NHK『あまちゃん』第116回

三谷幸喜脚本のドラマ『王様のレストラン』はほとんど見たことがないけれど、山口智子演じるヒロインが橋幸夫の大ファンだという設定は一般教養として知っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第116回めの放送を見ましたよ。

* * *

第20週「おらのばっぱ、恋の珍道中」

50年近く前、橋幸夫(清水良太郎)が北三陸でコンサートを開いた。その時、夏(徳永えり)がステージ上で花束を渡し、ふたりで「いつでも夢を」をデュエットした。その時から橋幸夫の大ファンである夏(宮本信子)は、一目会いたいというのだった。

無頼鮨でそのような話をしていると、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)がやって来た。鈴鹿に相談すると、彼女はデビュー映画『潮騒のメモリー』で橋幸夫と共演したことがあるという。ただし、それ以来一度も顔を合わせておらず、簡単には引き合わせることはできないという。その上、映画の舞台挨拶で鈴鹿は失礼な失敗をしてしまったのだという。同じく共演していた由紀さおりと共に橋幸夫を舞台に紹介する際、緊張のあまり「ユキハシオ」と呼んでしまったのだという。そのため、合わせる顔もないというのだ。

それでもアキ(能年玲奈)らは鈴鹿を熱心に説得し、なんとかアポイントメントを取ってもらい、翌日会う約束となった。

その夜、夏は緊張のあまり眠れなくなってしまった。会いに行くのをやめると騒ぎ出すのだった。年をとったとはいえ、昔からの憧れの男性であり、実際に会うと自分が恋でどうなってしまうかわからないから不安なのだという。アキはなんとか夏をなだめすかした。

男と女と言えば、夏は種市(福士蒼汰)のことをアキに尋ねた。無頼鮨でアキと種市が意味深なアイコンタクトをしていたのを見逃さなかったと言う。ふたりが交際していることを夏は見ぬいた。アキはそれを認めたが、春子(小泉今日子)には絶対に言わないよう頼み込むのだった。

翌朝、夏は目一杯めかしこんでアキと共に出かけた。初めに鈴鹿が橋幸夫に話しかけたが、彼は鈴鹿のことをあまり良く覚えていなかった。『潮騒のメモリー』で共演したことを覚えていなかったし、今や有名女優である鈴鹿ひろ美の名前すら「鈴木」だと記憶していた。

その様子を垣間見て、夏は緊張のあまり逃げ出してしまった。すると橋幸夫が追いかけてきた。そして、夏のことを「北三陸のなっちゃん」と呼びかけた。はるか昔のことを橋幸夫はしっかりと覚えていたのだ。その夜、無頼鮨を貸切にして、橋幸夫と共に食事会が開かれた。夏と橋幸夫は昔と同じように「いつでも夢を」を歌った。夏は今までに見せたことのなかったような笑顔を浮かべた。その夜の夏は、まさに北三陸の元祖アイドル「なっちゃん」に戻ったかのようだった。

一足先に帰っていく橋幸夫をみんなが見送った。そんな中、夏と鈴鹿ひろ美だけが店内に残ってふたりきりになった。夏は橋幸夫に会わせてもらった事とアキの面倒を見てもらっていることを鈴鹿に感謝し、深く頭を下げた。夏はアキのことを心配していると話した。海女としてウニをひとつとるのにも3ヶ月かかった子が、芸能界でうまくやっていけるか不安に思っているのだという。それに対して鈴鹿は、海中と芸能界は違うと言い、アキにも見込みはあると答えるのだった。

その日、夏は上機嫌で帰ってきた。

* * *


昨日と今日に渡った橋幸夫ネタは見てる分には面白かったし、若い夏を演じた徳永えりも可愛くてよかったわけですが、ストーリー展開としては蛇足っぽい気もしたわけで。
夏が「北三陸の元祖アイドル」だったということがわかって、天野家の女は三代にわたってアイドルだったということが判明したわけですが、夏がアイドル的扱いを受けていたということがアキ(能年玲奈)の運命にどう関わるのかという見通しもいまいち見えなかったしなぁ。

お盆休みで、普段見ないような人が見ることもあるだろうから橋幸夫登場でインパクトある映像を見せたとも思えるし、逆に帰省の移動で普段見てる人が見れないこともあるだろうからストーリー上の重要な展開は避けたとも思えるわけで。

『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
『あまちゃん』 つづく

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コメント (2)

  1. かなやん

    >ストーリー展開としては蛇足っぽい気もしたわけで。
    >お盆休みで、普段見ないような人が見ることもあるだろうから橋幸夫登場でインパクトある映像を見せたとも思えるし、逆に帰省の移動で普段見てる人が見れないこともあるだろうからストーリー上の重要な展開は避けたとも思えるわけで。


    そうですか?
    「アイドルとは何ぞや」という回だと思って観てましたよ。
    憧れの人を前にした70歳近い夏ばっぱが、まるで少女の様にはにかんだりして可愛らしかったですし。

    • 木公

      そういう見方もありますね。

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