INGRESS、あさりん、同志社大の良心、および俺

当方の最愛の山瀬まみと1日違いの生年月日だという事実のみで神と僕からの祝福を一身に受けている あさりん が、近頃あちこちで
「木公にINGRESSを紹介されたのでやってみた」
と言いふらしているようなのだが、この件に関して私の見解を述べる必要があると判断した。

彼女によれば「INGRESSは意外に面白い」ということであり、社会心理学者の彼女をして「教科書に出ているような人の心理的側面(詳細割愛。気になる人は「最小条件集団」でggrks)のモデルケースとしてひじょうに興味深い」と言わしめるほどである。

彼女に紹介できて良かったと思うし、僕の想像以上にハマり込んでくれたことも楽しく思っている。
ただし、紹介したきっかけというのはとても些細なものであった。当方は彼女がそこまで入れ込んでくれるとは思いもしなかった。
その時の経緯について、あと3週間もしたら忘れてしまいそうなので、ここに書き記しておくものなり。

【INGRESS】
まず、INGRESSとは何かを説明しておく。

これは、スマホ上で動くネットゲームである。ただし、家に閉じこもって遊ぶものではなく、プレイヤーは外出して遊ばなければならない。たとえて言うなら、スマホのGPSを使用したオリエンテーリング兼陣取り合戦のようなものである。

運営元はかのGoogle内にあるNiantic Labsである。Google Mpas が流用されたゲームだといえる。

プレイヤーは、青チームと緑チームの2つに分かれる。どっちのチームに所属するかは、最初に自分で好きな方を選べる。どちたのチームも条件は同じであり、有利不利はない。ちなみに僕は青チームである。
明確な終了条件は決められていないが、両チームで獲得ポイントを競争する。

世界中のあちこちに、ゲームのチェックポイント(ポータル)が設置されている。プレイヤーは実際にその場所に行き(GPSで場所が判定される)、チェックポイントを占領する。チェックポイントを占領したら、今度はチェックポイント同士を線で結ぶ(リンク)。チェックポイント同士を線で結び三角形を作ると、その三角形の面積がチームの得点となる。
つまり、三角形をどれだけ多く作るか、および、どれだけ大きな三角形を作るかを競う陣取り合戦である。

本記事執筆時点での同志社大学今出川キャンパス周辺の状況

本記事執筆時点での同志社大学今出川キャンパス周辺の状況


チェックポイント同士を結んだ線は、敵のものであれ味方のものであれ、互いに交差することはできない。だから、いかに効率よく線を引くかよく考えなくてはならない。味方にとってはより大きな三角形ができるようにしなくてはならないし、敵の三角形を妨害するような線も有益だ。頭脳プレイと言えば、頭脳プレイ。

また、チェックポイントの現地に行かなくてはならないので、内弁慶で怠惰な生活を改善することができる。僕はシャア専用東海道五十三次走破自転車を2年ぶりくらいに起動して、あちこち走り回っている。おかげで少々シェイプアップできた。でかい三角形を作ろうと思えば遠くまで出かけなければならないので、体力勝負といえば体力勝負。

そんなわけで、知力、体力、時の運(?)が必要となるゲームなのである。

【あさりん】
あさりんという人は、関西の某大学にお勤めの学者さん。専門は社会心理学。当方の同業者であるわけだが、僕の二歩も三歩も先に行っている人なので、ぜひ爪の垢を飲ませていただきたい。

彼女と知り合ったきっかけは、実は僕はよー覚えていないのだけれど、確か彼女の言によればネット繋がりなのだという。15年以上前、僕が研究室のWEBサーバーの管理をしている時のことで、彼女も自身の講座のWEB管理をしており、当時は研究室のWEBページそのものも珍しく、「珍しい仲間」としてあれこれやりとりをしたのだとか、しなかったのだとか。よー覚えてないけど。

そういう出会いのせいか、いまだに彼女と面と向かって話をするのは、恥ずかしいやら照れくさいやら。1年間に直接口を聞く量は、ネットを介してやりとりする量の1%にも満たないじゃないかと思ったり、思わなかったり。

そんな僕たちは、9月上旬に行われた日本心理学会第78回大会で数カ月ぶりに会った。たまたま朝に同じ地下鉄に乗り合わせ(そのことも互いにtwitterで知ったほどのネット弁慶ぶり)、彼女が評判のパン屋に寄って行くとのことなので同行させてもらった(視力が8.0くらいある人なら、下の写真のガラス戸の向こうにあさりんの姿が見えるだろう)。


パンを購入した後、同志社女子大学の横を通りながら「華やかそうでいいねぇ」とオヤジ的な会話をしたり、高校球児たちの部活動について「最近の高校生は根性があるのか、無いのか?」みたいなオヤジ的な会話をしたりしながら、学会会場である同志社大学今出川キャンパスへ向かった。


【木公、あさりんにINGRESSの話をする】
やっと本題である。

同志社大のキャンパスに入ると、「良心」と書かれたとても大きな石碑があった。僕は「そんなありふれた言葉を何故これ見よがしに掲示するのだ?」と思った。また、僕たちの参加する学会のメイン会場は良心館という建物だった。ここにも「良心」。


それから、これは後述するが、その石碑にもう一つ思うところがあった。

それで、あさりんに「これは何の意味があるんでしょうね?」と聞いてみた。彼女は当方の最愛の山瀬まみが生きてきたのと同じだけの年月を関西で暮らした上、今は同志社大学のライバル校の一つである私大(同志社はライバルだと思ってない可能性もあるかもしらんが、よ~知らん)に勤めているのだから、当然敵対校のこともよく知っているだろうと思ったのだ。

しかし、彼女の返事は「知らん」という期待はずれのものだった。

会話の接穂を失いかけたので、僕はしばらく前から遊んでいるINGRESSの話を絡めて、「良心」が気になる理由を説明した。

当方の自宅近所にある同志社大学の学研都市キャンパスにも「良心」と書かれた石碑のあることを僕は知っていた。それというのも、その石碑がINGRESSのチェックポイントになっていて、訪れたことがあったからだ。
(なお、ここはいわゆる「敷地外から腕を伸ばすとギリギリ届く」系のポータルです。いやはや)

緑のポータルだったけれど、この記事を書く目的のために奪ってきた。マジすまん。

緑のポータルだったけれど、この記事を書く目的のために奪ってきた。マジすまん。



良心館という建物があり、今出川にも学研都市にも「良心」と書かれた石碑がある。普通の人なら、これは何事か?と思うはずである。少なくとも僕は、何事か?と思った。
その「何事か?感」をあさりんに伝えるにあたり、INGRESSというゲームとそのプレイ中に見知った石碑のことを話した次第。

その時のあさりんのINGRESSに対する反応は「ふーん」程度のものだった。その表情からは「アンタ、そんなことに現を抜かしてないで、研究しなさいよ」と内心思っているっぽいことが読み取れた。30分もしたら「INGRESS」というゲームの名前も頭から抜け落ちそうに思えた。


【その後】
ところが、その日に僕がtwitterでチラチラとINGRESSのことを書いていたら(決して彼女に向けたものではなかった)、何が彼女の琴線に触れたのか、すぐにインストールして試遊してみたようだ。そして、それほど時間がかからずに、INGRESSの「社会心理的面白さ」を発見したらしい。

無理やり同志社に結びつければ、ほんの小さなきっかけで人が「良心」を失ってしまう様が彼女には面白かったようだ。
昨日まで普通に何のかかわり合いもなかった人たちが、INGRESSでほとんど何も特別な意味もない「青チーム」と「緑チーム」にいったん分かれてしまうと、相手チームを人でなしだと思うようになってしまうし、やっつけてやろうという気になる(程度の差はあるだろうけれど)。チーム分けがなければ、そんな気は起こさなかっただろうに。

無意味でほんの些細なチーム分けが、両チームに深い溝を生み出すということのデモンストレーションは社会心理学が古くから取り組んできたテーマの一つだ(「最小条件集団」でggrks)。どーでもいいような基準で分けられた集団が互いにいがみ合うのだから、どーでもよくない基準(民族だとか国家だとか、その他もろもろ)だともっとエスカレートするだろう、と。

教科書には定番として載ってる研究なのだけれど、なかなか実体験することはない。INGRESSで青チームと緑チームに分かれただけでいがみ合うという経験が彼女には新鮮だったらしい。
さらに言えば、そういう知識がちゃんとあるにもかかわらず、彼女自身が敵を憎みそうになったとかなんとか。いやはや。


それから、あとで調べたら、同志社が「良心」を猛プッシュする理由も分かりました。創始者である新島襄(去年はオダギリジョーが演ってた)の教育方針の根幹らしいです(『良心教育と教育理念』)。
僕自身、INGRESSやってなかったらそんなことを調べようとは思わなかっただろうし、調べたおかげでちょっと雑学が増えて嬉しい。

ついでに言えば、僕が紹介したのに、あさりんはわざわざ僕と違うチームを選びやがった。これはムカつく。いじめるしかない。そんなわけで、彼女の家のある地域に出向いた(車で1時間くらい)。
そしたら、彼女の住んでいる市には古くからマスコット(今風に言えば ゆるキャラ)のあることがわかった。街のあちこちに配置されていて、それらがINGRESSのチェックポイントになっていた。またしても変な知識が増えて楽しかった(なお、チェックポイントはプレイヤー自身が申請して作ります)。

普通の観光旅行とは違った観点でその土地の特徴を知ることができるのもINGRESSの楽しみ方一つだと思っている次第。


【まとめ】
これからINGRESSを始めようと思う人は、AndroidならこちらiPhoneならこちら

やり方の説明は、今日日いろいろあると思いますが、僕はIngressクイックリファレンスというページが過不足なくまとまっていると思います。

いろいろありますが、最低限覚えて置かなければならないことは、俺は青チームだ、ということです。察してください。

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コメント (2)

  1. 確かに話を聞いたときは「ふ~ん」としか思わなかった.ただどうやら近所に面白いところがあるらしいと聞いたのと,木公君の趣味を考えれば私にも向いてそうだなと思ったのかな.ともあれありがとう.

  2. あの激戦区はマジ熱かったです。敵とタイマン(わんこレゾ)はったことは何度かありましたけど、すぐそばに3-4人いたというのは初めて経験しました。そのうちのひとりは、あやたんだったケドー。

    ともあれ、一緒に遊んでくれてありがとうございます。

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