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いまさら,初恋 / 山下勝利

Blog のネタにしようと思い,GEOの古本を漁り,山下勝利「いまさら,初恋」を入手.

20の短編が集められている.全ての短編に共通する主題がある.
“平凡な家庭があり平穏な生活を送っている中年が,思いがけず初恋の相手に再会し,一時の間,思い出と情熱に燃える” というもの.

2-3拾い読みする分には楽しめるのですが,10編も続けて読むと,さすがに食傷気味になった.
あと,どの話も,途中で「主人公の背景説明」に関する1パラグラフがお約束で出てくるのも,いささかわざとらしくて目に付く.

個人的な趣味として,「ちょっと火遊びしてみたい男(女)ココロ」っつーのにヘドが出そうになるってのもあってイヤになってきた.
ただ,「初恋の淡い思い出を語る」パートは,心地よく読んでいる自分がいるけれど.

さらに,巻末に掲載されている阿川佐和子の「初恋にバイバイ」を読んで,「ちょっと,不思議な縁があるなぁ」と思った・・・


阿川佐和子の「初恋にバイバイ」に以下のような記述がある.

男と女を比べると,男のほうがはるかにロマンチストなのだそうだ.男側の論である.・・・(中略)・・・ たしかに女は現実的で,短い距離でしかものを見ることができない.一方,男は通り将来に夢を託し,古き良き時代に思いを馳せる能力にたけている.
(「初恋にバイバイ」阿川佐和子)

実は,これに似た意見に最近2度触れた.

一つは,知人(♀)がメールに書いていたこと.
私信メールを公表するなんてルール違反だけれど,書き手を特定できないし,多分迷惑もかからないし,この内容に関して著作権を主張するような人でもないので,いいでしょう.

いやあ、他に目がいくと,それ以外の人のことはほんとうにあっさりさっぱりきっぱりどうでもよくなりますねえ.これって,女の子にはよくあることなんだけど,男の子もそうなんだねえ.
結構,男の子って,情がうつって,気持ちの切り替えがうまくいかない人が多いと思うんだけどね.

阿川佐和子は「男側の論」と言っていたが,知人の「女性の論」でもあったわけだ.

さらに,直接お会いしたことも,意見を交換したこともない,僕が一方的に存じ上げているある女性は「立ち直りの早い男」という文章を書いている.

「女は立直りが早い」。

通説である。

フラれてもすぐ復活してくるのが女で、いつまでも引きずるのが男だと言う。 それを称して、女の強さだとか、男の純情だとか呼んだりする。
(続きは,http://d.hatena.ne.jp/tsubuyaki_koeda/20040809で読め.『こへだのつぶやき』より)

2週間くらいの間で,立て続けにこういう意見に触れた.
そういうもんかもしれないし,そうなのかなぁといぶかしんでみたりもしている.

つーか,つーか.
本当は,この上の文章の90%くらいは,ある意味どうでもいい「前置き」なわけで.^^;
今回,一番言いたいことは「『こへだのつぶやき』がすげぇ面白い」って事だったりするわけです.

実は,このblogは「その場のノリと雰囲気で,後先考えずに本能のままに書き上げて」いるわけだが,唯一,下書きをして「う~ん,公開していいのかなぁ,やめておこうかなぁ」と悩んだ記事があるのです.それが,『こへだのつぶやき』を紹介する記事.
悩んだんだけれど,今回,ドサクサにまぎれて紹介してしまう.

彼女のblogは,ソーシャル・ネットワーク・サービスで知った.非常に懇意にしてもらっている知人のお友達(仮名:東京のアニキ)をたどってヒット.
文章の切り口が鋭くて,テンポが良くて,嫌味のないユーモアが満載で,上品な文章です.
お会いしたこともないし,どんな顔の人なのかもわからないのですが,この夏ノックアウトされてしまいました.

なんで今まで紹介するのをはばかっていたかというと,こんな掃き溜めみたいなblogから紹介するのは,なんだかイケナイ事なのではないかと,妙に意識してしまったり.
そう,まるで,初恋の女の子に声をかけるのが,はばかられてしまうような,そんな気持ちだったわけです.
勇気を出して初めての告白の気分で,ネタにしちゃいました.

ところで,東京のアニキ とひじょうに仲がヨサゲなのを見て,激しく嫉妬してみたり.くっそー,妻帯者のクセに.

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