『猛虎はん』 ほりのぶゆき: 野球マンガ選集

90年代には、時代劇パロディ・マンガ『江戸むらさき特急』などがわりと売れた漫画家・ほりのぶゆき。僕の中では、吉田戦車、中崎タツヤと並ぶギャグ漫画家として位置づけられている。けれども、最近では ほりのぶゆき をあまり見かけなくなって寂しい思いをしていた。

それが、たまたま入った本屋で、かのトラジマ(もちろん、阪神タイガースの象徴だ)を輝かせつつ、ほりのぶゆきの新刊が平積みになっていたので、即買いした。

ほりのぶゆきは兵庫県出身で、幼い頃からタイガースファンだったそうだ。そんな彼が、阪神タイガースのことを愛を込めつつ揶揄したマンガが集められている。


「宇宙人形サンダース」

本書刊行にあたって書き下ろし作品として「宇宙人形サンダース」を収録。今年3月に、道頓堀から見つかったカーネル・サンダース人形をモチーフにしつつ、「宇宙戦艦ヤマト」のパロディとしてまとめてある。21世紀中盤、野球宇宙一を決めるべく、侍JAPANを率いるイチロー監督が切り札としてサンダース人形を改造して・・・という、昭和のヒーロー(時代劇、特撮、アニメ、相撲、そしてプロ野球)好きの ほりのぶゆき らしい話であった。くだらねーっちゃ、くだらないのだが、そういう緩い空気が ほりのぶゆき の持ち味だと信じる当方なので、久々の彼の作品を楽しんで読んだ次第。

なお、表紙やタイトルは阪神ファンを意識したものであるが、純粋な阪神ネタは全体の1/3程度。そのほかは、阪神にこだわらないプロ野球全体の話。ネタの時期としては、1996年と2000年代前半のもの。2000年代のネタは僕でもフォローできたのだが(球界再編-楽天誕生のあたり-とか、巨人が金で一流選手を集めまくるとかの話)、1996年頃の話(Jリーグに対する危機意識、当時の助っ人外人)はそれほどプロ野球に詳しくない当方には、よくわからなかった。

阪神ファンやプロ野球ファンの人にとって絶対購入すべき本だとは思わないが、機会があれば軽く読んでクスッと笑える本だと思われます。

コメント (2)

  1. 木公

    今、テレビニュースで知ったけれど、僕が「猛虎はん」を読んでいたころ、阪神が巨人に勝ったのか。よかった、よかった。

  2. 【読書感想文】ほりのぶゆき「猛虎はん」+なぜ阪神は勝てないのか?【感想文予告編】

    オフネタ用として取っておいた読んだ本の感想文がこれも含めて16冊分たまってしまったので、日本シリーズが始まるまでは、29日のドラフト会議関連を除き、読書感…

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