NHK『あまちゃん』第44回

2年近く通っているコンビニのカワイコちゃん店員さんの左手薬指に指輪があることをつい最近知って、いろいろショックを受けたりしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第44回めの放送を見ましたよ。

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第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」

アキ(能年玲奈)の誕生日を祝うという名目で北三陸市にやって来た正宗(尾美としのり)は、タクシー会社に就職までして居座ったままだった。離婚したがっている春子(小泉今日子)は、12月のある日、彼と話し合った。

自分の落ち度がわからない正宗に対し、春子は正宗は変わらなくていい、自分が変わるために離婚したいのだと説明した。24年ぶりの昔馴染や家族と向き合い、変わりたいのだという。その時、正宗は本当の春子のことを知りすぎており、正宗と一緒にいると本当の自分に見られているような気になって息が詰まるのだという。

正宗は春子の決意に協力することにし、離婚に応じることにした。ただし、せめてクリスマスまでは一緒に過ごしたいと希望を述べた。アキは今でもサンタクロースの存在を信じきっており、毎年正宗がプレゼントを渡していたのだ。春子もそれを受け入れた。

12月24日の深夜、正宗は念入りなサンタクロースの扮装をして、アキの部屋に忍び込んだ。眠っているアキの枕元にプレゼントを置き、立ち去ろうとした。その時、アキが目を覚ました。寝ぼけているアキは、正宗だとは気づかず、本物のサンタクロースだと思い込んでいる。

正宗もサンタクロースのふりを続け、正宗からの伝言だと言ってアキに話しかけた。春子と正宗が正式に離婚し、東京に帰ることを伝えた。アキが元気に暮らすことを願い、辛くなった時にはいつでも東京に会いに来るよう言いおいた。

それを終えると、正宗は扮装を解き、夜中のうちに天野家を出て行った。正宗は世話になったことを夏(宮本信子)に丁寧に感謝した。春子と夏に加えて、大吉(杉本哲太)が見送りに来てくれた。これまで犬猿の仲だった正宗と大吉であったが、正宗は彼に天野一家の面倒を見ることを頼んだ。大吉もそれを請け負い、正宗に心を許し、固い握手を交わした。

去り際、正宗は春子と言葉を交わした。幸せにしてやれなかったことを謝罪した。春子も自分の身勝手な行為を謝った。ふたりは握手をして別れた。
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正宗サンタ(尾美としのり)から春子(小泉今日子)へのクリスマスプレゼントは、必要事項を全て記入した離婚届でした。アキ(能年玲奈)の部屋に行く直前、春子に手渡していました。

しかし、画面ではそれが離婚届だとははっきりわからない演出がされていました。折りたたまれていたし、小さくしか映っていないので、本当に離婚届かどうかはわからないのです。

正宗が去った直後、アキが起きてきます。サンタクロースからプレゼントを貰ったことを報告し、春子も何か貰ったかと尋ねます。春子は何かを貰ったことは告げますが、それが何であるかは答えません。手に持ったままの離婚届をさり気なく背中に隠します。その時、カメラが春子の背中をクローズアップします。そこで、正宗から春子へのプレゼントが離婚届であったとはっきりわかるわけです。

朝ドラは朝の忙しい時間に放送されるので、視聴者は(僕とは違って)じっくりと画面に取り組むことができません。他の作業をしながらながら見する場合が多いと言われています。ですから、ナレーションや説明的なシーンが冗長であると言われています。そんなわけで、最後の離婚届のアップも単なる冗長な説明的シーンだと思ったわけです。

ところが。
春子はここで初めて薬指の結婚指輪を外します。離婚届と共に手を背中に隠し、みんなからは見えないところでこっそりと指輪を外しました。

演出上、本当に見せたかったのは、正宗からのプレゼントが何であったかという種明かしではなく、春子自身の具体的な変化だったわけです。僕のように「わざわざ離婚届をアップにするなど、説明的なシーン入れやがって」などと言う小賢しい視聴者の裏をかいたわけです。
やられた。名シーンの一つに挙げられると思う。

『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
『あまちゃん』 つづく

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