豊嶋花)もいるという層の厚さ。どっちがヒロインかわからなくなる思いです。

実はそれがちょっと不満ではありました。ドラマの第1回のスタートからして、1984年の春子が描かれていたわけです。その後もちょくちょくと春子の過去が挟み込まれます。おかげで、春子がどういう人物なのかはよくわかりました。
一方で、アキという人物についてはよくわからないままでした。一見すると、明るく天真爛漫な少女に見えるわけですが、セリフの上では「元来、暗くて地味だった」などと説明されいるわけです。混乱するわけです。もしかして、能年玲奈の芝居が下手だから、暗くて地味に見えないんじゃないか?と不安になってきたわけです。

さらに言えば、「普通さ~、東京での学校のシーンとかを挟み込んで、アキが通常どういう生活をしているか見せるのが王道演出なんじゃねーの?」なんて、一端の評論家気取りでブツブツ言っていた当方です。

ところが、そんな僕らの思いを見透かしたかのように、今日のアキの回想シーン。やられた、やられたよ。アキが東京でどんな苦悩を抱えていたのか、よーくわかったよ。ありがとう。

この1週間を思い起こせば、前半は春子の強烈なキャラクターばかりが印象に残って、アキは本当に脇役のようだった。ところが、回を追うごとにアキについての描写が段階的に増えていったように思う。うまい構成だなぁと、一端の評論家気取りで感心しているわけです。

来週は、父・正宗(尾美としのり)が本格的に登場して、春子とごたごたしそうな雰囲気なので、またしてもアキが脇に避けられる気がしないでもないけど、それでも少しずつ少しずつアキ・パートの割合が増えていくんだろうなと思うし、その色合いの変化を楽しんでいこうと思う所存。

『あまちゃん』 つづく

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コメント (1)

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