味気なかったモスバーガー: 生き方をちょっと考えた

さっき、モスバーガーで昼食を摂った。ちょうど休日の昼食時で、店内は込み合っていた。

店の入り口には「席取りはしないでください。注文後、席についてください。」と張り紙がしてあった。掲示ポスターはくたびれており、何度も着脱した跡もあった。きっと、閑散期にははがされ、混雑時になると張り出されるのだろう。店内のルールも、客の出足に応じて変わるということだろう。

単にポスターで周知するだけではなく、ルール違反をしている客に店員が注意して退去させていた。注文をするとレジで番号札を渡されるので、一目瞭然なのだ。ただし、見張り専門のスタッフがいるわけではなく、客に品物を届けるついでに注意をするというやり方である。何人か憮然とする客もいたけれど、多くの人は素直に従っていた。全体として客席の回転はうまくいっており、オーダーがそろったのに席が見つからないという人はいなかったので、おおむね平和な雰囲気ではあった。

そんな中、若い夫婦と3人の幼い子供の家族連れが、オーダー前にテーブルに着いた。子供用の椅子ももってきて、どっかりと根を下ろしている様子。夫が子供たちの面倒を見、妻が注文の列に並んだ。


彼らの席が店員からの死角になっているのだろうか、特に注意はされない。ルール違反をする他の客は退去させられているのに。僕は、なんだかアンフェアな気がしてきて、店員に告げ口をしようかと思った。僕は、さっき注文を済ませたけれど、まだ座席があかなくて、ベンチに座らされたままなんだ。妻は、僕よりも5組くらい後ろに並んでいたから、どう考えても僕が先に座席について食事をする権利があるはずだ。

しかし同時に、ほうっておいてもいいかなという気にもなってくる。僕もそうだし、他の多くの客は健康な成人たちだ。少々の時間なら、狭いベンチや通路に立たされていても我慢できる。しかし、かの夫婦が連れている子供たちはどうだろう。じっと待つことはできなさそうだし、場合によっては騒ぎ出して多くの人々に迷惑をかけるかもしれない。そうだとするなら、順序が少々前後しても、彼らには席に座っておいてもらったほうがいいかもしれない。「子は国の宝」なんて言葉もあるような、ないような気がするので、お子様たちは優遇されてもいいのかもしれない。

そんなわけで、僕は、「厳密にルールを守る」ということと「事情を勘案して特例を認める」ということとの狭間で、どっちがどうなんだろうかと、モスチーズバーガー with ハラペーニョソース(スパイシーモス・シリーズがなくなって、辛いソースが別売りになったのだ)を食べながら悶々としてしまった。おかげで、全然辛くなかった。次回は、ハラペーニョソースをダブルで入れてみようと思った。


結局僕は、4人がけの席に1人で案内された。待っている人たちを見ると、2人連れという人も少なくなかった。たとえば、そういう人と僕とが相席をすれば、混雑緩和に貢献できそうだった。

店員さんに「希望する人がいれば、僕は相席でもかまいませんよ」と言えればどんなによかったか。けれども僕は、その一言が言えなかった。いい人ぶってると思われるのも癪だし、相席にさせられた人を気詰まりさせて、飯をまずく感じさせるのもかわいそうだし。

ていうか、もしかしたら店員は僕のことを「いいヤツぶりやがって」と思わないかもしれないし、相席になった人も気まずい思いなんてしないのかもしれない。けれども、そういう風に思われるんじゃないかとビクビクして、正しい(と思われる)行為を実行できないなんて、自分がなんて情けないヤツなんだと、ちょっと涙が出そうになった。

特に社会批判をしたいわけでも、古きよき人間関係を礼賛したいわけでも、人の生き方にとやかく言うつもりもないのだが、今日はなんだか悔しい感じ。

コメント (2)

  1. 大彦

    > スパイシーモス・シリーズがなくなって、辛いソースが別売りになったのだ

    そうそう、昨日行って気づいた。わざわざソースかけるの面倒くさいっすよ、これ。ちゃんとスパイシーモスシリーズ復活させてほしいっす。

    3人幼子連れてたらたぶん相当たいへんなので、認めてやってください。うちは1人でもたいへんっすよ。この3人の幼子は将来われわれの年金を払ってくれるのだし。

  2. 木公

    将来の年金うんぬんの話を抜きにしても、子供たちを優遇することに僕は賛成なのだ。

    問題は、わが子は優遇されて当然だと思う親(が、世の中にいるとすれば)には、ちょっと反感を持ってしまうんだろうな、僕は。話にはよく聞くじゃない、モンスター・ペアレントとか言われている人。

    今回、僕が目撃した親がそういう意識を持っていた人たちなのか、たまたまルールに気づかなかった人たちなのか判らないから、彼らについてはもうどーでもいいんだけど。

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