NHK『おむすび』第4回

「俺が見なけりゃ誰が見る!?」の精神である当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』の第4回めの放送を見ましたよ。

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第1週『おむすびとギャル』

街で結(橋本環奈)を見つけたハギャレン(博多ギャル連合)のメンバーたち(みりちゃむ谷藤海咲岡本夏美田村芽実)は、結の加入を説得するため強引にゲームセンターの中に引っ張り込んだ。
その様子を見ていた客は、結がカツアゲに遭っていると思い込んで警官を呼んだ。

駆けつけた警官に対して、ハギャレンのメンバーたちは単に話し合いをしていただけで恐喝や暴力を振るっていたわけではないと説明した。結もそれを否定しなかった。ハギャレンのメンバーは結を解放して立ち去ることでそれ以上の騒ぎや問題にはならなかった。
警官を呼んだ男性客はハギャレンたちへの不快感を隠そうとせず、彼女たちのことを「クズ」と呼んだ。

結が帰宅すると、家族は出荷用野菜の仕分けをしていた。
結は、規格外として選り分けられる野菜に納得がいかなかった。見た目が少々悪いだけで、味には全く問題がないのに出荷されないからだ。父・聖人(北村有起哉)は、見た目が悪かったらそれだけで「クズ」なのだと説明した。
「クズ」という言葉を聞いて、結は一瞬だけハギャレンのことを思い出した。彼女たちもその姿から「クズ」と呼ばれている。

書道部に入るつもりだった結だったが、その気がすっかり萎えてしまっていた。部員たちに誘われて見学した展覧会の書が全く理解できず楽しいと思えなかったからだ。学校で書道部の恵美(中村守里)に会ったので打ち明けようとした。
ところが、恵美は結の話を遮り、すぐに部室に来て欲しいという。それというもの、風見先輩(松本怜生)が結に話があるというのだ。風見の名が出るや否や、結は自分の決意を忘れ、部室へ急いで向かった。

風見は、結が何も言わないうちに、結が入部を取り止めようとしていると言い当てた。結が見学した展覧会は初心者には難しすぎるものだった。自分が一緒に行っていれば解説してやったところだが、それは叶わなかった。代わりに他の部員たちが説明してやるべきだったのに、誰もそれをしなかったと聞いている。書道に嫌気がさすのも当然だと話した。
しかし、それで書道を諦めてほしくないと述べた。自分が書道の楽しさを結に教えてやるというのだ。次は、初心者でも楽しめる展覧会に風見自らが連れていくと約束した。他の部員たちは堅物だから、かれらには内緒で行こうというのだ。
結はすっかりほだされてしまった。入部取りやめは保留にした。学校からの帰り道でも、風見のことを思い出すと自然と笑みが浮かぶのだった。

せっかく気分よく帰っていた道中、結はまたしてもハギャレンに出くわした。どうやらそれは、結の帰りを待ち伏せていたかのようだった。結は頭に血が登った。
ギャルの鈴音も初めから喧嘩腰だった。天神のゲームセンターで結がハギャレンたちのことを「しょうもない」と言ったことに腹を立てているのだ。自分たちが真剣に取り組んでいることをバカにされたと食ってかかってきた。結も激しい口調で言い返した。ハギャレンはだらだらと集まってくだらない話ばかりしている。悩みもなく楽しんでばかりだ。自分はそれとは違うと吐き捨てた。
リーダーの瑠梨は穏やかな様子で話しを継いだ。自分たちの居場所は他にない、だからこのグループを守りたいのだと述べた。結にも参加してもらって、一緒に楽しくやりたいのだと言う。

結は爆発した。嫌がっている自分に付きまとっているようでは、本当のクズになると吐き捨てた。自分はギャルも、カリスマギャルだった姉・歩(仲里依紗)のことも大嫌いだとはっきり述べた。二度と近づくなと言ってその場を去った。

家に帰り着くと、今度は父・聖人と祖父・永吉(松平健)が言い争いをしていた。祖父・永吉が廃棄処分の野菜を売りにいくと言っているのだ。一方の聖人は、どうせたいした金にならないのだから労力の無駄だし、タダで近所に配った方がよほど喜ばれると主張している。
永吉はまったく聞く耳を持たないばかりか、聖人は農家の人間ではないと罵倒した。

結は、永吉に命じられるまま、軽トラックに規格外野菜を乗せて商店街へ向かった。
商店街の路上で、永吉は面白おかしい口上を述べながら野菜を売り始めた。その快活な売り文句がウケて、たちまち人だかりができた。さらに、結に売り物を客の前で食べるように命じた。事前に打ち合わせていなかったことなので戸惑いつつも結はトマトを頬張った。自慢のトマトは美味しく、結は自然に良い顔になった。その様子が客の購買意欲を誘った。

野菜を売り終えると、永吉は結をつれて行きつけのスナックに来た。
結は、永吉はほとんど野菜をタダ同然で売ってしまったので、ほとんど儲けがなかったと話した。しかし、永吉はそれで良いのだと言う。精魂込めて作った作物は、たとえ1円ででも誰かに買ってもらえれば、それで立派な商品となり報われる。見た目が悪くても「クズ」などというものはこの世にないのだと話した。

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NHK『おむすび』第3回

今日は我が最愛の山瀬まみの誕生日を祝福するため、ネガティブなことを言ったり書いたりしないように心がけている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』の第3回めの放送を見ましたよ。

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第1週『おむすびとギャル』

結(橋本環奈)は、クラスメイトで書道部の恵美(中村守里)に連れられて部室にやって来た。

そこで結は、書道部の先輩・風見(松本怜生)に出会った。結は書道には全くの不案内であったが、彼が高校生離れした腕前を持っていることはすぐに分かった。しかも、彼はハンサムな上に性格も優しそうだった。結は一目で彼のことを気に入ってしまった。

結は風見に勧められるまま、筆で自分の名前を書いた。それは明らかに不格好で、結は恥ずかしくなった。しかし風見はケチをつけなかった。
それどころか、結の書から、結が何かを自分の中に押さえ込んでいると評した。彼は字をみるとその人の気持ちがわかるのだという。また、書道の目的は上手な字を書くだけではなく、自分自身と向き合うことだと述べた。結は書道によって自身の悩みを解消できるかもしれないし、風見本人がその手助けをすると言ってくれた。

風見の言葉は結にとって図星であり、とても驚いた。ハンサムな風見に教えてもらえる上、自分の悩みが晴れるなら書道を始めるのも悪くないと思った。しかし、その場では入部を即答せず、もう少し考えることにした。

恵美との帰り道、次の日曜日に福岡市の天神に行くことを誘われた。書道の展覧会が開催されているので、一緒に見学に行こうというのだ。乗り気のしない結であったが、恵美の「先輩も来る」の一言で気持ちが変わった。彼に会えるのが楽しみで、展覧会の誘いを受けた。

結が機嫌よく帰宅すると、農家である家族が慌ただしく畑に出ようとしていた。この後天気が変わって大荒れになりそうだから、急いで作物にシートをかけなければならないという。結も急いで作業着に着替え、手伝うことにした。

無事に作業を終え、風呂や食事を済ませた結は自室で書道部への入部について今一度考え始めた。風見の指導を受けることを想像するだけで胸が弾むのだ。その一方で、家業のことが心配になった。家族総出で農業を行っている中で、結は自分も貴重な労働力だと自認していた。部活動で帰宅が遅くなると家の手伝いをする時間が減ってしまう。ましてや、今日のように突発的な作業にも対応できなくなる。結の考えは堂々巡りになってしまった。

そこへ母・愛子(麻生久美子)が覗きに来た。帰宅した時に上機嫌だった結の様子を見て、何があったのか聞きに来たのだ。
結は、書道部への入部を迷っていることを話した。素敵な先輩がいてとても楽しそうな反面、家の手伝いができなくなる心配があると話した。
加えて、楽しいものはいつか無くなってしまうのではないかという不安があると話した。話しながら結の頭の中には、幼い頃に楽しく暮らしていた家が倒壊した風景を思い出していた。

愛子は結が心に浮かべていることを察した。しかし、楽しいことがなくなる心配などないと明るく話した。
さらに、家の手伝いのせいでやりたいことを諦めるとするなら、それは愛子にとって寂しいことだと説いた。結にはやりたいことをやって欲しいというのだ。
それで結は書道部への入部を決めた。

日曜日になった。結はワクワクしながら福岡市の天神へ向かった。
しかし、そこに風見の姿はなかった。代わりに、書道部の先輩が数人いた。確かに笑みは「先輩も来る」とは言っていたが、「風見先輩」とは言っていなかったのだ。結はがっかりした。
展覧会の書を見て、結にはさっぱり理解できなかった。どれもミミズが這っているようにしか見えず、何が書いてあるのかわからなかった。書道部に入部したことを後悔し始めた。

その日は、市内で複数の展覧会が行われているという。みんなは次の展覧会へ向かうというが、結はそれ以上付き合う気になれなかった。家の手伝いがあると口実を述べて帰宅することにした。

別れ際、ゲームセンターの前に派手な格好をしたギャルたちのたむろしているのが見えた。古風で地味な嗜好性である書道部の先輩たちは、ギャルたちを見て口々に悪態をついた。そのギャルたちは、いつか結に絡んできたハギャレン(博多ギャル連合)のメンバーたちだった。結は彼女たちに再度絡まれないよう、そして彼女らと顔見知りであることを書道部の先輩たちに知られたくなくてコソコソ隠れるようにした。

書道部員たちと別れ、帰宅しようと歩き始めた時、道の向こうから結のクラスメイトでハギャレンのメンバーでもある理沙(田村芽実)がやって来た。隠れる間もなく理沙に見つかり、結はハギャレンたちに捕まえられてゲームセンターの中に引っ張り込まれた。

リーダーの瑠梨(みりちゃむ)は、あらためて結にハギャレンに加入するよう頼んだ。ハギャレンの創始者であり、伝説のギャルである歩(仲里依紗)の妹である結にどうしても助けて欲しいのだという。
瑠梨は歩のことを尊敬し、彼女のようになりたかったのだと話した。それというのも、自分が小さい時にゲームセンターで不良少女に絡まれていたところを歩に助けてもらったことがあるからだ。その日から歩に憧れ続け現在に至るという。

瑠梨の身の上話をひとしきり聞かされて辟易した結は、思わず「しょうもな」と口に出していってしまった。もちろんその一言は瑠梨を刺激するのに十分だった。
ハギャレンと結との間で一触即発の危機となった。

そこへ、警察官がやってきた。
結がギャルたちに捕まって引っ張り込まれるのを見ていた他の客が通報したのだ。

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NHK『おむすび』第2回

我が最愛の山瀬まみは毎週火曜日『BAYFM it!!』に出演していて、そのラジオ放送の中でちょくちょくグルメドラマの話題になるわけだけれど、メインパーソナリティの春原佑紀から「次の朝ドラはヒロインが栄養士になる」と聞かされたものの、「あー、朝は無理だ」と一蹴した山瀬の声を聞いて、そうか山瀬は朝に弱いのかと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』の第2回めの放送を見ましたよ。

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第1週『おむすびとギャル』

結(橋本環奈)は4人組のギャルに絡まれた。
その中には結のクラスメイトの理沙(田村芽実)がいた。彼女は、結が伝説のギャル・アユ(仲里依紗)の妹だと知り、仲間に伝えたからだ。

ギャルたちのリーダー格・瑠梨(みりちゃむ)は、結が仲間になるように誘った。ハギャレンこと博多ギャル連合の総代になって欲しいと言うのだ。
ハギャレンは結の姉・アユが立ち上げ、往時には100人を超える巨大組織だった。しかしアユが去ったのち、みるみる勢いが削がれ、今ではたった4人になってしまったのだ。伝説のアユの妹である結が率いれば勢いを取り戻すというのが瑠梨の目論見だった。

結はまったく興味が持てなかった。むしろ、ギャルを毛嫌いしていた。きっぱりと断り、逃げ去った。

翌日以降、結は通常通りに登校した。結の願いは、毎日を平穏無事に暮らし、美味しいものを食べるということだった。クラスメイトたちは、これからの高校生活を過ごす部活動の話題でもちきりだった。そんな中、結は部活動には興味を示さず、放課後はすぐに帰宅しようとしていた。

クラスメイトでギャルの理沙は、結の勧誘を諦めなかった。彼女は学校では目立たない格好をしており、結以外には本性を隠していた。ふたりだけの機会を見つけると、理沙はギャルの素晴らしさを説明した。特に彼女は90年代のギャルファッションに憧れているのだという。自作のファッションノートを見せながら生き生きと話した。
ついに、結は怒り出してしまった。

理沙を振り切って逃げる途中、同じくクラスメイトの恵美(中村守里)を見つけた。彼女は大量の和紙を抱えて校舎の中を歩いていた。
結はその荷物を運ぶのを手伝ってやることにした。困っている人を見つけたら助けろというのが、米田家の家訓なのだ。

恵美の行き先は、書道部だった。
結はそこで風見亮介(松本怜生)に出会った。大きな和紙に豪快に筆を滑らせる彼の振る舞いや、端正な顔立ちに一目惚れしてしまった。

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NHK『おむすび』第1回

前作『虎に翼』はかなりの名作だったのに3回でまとめ記事を終了してしまったことを後悔している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』の第1回めの放送を見ましたよ。

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第1週『おむすびとギャル』

2004年(平成16年)4月。
福岡県糸島市で農業を営む米田家の次女・結(橋本環奈)は高校通学の初日を迎えていた。
真新しい制服の着こなしや髪型などの調整に余念がなく、朝食を食べる時間がなくなってしまった。家で採れた新鮮な野菜と、家族が農作業の昼食とするはずだったおむすびを手に取ると、そのまま家を出て学校へ向かった。

父・聖人(北村有起哉)は結のことが心配でならなかった。すでに家を出ている長女・歩(仲里依紗)は素行不良で問題を起こしてばかりだった。結が同じようにならないかと気を揉んでいたのだ。
結も姉の悪評は知っている。自分はそうならないようにしようと思っていたし、高校では姉のことがバレないように気をつけようとしていた。

新しいクラスで隣の席になったのは宮崎恵美(中村守里)だった。彼女は、自分のカバンにつけているのと同じお守りが結のカバンについているのを見つけた。それで声をかけてきた。彼女は福岡市から引っ越してきたばかりで知り合いもおらず、不安だっと言う。しかし、結との共通点を見つけて気が紛れたと言う。こうして二人は仲良くなった。

クラスには、幼馴染の古賀陽太(菅生新樹)もいた。彼は結のことを「おむすび」と呼んでいる。フルネームが米田結であり、「米を結ぶ」からおむすびなのだと説明した。
さらに陽太は、結の姉・歩のことを恵美の前で話そうとした。引っ越してきたばかりで何も知らない彼女には知られたくないと思い、結は慌てて陽太を遮った。

しかし、結が歩の妹であることはその後すぐに知れ渡ってしまった。
クラス担任・松原(長谷川忍)が結の名前から気づき、クラス全員の前で話してしまったからだ。結の姉・歩は入学してすぐに停学処分となる学校記録を持っていると面白おかしくしゃべってしまった。結は恥ずかしくて俯くばかりだった。
その話を聞いたクラスメイトの柚木理沙(田村芽実)は、机の陰でケータイをいじり、どこかにメールを送った。

糸島市は博多から20kmほどに位置し、山と海に囲まれた自然豊かな地域である。
姉のことがクラス中に知れ渡ったことで、結は落ち込んでしまった。学校の帰り道、一人で港に寄り道し、じっと海を眺めていた。

しばらくすると、そばで子どもの鳴き声が聞こえてきた。どうやら、帽子を海に落としてしまったらしい。兄が棒切れで一生懸命取ろうとするが届かず、弟は泣き続けている。
結は後先のことを考えず、制服のまま海に飛び込んだ。小さい頃からこの海で遊んでいるので泳ぎは得意で、難なく帽子を掴むことができた。

通りがかった野球部の四ツ木翔也(佐野勇斗)も海に飛び込んだ。彼は結が海に落ちて溺れていると勘違いしたのだ。海に浮かびながら冷静に大事はないと説明する結であったが、四ツ木は結を懸命に救助しようともがくのだった。
陸に上がってもふたりの押し問答は続いた。

結が子どもに帽子を返したが、それでもその子は泣き止まなかった。母から買ってもらった大切な帽子が台無しになったことが悲しくてたまらないのだった。結はカバンからトマトを取り出した。今朝、朝食がわりに家から持ってきたものである。
「美味しいものを食べたら、悲しいことを忘れられる」と説明して、その子に食べさせようとした。

しかし、その子はトマトは嫌いだと言って泣き続けるばかりである。
結は、自分も昔はトマトが嫌いだったと話した。しかし、自分の家で採れたトマトは格別に美味しいのだと説明し、実際に食べてみせた。泣いている子の兄にも試食させると、兄は美味いと話した。それで弟も食べてみる気になり、一口齧ると泣き止んだ。

お節介な四ツ木にもトマトを差し出したが、彼はそれを断り、走り去ってしまった。結は彼のことを変な人だと思った。

事件も落ち着き、結はその場を去ろうとした。
すると、向こうから派手な格好をした4人組のギャル(みりちゃむ谷藤海咲岡本夏美、およびクラスメイトの理沙)が近寄ってきて、結に声をかけた。

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10年ごしの約束を果たすフライデーナイトツインギター

真夏の俺のミステリー

久しぶりに松本清張マイブームが来てます。

紙の文庫本で『黒革の手帖』を読み終わった後、次は何を読もうかなと思ってツラツラと松本清張関連のWEB記事を眺めていたわけです。
そしたら、文春オンラインの『読者を旅へといざなう“松本清張ならでは”の小説描写…乗り鉄が語り尽くした清張作品のスゴさとは』という記事に行き当たりました。

『張込み』という短編小説を取り上げて、刑事が容疑者を追って鉄道で東京から九州へ向かう部分が引用されていました。まだ新幹線はもちろん、寝台列車も運行されていなかった時代の話で、狭苦しい客車の中で一昼夜を過ごす描写が僕には真に迫って感じられました。

これは続きが気になると思って、本屋に買いに行きました。電子書籍で買ってもいいんだけれど、紙の本にしたわけです。電子書籍以前の時代から松本清張は文庫本で買っていたし、同じ著者の背表紙が少しずつ本棚が埋まっていく様を見るのも好きだからです。

近所の本屋では、後藤久美子主演のドラマとタイアップしたものが売られていました。今年の正月に放送されたらしいけれど全然知らなかった。
ちょっとレジに持っていくのは恥ずかしいなと思った。内容を確認しようと思って立ち読みするのも恥ずかしかった。

立ち読みでわかったことは、これは短編推理小説を8篇収めているということだった。
最初に目当ての『張込み』が収録されていて、その冒頭がまさに九州へ向かう鉄道のシーンだった。ただし、そのシーンは2-3ページで終わっていて、立ち読みでちょっと拍子抜けした。
しかし、まあ乗りかかった船だしと思ってちゃんと買って帰りました。
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人間五十年下天の内をくらぶれば夢幻の如くなり

50年生きてきても、まだまだ初体験というものはあるもので。長いようで短い期間なんですね。今後もいろいろ初体験することもあるんだろうな。

というわけで、今日は生まれて初めてケーキにロウソク立ててみた。
誰かの誕生日会に参加したことはあるけれど、いつも傍観者の立場だったのでケーキにロウソクを立てた経験はなかったし。
自分の誕生日にケーキにロウソクを立ててもらって吹き消したことはあったけれど。
まさか、自分で自分のためにケーキにロウソクを立てることになるとは思わなかったよね。
チョコプレートにチョコペンで「俺」とか書いてるし。ひとりぼっちで。

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[まとめ記事終了します] NHK『虎に翼』第3回

一番好きな伊藤沙莉はドッキリにハメられているやつである当方が、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』のまとめ記事連載を今日限りでやめることを決めましたよ。

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第1週『女賢しくて牛売り損なう?』

今日の放送では、寅子(伊藤沙莉)が明律大学女子部法学科に進学するという新たな目標を得ました。

下宿人・佐田(仲野太賀)の弁当を届けるために夜間学校に行ったところ、「法律では女性は無能力者とされている」などといった講義内容が聞こえてきました。自分が不当に扱われているように思って、寅子は納得がいきません。
そんな寅子の姿を見つけた法学者・穂高(小林薫)は、寅子の意見を聞いた上で、法律に興味があるなら大学に進学するとよいと助言しました。寅子はそれこそ、自分の進むべき道だと思いました。

寅子の見合い結婚を誰よりも推し進めようとしている母・はる(石田ゆり子)は、しばらく故郷に帰省していて家にいません。その隙に、父・直言(岡部たかし)にだけ相談しました。すると父は大賛成してくれました。母の説得も自分に任せておけと胸を張るのでした。

こうして寅子は入学願書を準備し、試験勉強もはじめました。以前よりも毎日が充実しているように思えました。

そしていよいよ、母・はるが帰ってきました。寅子は、父・直言が母を言い負かしてくれるのかと期待していましたが、彼はなかなか言い出さないどころか、寅子を避けるようになってしまいました。結局彼は口先だけで、母に頭が上がらないのでした。

いよいよ寅子は母に直談判しようと思いました。しかし、大親友であり、兄・直道(上川周作)と近く結婚することの決まっている花江(森田望智)から止められました。花江は自分の結婚式が無事に終わるまでははるに機嫌よくいてほしいというのです。寅子の大学進学を知ったら、どうなることかと恐れているのです。

加えて花江は、自分は直道に一目惚れしたのだと打ち明けました。女は自由に結婚相手を選べないものの、なんとかして彼と結婚できるように、時には寅子も利用して、したたかにたち振る舞ったというのだ。寅子も自分の好きなように生きるためには、したたかに暗躍することが必要だと助言した。

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NHK『虎に翼』第2回

2日目にして早くも寝坊しそうになった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』の第2回めの放送を見ましたよ。

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第1週『女賢しくて牛売り損なう?』

寅子(伊藤沙莉)は3度目の見合いに臨んだ。女学校卒業後は職業婦人になりたいと望んでいたが、家庭に入って守るのが女の幸せだと信じる両親の意向に沿う覚悟を決めた。今度こそ、うまくやろうと決意した。

見合い相手の横山(藤森慎吾)は貿易会社に勤めていて、少し前までニューヨークに駐在していた。先進的な考えを持つ男のようで、妻とは対等な立場でなんでも話し合える関係を作りたいと言っている。寅子はこの相手ならば自分らしさも発揮できると思い、嬉しくなった。

横山が現代の政治経済の問題に触れると、寅子は自分の意見を次々と開陳した。寅子は新聞を読むことを日課にしており、気になった記事はスクラップ帳に貼り付け、何度も繰り返し読んでいた。横山のどんな話題についても寅子はよく知っていたし、自分なりの意見も持っていた。時には、横山の話を途中で遮って、矢継ぎ早に自説を述べた。中には、横山よりもよほど詳しい話題もあった。
初めは笑顔で聞いていた横山であったが、次第に機嫌が悪くなってきた。ついには、女のくせに生意気だと言って怒り出してしまった。

後日、横山からは断りの連絡があった。こうして寅子の3度目の見合いも失敗に終わった。
母・はる(石田ゆり子)は、なんとしても女学校卒業前に婚約まで漕ぎ着けると言って諦めなかった。

その頃、寅子の猪爪家では、兄・直道(上川周作)の結婚準備も同時に進められていた。
直道に結婚相手は、寅子の女学校の大親友・花江(森田望智)であった。

ある日曜日、直道と花江の結婚式の招待状準備が行われた。花江とその母・信子(赤間麻理子)も参集し、女たちが丁寧に作業にあたった。さらにその日の夜は、花江の父・真一(横堀悦夫)も招待して宴が開かれることになっていた。

寅子は不平を漏らしながらも、親友の花江の手前、宴の支度を手伝った。
花江本人も、猪爪家の台所に入って料理の手伝いをした。花江は、もうすぐこの家の嫁になるのだから、早く猪爪家の味を覚えたいとにこやかに言うのだった。
女たちはそれらを苦労だとは思わず、にぎやかにおしゃべりしながら作業を行なっていた。

宴が始まると、寅子の父・直言(岡部たかし)が主催者として場を取り仕切った。花江の父・真一も主賓としてご機嫌だった。両家の結婚をとりまとめたと言って、ふたりの父親たちは愉快そうに語り合った。

一方、結婚式の準備や宴の準備にその日を全て捧げた女たちは、急に影のように静かになった。男たちの話を微笑みながら聞いているだけである。
寅子はそれを気に入らないと思った。男たちは全て自分たちの手柄のように振る舞っているが、実際に作業をしたのは女たちである。女たちは男たちの邪魔にならないよう、急に無口で控えめになってしまっている。

それが終わったある日、母・はるの親戚に不幸があり、彼女はひとりで香川県丸亀に帰省することになった。その間、寅子が家事を切り盛りしなくてはならなくなった。

下宿人・佐田(仲野太賀)は、早くに両親を亡くしたが、その父の意思を継いで大学で法律を学ぶために猪爪家に住み始めた。しかし、彼は司法試験に合格することができなかった。現在は、銀行で働きながら、夜学に通って司法試験合格に挑戦中である。

夜学に通う佐田のために弁当を持たせなければならない。しかし、家事に不慣れな寅子は弁当の用意に手間取ってしまった。後で学校に届けると告げて、佐田を送り出した。

寅子が学校に到着するとちょうど講義中で、寅子にとっては初耳な難しそうな内容が取り扱われていた。寅子は廊下からしばし聞き耳を立てていた。
すると、講師の桂場(松山ケンイチ)に見つかってしまった。寅子は慌てて逃げようとすると、今度は廊下の前方から別の男がやってきて道を塞がれる形になった。

その男は高齢だが、誰よりも偉そうな雰囲気を漂わせていた。一目見ただけで寅子は圧倒されてしまった。
その男・穂高(小林薫)は、寅子に向かって何か言いたいことがあるなら言ってみろと告げた。

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今年のエイプリルフールの思い出

親しい人ならとっくにご存知のことかと思いますが、僕は北海道大学に入学して大学院を修了しました。

僕の所属ゼミの大先輩に通称 “D-ken” と呼ばれるOBがいました。事情通の方に簡単に説明しておくと、確かオーニョさんとかよぢこさんとかKYNRさんとかと同学年の人だったはずです。
D-ken さんとは歳が離れているので、僕がゼミでご一緒することはありませんでした。しかし、彼は卒業後もちょくちょくゼミ室に顔を出していたので、僕はいつしか顔見知りになりました。

ていうか、彼がゼミ室に顔を出すのは年に1回で、決まって4月下旬から5月上旬あたりでした。その時期になると、決まって缶ビール一箱(24本入り)を差し入れに来てくれるのです。ちょうど札幌の気温も上がって、ビールも美味しくなり始める時分です。
彼は大学を卒業後、札幌市の職員になりました。色白の小太り体型で、ほっぺはいつも赤く染まっていました。見るからに人のよさそうなタイプです。

そんな彼は、毎年、市役所の上司と賭けをしていたそうです。その賭けの内容は「札幌市の気温が初めて20度を超えたら、どんなに仕事が忙しくてもその日は午後に半休を取る」というものです。ですから、4月下旬から5月の初めあたりに午後半休を取得し、ゼミの後輩である僕たちにビールを振る舞ってくれたわけです。
今はもう音信不通になってしまいましたが、今でも春先になると D-ken さんのことを思い出して、心がポッと暖かくなります。

さて、そんなこんなで、2024年の4月1日です。
たぶんお子さんの入学式かなんかだと思うのですが、年度初めだというのに僕の職場の上司が休みを取りました。桜はまだだけど関西の気温も上がってきたし、上司も休んでるし、俺もD-kenさんみたいにこの陽気に誘われて午後からの仕事をサボってもいいよな、と思ったわけです。そんなわけで、午後からは大阪で思う存分ビールクズしてきたわけです。
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