NHK『ブラッサム』第10回

今日から4連休の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第10回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『父からの、解放』

病の床に伏せていた父・清治(渡部篤郎)が錯乱した。包丁を握って家を飛び出し、往来でそれを振り回した。誰にも手がつけられなくなった。

そんな父に向かって珠(石橋静河)が懸命に声をかけるとやっと落ち着いた。
そして清治は珠に抱きつきながら、自分は未だ何も成し遂げていない、死にたくないと何度も何度も繰り返した。

それからすぐに清治は亡くなった。
珠はやっと父から解放されてせいせいしていた。しかし、それは不謹慎な考えだと思い、表面上は沈み込んでいた。唯一、継母・リョウ(国仲涼子)にだけは正直な気持ちを告白した。するとリョウは、それでよいと優しく答えてくれた。

しばらくして年が明けた。
珠は久しぶりに幼いきょうだいたちに向けて物語を書いた。珠の日常の楽しみだったはずなのに、いつしかその習慣もなくなっていたのだ。久しぶりに書くことは楽しかったし、きょうだいたちも喜んだ。

女学校で、以前一緒に同人誌を作った仲間たちに再度同人誌を作ろうと持ちかけた。珠は、書きたい気持ちが溢れていて止まらないのだと力説した。
稲子(華優希)とタエ(中井千聖)は校長にこっぴどく叱られ、退学処分もほのめかされたことを持ち出して反対した。珠は、学校にバレないよう秘密裏に発行すればよいと説得した。
すると、忍(木竜麻生)が同人誌づくりに賛成した。今まで珠が自分から積極的に何かをやろうとしたことはなかった。そんな珠が言い出したのだからやるべきだと述べた。その言葉に躊躇していたふたりも納得した。

以前から、2冊目の同人誌では4人の写真を掲載すると決めていた。それで各々が好きな格好をして写真館に集まった。
憧れだった写真を好きなように撮るというそれだけのことが、珠には特別なことに思えて、とても嬉しかった。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第9回

今日はさすがにまとめ記事書けないかと焦っていた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第9回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『父からの、解放』

婚家を飛び出し、珠(石橋静河)はたった3日で実家に帰ってきた。
絶対的家父長であり、縁談を取りまとめた父・清治(渡部篤郎)に怒鳴りつけられると予期していたが、清治は「わかった、まぁええ」と静かに言うだけだった。そして、ぷいっと家を出て行った。
珠と継母・リョウ(国仲涼子)は清治の意外な態度に拍子抜けした。

後日、あらためて珠は父・清治に謝ろうとした。
しかし、やはり清治は柄にもなくおとなしいままだった。破談の話もまとめあげ、先方にも落ち度があったと謝罪されたから珠が気にすることはないと静かに言うだけだった。

珠は、清治の様子がおかしいと感じ取った。
その刹那、清治は激しく咳込んで倒れ込んだ。すぐさま医者が呼ばれ、状態はよくないと診断された。消化のいいものを摂り、安静にする必要があるとのことだった。

そこで初めて、珠やリョウは清治が不調を自覚していたのだと悟った。だから珠の縁談成立に焦っていたのだと合点がいった。

清治は床に伏せたまま、年の瀬を迎えた。
何度目かの往診の末、医者はリョウにだけもう長くは持たないことを告げた。一方で清治本人には状態が良くなっているとウソをつき、好きなものを食べ、少々の酒を飲んでもよいと話した。

それを聞いていた珠は、清治にりんごを食べさせることにした。
床に伏せたままの清治が首を曲げて庭を見ようとした。ガラス戸には変わり果てた姿の自分が映っていた。そして清治には、ガラスに映る己の姿が自分を見下しているように思えた。見下されて腹を立てた清治は、りんごを剥く珠の手から包丁を奪い取り、ガラスの自分に向けた。
すると今度は、包丁の刃に反射する自分の姿が目に入った。その映像も自分に対して敵意を剥き出しにしていた。
清治は半狂乱になって布団から飛び起きた。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第8回

季節が変わり空気が乾燥しているせいか喉鼻唇の調子の悪い当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第8回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『父からの、解放』

珠(石橋静河)の嫁入りが決まった。
相手は、珠のいとこにあたる木村享一(小堀正博)だという。珠の亡き母の妹・照子(山田真歩)の長男であり、役所勤めである。家柄についても申し分なかった。

珠は突然のことに驚いた。照子は母の妹だと言うが、珠にはまったく記憶がなかった。そもそも、自分がとても小さい頃に亡くなった生みの母の記憶すらまともになく、おばとは没交渉であった。
珠は全くの力ではなかった。しかし、父・清治(渡部篤郎)の決めたことに抗うことは無理であった。

嫁入りの日、継母・リョウ(国仲涼子)が着付けをしてくれた。その日の珠はとてもきれいだった。
結婚のことについて何も言わない珠であったが、リョウは父の命令で仕方なく嫁ぐ珠の気持ちを理解していた。夫を信じて、良いところを少しずつ見つけていけばうまくやれると助言した。大変だけれど辛抱するのだと話した。

嫁ぎ先の木村家の座敷で宴席が始まった。
初対面の夫・享一は、珠と口を利かないどころか、顔すらまともに見ようとしせず、ずっと仏頂面だった。

宴席が終わり、葉野家ら客人が帰ると、享一はひとりで出かけると言い出した。珠が支度を手伝うと申し出ても、「いらん」の一言だけで出ていってしまった。
その夜、ついに享一は帰ってこなかった。
翌日以降も享一は珠と口を利かなかった。そして初夜と同じく、毎晩家に帰ってこなかった。

ある夜、珠は義父母の寝室からの話し声を聞いてしまった。嫁を取れば享一の態度も改まると思ったが、かえってへそを曲げる結果になってしまった。もう少し時間をかければ享一も変わるだろうから、珠にはもう少し我慢してもらおうなどと話し合っている。
珠が訝しんでいると、享一の弟・保(金子大地)が事情を教えてくれた。享一は以前から色街通いをしていて、長く贔屓にしている女がいるのだという。母・照子は、結婚すれば色街が良いもやめるだろうと期待して縁談を進めたのだという。しかし、保の見立てでは、享一は一生変わることはないだろうという。

珠は自分は必要のない人間だと痛感した。
その足で実家に帰った。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第7回


本当はradiko で BAYFM it!!を聞きたいと思っているままの当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第7回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『父からの、解放』

珠(石橋静河)たち仲良し4人組の同人誌が完成した。それぞれが原稿を持ち寄り、和綴じした1冊だけだったが、4人はその出来栄えに感激した。その1冊を同級生たちに回覧したところ評判は上々だった。

珠は『やさしいアンナ』という小説を寄稿した。トルストイ『イワンのばか』の主人公を女性に替えて翻案した作品であった。珠は、その主人公に継母・リョウ(国仲涼子)を重ねた。報われなくても淡々と働く姿が切なくていじらしく、そして美しい。その思いを込めた作品である。
それはもちろんであったが、同級生たちからは別のところが特に褒められた。アンナのことをバカにしていた兄たちが、逆にアンナに説教されるシーンがある。その下りが男性優位の社会に対する風刺のように見えて、女学生たちは胸のすく思いがしたのである。

ある日、本家から清治(渡部篤郎)への仕送りをやめるという知らせがあった。清治の弟・清重(三浦誠己)が本家の造り酒屋を継ぐ代わりに十分な金を送ると約束していたが、それは先代の十七回忌までと最初に取り決められていたのだ。ついにその期限が来た。

清治は珍しく弟に頭を下げ、もうしばらく金を送ってほしいと頼んだ。4人の子どもたちにしっかり学をつけさせたいと思っており、せめて学校を出るまでは援助して欲しいと懇願した。
しかし、弟・清重はそれが心にもない芝居だとすぐに見抜いた。ますます冷ややかになり、もう二度と本家の敷居はまたがないで欲しいと絶縁した。それ以上埒が明かず、清治は大人しく帰っていった。

それからというもの、清治の狼藉が激しくなり、ついには警察に捕まるまでになった。
誰かに喧嘩を売ろうしたが皆逃げていってしまう。仕方ないので料理屋で一人で暴れ出し、手がつけられなくなったのだという。
知らせを受けた珠が警察署に駆けつけると、ほどなく清治は何事もなく釈放されて出てきた。清治によればわざと咳をして、肺病患者のふりをしたのだという。感染を恐れた警察官がすぐに釈放したのだ。

珠は父・清治に乱暴をはたらいた理由をきつく聞いた。しかし、清治はのらりくらりとするばかりだった。
ついには、自分に質問を投げつける珠のことを度胸があって頭もいいと言って笑った。

それから数日後。
珠たち仲良し4人組は校長室に呼ばれた。珠たちの同人誌の内容が不謹慎だというのだ。良妻賢母の育成が教育方針である学校にあって、女性の地位向上を訴えるならば退学処分になるというのだ。
特に、珠の小説で兄たちが説教される下りは、社会における男性の有様を揶揄しているとして特に問題となった。

女学生4人だけではどうしても学校に対抗することはできなかった。こうして同人は即日解散となった。

その日、珠が家に帰ると、客があって家が騒がしかった。父・清治の機嫌のいい声も聞こえてくる。
珠が顔を見せると、清治は珠の嫁入り先が決まったと上機嫌で話しだした。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第6回

さっきサイゼリヤで飯食ってたら店内に別々の2組の若者グループがいてどちらもとても騒がしくて、内心イライラして胸の奥で舌打ちしたりしてたんだけど、ちょっと考えてみたら若者に元気のない社会はすごくイヤだし、そんな社会に未来は無いよなと思い直し、中高年で騒ぐ元気もない俺達に代わってこの社会をもり立ててくれ、結構結構大いに騒ぎ給えと脳内でつぶやいた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第6回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『父からの、解放』

1913年(大正2年)、珠(石橋静河)は高等女学校の4年生になっていた。
父・清治(渡部篤郎)は相変わらず放蕩無頼であり、家族にも厳しかった。珠はそんな父に緊張しながらも、彼との間にこれといった問題も起こさず暮らしていた。
継母・リョウ(国仲涼子)も相変わらず血の繋がっていない珠にも優しく接してくれた。

家での珠の楽しみは、歳が離れていてまだ幼い弟と妹のために童話や滑稽噺を創作して聞かせてやることだった。弟と妹は珠によく懐いていたし、珠も毎日新しい話を考えるのが楽しくて仕方なかった。
珠は小説を読むのも好きだった。今は『イワンの馬鹿』を読んでいる。ただし、家で小説を読むことを父が許さなかったので、もっぱら学校の空き時間に大急ぎで読むしかなかった。

珠の通う高等女学校は、良妻賢母教育に力を入れていた。夫を支え、子を育て、家庭を守る女性を育て上げることが教育方針である。多くの同級生たちは、一日でも早く嫁入りすることを目標としていた。

そんなある日、珠と仲の良い忍(木竜麻生)が自分のところにも縁談が来たと打ち明けた。しかし、忍は結婚はしたくないという。自分のことなのに親の言いなりになるのが我慢ならないという。親に反発したが聞き入れてもらえなかったという。
父・清治に絶対服従を貫いている珠には、親に反抗したというだけで別世界の話のように聞こえた。

忍は婦人文芸誌『青鞜』を取り出し、そこに掲載されている平塚らいてうの「元始、女性は実に太陽であつた。」という文章を読み上げた。忍は、自分もらいてうのように自由に物を言いたいと述べた。
忍は、珠に加えて稲子(華優希)とタエ(中井千聖)にも声をかけ、仲良し4人組で同人誌を作ることを提案した。
当初、珠だけが乗り気ではなかったが、家できょうだいに聞かせているような話を書けば良いのだと説得され、創作が好きなこともあり、参加することにした。

同人誌を始めることを継母に話すと、リョウはとても喜んだ。
リョウは、珠の歳のころにはこの家に嫁いできた。だから、学校に通うことも友達と一緒に過ごすようなこともできなかった。自分にはできなかったことを珠が謳歌しているのを見ると、まるで自分のことのようで嬉しいのだと話した。

それまで何を書けばよいか思いつかず筆が止まっていた珠であったが、継母・リョウと話し終えると何かを思いつき、鉛筆を走らせた。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第5回

僕の深く敬愛する山瀬まみさまのお誕生日をお祝い申し上げる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第5回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『私の父、私の母』

珠(村上蘭)が小学校から帰ってくると、継母・リョウ(国仲涼子)と他のきょうだいたちの姿がなかった。父・清治(渡部篤郎)が何よりも大切にしていたカナリヤをリョウが誤って逃がしてしまい、罵倒されたことでリョウは実家に帰ってしまったのだ。父・清治は、珠はリョウに捨てられたのだと吐き捨てた。

珠はカナリヤを捕まると言って、網を持って飛び出していった。
しかし、逃げたカナリヤはなかなか捕まえられなかった。

実家に帰ったリョウは、両親(内藤裕敬、山﨑千惠子)から同情された。清治とは金輪際縁を切り、戻る必要はないと話した。珠を残してきてしまったことを心配するリョウだったが、両親は血の繋がらない子のために心を痛める必要はないと説得した。

珠はリョウの実家に向かった。
戸は固く閉ざされていたので、珠は家の外からリョウに語りかけた。自分が必ずカナリヤを捕まえるので、清治はきっと許してくれるはずである。その時に一緒に帰ろうと訴えた。

しかし、リョウからの返事はなかった。落胆した珠は自分とは血が繋がっていないから置き去りにしたのかと捨て台詞を吐き帰ろうとした。
その時、ついにリョウが家から飛び出してきた。ふたりは抱き合い、そして手を握りあって話し始めた。
リョウは、珠のことを大事にするという誓いを破ったことを謝った。そして、初めて会った日に珠が自らリョウの手を握ってくれたのだと思い出を語った。それで珠を大切にしようと誓ったのだと話した。
こうしてリョウは珠と一緒に家に帰ることになった。

一同が家に帰り着くと、父・清治は何よりもまずカナリヤのことを聞いた。見つからなかったと答えると、あの鳥は替えのない大事な鳥だ、どうするつもりだと激しく怒鳴り立てた。その上でリョウを殴ろうと迫った。

その間に入って庇ったのが珠だった。
珠は、カナリヤはもう戻ってこないので諦めるしかないと話した。それよりもリョウの方が大事である。どうか許して、みんなをこの家に置いて欲しいと懇願した。
清治はこの家の何がいいのかと自嘲気味に言いながらそれを許した。

それから5年後の1913年(大正2年)、珠(石橋静河)は高等女学校の4年生になっていた。
川沿いの桜は今年も満開になっていた。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第4回

2年ぶりくらいで朝更新する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第4回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『私の父、私の母』

父についての作文は、みんなの前で読み上げることとされた。しかも、各自の父親を読んで参観日にするという。

珠(村上蘭)は気乗りしなかったが、継母・リョウ(国仲涼子)とともに父・清治(渡部篤郎)に作文朗読と参観日のことを話した。
父についての作文の発表会だと聞かされても清治はめんどくさそうに反応だった。珠はそれ以上しつこく誘うこともなく、むしろ清治が来ないことに安堵した。

しかし、参観日の当日、清治が遅れて教室に入ってきた。そして、珠の作文の発表が始まった。

珠の作文は、父の悪口から始まった。曰く、理不尽な理由でよく叱るというのだ。しかも、父は仕事をしたことがなく、遊んでばかりだと書かれていた。
しかし、後半では父の良い点が書かれていた。ある夜、父は一人で縁側に座ってカナリヤをじっと見ていた。父はカナリヤを何よりも愛していて、その横顔は笑っているようにも物悲しいようにも見えた。そんな父の表情は今までに見たことはなく、自分はしばらく食い入るように見つめてしまった。周囲からは放蕩無頼の徒だと陰口を叩かれているが、その時の父はそのような人物には思えなかったと述べて締めくくられた。

発表が終わるや否や、清治は笑いながら大きな拍手をした。確かに名文であった。教室中が拍手に包まれた。
放課後も清治は上機嫌だった。珠と一緒に下校し、珠の頭を撫でて褒めた。さらに、町の人々に会うたびに珠の作文を渡して読ませた。清治は、今までに見たことがないほど嬉しそうにはしゃいでいた。
こうして、しばらくの間、葉野家は平穏な日々が続いた。

ところがある日、事件が起きた。
清治が昼寝している間、継母・リョウはカナリヤに餌を与えていないことに気づいた。カゴを開けて餌をやろうとした瞬間、幼い息子・守(大西悠貴)が末の赤ん坊・英男にいたずらしようとしていた。それに気を取られたせいでカナリヤが飛んで逃げてしまった。
目を覚ました清治はカナリヤがいないことで激しくうろたえた。リョウが逃がしたと知ると激昂し、今すぐに連れ戻せと怒鳴りつけた。

しばらくして帰宅した珠は家の異様な雰囲気に気づいた。家には清治しかおらず、リョウは他の3人の子どもたちを連れて家を出ていったという。清治は、リョウはいつも珠をかわいがっていたのに、何かがあると珠だけを置いていったと皮肉を交えて冷笑した。

珠は網を手に取ると、カナリヤを探すと言って家を飛び出した。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第3回

アバンタイトルでは必ず85歳の珠(加賀まりこ)&その秘書・藤川優子(松たか子)が出てくるという決まりになってるみたいだけど、めんどくさいからその部分は割愛することにした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第3回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『私の父、私の母』

父・清治(渡部篤郎)の羽織を洗濯したものの、シワを伸ばさずに干してしまったことで珠(村上蘭)は清治の逆鱗に触れた。清治は珠を翌朝まで蔵に閉じ込めることにした。
朝になったが清治は珠を解放しなかった。代わりに蔵の鍵を開けてくれたのは継母・リョウ(国仲涼子)だった。清治は珠のことなど忘れて眠ったままだという。リョウは珠に朝食を摂らせ、小学校に送り出した。

珠が学校に行っている間、清治のところへ実家から使いの者(浅雛拓)が来た。
清治の実家は岩国でも有数の酒蔵である。本来なら長男の清治が継ぐところだが、弟の清重(三浦誠己)に譲る代わりに清治は毎月かなりの仕送りを貰っている。使いの者はそれを届けに来たのだ。清治は恥じることも悪びれることもなく、横柄な態度でそれを受け取った。

使いは、当主・清重からの伝言を伝えた。清治には新たに子どもも生まれたので、そろそろ落ち着いて働くべきである。むしろ、長男が働かずにブラブラしていると、葉野家の名が廃るとも言っているという。
遠慮のない無礼な伝言であったが、清治は静かに聞いていた。そして、兄弟できちんと話をする必要があると認め、後日会う約束をした。

後日、ふたりは清治の用意した料亭で会った。清治は先に到着し、悠々と酒を飲んで待っていた。少し遅れて、弟・清重が到着した。彼は昔から右足が悪く、その足を引きずるように歩いた。座敷に座るときも大儀そうであった。
それでも弟・清重はやっと兄が心を入れ替えて働く気になったと思い、まんざらでもなかった。

兄・清治は手を打って、用意していた料理を女中に持ってこさせ、自らの手で蓋付きの器に入った料理を弟・清重の前に据えた。清重が蓋を開けると、中には生きたヒヨコが数羽飛び出してきた。
それは清治の挑発的回答だった。自分は一生働かず、自由に暮らすつもりだと話した。弟・清重は足が悪く、よそに勤めに出ることはできない。彼は父に泣きついて家を継がせてもらい、兄には仕送りをすると自ら申し出た経緯がある。今になって兄に働けと言うのは約束違反だと言うのが清治の主張だった。
弟・清重は言い返すことができず、逃げるように帰っていった。

その頃、珠は学校の宿題に手こずっていた。父についての作文が課されているが、何を書いたらよいかまったく思い浮かばないのだった。
ある夜、いよいよ切羽詰まって徹夜覚悟で机に向かった。しかし、一文字も書くことができなかった。

夜中、全く進捗のないまま、珠は厠へ向かった。その途中、ひとりで居間に座っている父の姿を見た。
月の明るい夜で、開け放たれた障子からは庭に植えられた満開の桜と舞い散る花びらがよく見えた。それを背景に、清治は座って静かにカゴの中のカナリヤを優しい眼差しで眺めていた。

その様子に何かを感じ取った珠は机にかじりつくと一心不乱に書き始めた。夜が明けると同時に作文が書き上がった。
書き上げると珠は笑顔になった。

* * *

続きを読む →

NHK『ブラッサム』第1-2回

昨日はカラオケで島津ゆたか『ホテル』を熱唱するなどしていたのでテレビを見る暇のなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブラッサム』の第1回めと2回めをまとめてNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『私の父、私の母』

1908年(明治41年)、山口県岩国。
11歳の葉野珠(村上蘭)は、本家へおつかいに行った帰り道だった。まだ歩けない妹の俊子を背負い、疲れたと言って駄々をこねる弟・守(大西悠貴)をなだめすかせなければならない。しかも、手には本家から持たされた風呂敷包みを抱えていた。

まだ自分も子どもの珠が、弟妹の子守をしながらおつかいに出された理由は、母・リョウ(国仲涼子)の産後の肥立ちが悪かったからである。末の弟・英男を生んだばかりだが体力が回復せず、床に伏せたままだった。珠が他の子どもたちの世話をしなければならなかった。
加えて、父・清治(渡部篤郎)は家庭を顧みない男だった。妻が寝込んでいるというのに、自分は最近買った馬でそこら中を走り回っていた。家族ばかりでなく、周囲の人々にも横暴な態度をとっており、近所でも鼻つまみ者だった。

両親がこのような状態なので、長女の珠が本家へ出向き、末弟の誕生の挨拶に派遣されたのだ。今日だけのことではなく、母・リョウのお産の前後から、珠は母に代わってずいぶんと家事も行ってきた。そのため、ここしばらくは小学校にも登校できずにいた。

それでも珠は、自分がそれほど不幸だとは思っていなかった。
どんなに大変なことがあっても、川べりの満開の桜並木を眺めると元気が出るのだった。
岩国の桜並木は、後に珠が東京に暮らし、85歳(加賀まりこ)になっても忘れることなく、ほぼ毎年見物のために里帰りするほどとなる。

おつかいから家に帰ると、母・リョウは相変わらず臥せっていた。しかし、珠の姿を認めると体を起こし、珠をねぎらってくれた。
リョウは、他のきょうだいと違って、珠のことを特別扱いした。他のきょうだいは呼び捨てにするのだが、珠だけは「珠さま」と呼んだ。
それというのも、リョウは継母なのであった。珠の実の母は、珠が2歳のときに死んだ。その後に、清治の後妻としてリョウがやってきて、他の子たちを産んだ。珠は血の繋がりのない自分をどうして特別扱いするのかいつも不思議でならなかった。

一方、父・清治は家族は誰であれ厳しくあたった。
家に帰ってくるや否や、飼っているカナリヤの餌が切れていると言って怒りはじめた。カナリヤの世話は珠の仕事だと言って、もうすぐ暗くなるのにもかかわらず、今すぐに餌を買いに行けと命じた。
折悪く雨が降り出した。清治は珠に裸足で買いに行けと命じた。以前、雨の日に珠が草履を履いてダメにしてしまったが、足はどんなに濡れても腐らないというのが理由だった。珠は素直に返事をして、裸足で出かけていった。
道中の八百屋の岩田夫妻(八嶋智人、楠見薫)が珠を見かけ履物を貸そうとしたが、珠はきっぱりと断った。珠にとって父の命令は絶対なのである。

無事に餌を入手し、帰宅すると母・リョウが湯を沸かして待っていた。彼女は桶に湯を張り、珠の足を洗ってくれた。
リョウは父や珠に対して後ろ向きなことは何も言わなかった。ただ、自分は珠と一緒にいたら元気になると言うだけだった。

翌朝、珠が目を覚ますと、母・リョウがすでに台所に立っていた。ずいぶんと体調が良くなり、料理ができるまでになったという。家事もできるようになったから、珠は学校にいけというのだ。それで珠は久しぶりに登校した。

投稿中、珠は幼馴染の梅(古川葵子)に最近はどんなことを習っているのか尋ねた。梅の回答は「日本海なんとか」などというあやふやなものだったが、珠はすぐに「日本海海戦」のことだとわかり、逆に梅に概要を説明してやった。珠はすでに教科書を全て読み終わり、あらたかのことは頭に入っているのだという。梅は珠に感心した。

その日、学校では作文の宿題が課された。テーマは「父」で、好きなところや自慢できるところを書いてくるようにと指示された。
珠は書くべきことがないと思って困惑した。

家に帰ると、父・清治が母を怒鳴りつけていた。出かけようとしたところ、羽織がシワだらけになっているというのだ。こんな無様な羽織では外出できないと言って当たり散らしている。
実はその羽織を洗ったのは珠だった。母・リョウが臥せていた時期に珠が代わりに家事をしていたのだ。

珠は正直に自分の仕業だと申し出た。母は自分が見直さなかったせいだと弁護したが、父の耳には届かなかった。
父・清治は珠を叱る時にいるもするように、彼女を蔵の中に閉じ込めた。家族にも、翌朝まで絶対に出すなと言いつけて出かけていった。

珠は口答えもせずに、蔵に入った。
実は、珠はこの蔵が大好きなのであった。蔵の中には古新聞や古雑誌があって、そこに掲載されている小説を読むのが大好きだった。英雄の冒険譚や、男女の恋の話など、家で読んでいたら父に叱られてしまう。しかし、ここではむしろ父の目を気にせずに小説の世界に没頭できるのだ。珠にとってはご褒美も同じだった。

夜、母・リョウがこっそりと握り飯とランプを持ってきてくれた。ランプのおかげで小説の続きが読めると言って珠は感謝した。
母から久しぶりの小学校の様子を聞かれ、珠は父についての作文の宿題が課されたことを話した。珠は正直に、書くことができないと打ち明けた。父・清治は家ではあまりしゃべらないし、すぐ怒る。近所でもクズの人でなしだと陰口を叩かれているのを知っている。良いところがないのだ。

けれども珠は、どういうわけか、父のことがイヤではないと話した。
リョウは、その気持をそっくりそのまま書けばよいと助言し、珠もそれを受け入れた。

リョウは、自分も蔵で珠と一緒に寝たいと言い出した。珠をひとりにしたくないのだという。珠はあらためて、リョウの優しさを不思議に思った。
そう尋ねると、リョウは理由を話した。初めて珠を見た時に、それはそれはかわいかったのだという。その場で珠のことを一生大切にしようと誓ったのだという。
珠はわかったような気がした。

そうして、リョウは母屋に帰っていった。
再びひとりになった珠は、優しい母は大好きだと思った。しかし同時に、なぜか不安にもなるのだった。

* * *

続きを読む →