寒いのが大嫌いなので、今年は暖冬らしいと聞いてちょっと嬉しい当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第23回めの放送を見ましたよ。
1937年(昭和12年)、鈴子(趣里)が香川で自身の出生の秘密を知ってから3年が経った。日本軍が南京を陥落させ、世間は高揚感に包まれていた。
梅丸少女歌劇団(USK)は鈴子たちの代が中心となっていて、ますます人気を集めていた。
公演の最大の見せ場は、鈴子のソロ歌唱とそれに続く秋山美月(伊原六花)のタップダンスだった。特に、秋山三月がリリー白川(清水くるみ)とペアで踊る箇所は観客の喝采を浴び、世間でも評判だった。記者たちの取材でも、秋山とリリーが頻繁に取り上げられた。
鈴子は、モヤモヤとした思いを抱いていた。
自分は、秋山美月の引き立て役に甘んじているのではないかと思われたからだ。秋山美月のことを激しくライバル視していた同期の桜庭和希(片山友希)も、近頃は角が取れた。あくまで鈴子の歌を認めた上で、劇団内ではそれぞれに役割があるのだから、それを担うことが大事だなどと話した。
鈴子はどうにも納得できなかった。自分は秋山美月より目立ちたいわけではないし、今の役割に不満があるわけでもなかった。しかし、自分が何に思い悩んでいるのかもわからなかった。
同時に、鈴子は自分の出生のこともずっと気になっていた。自分がそれを知ってしまったことは両親(柳葉敏郎、水川あさみ)には黙り通していた。母・ツヤは、香川から帰ってきてから鈴子の様子のおかしいことに薄々気づいていた。しかし、何ら手は打てなかったし、父・梅吉には考えすぎだと言われて笑われるだけだった。
当時、ラジオでは茨田りつ子(菊地凛子)の『別れのブルース』がよく流れていた。銭湯に集まる客たちは辛気臭い歌だと言って敬遠していたが、鈴子はその歌声に何か感じるものがあった。険しい表情で写っている茨田りつ子の写真にも何か惹かれるものがあった。
その頃、鈴子の憧れだった大和礼子(蒼井優)が夫婦で公演を見に来てくれた。元ピアノ担当の股野義夫(森永悠希)の泣き落としによるプロポーズを受け入れ結婚し、ふたりでダンスとピアノの教室を営んでいるのだという。現在、礼子は妊娠中で、翌月に出産予定だという。
大和礼子は、公演での鈴子の歌を褒めてくれた。以前の礼子の見立て通り、鈴子の歌が大きな武器になったと話した。
そう言われても、鈴子は浮かない顔をした。それを見た礼子は、鈴子が秋山美月に負けていると思っているのだろうと言い当てた。礼子によれば、秋山も同様に鈴子に負けているような気がしているという。劇団員同士で切磋琢磨しているのが羨ましいなどと話した。
そして礼子は、鈴子が今の自分に物足りなくなったのだろうと看破した。現状に甘んじるのではなくより高みを目指しているのだが、その方法のわからないことが問題なのだろうと指摘した。礼子は自分の妊娠を引き合いに出し、子どもが生まれたら自分の何かが変わる予感がしていると話した。夫・義夫も妊娠がわかってからピアノの音が柔らかくなった。それと同じように、生活の変化が歌や踊りに表れるだろうと助言した。
翌日から、鈴子は自分を変えようと試行錯誤を始めた。2cmも3cmもあるようなつけまつ毛を取り入れるなど、周りの団員から笑われながらも挑戦を始めた。
梅丸東京支社から視察団がやって来た。
その一団には、演出家の松永大星(新納慎也)が含まれていた。彼は松永財閥の御曹司であり、パリやロンドンに留学経験もある西欧かぶれの男だった。
もう二度と出てこないと思っていた大和礼子(蒼井優)が出てきて小躍りしました。蒼井優さん好きー。
そして、クセのありそうな新キャラ・松永大星(新納慎也)が出てきたり、茨田りつ子(菊地凛子)の歌がヒットしていたり、鈴子(趣里)が自分の身の振り方に悩み始めたりと、ここらで話が大きく動きそうな感じです。おまけに、戦争がきな臭くなってきたり。