NHK『マッサン』第5回

大学生から大学院生の頃のあだ名は「まつ」もしくは「まっつ」だった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の第5回めの放送を見ましたよ。

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第1週『鬼の目にも涙』

親戚たちが集まった法事で、エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)はみなに受け入れられた。しかし、早苗(泉ピン子)だけは苦々しく思っていた。

翌日、早苗は政春(玉山鉄二)とエリーを自室に呼び出した。そして、エリーは政春の嫁として相応しくないと再び言うのだった。亀山家の跡継ぎの嫁は、作法と品格を備えた日本人でなければならないと言うのだ。たとえば、エリーは政春の名を呼び捨てにしている。外国ではそれが常識であっても、日本の嫁がすることではないとあげつらった。

それでも折れない政春を見て、早苗は最大の妥協案を提案した。それは、政春は別途日本人の正妻を迎えて、エリーを妾にするというものだった。

政春は激怒した。勘当を覚悟で家を出ることにした。すぐに大阪へ出て、世話になっている酒造会社に行くことを決めた。
エリーは、政春が家族との縁が切れることに反対した。政春が実家の家族をどれだけ愛しているかをよく知っていたのだ。政春にとって大切な人を失うことはよくないことだと助言した。しかし、怒り心頭の政春は聞く耳を持たなかった。

ただし、政春にも一つだけ心残りがあった。それは父・政志(前田吟)である。
帰国してから一度だけ父とふたりきりで話す機会があり、エリーとの結婚とウィスキー造りのことを話した。しかし、父はそれらに対して何も言ってくれなかった。きっぱりと否定されたわけではなく、黙認されたと解釈はできたが、政春にはどうもスッキリしないのだ。

父・政志は、法事が終わるや、すぐに酒蔵で一人黙々と仕事をしていた。政春は、そこへウィスキーを携えて話に行った。政志は生まれて初めて飲むウィスキーに眉を潜めた。焦げ臭く感じ、美味さがさっぱりわからなかったのである。
それでも、政春がそれに情熱を傾けていることは理解していた。エリーへの愛情も理解していた。不器用な政志は、政春が喜ぶような言い方でそれを表現することができなかった。

一応の承認を得た政春は立ち去ろうとした。政志はその背中に声をかけ、相撲を取ろうと言った。政春はそれに応じた。
政春が小さな頃からよくふたりで相撲を取っていたが、政春は一度も勝ったことがなかった。それは今日も同じだった。政春は父に投げ飛ばされてばかりである。それでも、政春は何度も父に挑みかかった。そうするうちに、ふたりの力が拮抗した。

組み合いながら、父は政春に語りかけた。
自分が尻拭いをするから、政春はやりたいことに挑戦しろというのだ。日本で初めてウィスキーを作るという夢を実現することを応援した。ただし、泣き言を言うくらいなら全てを諦めろと突き放した。

その言葉に、政春は発奮した。美味いウィスキーを作って父に飲ませると約束し、その言葉とともに初めて政志を投げ飛ばした。
政志は自分が相撲で負けたことをとても喜んだ。

エリーは一人で箸の練習をしていた。法事で煮豆を摘むことに失敗し恥をかいたからだ。日本人として認められるためには、箸が使えなくてはならないと考えたのだ。
そこへ早苗がやって来た。早苗は、エリーに手本を見せてくれた。いつもと違う柔和な態度だった。

しかし、早苗の態度と発言内容は全く別だった。
早苗は、深々と頭を下げ、これまでエリーが聞いたことのない丁寧な口調で「あの子の将来を考えるなら、国へ帰ってください」と言うのだった。

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