NHK『あさが来た』第5回

今日は山瀬まみの46回めのお誕生日なので、彼女のこと以外は極力考えたくない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第5回めの放送を見ましたよ。

* * *

第1週『小さな許嫁』

大坂の嫁ぎ先に挨拶に行き落胆して帰ってきたあさ(鈴木梨央)とはつ(守殿愛生)。その夜、ふたりは自分たちの不自由な身の上を悲観し、抱き合って号泣した。

しかし翌朝、あさが目を覚ますと隣にはつの姿はなかった。
はつは何事もなかったかのように朗らかに、朝早くから家事の手伝いをしているのだ。それがはつ本来の人柄とはいえ、昨夜の本音とは全くの別人であることを不思議に思った。

あさは、母・梨江(寺島しのぶ)とふたりっきりの機会を捉え、あらたまって自分たち姉妹のことを相談した。
家をもり立てるため親の決めた相手と結婚することの重要性は理解しているし、活気ある大坂の町もたいそう気に入ったと断った上で、それでも嫁に行きたくないと訴えた。自分の道は自分で決めたいという希望を伝えた。姉・はつも同じ気持ちでいることを確認したと主張した。

しかし、母・梨江は取り合わなかった。
梨江がはつと話したところ、はつは自分が泣いたのはなんでもないと言っていたというのだ。

不利だと悟ったあさは、許嫁・新次郎(玉木宏)のことを取り沙汰した。彼は挨拶もそこそこに中座した。それは、彼が自分のようなじゃじゃ馬を気に入っていない証拠に違いない。自分も結婚したくないし、相手も望んでいないのだから、誰も得をしない愚策であると主張した。

加えて、自分は嫁に行くのではなく、学問をやりたいという希望を伝えた。
母・梨江は、口調は優しかったが、考え方は父・忠興(升毅)と同じだった。女に学問は必要がなく、ただ嫁に行くことが努めだと諭した。梨江自身も嫁に来て、子どもたちが生まれたことを幸せだと思っている。そして、それは女にしかできない大事を成し遂げたことであると話した。
女が浅知恵で商売をやっても失敗するだけである。女には女の生き方があるのだと言い含めた。
あさは納得できなかった。

ある日、家からあさの姿が消えた。
探してみると、寺小屋で男の子に混じって読書を学んでいた。
家に帰るなり、あさは父・忠興に激しく叱られた。大きな商家の娘が寺子屋で学ぶなど家の恥だと嘆いた。

あさは口答えをした。
男子には許されている学問を、なぜ女子はしてはいけないのか。女だって学問を身に付けることで、何か良いことがあるはず。加えて、なぜ女は親の決めた相手と結婚しなければならないのか。女だって自分で考えて、進むべき道や生き方を決めたい、などと訴えた。
もちろん、あさの訴えは聞き入れられることはなかった。

腹を立てたあさは、押し入れに籠城した。

それと前後して、許嫁の新次郎が訪ねてきた。
先日の顔合わせを中座した非礼を詫びに来たのだ。

新次郎の来訪に気づかないあさは、嫁になど行きたくないと叫び声をあげていた。
自分と結婚したくないという訴えを漏れ聞いた新次郎は思わず苦笑いをした。

はつは一人で押し入れに入り、あさに優しく話した。
父・忠興は厳しいだけではなく、自分たち姉妹のことも優しく考えてくれているというのだ。その証拠に、大坂から帰ってきた日に、忠興はふたりの許嫁の欠点を嘆いていたのだという。あさの許嫁の新次郎は三味線にうつつを抜かすような遊び人である。はつの許嫁の惣兵衛(柄本佑)は貧乏ゆすりばかりしていて、大きな家の主の器ではない。
はつは、ちゃんと物事を見ている父を信用し、父の決めてくれた道を進むのだと話した。

その話を聞くと、あさも少し落ち着いてきた。はつに手を引かれて押入れから出てきた。
すると、そこに新次郎を見つけた。自分が新次郎と結婚したくないと喚いたことを全て聞かれたと悟った。恥ずかしくなって、再度押し入れに隠れた。

新次郎は押し入れの外から優しく語りかけた。
子供の頃から自分の結婚相手を決められないという気持ちはよく分かる。やめたかったら、やめてよい。全てはあさの好きにすればよいと話した。自分で考えて選んだ道を信じて進むのが最も良いと後押しした。

新次郎は、ふすまを少しだけ開けて、土産の算盤を差し出した。算盤は、ふたりが初めて会った時に、あさが楽器代わりにして遊んでいたものだ。
新次郎は、振ってみろと言った。その算盤はとてもいい音を鳴らした。

新次郎は、あさがよく考えた結果、自分と結婚することに決めたなら、その時は仲良くしようと言い残して帰って行った。
その時、あさの心のなかで何かが変わった。

* * *

続きを読む