NHK『おかえりモネ』第70回

蒔田彩珠さんが表紙のNHK『ステラ』は現在注文中で明日には届きそうな当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第70回めの放送を見ましたよ。

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第14週『離れられないもの』

百音(清原果耶)は、父・耕治(内野聖陽)と朝岡(西島秀俊)が話しているのを偶然物陰から聞いてしまった。
そこで、耕治が自分の幸せを心から願っていること、朝岡が気象災害に苦しめられる人々に思いを寄せていることなどをあらためて知ることになった。

そして、耕治が宮城に帰る事となった。朝早い新幹線で出発しなくてはならない。
耕治は、百音と菅波(坂口健太郎)が交際していると思いこんでいる。早朝にもかかわらず菅波をシェアハウス呼び出せと騒ぎ出した。耕治の剣幕に折れた百音は、徒歩10分の病院の仮眠室で休んでいた菅波を呼んできた。
厳しい表情を崩さない耕治であったが、突如深く頭を下げ、百音のことをよろしくと頼んだ。あっけにとられる菅波であったが、何かあれば力になると約束した。

家に帰った耕治は、百音に恋人がいると亜哉子(鈴木京香)に報告した。菅波の前では不承不承認めるという態度を見せていた耕治であったが、亜哉子に向かっては好人物であると嬉しそうに話した。
しかし亜哉子は、ふたりが交際しているというのは耕治の早とちりではないかと訝しんだ。自分が確認に行ければ一番なのだが、それも難しいので未知(蒔田彩珠)を偵察に送り込むことにした。

百音は朝岡とのミーティングの後、耕治との話を来てしまったことを打ち明け、謝った。しかし、朝岡はさっぱりとした反応だった。朝岡が明石市の土砂災害に因縁のあることはいつか打ち明けようと思っていたという。だから聞かれても平気なのだと話した。
耕治は、全ての子供たちに対して未来は明るいと伝えたいと言っていた。それで朝岡は自分が忘れていたことを思い出したのだという。気象情報を利用して適切な行動をすれば未来を良いものに変えることができる。災害は繰り返されるものだが、それに対する対応をとることもできる。人間はそうやって反映を繰り返してきたのだ。
自分はスポーツ気象の普及を通じて、情報を使って未来を変えることが可能であると啓発していくつもりである。百音には報道を通じて人々の未来を変えることに貢献して欲しいと述べた。

百音は朝岡の意見に同意した。
そうして、テレビ局から打診されていた、神野(今田美桜)の後任となる中継キャスターを引き受けることにした。みんなの前で、前向きで誰かの役に立つ情報を伝えたいと抱負を述べた。こうして、百音は人気のパペットを操作しながらの中継を行うことに決まった。

ある日、未知が上京してきた。
百音とは久しぶりの再会であり、ふたりは大いに喜んだ。

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NHK『おかえりモネ』第69回

全裸監督』は公開されてすぐに見たけれど、『きのう何食べた?』の実写版は1秒たりとも見たことがないので、西島秀俊×内野聖陽の絵面を見ても特になんとも思わない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第69回めの放送を見ましたよ。

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第14週『離れられないもの』

上京した耕治(内野聖陽)は、百音(清原果耶)の勤め先であるウェザーエキスパーツを訪れた。百音に嫌がられることは明らかなので、ちょっとだけ見たらすぐに帰るつもりだった。

エンタランスロビーの来場者見学コーナーでは、朝岡(西島秀俊)が壊れた気象学習用装置をバックヤードに運び込もうとしていた。毎朝テレビで見る朝岡がいたことに興奮しながら耕治は声をかけ、百音の父であると自己紹介した。遠慮する朝岡を押し切り、耕治は機械の運搬を手伝うとともにバックヤードで修理を手伝った。朝岡は機械修理はからきしであったが、耕治は少々覚えがあったのだ。小さい時から龍己(藤竜也)の手伝いなどをしていたからだ。

修理をしながら二人は話をした。たまたま通りがかった百音と安西社長(井上順)は物陰から彼らの様子を伺った。

龍己は根っからの漁師であり海から離れられないという話の流れから、朝岡は自分が抱いている疑問を耕治にぶつけた。人が慣れ親しんだ土地から離れがたいのはなぜかという疑問である。朝岡は親が転勤族であり、自分の故郷と呼べる場所がない。そのため土地に愛着のある人の気持を測りかねるのだ。
特に、先日の石明町の土砂災害によってその疑問が強くなった。そこは8年前にも大きな被害があり、今年もまた被害にあった。朝岡にしてみれば、危険な土地を捨てて移住するのが合理的であるはずなのに、そうしない理由がわからないのだ。もちろん、土地への愛着のようなものがあることは想像できるが、朝岡には今ひとつ納得ができないのだ。

耕治も、住みにくい土地を離れるべきだと頭では理解しているという。実際に耕治は仙台で就職し、故郷には戻らないつもりだった。しかし、気がつけば実家に戻って暮らしている。
耕治の考えは、土地に対する愛着だけで住んでいるわけではないということだった。家族や親しい知人はもちろん、何十年何百年もの間そこで暮らしてきた顔も知らない人々の思いや情のようなものに報いなくてはならないという義務感のようなものがあるのではないかと話した。

さらに耕治は、次の世代への思いも述べた。自分のふたりの娘が自由で楽しく暮らしていくことを願うのと同じくらい、全ての子供たちにもそうあって欲しいと思っている。彼らの未来は明るいのだと示し続けていきたいのだと話した。

朝岡は、耕治の意見に納得した。土地そのものではなく、そこで次々に受け渡されていく人の思いこそが住み続ける原動力なのだと理解した。

そうして、学習用機械の修理を終えた。無事に動き出したかに見えたが、間もなく機械は動作を止めた。修理を買って出た耕治であったが、失敗に終わった。
それがなんだかおかしくて、耕治と朝岡は二人で笑いあった。

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NHK『おかえりモネ』第68回

夢の中で「風鈴サッカー」という、実物の風鈴の中にAppleのAirTagのような発振器が仕組まれていて、不特定多数のプレイヤーがスマホで風鈴の位置を探し出し、相手プレイヤーから奪ってゴールまで運ぶという拡張現実ゲームを楽しんでいた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第68回めの放送を見ましたよ。

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第14週『離れられないもの』

百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)はシェアハウスの入り口そばの食堂で、半ば身を寄せ合うように話をしていた。
百音は、人々が慣れ親しんだ土地から離れてしまうことに心を痛め、菅波に相談していたのだ。

そこへ突如、百音の父・耕治(内野聖陽)と祖父・龍己(藤竜也)が現れた。龍己のカキが品評会で金賞を獲得し、東京での表彰式の後に百音を訪ねてきたのだ。

彼らは、百音と仲良くしている菅波に凄みを利かせた。百音は場と取り繕おうとしたが、菅波はすっかり驚き小さくなってしまった。
龍己の持参したカキが振る舞われたが、菅波はカキが苦手であった。これまで3回食べ、いずれも当たった経験があるからだ。なかなか手を付けようとしない菅波の態度が、耕治の心象をますます悪くした。
菅波はやっとの思いで一つ食べてみたところ、確かに美味しいと感じた。そこでやっと百音は、菅波がカキに当たった過去を説明した。無理に食べたことを知った耕治は即座に謝った。逆に恐縮した菅波は、耕治に向かって「お父さん」と呼びかけてしまった。百音との関係を怪しんでいる耕治はますます頭に血が上った。
そんな事があって、やっと菅波は開放され、病院に戻っていった。

その夜、耕治と龍己はシェアハウスに泊まることになった。

百音は、耕治に未知(蒔田彩珠)が来なかった理由を尋ねた。龍己の仕事を一番手伝っているのは未知なのだから、彼女が来るのが当然だと思ったからだ。耕治によれば、未知は仕事を休めないと言って断ったのだという。

しかし、百音は別の理由があるのではないかと思っていた。少し前に、百音と未知は電話で仲違いしたからだ。及川亮(永瀬廉)が百音にはマメに連絡をするのに、未知にはしないことで嫉妬されてしまったのだ。それきり未知とは連絡をとっていなかった。
気になった百音は未知にメッセンジャーで連絡をとった。しかし、未知からは既読スルーされてしまった。

深夜2時。
百音は仕事に出かける準備を始めた。すると、龍己もすでに起き出していた。朝の早い漁師のクセが抜けないのだという。龍己は早朝のうちに築地市場で知人に挨拶し、そのまま家に帰るという。
百音は、龍己に海から離れようと思ったことはないかと尋ねた。慣れ親しんだ場所から離れることがどういうことか、それが今の百音の悩みなのである。
龍己は海を離れたいと思ったことは一度も無かったと即答した。逆に、百音が故郷から離れたことを気にしているのかと聞き返した。しかし、百音は曖昧な表情のまま、はっきりとは答えなかった。

龍己と別行動をとることにした耕治は、百音の勤め先である気象会社・ウェザーエキスパーツに向かった。そこの来場者向け見学コーナーで朝岡(西島秀俊)の姿を見つけた。

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NHK『おかえりモネ』第67回

ずっと天気が悪くて辟易している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第67回めの放送を見ましたよ。

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第14週『離れられないもの』

1週間前、東北地方の明岩市で豪雨により土砂災害が起きた。住民たちは早めに避難し、一人もけが人がなかった。実はこの地区は、8年前にも同様の被害を受けていた。その時の経験が活かされ、住民たちの対応が早かったのだ。
しかし、道路が寸断するなど、彼らの生活は破壊されてしまった。この地区は豪雪地帯ではあったが、それまでは水害が起きたことはなかった。けれども、近年の気候変動で度々豪雨に襲われるようになった。人が暮らしにくい場所になりつつあった。

週末、朝岡(西島秀俊)が登米へ突然出向いた本当の理由は、被害に遭った明岩市を訪問することであった。誰もそのことに気づかなかったが、サヤカ(夏木マリ)だけは見抜いた。朝岡の靴が泥だらけであったからだ。そもそも、サヤカと朝岡が知り合うきっかけになったのも8年前の明岩市の土砂災害の時だった。その時も今回も、朝岡は居ても立ってもいられなくなって明岩市に向かったのだった。

テレビ局の災害担当報道記者・沢渡(玉置玲央)は、明岩市の住民たちの避難行動について特集する企画を提案した。早めの避難行動の重要性を訴えたいのだという。朝岡も賛同した。

一同は、災害によって生活が奪われることについて話し合った。それまで災害のなかった地域で災害が頻発するようになった以上、人々は移住すべきかもしれないという意見も出た。
それに対して、百音は納得できなかった。愛着のある土地から離れることは簡単なことではないと思うからだ。

仕事を終え、帰宅してからも百音はそのことについて考え続けていた。
コインランドリーで菅波(坂口健太郎)にも相談してみた。菅波は移住も致し方ないという意見だった。確かに、地域の住民にとっては受け入れがたい判断である。しかし、当事者にとって難しい問題は、第三者が助言して促すことが重要だと話した。それは、医者も同じであり、患者が判断しがたい問題に対して親身になって助言するのだという。

百音は菅波の説明を理性では理解できた。しかし、感情的に受け入れることができなかった。気持ちが落ち込むばかりで、菅波の前でうつむいてしまった。
そんな百音を落ち着かせようと、菅波は手を伸ばして撫でようとした。しかし、躊躇して手が空中で止まったままになった。

そこへ百音の父・耕治(内野聖陽)が突如姿を現した。ふたりきりのただならぬ様子を見て驚くのだった。

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NHK『おかえりモネ』第66回

鉄フライパンを買ったのが楽しくて、昨日は全く同じ材料で2回もチャーハンを作って食べた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第66回めの放送を見ましたよ。

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第14週『離れられないもの』

2016年10月。
秋は様々なスポーツ大会が開催される。朝岡(西島秀俊)は全国を飛び回り、スポーツ大会の気象分析の手伝いをしていた。運営者は大会当日の天候を知りたがっており、朝岡にとっても自身が推進するスポーツ気象を普及させる良い機会だった。
しかし、夜を徹して出張先から帰ってくるなど、朝のテレビ局の仕事にギリギリとなってしまうこともしばしばであり、周囲をハラハラさせた。朝の番組の責任者の高村デスク高岡早紀)は、そんな朝岡にイライラするようになった。

登米では、石ノ森章太郎の企画展が行われるという。彼のファンである朝岡の元へ、百音(清原果耶)を経由して案内が届いた。朝岡は。石ノ森章太郎が描いた森林に降る雨の絵が好きだなどと話した。

そんなある日、東北地方の明岩市が豪雨に見舞われた。朝岡らは深夜3時過ぎに特別緊急番組で報道した。まだ暗く、詳しい取材もできていないが、川が氾濫し土砂災害の被害が出ている模様だという。
特別番組が終わってスタッフルームに帰ってきた朝岡は、いつもの柔和な様子とは違って、どこか落ち着きがなかった。未明で情報が得られないことは仕方ないにもかかわらず、スタッフに当たるほどだった。

夜が明け、次第に詳細な状況がわかってきた。土石流が発生し、一部の集落へ続く道路が分断されたという。復旧するまで1週間程度かかる見込みだという。幸い、住民たちは早めに避難し、全員無事だという。テレビ局のスタッフたちは安堵した。
しかし、朝岡だけは厳しい表情を崩さなかった。人命が無事だったのは幸いだが、彼らの生活が破壊されてしまったと心を痛めていた。

それから1週間後の週明け、朝岡は登米の土産を持ってテレビ局に現れた。急に思いたち、百音を誘わないまま、石ノ森章太郎企画展を見に登米に行ったのだという。

土産でみんなの機嫌を取りつつ、朝岡はキャスターを翌11月いっぱいで辞め、スポーツ気象に専念すると発表した。やっとテレビ局側に受け入れてもらえたのだという。
ずっと反対していた高村デスクもついに折れ、後任キャスターには神野(今田美桜)を指名した。加えて、屋外中継を百音に任せると伝えた。

百音は、その場で出演を断った。
その場では理由を明かさなかったが、テレビに出たくて気象予報士になったわけではないからだ。近い未来の予測を元に、人を助けることが自分の使命だと思っているからだ。
しかし、朝岡も百音を強く推していた。現在はアルバイトであるが、正社員採用に切り替えるよう会社に掛け合うなどと言って応援した。

帰宅した百音はサヤカ(夏木マリ)に電話で相談した。サヤカは、百音がよく考えて判断すれば良いと助言した。
その後、サヤカは朝岡が登米に遊びに来たときの様子を話そうとした。しかし、朝岡の様子がおかしかったことを言いかけて、電話を切ってしまった。

ある日、朝岡はひとりでじっと石ノ森章太郎の雨の絵を見つめていた。

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NHK『おかえりモネ』第65回

なぜだか急に鉄製フライパンブームが始まり、鶏キャベツチャーハンを作ったらめちゃくちゃ美味しくて感動したのだけれど(プラセボかもしれない)、昨日家で使い始めの油ならしをした結果、一晩経っても家の中の油の匂いがとれなくて辟易している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第65回めの放送を見ましたよ。

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第13週『風を切って進め』

車いすマラソンの強化選手選考会の終盤、スポーツ気象班の予測通り強い風が吹き始めた。本番3日前にその事がわかり、風が吹いたら鮫島(菅原小春)が得意としている逆風を切り裂く走りをするよう提案していた。しかし、それまでの練習では鮫島の得意戦法を封印した練習を続けてきており、鮫島は納得しているように見えなかった。
風の変化に鮫島がどう対応するか、一同は固唾を呑んで見守った。

はたして鮫島は、提案通り作戦を切り替えた。するとみるみるラップタイムが上がり、結果として55分6秒でゴールした。標準記録である55分20秒をクリアし、無事に強化選手に選ばれた。

選考会後、鮫島は初めから指示に従うつもりだったと明かした。車いすの座席を前傾姿勢用に調整し、逆風で走りやすいようにしていたのだという。スポーツ気象班を全面的に信頼していたのだ。
練習期間中、鮫島のタイムが伸び悩んだ時期があった。その時、百音(清原果耶)はデータではなく、鮫島本人の感覚や得意戦法を活かすべきだと提案した。それを聞いた鮫島は、今までの自分のやり方で上手くいかないからデータに頼ることにしたのだと激昂した。
その場では怒ってみせたが、鮫島の本心では百音の言葉が嬉しかったのだという。それで百音たちスポーツ気象チームに全幅の信頼を寄せようと決めたのだという。それで全てが上手く行った。

登米への出張で選考会の応援には行けなかった菅波(坂口健太郎)が帰ってきた。鮫島への支援が成功裏に終わったことを共に喜ぶ一方で、百音には気になることがあった。もし鮫島が百音の言葉に素直に従い最悪な結果になったら、鮫島だけではなく、百音も耐えられない失望に陥るだろうと言われたことだ。
百音には、それが菅波の経験によるものだと思われた。そこで詳しい経緯を尋ねた。

菅波によれば、それは彼が助手として初めて患者を担当したときのことだと言う。
患者(石井正則)は40代の男性で、有名な楽団のホルン奏者だった。その患者の肺にガンが見つかった。ホルン奏者にとって肺は重要な器官なので、最小限の手術で治療を行うことになった。半年後に公演も控えており、手術を行えば出演も可能だと考えられていた。
最初に病気を見つけたのは菅波であり、患者は菅波に大いに感謝し、菅波に全幅の信頼を置くようになった。

ところが、手術前の検査で気になる所見が出た。主治医は手術を見合わせ、より詳しい検査が必要だと考えた。場合によっては化学療法を合わせた治療に切り替えるべきであるとした。
しかし、菅波は予定通り手術をすることを主張した。このタイミングで手術を行わなければ、半年後の公演会に間に合わないからだ。患者はその公演会への出演会を何よりも楽しみにしており、その希望を叶えてやるべきだと強く思ったのだ。

患者本人も菅波の意見に強く賛同し、主治医は仕方なく手術を行った。ところが、胸を開いてみたら予想以上に病気が進行していた。結果として、患者はプロのホルン奏者として復帰できないほどに肺を切除することになってしまった。手術前に化学療法を適用していれば、肺の機能を残して、ホルン奏者として復帰する可能性があったかもしれない。

菅波の主張によって、患者の演奏家人生を奪う結果となってしまったのだ。
後で聞いた話では、患者本人はすぐに手術を行うべきかどうか迷っていたという。しかし、最終的には菅波への信頼が上回り、菅波の意見に従うことにしたのだという。
親身にしてくれた菅波の言葉を信じたばかりに患者は最悪な目に遭い、そのことはまた菅波をずっと苦しめることとなった。それは、菅波が百音と鮫島の関係を見て懸念したことだった。

話を終えると菅波はじっとうつむいてしまった。
百音はもらい泣きをしながら、菅波の背中をさすり続けた。

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NHK『おかえりモネ』第64回

雨で全く気分のアガらない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第64回めの放送を見ましたよ。

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第13週『風を切って進め』

暑さに弱い鮫島(菅原小春)に対して、スポーツ気象班はペース抑制と氷状ドリンク補給で体力を温存し、後半にスパートをかける作戦を立案した。しかし、鮫島の記録は思うように伸びなかった。
鮫島は、早い段階で向かい風を切り、先頭に立って逃げ切るのが得意なのだという。過去の戦績でも、実際に風の強いレースで勝っている。本人も風を切り裂くレースに喜びを感じているという。

百音(清原果耶)は、今のレース戦略では鮫島の持ち味を活かせないのではないかと思うようになった。そこで、スポーツ気象班で相談し、第2作戦を立案した。

選考会の3日前、鮫島を会社に呼んで第2案の説明をした。
当日の競技場付近の気象予報では、レース開始直後はほとんど風が吹かないという。周辺に南風は吹くものの、競技場の南側にあるスタンドによって遮られてしまうからだという。しかし、レース中に南西寄りに風向きが変化する可能性があると予測された。その方角には低いスタンドしか無く、競技場内に風が吹き込む。しかも、競技場周辺のビルの影響により、南西風はより強くなる。

もし風が吹けば、競技場のトラックの半分は追い風になり、もう半分は向かい風になる。追い風の場所では風にのって体力を温存し、向かい風の時に鮫島の持ち味を活かした全力疾走をするというのが第2作戦である。風の吹かない前半は従来の作戦通りペースを抑えて走り、予測通り風が吹けば切り替えるというのがスポーツ気象班の提案だった。

鮫島は風が吹くかどうか半信半疑だった。また、レースの3日前になって急に新しい戦略を提示されたことにも困惑した。
朝岡(西島秀俊)は、自分たちスポーツ気象班の役割は情報提供までであると話した。その情報を信頼し、従うかどうかの決断は鮫島に任せると話した。

そうして、選考会の日になった。
百音だけが会場に付き添い、各種観測機器やビデオカメラを設置した。そのデータは即座に会社に送られ、スポーツ気象班の他のメンバーたちが会社でリアルタイムの分析を行った。現場への指示は電話で行い、百音がトラック脇から鮫島に伝達することになった。

選考会は鮫島ひとりで行われた。トラック52周を55分20秒以内にゴールできれば強化選手に選出される。

前半は予想通り風が吹かなかった。しかし、第1作戦に従ってペースを抑えた走りでも良好なラップタイムであった。
けれども、終盤が近づくにつれてラップタイムが落ち始めた。このままではあと一歩のところで標準記録に届かない可能性がある。

残り14周(残り約25%)のとき、百音は上空の雲の流れが変化したことに気づいた。会社のメンバーに確認すると、確かに風向きの変わり目であった。ここが作戦の切り替え時である。百音は鮫島に指示を出した。

鮫島はその声を聞いた。しかし、従うかどうかは鮫島に一任されていた。

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NHK『おかえりモネ』第63回

このあと9時から僕の住む自治体の40歳以上への新型コロナワクチンの予約受付が始まるので、はりきっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第63回めの放送を見ましたよ。

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第13週『風を切って進め』

鮫島(菅原小春)の代表選考会まであと6日となった。
強化選手に選ばれる標準タイムはハーフマラソン55分20秒であるが、この日の鮫島の記録は55分29秒であった。もう少しのところでタイムが伸び悩んでいた。

鮫島も少し元気がなかった。付き添いに来ていた百音(清原果耶)に本音を話しはじめた
スポーツ気象班が立てた作戦は、鮫島の深部体温の上昇を抑えるため、ラップタイムを守って控えめな走りをするというものである。しかし、そうすることで鮫島は走るのが面白くなくなったと言うのだ。
鮫島は風に強い選手であることを自覚している。他の選手の背後について風よけにし、ラストスパートまで体力を温存する。しかし鮫島は、早い段階で前に出て、他の選手から風よけに利用される間もなく引き離し、そのまま逃げ切るのが好きなのだと言う。向かい風を自分で切り裂いていく感覚は自分にしかわからない気持ちよさなのだ。

そこで百音はあらためて鮫島の過去のレース当日の気象データやや、次の選考会当日の最新の風の予報を調べ直した。すると、確かに鮫島が優勝した日はいずれも風の強い日だった。そして、選考会当日は強い風が吹くと予想されていた。

シェアハウスに顔を出した鮫島に対し、百音はそのことを報告した。そして、本番で思うようにタイムが伸びなかったら場合はペースを抑えるのではなく、鮫島本人の持ち味である先行逃げ切り作戦に切り替えてよいのではないかと提案した。もう一歩のところで標準記録に届かないのは、鮫島が自分の走る感覚を抑え込んでしまい、強みを発揮できないのではないかと説明した。

その提案を受けた鮫島は激しく怒り出した。
これまで鮫島は自分の感覚だけを頼りに走り、次第に結果が残せなくなった。だから、データ重視の方針に切り替えたのだ。自分の感覚に頼る精神論ではなく、データに裏打ちされた科学的方法に従うと決めたのだから百音の助言など聞く耳を持たないと吐き捨て帰ってしまった。

代表選考会3日前。スポーツ気象班のみでミーティングが行われた。
百音が鮫島を怒らせてしまったことについて、朝岡(西島秀俊)にも叱られた。気象予報は常にいくつかの可能性が考えられる。選手を迷わせるような軽はずみな発言は避けなければならないからだ。

一方で朝岡は、百音が鮫島の変化に気づいたことは評価した。
気象状況は常に変化し得るものであり、変化したら即座に別のプランに変更する必要がある。鮫島に変化があったことも同様であるし、より強い風が吹くという予想も出てきた。

そこで朝岡は、別のレース戦略を準備することとした。

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NHK『おかえりモネ』第62回

タイミングを逸してしまったけれど、8月7日の蒔田彩珠さんのお誕生日をお祝い申し上げる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第62回めの放送を見ましたよ。

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第13週『風を切って進め』

鮫島(菅原小春)の練習場からの帰り道は雨だった。傘を持っていない菅波(坂口健太郎)と共に、百音(清原果耶)は相合い傘で帰路についた。
しかし、ふたりで食事に行ったり、百音のシェアハウスに寄っていくよう誘うなどと行ったことはなく、それぞれはまっすぐ家に帰った。それを聞いた明日美(恒松祐里)はあまりにも奥手である両者にがっかりした。

9月9日(代表選考会16日前)、鮫島が暑さに弱い原因が判明した。彼女は深部体温(体の内部の体温)が上がりすぎる体質であり、そのためにパフォーマンスが落ちていると推定された。競技中の深部体温上昇を抑えることができれば有利にレースを進められるはずである。しかし、その方法はすぐには思いつかなかった。

勤務後、百音はいつものようにコインランドリーにいた。菅波(坂口健太郎)も現れ、ふたりで深部体温抑制の方法について話し合っていた。
そこへ菜津(マイコ)と明日美が顔を出し、アイスクリームがあるから一緒に食べようと誘った。

1週間後の9月16日は百音の誕生日である。明日美は菅波にアクションを起こすよう言外に迫った。その剣幕に慌てた菅波は大急ぎでアイスクリームを頬張った。そのため、激しいアイスクリーム頭痛に襲われてしまった。
しかし、それが怪我の功名となり、鮫島の深部体温抑制のアイディアに結びついた。

車椅子マラソンでは、車椅子にドリンクを搭載し、いつでも水分補給をすることができる。菅波は、通常のドリンクではなく、凍らせたドリンクを細かく砕いたものを補給することを提案した。氷は通常の液体よりも温度が低い上、表面積も大きくなるので効果的に体の熱を取ってくれるという。
通常のドリンクよりも粘度が高くなるので吸い込みにくいという欠点はあるが、鮫島の吸引力であれば問題はなかった。また、鮫島は幸運なことにアイスクリーム頭痛になりにくい体質だった。

氷状のドリンクを使用するようになり、鮫島のパフォーマンスも劇的に向上した。選考会当日の気温は高いと予想されており、前半はペースを控えて深部体温の上昇を抑制し、後半のパフォーマンスを落とさないようにするというレース戦略も決定された。

9月16日の夜、百音の21歳の誕生日パーティーがシェアハウスで行われた。
親しい人々が集まってくれて、百音は楽しい時間を過ごした。
ただし、菅波は参加することができなかった。登米で担当している老婆の容態が悪化し、急遽往診に向かったのだ。

菅波からはメールが届いた。老婆の容態は落ち着いたと事務的な連絡であった。
最後に一文だけ、百音の誕生日を祝う言葉があった。

パーティが終わり自室に戻った百音は、以前に菅波からもらった中学生向けの理科の教科書を手にとった。それは気象の勉強を始めたばかりの頃、百音の19歳の誕生日に菅波から貰ったものだった。

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