NHK『ばけばけ』第6回 [終]

明日放送の山瀬まみが復帰するというので今から胸がドキドキして落ち着かない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第6回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第2週『ムコ、モラウ、ムズカシ。』

トキ(高石あかり)は婿をとることに決めた。一家の働き手を増やして借金を返すためだ。そうでもしなければ到底今のどん底の暮らしから抜け出せないと考えられるのだ。

トキは、紡績工場の同僚の女工・チヨ(倉沢杏菜)とせん(安達木乃)とともに、縁結びで有名な八重垣神社に参った。
そこで占いをしたところ、同僚のふたりは良縁が近いという結果が得られた。一方、トキの占い結果は、結婚相手はいつか見つかるものの、それは果てしなく遠い未来であるというものだった。

トキはすっかりしょげかえってしまった。夕食も満足に喉を通らない。トキの両親(岡部たかし池脇千鶴)は占いは当たらないこともあると言って慰めたが、場の空気を読まない祖父・勘右衛門(小日向文世)は八重垣神社は由緒正しい神社なので占いのはずれるはずがないと追い打ちをかけた。トキはますます塞ぎ込んだ。
トキの両親は、良い見合い相手を近いうちにきっと見つけてやると約束した。見合いを成功させて、占いの結果を覆せばいいと慰めたのだった。

両親は、結婚相手に望むことを尋ねた。しかし、トキは働き者で金を稼ぐ男以外に希望はなかった。あくまで借金返済のための結婚だと割り切っているからだ。
ただし、もし叶うのならば、怪談の好きな人がよいと述べた。怪談好きであれば、たとえ人間以外の化物でもよいというのがトキの願いだった。

しかし、トキの見合い相手探しは難航した。
向こう見ずな父・司之介は勤めの牛乳配達にかこつけて県知事の屋敷に出向き、知事の息子を婿に欲しいと直談判した。身分違いをわきまえない失礼な要望ですぐに叩き出された。牛乳配達の親方からもこっぴどく叱られた。

母・フミは遠縁であり、トキの勤め先の紡績工場も経営している雨清水家の妻・タエ(北川景子)に相談した。自分で見合い相手を探しても見つからないと言ってなかば泣きついたのだ。するとタエはすでに見合い候補を探し始めていると答えた。トキが工場で婿探しをしていると喋っているので、夫・傅(堤真一)を経由して話を聞いていたのだ。
その返答にフミはいささか面白くなかった。トキの母親である自分になんの連絡もなくタエが独自に探していたことで、自分が除け者にされたような気分になったからだ。それを理解してタエは素直に謝った。

ある朝、工場に出勤したトキは、一緒に神社で占いをしたせんに結婚相手が見つかったと知らされた。確かに彼女の占い結果は早くに良縁に恵まれるというものだった。
占いがよく当たるという証拠を見せられたと同時に、せんが羨ましくなってトキの表情は硬くなった。

* * *

続きを読む

NHK『ばけばけ』第5回

某知人がハンバートハンバートの背の高い方と蕎麦屋で相席になったことがあると聞いたことのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第5回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

明治19年(1886年)、18歳のトキ(高石あかり)は織物工場で働いていた。同僚はみな貧乏な家の娘で、今の暮らしには良いことも娯楽もないとボヤいてばかりいる。
トキは最近良かったこととして、新しい怪談を聞いたこと、幽霊の夢でうなされたこと、金縛りにあったことなどと答えた。調子外れの回答に同僚たちにかすかな笑いが広がった。

その織物工場は、トキの遠縁にあたる雨清水傅(堤真一)が武士の道を外れて創業したものである。無事に軌道に乗り、トキをはじめ何人かの女工を雇って順調に経営していた。
その日も、女工たちへカステラを差し入れた。貧しい女工たちにとっては生まれて初めてのカステラであったし、たまには良いこともあるものだと喜んだ。

雨清水は、他の女工たちの見ていないところで、トキにカステラを一切れ手渡した。家で内職に精を出している母・フミ(池脇千鶴)への土産だという。

一日中働き、家に帰り着くとトキはヘトヘトだった。それと前後して、同じように疲労困憊した父・司之介(岡部たかし)も帰ってきた。彼は5年前から牛乳配達の仕事で日銭を稼いでいる。

それでも松野家の暮らしは最底辺だった。松江城のそばにあった屋敷はとっくに手放し、現在は川の反対側にある貧民街の長屋に暮らしていた。長屋のすぐ隣は遊郭である。
日々の食事にも事欠き、膳にあるのは飯の他には漬物としじみ汁だけだった。しじみ汁は一家の大好物であるが、椀の中にしじみはほんの少ししか入っていなかった。

雨清水からのカステラを手渡すと母・フミは大喜びした。彼女もカステラは生まれて初めてであり、その甘い香りにうっとりした。おっかなびっくり指先に小さな欠片を取って口に運ぶと、その美味しさに感激した。
その様子を見た父・司之介は自分にもよこせと迫ってきた。しかし、それはフミへの土産だと言って、トキが激しく抵抗した。父と娘の争いはまるで子供のような幼稚さであり、フミはその様子を見て笑った。トキと司之介もどこか楽しそうにじゃれ合っている。
貧しくはあったが、まんざらでもない生活であった。

それでもトキは昔の生活を思い出すことがある。長屋の井戸からは、屋敷のあった川の反対側がよく見える。
トキの幼馴染で、現在は同じ長屋に住んでいるサワ(円井わん)がやってきた。川の向こう側を眺めるトキと一緒になって、こんなはずではなかったとボヤいた。彼女は教師になって家を支えるという夢を持っていたがそれが叶わなかったのだ。

そうこうしていると、隣の遊郭に来ていた酔客が井戸の付近で立ち小便をした。叱りつけるトキとサワの声で遊女のなみ(さとうほなみ)が駆けつけてきた。
その遊女・なみに向かってサワは悪態をついた。このような無様な酔漢から金を貰って生きるなど悲しいことだと言うのだ。

その売り言葉になみは、女が生きていくには身を売るか男と一緒になるしかないと捨て台詞を吐いて去っていった。

ある日、森山(岩谷健司)が借金の取り立てにやって来た。滞納している先月分もまとめて払えというのだ。しかし、松野家は今月分にすら足りない額しか出すことができなかった。
すると森山はトキに目をつけた。遊郭に売ってしまえというのだ。
トキを何よりもかわいがっている祖父・勘右衛門(小日向文世)は激しい剣幕で怒鳴りつけた。元武士の迫力に押され、森山は逃げ帰った。

騒動が収まると、トキは婿を貰うと言い出した。借金を返すには、婿を取って働き手を増やすしかないというのだ。
現状を踏まえれば、家族の誰もその提案を却下することはできなかった。

* * *

続きを読む

NHK『ばけばけ』第4回

今日は我が最愛の山瀬まみの誕生日であることをたいへんめでたく祝福している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第4回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

父・司之介(岡部たかし)がふらりと家を出たまま10日以上帰ってこなかった。
トキ(福地美晴)は学校の行き帰りで街中を探し回った。

するとついに、宍道湖の岸に佇む父・司之介を見つけた。
司之介はトキの姿を見つけるや否や、湖の中へ逃げ出した。トキも後を追い、ずぶ濡れになりながら父にすがりついた。
「すまん」以外は何も話そうとしない父に向かって、そんな父に向かってトキ、失踪した理由が何であれ生きていただけで良かったと言い、一緒に帰るのだと強い口調で命令した。
さらに、司之介がいないと大好きなしじみ汁もまったく美味しくないと述べた。そこに母・フミ(池脇千鶴)も現れ、異口同音にしじみ汁の味気なさを語った。

ふたりの説得で、ついに司之介は折れた。
ただし、トキには翌日から学校に行かずに働いてほしいと継げた。それというのも、ウサギ相場が大暴落し、今やウサギには全く値がつかないという。司之介が仕入れた大量のウサギが捌けなくなったばかりか、事業拡大に投じた莫大な借金だけが残ることとなった。その額は、司之介が一生働いても返せないほどだという。
トキを学校に行かせる金はなくなったが、大好物のしじみ汁だけは飲ませることを司之介は約束した。

こうして司之介は家に帰ってきたが、その日の食卓にしじみ汁はなかった。
代わりに「しめこ汁」という初めて見る料理が出ていた。それはそれは美味で、祖父・勘右衛門(小日向文世)は有頂天になった。
ただし、「しめこ」が何かと聞いても、司之介とフキは口ごもって答えようとしなかった。

嫌な予感のしたトキは、ウサギの在庫置き場を見に行った。すると、そこには空っぽのカゴだけが積まれていて、一羽のウサギもいなかった。それらは全て絞められて食卓に上がったのだ。
祖父とともにウサギをかわいがっていたトキは、心の底から恨めしく思った。

昔からトキは、恨めしいことがあると母・フキに怪談本を読んでもらった。そうすることで恨めしさが紛れたのだ。
その夜も読んでもらったが、トキの恨めしさは増すばかりだった。

それと同じ頃、アメリカのシンシナティに暮らすレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)は自分で自分のこめかみに銃口を向けていた。
新聞記者の仕事を失い、無一文で餓死寸前だったのだ。遺書に、自分には何も無い、金もパンも家族も、そしてこの遺書を読む友人の一人もいないなどと書き綴った。
いよいよ覚悟を決め、引き金に指をかけたが、彼には銃弾を買う金もなかった。死にきれなかった。
そんな境遇を恨めしく思った。

遠く離れた場所で同じように恨めしさを募らせているふたりは、この5612日後に出会うことになる。

* * *

続きを読む

NHK『ばけばけ』第3回

マジで別宅の隣がウサギ屋である当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第3回めをNHK ONE(未ログイン状態)で見ましたよ。

* * *
第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

父・司之介(岡部たかし)は、家に金成(田中穂先)という男を招いた。彼と一緒にウサギの商いを始めるという。司之介と金成は城勤めの頃からの知り合いで、金成からよく儲かると教わったという。
金成によれば、舶来物の珍しい柄のウサギが世間で人気を博しており、中には5円で仕入れたウサギが600円で売れた例もあるという。母・フミ(池脇千鶴)がざっと計算したところ、その額はトキ(福地美晴)を小学校に100年間通わせることのできる金額に相当した。

フキは話がうますぎると半信半疑だった。しかし、今までくすぶっていた司之介がやっと元気を取り戻したと思うとが嬉しくて、反対せずに応援することにした。
祖父・勘右衛門(小日向文世)は、武士が商売を始めると聞いて烈火のごとく怒った。しかし、トキが父と一緒になって頭を下げると許すことにした。彼は孫にはめっぽう甘いのだった。

それから数週間が経った。
ウサギは飛ぶように売れ、司之介の商売はしごく順調だった。1ヶ月の売上は200円にもなった。
あんなに怒り心頭だった祖父・勘右衛門も今ではトキと一緒になってウサギをかわいがった。松野家の食卓も豪華になった。以前は飯とめざし、そしてしじみ汁程度のものだったが、いまではおかずが5品もつくほどだ。ただし、松江に生きる者として、好物のしじみ汁だけは欠かさなかった。
松野家では笑顔が絶えなくなった。トキが生まれてこの方、家族みんながこんなにもずっと笑っているのは初めてのことだった。

この前まで、トキは大きくなったら教師になりたいと言っていた。しかし、いつ気が変わって、もっと大きな夢を抱くとも限らない。彼女がどのような進路を選ぼうとも必ず叶えてやれるよう、より多くの蓄えが必要だと司之介は考えるようになった。
そこで、相場が有利な今のうちに借りれるだけの金を借りて商売につぎ込むことを決めた。松江武士は猪突猛進を心情としており、それに従うのだと司之介は得意になった。

ある日、父・司之介はトキを連れて松江の町を散策していた。
その時、借金のかたに売られた娘が逃げ出し、複数の男たちに追いかけられて捕まる騒ぎがおきた。その他にも、粗末な身なりの男女が縄で縛られて連れて行かれる様子が見られた。それらはいずれも借金で身を持ち崩した当事者や親族であるようだった。
司之介は、ウサギが失敗していたら自分たちもああなっていただろうと話すのだった。

ある夜、家でほろ酔いになった司之介は酔い覚ましのためにふらりと家を出ていった。
しかし、結局その日は家に帰ってこなった。

* * *

続きを読む

NHK『ばけばけ』第2回

山瀬が復帰する!それだけでもう天にも登る思いの当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第2回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

父・司之介(岡部たかし)は武士の矜持が捨てられず、働くことは恥だと思っている。祖父・勘右衛門(小日向文世)も隠居の身であり、食い扶持を稼ぐことをしない。母・フミ(池脇千鶴)が細々とした内職で家計を助けていたが、一家を支えることは到底無理である。松野家の貯金は今にも底をつきそうだった。

トキ(高石あかり)の通う小学校では、各々が将来就きたい職業を発表していた。トキは武士の娘として育てられており、女子が働くなど論外だと考えていた。そのため、他の子たちが活発に夢を語る中、小さくなっていた。

トキと仲のよいサワ(小山愛珠)は学校の先生になりたいと発表した。女は男ほど給金を貰えない中でも、他の職業と比べて教師は高給だと聞いたからだという。病弱で貧乏な両親を自分で養うことがサワの夢だという。

それを聞いたトキは大いに感じ入った。自分も教師になって一家を支えようと決意した。
その日、夕食の場でトキは家族に向かってその決意を述べた。父と祖父が武士のままでいられるよう、自分が一家の面倒をみると宣言した。家族は驚きながらも、トキの心意気を褒めた。

その頃トキは、遠縁の格式高い武家へお稽古に通っていた。そこの妻。雨清水タエ(北川景子)から茶の湯、三味線、華道などを習っていた。タエは武家の妻の鑑のような女性で、気位が高く、口調は物静かでも威厳に満ち溢れていた。

その稽古の日、トキは単刀直入に今日いっぱいで稽古をやめると言い出した。自分は小学校の先生になるつもりであり、それには茶も三味線も花もいらないというのが理由だった。付き添いで来ていた母・フミも突然のことに驚いてしまった。

タエは落ち着き払ってトキを諭した。武士の娘は嗜みを持ち、夫や家を支えることが本懐である。商いをしたり、教師になったりするなど、外で働くことなどすべきではないと静かに話した。
タエから水を向けられた母・フミもその冷酷な雰囲気に気圧され、一も二もなく頷いた。

その直後、タエの夫・傅(堤真一)が部屋に入ってきた。昨日まで髷を結っていた傅であったが、理髪店に行ってきた帰りだという。彼は自分の散切り頭を気に入り、妻や女中に一刻も早く見せたかったのだという。しかし、一同はあまりのことに言葉を失った。
唯一、トキのみがよく似合っていて立派に見えると本心から述べた。しかし、他の者たちは相変わらず黙ったままだった。もちろん、タエも黙ったままだった。

さらに傅は、織物工場を始めると宣言した。すでに武士の時代は終わり、これからは時代に即して生きていかねば路頭に迷うというのが傅の考えだった。
タエは、武士であった夫が商売を始めると聞いて、二の句が継げなくなった。

帰宅したトキは、傅のことを思い出してうっとりした。立派な大人物な上、散切り頭もよく似合っていた。加えて、お土産のお菓子までくれたのだ。自分の父は正反対である。傅が父であったらよかったとボヤいた。
そのボヤキが、ちょうど帰宅した父・司之介に聞かれてしまった。拗ねる父に対してトキは、よその家のことは気にせず、司之介は司之介らしく武士を続けてほしいと話すのだった。

ある日、学校から帰ってくると見知らぬ客人(田中穂先)が父と一緒にトキの帰りを待っていた。彼は風呂敷で覆った大きな荷物を持っていた。
風呂敷を取り除くと、そこにはカゴに入った一羽のウサギがいた。トキは思わぬことに喜んだ。

* * *

続きを読む

NHK『ばけばけ』第1回

今回のまとめ記事も短命に終わる予感のしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第1回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

1875年(明治8年)の松江に、松野家があった。
一家は松江藩に使えた武家であったが、明治維新によってすっかり落ちぶれてしまった。
他の家がちょんまげを落とし商人や役人となって新たな時代に適応していったのと対象的に、松野家は昔ながらの生活にしがみついたままだった。父・司之介(岡部たかし)も祖父・勘右衛門(小日向文世)もいまだにちょんまげを結ったままである。周囲からも半ばバカにされていた。

父・司之介はまとも働こうともしない。そればかりか、維新によって武家社会を崩壊させた薩摩・長州や新政府に深い恨みを抱いていた。司之介をバカにする周囲の人々と同じくらい、司之介自身も周囲の者をバカにしていた。彼らがそれまでの生活や考え方を簡単に捨ててしまったからだ。

一人娘のトキ(福地美晴)も学校で同級生たちからからかわれた。同級生たちの多くは元武家の子どもたちだが、どの家も新しい生活を始めているのだ。担任教師もトキの父が全く働こうとしないのは異常なことだと遠慮なく言い放った。

トキは、自分の父は間違ったことをしているわけではないと信じていた。父の言う通り、悪いのは父ではなく、世の中の方だと思っていた。
それでも、トキの信念が揺らぐこともあった。母・フミ(池脇千鶴)によれば、父は戸惑っているのだという。トキが生まれた直後、急に世の中が様変わりしてしまって、どうしてよいかわからず困惑したままなのだと説明した。その話を聞いて、トキは父に落ち度はないのだと再び信じることができた。

司之介は世間には馴染めずにいるが、家族には優しく明るい父であった。
トキは、父をバカにした教師への仕返しのつもりで、怪物に化けた父が教師を食い殺す絵を描いた。それを見た司之介は、描かれた怪物の真似をして家族を追いかけた。トキは笑いながら家中を逃げ回った。

* * *

続きを読む

『あんぱん』まとめ記事終了

NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第8回めをNHK+で見た当方が、まとめ記事を終了しますよ。

* * *
祖父・釜次(吉田剛太郎)が仕事場で大怪我をし、のぶ(永瀬ゆずな)は医者の柳井寛(竹野内豊)を呼びに行った。しかし、柳井は隣町へ往診に出かけて留守だという。
帰りを待つのももどかしく、のぶは隣町まで走って柳井医師を呼びに行った。柳井家に預けられている嵩(木村優来)も騒ぎを聞きつけ、のぶと一緒に走って向かうのだった・・・。
* * *

という始まりだったので、「道中でさらにどんなトラブルが待っているのか!?」ってドキドキワクワクするじゃん、ふつう?
ところが、ふたりが農道を走っていった次のシーンではいきなり朝田家のシーンになっていて、もう釜次の治療まですっかり終わっていた。
柳井医師が隣町に出かけているというくだりいらなくね?柳井医師が家に滞在していて、まっすぐ釜次の治療に来てもほとんど同じじゃね?
もうズッコケてやる気がなくなりました。

今田美桜さんの登場まで辛抱できなかったことが残念です。

ちなみに、近年の名作のひとつである『虎と翼』も僕は早々にまとめ記事をギブアップしてしまったので、当ブログと朝ドラの面白さは必ずしも相関しません。

ご愛読ありがとうございました。
秋になったら高石あかりさん主演の『ばけばけ』でお会いするかもしれませんし、しないかもしれません。

NHK『あんぱん』第6回

そろそろ潮時を感じている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第6回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第2週『フシアワセさん今日は』

朝田家は祖父・釜次(吉田剛太郎)が石材屋を営んでいる。その息子・結太郎(加瀬亮)は世界を股にかけた貿易商になるという大志を抱き、家を継がずに商社に就職した。
そんな結太郎を亡くし、朝田家は精神的にも経済的にも打撃を受けた。

それでも精神面については、屋村(阿部サダヲ)が差し入れてくれたアンパンですっかり元気を取り戻した。
しかし、屋村は普段からカネに困っている上、したたかな性格だった。後日、朝田家の人々が食べたアンパンの料金を徴収に来た。釜次は人の足元を見る屋村の態度に腹を立てたが、その妻・くら(浅田美代子)はしっかりと払ってやった。

実は、朝田家の経済面については先行きが暗かった。そのため、屋村からの請求に釜次は腹を立てたのだ。
母・羽多子(江口のりこ)は、町の饅頭屋に頼み込んで箱折の内職をもらってきた。彼女は亡き夫の遺志を継ぎ、3人の娘たちが夢を実現できるようしっかりと教育を受けさせたいと思ったのだ。そのために、少しでも学費の足したいと言うのだ。
釜次は石材店の稼ぎで一家の面倒を見ると豪語したが、羽多子の自ら稼ぎたいという決意は変わらなかった。実際のところ、釜次の仕事も景気が良いとは言えなかった。今までは職人の矜持で小さな仕事は断っていたが、家族のいないところでなりふり構わず仕事の無心をするようになった。

嵩(木村優来)は、母・登美子(松嶋菜々子)がなかなか帰ってこないことに不安になった。寛(竹野内豊)に母の帰りを尋ねても、いつか迎えに来るとしか回答が得られなかった。
寛にも、登美子の帰りが早くないという予感があった。そこで、嵩を慰めるため、家にあった少年雑誌を嵩に見せてやった。それは、崇の亡き父・清(二宮和也)が編集に携わったものだという。
嵩は、その雑誌に掲載されている漫画に夢中になった。寛によれば、清も漫画が大好きだったという。嵩は、大好きだった父がこんなにおもしろい雑誌を作っていたと思うと誇らしく思った。

朝田家では、女たちが総出で箱折の内職をしていた。のぶ(永瀬ゆずな)も学校から帰ると作業を手伝った。しかし、まだ学校に行く歳にならない妹・蘭子(吉川さくら)の方がのぶよりもよほど上手に箱を組み立てるのだった。あまり役に立たないのぶは、作業の邪魔ばかりする末の妹・メイコ(永谷咲笑)の子守をすることになった。

しかし、気づくとメイコの姿が見えなかった。探してみると、石材の作業場に立ち入ろうとしていた。そこは大きくて重い石がたくさんあるので、普段は子どもたちの出入りが禁じられている。
石工の弟子・原(細田佳央太)が気づいてメイコを安全なところへ連れて行こうとしたが、その動作によってかえって石を倒してしまった。

* * *

続きを読む

NHK『あんぱん』第5回

日付が変わる前に片付いて良かったと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第5回めをNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『人間なんてさみしいね』

父・結太郎(加瀬亮)が出張中に心臓発作で亡くなった。
突然のことで朝田家は暗く沈み込んだ。彼を産んだくら(浅田美代子)は眠れなくなり、ものも食べることができなくなって憔悴してしまった。

父のことが大好きだったのぶ(永瀬ゆずな)も塞ぎ込んでしまった。しかし、のぶはどんなに悲しくても泣くことができず、一粒の涙も流さなかった。
いつも町中を走り回っているのぶであるが、学校の行き帰りも力なくよろよろと歩くばかりだった。何も知らない屋村(阿部サダヲ)が明るく声をかけても返事をしなかった。

屋村は嵩(木村優来)から話を聞いて、やっと事情を知った。
そして屋村は嵩と一緒に、偶然のぶと結太郎の最期の別れを目撃していたことを思い出した。乗車料が足りなくて乗ることはできなかったのだが、屋村は新しい町へ行くつもりで駅に向かったことがあり、嵩も見送りのつもりで付いてきた。そのときに、のぶが出張に出かける結太郎を見送りに来ているのを見ているのだ。
親子仲の良い様子で、結太郎は自分の被っていた帽子を置き土産代わりにのぶに被せていた。そのふたりの姿をよく覚えている屋村はのぶに同情した。

話の行きがかりで、屋村は崇の父のことを尋ねた。そしてそこで初めて屋村は、嵩の父も中国滞在中に病気で死んだと知った。
屋村は、人間は誰しも一人で生まれて、一人で死んでいくものだと話した。嵩やのぶの父もそうだし、こうして話している屋村自身もそうだし、当然に嵩やのぶも同じだと寂しそうに語った。

家に帰った後も、嵩はじっと一人で考え込んでいた。のぶの父のことから連想して自分の父寛(竹野内豊)を思い出して塞ぎ込んでいるのではないかと心配した養父・寛(竹野内豊)が話を聞いてみた。すると嵩は、のぶを元気づける方法を考えているのだと打ち明けた。なにか自分にできることはないかと寛に相談した。
寛は、自分は医者だがそればかりは治療法がないと告げた。時間が経って立ち直るのを待つ以外に方法はないと話した。ただし、生きているからこそ悲しみや苦しみを感じるのだと付け加えた。そして、生きてさえいればいつか元気になって笑える日が来るものだと諭した。

家で塞ぎ込んでいたのぶは、父の形見の帽子を見るとはなしに見ていた。そして、何かを思いついて駅へ向かった。
父と最期に別れた場所に行けば、ひょっこりと父が帰ってくるのではないかと思ったのだ。改札から出てくる乗客をひとりひとり確かめるように「お父ちゃん」と声をかけた。しかし、当然ながらそこに父・結太郎はいなかった。

降車客たちが全員いなくなると、嵩が近寄ってきた。彼はのぶより先に駅に来て、待合ベンチでスケッチをしていたのだ。
彼は出来上がったばかりの絵をのぶに見せた。そこには、結太郎がのぶに帽子を被せている様子が活き活きと描かれていた。

それを見たのぶは、父のことで初めて涙を流した。笑いながら涙を流した。その絵の中で今でも父が生きているように思えたからだ。

ふたりは町を歩いて帰った。ふたりを見つけた屋村は、カゴいっぱいのパンを持ってのぶの家まで付いてきた。屋村はできたばかりのアンパンを振る舞った。
それまで暗く沈み込んでいた朝田家の面々だったが、屋村のアンパンの美味しさに思わず顔がほころんだ。結太郎の死後何も食べていなかったくらもアンパンをかじって顔をほころばせた。のぶの祖父であり結太郎の父である釜次(吉田剛太郎)は、こんなうまいものを食わずに死ぬとは結太郎は馬鹿なやつだなどと軽口を言うほどだった。
結太郎の妻・羽多子(江口のりこ)は、このアンパンを食べると胸がホカホカすると感想を述べた。のぶはその意見に大いに賛成した。
もちろん、のぶにも笑顔が戻った。

朝田家の人々はホカホカのアンパンに生きる力をもらったのだった。

* * *

続きを読む

NHK『あんぱん』第4回

♪ニンニキニキニキな当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第4回めを1日遅れてNHK+で見ましたよ。

* * *
第1週『人間なんてさみしいね』

心の通じ合ったのぶ(永瀬ゆずな)と嵩(木村優来)は一緒に登校し、嵩が大好きだという校舎の物陰で一緒に弁当を食べるようになった。

ふたりが弁当を食べていると、いつものように悪ガキたちが崇の弁当をたかりに来た。嵩を守ると誓ったのぶは悪ガキたちと喧嘩をはじめ、その中の一人を突き飛ばして怪我をさせてしまった。
のぶは周囲の大人たちから「女の子は大人しくしていろ」と言われたが、納得がいかなかった。怪我をさせたのはやりすぎだとしても、弱い者いじめをする悪ガキたちがそもそも悪いと思っているからだ。
のぶは、これからも嵩を守り続けるつもりだった。

しかしその翌日、嵩本人からもう守ってほしくないと言われた。のぶから守られることは、自分が弱虫だと認めることになる上、女の子に守られているという状況が余計に惨めさを掻き立てるのだと話した。のぶは何も言えなかった。

そんな中、のぶの父・結太郎(加瀬亮)が朝鮮の平壌へ出張することになった。今度は1ヶ月程度留守にするという。名残惜しいのぶは、家族で唯一、父を駅まで見送りに行った。
父・結太郎は、子どもたちに対して「女の子も大志を抱き、夢を持て」と常々言っている。しかし、のぶはまだ明確な夢を持ってはいなかった。そのことを打ち明けると、父・結太郎は、なにも焦る必要はないと話した。ゆっくり見つけていき、見つかったら全力で追えばよいのだと助言した。のぶは納得した。

こうして、父・結太郎は汽車で旅立っていった。

それからしばらくして、結太郎の帰りが近づいた頃、医者の柳井寛(竹野内豊)が朝田家にやって来た。
帰りの船の中で結太郎が心臓発作を起こして亡くなったという。

* * *

続きを読む