NHK『おちょやん』第8回

ジョン・レノンが死亡したのはアメリカ東部標準時の12月8日の23時ころであり、それは日本時間の9日13時ころに相当するため、今日追悼するのがスジだという説をとっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第8回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『道頓堀、ええとこや~』

道頓堀にやって来た天海天海一座は、岡安に寝泊まりしていた。彼らの公演は連日大入り満員であり、特に子役の一平(中須翔真)は客に大ウケだった。

ある日の昼興行を終えると、一平は寒気がすると言って岡安で休むことになり、夜の興行を休むことになった。座長であり彼の父でもある天海天海(茂山宗彦)は、親が死んでも泣かずに舞台に出るものだなどと言ってたしなめるものの、息子には甘かった。

千代(毎田暖乃)が一平を様子を見に行くと、彼は悪びれることもなく仮病だと打ち明けた。自分は好きで旅芸人の家に生まれたわけではないし、学校には行けず、父は芝居以外では酒を飲んで女遊びばかりである。役者は嫌だと話した。
千代は、自分と境遇の似た一平にほのかな親近感を得た。

そこへ、岡安の一人娘・みつえ(岸田結光)がやって来た。彼女は甲斐甲斐しく看病しながら、一平に頼まれていたという本を買ってきて仲良く一緒に読んだ。
字を読むことのできない千代は疎外感でイライラした。

千代は、鶴亀座に使いに出かけた。そのついでに、少しだけ舞台を覗かせてもらった。そこには、今の日本で一番勢いがあると言われている新劇女優・高城百合子(井川遥)が出演していた。千代はすっかり魅せられてしまい、なかなか仕事に戻ろうとしなかった。
そんな千代を見かねた鶴亀座の熊田(西川忠志)は、上演中の『人形の家』の台本を千代にくれた。そして、しっかり働いて稼ぎ、今度は正式な客として来るように言うのだった。

台本を貰ったことは嬉しかったが、千代は字を読めなかった。
そこで、一平からひらがなを習い、台本にふりがなをふってもらうことにした。嫌がる一平であったが、仮病で休んでいることをバラすと千代から脅され、渋々ながらも応じた。
千代はふりがな付きの台本を夜遅くまで夢中で読んだ。

ある夜、千代は天海天海を迎えに行くよう命じられた。
公演を終えて酒を飲み、千鳥足で歩く天海の姿は千代に父・テルヲ(トータス松本)を思い出させた。千代は気に入らなかった。

一方で天海は、千代に満員御礼の祝儀袋をくれた。天海が言うには、千代が一平と仲良くしてくれている礼も兼ねているという。一平に母も友達もいないのは、自分が旅芸人であるせいであり、一平に寂しい思いをさせているのはいつも申し訳ないと思っていると言うのだ。一平のことをよろしくと頼んだ。

その直後、冷たい風が吹き付けると、天海は道に倒れた。そのまま年の暮れに天海は33歳で亡くなった。

天海の葬式は岡安で取り仕切ることになった。すっかり仕事を覚えた千代は、女中頭・かめ(楠見薫)に言いつけられる前に先回りして座敷の支度を整えることができた。

そうやって時間をやりくりし、千代は故郷から尋ねてきた小林(烏川耕一)に会うことができた。彼は千代の実家の隣に住んでいて、竹籠を問屋に卸すついでに様子を見に来てくれたのだ。

しかし、小林が言うには、テルヲの一家は夜逃げしたという。

* * *

続きを読む

NHK『おちょやん』第7回

底抜けにぃ~朝起きれなくなった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第7回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『道頓堀、ええとこや~』

千代(毎田暖乃)は、女中頭・かめ(楠見薫)から2件のお使いを命じられた。

ひとつめは、岡安の一人娘のみつえ(岸田結光)の学校まで弁当を届けることだった。
みつえが自分と同い年だと知り、千代は友達になろうと持ちかけた。しかし、お嬢様育ちのみつえは、使用人と友達になることはできないと無下に断り、早く仕事にもどれと追い返すのだった。

ふたつめの使いは、芝居茶屋・福富に付け届けをすることだった。
そもそも、千代が奉公する岡安は、福富から暖簾分けした店だった。しかし、近年は岡安の商いが福富をしのぐほど大きくなり、本家である福富は面白いはずがなかった。福富の女将・富川菊(いしのようこ)は付け届けを受け取ろうとはせず、千代をそのまま追い返そうとした。
千代は、そのまま持ち帰ると叱られ、追い出されるに違いないと思い途方に暮れた。日が暮れるまで福富の前で座り込んでいたが事態は好転しなかった。

諦めて岡安に帰ると、女将・シズ(篠原涼子)は当然の成り行きだと話した。本家に対する儀礼的な行為であり、受け取らないことははじめから分かっていたという。さっさと諦めて帰ってくればよかったものを、店の前に座り込むなどという無礼な行動で岡安の看板に泥を塗ったと言って怒るのだった。

やっと1日の仕事が終わった。
奉公しているお茶子は、店に寝泊まりし、食事も与えられる。ただし、給金は支払われない。お茶子たちは客からのチップが唯一の現金収入である。まだ初日の千代には現金収入がなかった。

先輩のお茶子たちは、風呂屋に出かけようとしていた。千代もついて行こうとするが、貧乏で今までほとんど風呂に入っていなかった千代はたいそう薄汚れていた。風呂に入るのは一番最後にすべきだと言って、後から来るように言いつけた。時間を待つ間、座布団のほつれを全て修繕しておくよう命じられた。

なんとか座布団の修繕を終えて風呂屋に向かったが、すでに閉店していた。千代のそばを歩いた人からは、体が臭うと悪態をつかれた。
千代は、通りにあった防火用水桶から水をくんで頭からかぶり、ひとまずその場をしのいだ。

全身びしょ濡れで歩いていると、知らない男の子からからかわれた。千代のことをまるで河童のようだと言うのだ。しかし、一瞬目を離したすきにその男の子はいなくなっていた。

翌朝、道頓堀に天海天海[あまみてんかい]一座がやって来た。
天海天海一座は喜劇団であるが、喜劇界で日本一と言われている万太郎一座を追い越そうかという実力と人気のある劇団であった。事実、初日から一座の公演は満員売り切れとなった。

座長・天海天海(茂山宗彦)は岡安を贔屓にしており、真っ先に岡安へ挨拶に来た。
その一同の中には、千代のことを「河童」と読んだ男の子・一平(中須翔真)がいた。彼は座長・天海の息子であった。

* * *

続きを読む

NHK『おちょやん』第6回

2週目も頑張るんだぞと自分に言い聞かせている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第6回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『道頓堀、ええとこや~』

千代(毎田暖乃)は家を出て、道頓堀の芝居茶屋へ奉公することになった。継母・栗子(宮沢エマ)が子を宿し、追い出されることになったのだ。ただし、千代は自分が自ら家を捨てたのだと思うことにした。

千代が道頓堀に来るのは初めてである。多くの芝居小屋が立ち並ぶ娯楽の中心地で、そのにぎやかな様子はまるでおとぎの国のようであった。千代は自分の境遇を忘れて舞い上がった。

千代の奉公先は、芝居茶屋の岡安である。
千代はまだ知らないが、芝居小屋とは得意客相手に芝居関連の万事を引き受ける店である。席の確保や食事・酒の手配など、業務は多岐にわたる。

千代が芝居茶屋・岡安の前に立つと、中から働く女性たちが飛び出してきた。彼女らは座布団を抱え、忙しくたち振る舞っていた。千代とぶつかるが、謝ることもなく去っていった。
千代は腹を立て、河内弁で怒鳴り立てたが、相手にされなかった。

その様子は、岡安の女将・岡田シズ(篠原涼子)に見られていた。シズの千代に対する第一印象は最悪だった。

シズは、千代が親孝行な子かどうか訪ねた。千代はシズに取り入ろうとして、自分は親孝行であると嘘をついた。ここで一生懸命働いて、両親に恩返しをするつもりだと述べた。
しかし、それはシズの期待する回答ではなかった。シズによれば、親孝行な子は親の病気や怪我ですぐに里帰りしたがるという。そのため、使い物にならないと言うのだ。
しくじった千代はすぐに本当のことを言った。親に疎まれており、二度と家に帰らない決意であることを述べ、岡安に置いてほしいと頭を下げた。しかし、シズには千代が嘘つきに映り、ますます印象が悪くなった。

そこへ、シズの夫・宗助(名倉潤)とハナ(宮田圭子)が帰ってきた。ふたりは神社にお参りしてきて、ハナがおみくじを引いたところ大吉だったという。そこには「待ち人来る」と記されており、これも何かの縁だと受け入れることを促した。
母の言葉に、シズは渋々承諾した。ただし、1ヶ月だけと期間を決め、口入れ屋にはその間にもっとおとなしくて賢い子を見つけてくるよう言いつけるのだった。

千代は、シズの気が変わるよう、仕事をしっかり覚えるよう決意した。1ヶ月で使い物になれば、ずっと置いてもらえるだろうと考えたのだ。
さっそく女中頭・かめ(楠見薫)に仕事を教わろうとするが、彼女も親切ではなかった。どうせ1ヶ月でいなくなる子に仕事を教えている暇はないと言うのだ。単純な仕事として、炊飯用の釜を洗うよう命じられた。

千代は、釜や流しに残っているご飯粒を食べてよいか、かめに許可を求めた。いつも腹を空かせていた千代はそれを粗末にしたくなかった。
その様子に感心したかめは、千代に他の仕事も言いつけた。ただし、それは家の掃除や選択、家人のお使いなど覚えきれないほどたくさんあった。それでも文句を言わずに、千代は取り組んだ。

* * *

続きを読む

NHK『おちょやん』第5回

宮沢喜一の縁者という話題にはちょっと思うところのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第5回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『うちは、かわいそやない』

継母・栗子(宮沢エマ)が自分たち姉弟を方向に出して追い払うつもりであることを知り、千代(毎田暖乃)と栗子の関係は完全に冷え切っていた。
そんな中、父・テルヲ(トータス松本)は栗子の肩を持つばかりであるし、「母親」というものを知らなかった弟・ヨシヲ(荒田陽向)は栗子のことを慕うようになっている。加えて、村人たちは栗子の小唄を聞きたがり、鼻の下を伸ばして家に集まるようになった。
千代は孤立無援でだった。

その矢先、千代は栗子がテルヲとの子を宿していることを知った。そのため、テルヲは栗子を追い出さないばかりか、彼女に頭が上がらなくなっていたのである。食い扶持を減らしつつ金を得るために千代たち姉弟を奉公に出すことは、テルヲの中でほぼ心が決まっていた。
栗子は、血の繋がらない子供と一緒に暮らすのは御免だと本人たちの前で隠すことなく言い放った。

千代は、家を出ていく心が決まった。
ただし、ヨシヲだけは家に置いてくれるよう、手をついて深く頭を下げた。彼に対してだけは良い母親になってくれるよう栗子に頼み込んだ。栗子も不承不承ながら、それを聞き入れた。

こうして、千代は道頓堀の芝居茶屋に奉公に行くことが決まった。

出発の日、千代は生まれた初めてきれいに髪を結い、晴れ着を身に着けた。荷物は小さな風呂敷包みひとつきりだったが、母の形見のガラス玉は大事に懐にしまった。
テルヲとヨシヲが見送る中、千代は後ろを振り返ることもなく、足早に駆け出した。

栗子の手前、冷静に堪えていたテルヲであったが、辛抱たまらず千代を追いかけた。そして、家に唯一の亡き母・サエ(三戸なつめ)の写真を差し出した。

千代はそれを受け取ると、一筋の涙を流しながら捨て台詞を吐いた。
「うちは捨てられたんやない。うちがあんたらを捨てたんや。」

* * *

続きを読む

フライデーナイトギター記念日

このリフがいいねと君が言ったかどうかは知らないが12月4日はフライデーナイトギター記念日。

毎週金曜日の21時ころから、「フライデーナイトギター」と銘打ってギター練習の中継をしている当方ですが。そのレギュラーの第1回目は2015年12月4日(金)だったようです。もう5年も経つわけですか。


続きを読む

NHK『おちょやん』第4回

とりあえず今週だけは頑張ってみようと決意した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第4回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『うちは、かわいそやない』

遠くの街で観賞用の鶏を売り、千代(毎田暖乃)とテルヲ(トータス松本)は帰宅した。しかし、弟・ヨシヲ(荒田陽向)の姿が見えない。
栗子(宮沢エマ)も退屈しのぎに近くの街まで出かけていたので、ヨシヲの行方は知らないという。
そのまま翌朝になってもヨシヲは帰ってこなかった。村人たちが総出で捜索することになった。

千代も一人で山道を探していると、ヨシヲの草鞋が落ちているのを見つけた。声をかけると道の下からヨシヲの声が聞こえてきた。彼は滑落し、足を痛めた上、昨夜の雨に濡れて弱りきっていた。千代はヨシヲを背負い、家路についた。

しかし、いつも腹をすかせている千代は思うように力が出ない。
その時、どこからかいい匂いが漂ってきた。それにつられていくと、カゴいっぱいに見たことのない食べ物があった。おそるおそる口に入れてみるとたいへんな美味で、千代は夢中で貪り食った。

そうやって食べていると、山で暮らす彦爺(曾我廼家文童)が現れた。どうやらそれは彼の持ち物らしかった。彦爺によれば、それは豚の飼料とする食パンのミミだという。千代は、自分が豚と同じものを美味しく食べたことを恥ずかしく思った。
彦爺は、ヨシヲに向かって、一人で山に入ってはならないと注意したはずだとたしなめた。

ふたりは無事に帰宅し、父・テルヲのみならず、村人たちは全員喜んだ。
ただし、栗子だけは面白くなかった。

栗子は、テルヲとふたりきりになると、子供たちを家から追い出すように迫った。そうでなければ、テルヲと別れると脅した。
栗子は、子供たちもこの家にいていつも腹を空かせているよりは、奉公に出て腹いっぱい食わせてもらったほうがよほど幸せなはずだと説得した。最初は渋っていたテルヲであったが、そう言われるとまんざら悪い考えではないように思われてきた。
その場で結論は出なかったが、一部始終は千代が盗み聞きをしていた。

その後、テルヲは鶏を何羽か売りにでかけた。千代は、彼の留守中に栗子に意地悪をして追い出す算段を立てた。しかし、その目論見は栗子に見抜かれ失敗に終わった。

そうしていると、彦爺が山で採れた薬草を持って訪ねてきた。聞けば、それは腹痛に効く薬草であり、行方不明になった日にヨシヲが探していたものだという。
ヨシヲはそれを受け取ると、栗子に差し出した。栗子が痛そうに腹をさすっていたのを見たから、それが治るように薬草を探しに行ったのだという。

その様子を見ていて、千代はハッとした。
千代は実母・サエ(三戸なつめ)の記憶を持っているが、まだ小さかったヨシヲには母の記憶が皆無である。栗子がいかに性悪であったとしても、ヨシヲにとっては初めて接する「母」なのである。

* * *

続きを読む

NHK『おちょやん』第3回

今回のまとめ記事はいつ終わってもおかしくないと言っておく当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第3回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『うちは、かわいそやない』

父・テルヲ(トータス松本)が、姿を消した栗子(宮沢エマ)を探しに出てたまま10日が過ぎた。
以前の通り、家事を担わなくてはならなくなった千代(毎田暖乃)は学校に行けなくなった。千代の見立てでは、栗子は必ず戻ってくると思っていた。なぜなら、栗子が大事にしている三味線が家に置いたままだからだ。

千代の予想通り、11日めにテルヲと栗子が戻ってきた。テルヲは好きなものは何でも食べさせてやると約束して連れ戻したという。
しかし、貧乏な竹井家には栗子にご馳走を食べさせる金がない。そこでテルヲは、自分が大切に育てていた観賞用の鶏を売ることを決めた。

家から1時間ほどの小さな町には、ガラス工場を営む峯岸社長(佐川満男)の屋敷がある。そこで観賞用鶏の品評会が開かれるというので、テルヲは千代を伴って売り込みに行った。

峯岸社長は目が肥えていて、テルヲの鶏を一瞥しただけで駄作だと評した。素人が育てても碌なものにならないと言い捨てた。引き下がるわけにいかないテルヲは、この鶏の特徴は外見ではなく鳴き声であると主張した。しかし、どう囃し立ても鶏が鳴くことはなかった。ほとほと呆れてしまった峯岸社長はテルヲたちを追い払おうとした。

その時、千代が食ってかかった。
家が貧乏で、人も鶏もいつも腹をすかせている。この鶏が鳴き声は、空腹から逃れ、生きるための声である。それをわからずに、見た目だけで判断するとは峯岸社長の目はくもりガラスのようだと詰った。
そして千代は、きれいなガラスの見本として、母の形見のガラス玉を見せた。

それを見た峯岸社長は、千代がサエ(三戸なつめ)の娘だと見抜いた。
サエは幼いときから16歳ころまで、峯岸社長の下で奉公していたという。辞めた後はめっきり姿を見せなくなったが、亡くなる直前にひょっこりと現れ、そのガラス玉を娘のために買っていったという。その時のガラス玉が、月に似た珍しい色のものだったのでよく覚えているという。

そこに奇妙な縁を感じた峯岸社長は、テルヲの鶏を買ってやることにした。こうして、テルヲは十分な金を手に入れることができた。

帰り道、千代は父に、亡き母のことを今でも好きなのかと聞いた。テルヲは、栗子が怒るから好きではないということにしている、といたずらっぽく本音を語った。テルヲの提案で、サエの墓参りに寄ってから帰ることにした。

その頃、弟・ヨシヲ(荒田陽向)は薄暗い山道を一人で歩いていた。ヨシヲは足を取られ、滑落した。

* * *

続きを読む

NHK『おちょやん』第2回

2日めにして、朝起きれなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第2回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『うちは、かわいそやない』

父・テルヲ(トータス松本)は、新しい母だと言って栗子(宮沢エマ)という女を連れてきた。

死んだ母のことを忘れずにいる千代(毎田暖乃)であったが、栗子が来たことを喜んだ。栗子が新しい母として、家のことを全てやってくれると思ったからだ。そうなれば、千代はついに学校に行くことができる。

翌日、千代は早速登校した。字を読めなくて級友たちから笑われるなどしたが、学校生活はおおむね楽しかった。

体育の授業は徒競走だった。千代は近所の幼馴染・小林勝次(原知輝)に弁当を賭けた競争を挑んだ。聞けば、勝次はおばあちゃんの作った美味しいおはぎを持ってきているという。家の貧しい千代は弁当を持ってきていなかったが、徒競走で勝次に負ける気がせず、自分の弁当がないことは問題にならないと考えたのだ。

しかし、千代は足が遅かった。全くいいところがなく、勝次に敗北した。もちろん、千代は弁当を差し出すことができず、勝次は怒った。しかし、勝ち気な千代は喧嘩腰で対応した。その騒ぎを聞きつけた玉井先生(木内義一)が仲裁に入った。
すると、千代は嘘泣きで先生に弁明した。弁当を忘れた自分のために勝次がおはぎを分けようとしたが、自分が維持を張って断ったので言い争いになったとでまかせを述べた。その話を聞いた先生は感激し、勝次のことを褒めた。勝次は引っ込みがつかず、3つあるおはぎのうち自分では1つだけを食べ、残りの2つを千代に渡した。1つは千代が食べ、もうひとつを家にいる弟・ヨシヲ(荒田陽向)に持っていけと勝次は言うのだった。千代は遠慮することなくその通りにした。

千代が帰宅すると家中の家財がひっくり返されていた。栗子が言うには、何か売れるものがないか探したが何もなかったという。その上、腹が減ったから早く食事の支度をするよう千代に言いつけるのだった。テルヲとの約束で、栗子は家のことは何もしなくてよいことになっているという。
頭に来た千代は、鶏小屋のテルヲのところへ訴えに行った。しかし、テルヲは栗子の肩を持つばかりで、千代の味方をしなかった。

諦めた千代は、せめて弟・ヨシヲに土産のおはぎを食べさせてやろうと家に戻った。しかし、さっき確かに置いておいたはずのおはぎがなくなっていた。栗子の口元にあんこがついたままになっており、彼女が勝手に食べたことは明らかだった。千代は詰るが、栗子は少しも悪びれるでもなかった。

その夜、千代は竹林の中の母との思い出の場所に来た。ここに来れば心を落ち着かせることができた。

家に戻ろうとすると、父・テルヲが大声を上げながら家から飛び出してきた。栗子が家を出ていってしまったという。テルヲは彼女を探しに出たまま、しばらく帰ってこなかった。

* * *

続きを読む

NHK『おちょやん』第1回

COVID-19に関しては「4月末ころまでには落ち着いて元に戻るだろう」なんて思っていて、まさか朝ドラのスケジュールもずれ込むとは思っていなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第1回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『うちは、かわいそやない』

大正5年(1916年)、竹井千代(毎田暖乃)は大阪・南河内で暮らしていた。

家は養鶏場を営んでいたが、父・テルヲ(トータス松本)は働きもせず、昼から酒を飲んでばかりいた。母・サエ(三戸なつめ)は、千代が5歳のときに亡くなった。
弟・ヨシヲ(荒田陽向)の世話も含め、千代が家の全てを取り仕切っていた。

千代が家を守るのは、亡き母との約束であった。家事の一切に抜かりはない一方、千代は学校へ行くことができなかった。貧乏で学校にも来ないため、同年代の子供たちからはからかわれるばかりだった。ただし、からかわれるたびに、誇り高くかつ口汚く言い返す程度に、千代は強い女の子だった。

しかし、人前では気丈に振る舞う千代であっても、夜中に辛くなることもあった。そんな時は、一人で竹林に入り、秘密の隠し場所に行くのだった。そこは母との思い出の場所だった。幼い千代を連れて、母はよくここへ来た。千代は夜泣きをする赤ん坊だったが、ここへ連れてくるとピタリと泣き止んだという。
また、今際の母から貰ったビー玉をそこに隠していた。それはまるで月のようであり、千代は夜空と一緒にそれを眺めると元気が出てきた。そして、「うちは、かわいそやない」と自分を励ますのだった。

ある日、家の食べ物もほとんど底をつき、千代は卵を産まなくなった鶏を街で売ることとした。父を怒鳴りつけ、彼に鶏を売りに行かせた。
そのまま、父・テルヲは10日帰ってこなかった。

やっとテルヲが帰ってきたと思ったら、知らない女・栗子(宮沢エマ)を連れていた。
テルヲは栗子のことを「新しいおかあちゃん」と紹介するのだった。

* * *

続きを読む

杉本恭子『京大的文化事典 自由とカオスの生態系』

著者の杉本恭子は1990年代に同志社大学で学生時代を過ごしたそうだ。事前知識がほとんど無いまま『京大的文化事典 自由とカオスの生態系』を手にとり、前書き冒頭でその事実を知らされて肩透かしを食らった気分だった。
入学したことのない部外者が京大の文化について語るのかよ、と。

しかし、そこで投げ出さずに読み進めると、その絶妙な距離感の妙味がすぐに分かった。
外野の立場だからこそ、懐古趣味に陥ることなく、冷静で客観的に京大の文化を記述することに成功していると思われる。関係者(ただし、学生/卒業生側に偏っていて、教員/執行部側は少ない)や資料への丹念な取材が行われていて、独りよがりな思い出話に終始しないところが素晴らしい。

また、京大に閉じた文化論ではないところもよい。より大きな社会・文化全体に翻弄されたり、逆に牽引していく京大の姿が俯瞰的に描かれていて、僕たちが生きている世界について深く考える契機を与えてくれる。
たとえば、今日の京大文化の語り手の一人といえば森見登美彦(本書には彼へのインタビュー記事も掲載されている)と言えるわけだが、振り返ってみれば、彼の小説で描かれる”アホな京大”は社会とは隔絶された一つの別世界にしか見えない(まぁ、それが彼のファンタジー小説の持ち味だけれど)。一方、本書の”アホな京大”は、社会との接点がどのように維持され、また変化してきたのかということが丹念に説明されている。森見的京大しか知らなかった僕には目からウロコだった。
続きを読む