ギター発表会だん

昨年の5月からギター教室に通いはじめ、本日ついに発表会デビューしてきた。
結論を端的に述べると、演奏はグダグダで大失敗。
しかし、不特定多数の人の前で演奏するのは得も言えぬ快感だった。映画『セーラー服と機関銃』の薬師丸ひろ子みたいな感じといったところか。

演奏した曲は『タッチ』(作曲: 芹澤廣明、作詞: 康珍化)。
これはギター講師に指定されたわけではなく、自ら志願して演奏することにした。

何人かの人には『タッチ』を演奏することを打ち明けていたのだが、みなから異口同音に「なんで『タッチ』?」と聞かれた。
理由はふたつある。ひとつには、漫画およびアニメの『タッチ』(原作: あだち充)が大好きだからである。僕の青春時代のバイブルだからだ。予備校時代には、「上杉達也」という偽名で某予備校の北大模試を受けに行ったこともある(友達には「上杉和也」という偽名で受けさせた。仲良しの女の子には「朝倉南」で受験するように勧めたのだが、彼女は締め切りを失念していて申し込みできなかった。達也は当時の成績優秀者リストにも載った)。

もう一つの理由は、『タッチ』には印象的なエレキギターのフレーズがあるからだ。
みんなは言われなければすっかり忘れているかもしれないけれど、誰でも一度は聞いたことがあるだろうイントロがまさにエレキギターで演奏されているのだ。

参考のため、僕が演奏したものを挙げておく。

上の試奏ではMIDIで作ったリズムパターンに合わせているけれど、本番では市販のCD音源に合わせて演奏した。岩崎良美の歌はもちろん、元々のギターの音も入っているものだ。明らかに上手なCD音源のギターに被せられる、当方の無様なミスタッチ&リズムぐだぐだの演奏たるやひどいものだった。
思い出すだけで赤面してしまうボクだけれど、もっとかわいそうなのはそれを無理やり聞かされているお客さんだ。

会場には20人くらいがいた。僕の通っているギター教室は、エレキギター以外にありとあらゆる楽器や声楽のコースがある。それらの生徒たちが今日集まって、それぞれ成果を発表していた。生徒の家族も聞きに来ているのでそれなりの人数だったのだ(なお発表者が多いので会場は2つに分けられており、別会場にはこちらの倍くらいの人が入っていたようだ)。

僕は序盤からしくじってしまった。そもそも僕なんかに期待する人なんていなかっただろうが、ここにいる20人を残念な気持ちにさせるのは心苦しかった。
演奏はダメダメだけれど、エンターテイメントとしては楽しんでもらえるようにしようと方針を切り替えた。
自棄になることにした。

そもそも手元もおぼつかない僕だけれど、楽器には目を向けず、お客さんたちひとりひとりに視線を送りながら演奏することにした。
そうすると当然ミスも増えていくわけだけれど、そのたびにお客さんに満面の笑みを送ることにした。
さらには、ド素人のくせに一流のロックミュージシャンのように体を揺らしながら演奏することにした。

すると、何人かの人がニコニコと笑い返しながら聞いてくれるようになった。軽く首を降ってリズムもとってくれるようになった(もっともこれは、僕の演奏ではなくCDのリズムに合わせていたんだろうけれど)。お客さんの心を掴んだようで嬉しかった。
後からわかったことだけれど、そうやってノッてくれたお客さんは僕とは別の店舗でギター講師をやっている人だったようだ。生徒を「褒めて伸ばす」ということをよくわかっている人なんだろうなあ。僕を担当している講師もいい人だけれど、彼もきっといい人に違いない。
演奏後、彼に「盛り上げてくださってありがとうございます」と挨拶に行ったら、目を逸らしながら苦笑いされたけど。

さらにヤケになった当方は、最後のサビでマイクもなしに「♪お願い タッチ タッチ ここにタッチ」とがなりたてながら演奏した。
今までは歌いながら演奏するなんて難しくてできなかったんだけれど、こういうのを火事場の馬鹿力とでも言うのだろうか、それなりにできちゃった(上手い下手は別として)。
「一緒に歌って!」と煽ったんだけれど、誰も歌ってくれなかったがな。

とにかく、反省点は多かったけれど、とにかく楽しかった。
失敗したことにヘコむどころか、よりいっそう精進して、次回はみんなを見返そうと強く決意した次第であります。

ご清聴ありがとうございました。

【補足】
お一人、一般参加(生徒ではない人でも参加できる)でテルミンを演奏している方がいた。10年以上やってるそうです。
テルミンの存在は知っていたけれど、演奏しているのを見るのは初めてで、すごく面白かった。ジェダイ(『スター・ウォーズ』ね)のように手を動かすといろんな音が出て不思議。

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