NHK『あんぱん』第3回

週初めから花粉症なのか風邪なのかよくわからない鼻水・喉の痛み・咳・ゆるい腹に悩まされていたのだけれど、今日からやっと調子の良くなり始めた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第3回めをNHK+で見ましたよ。

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第1週『人間なんてさみしいね』

美味しいパンを食べた嵩(木村優来)は、過去に家族と一緒にパンを食べたときのことを思い出し、それを絵に描いた。その絵の中には、母・登美子(松嶋菜々子)の他、今は高知の柳井家の養子となった弟・千尋(平山正剛)と亡くなった父・清(二宮和也)の姿も描かれていた。
弟・千尋は物心のつく前に養子に出されたため、嵩たち家族のことは一切覚えていない。それは嵩にとって、父を亡くしたのと同じくらいさみしいことだった。

嵩は、千尋にせがまれて、広場のシーソーで遊んでいた。そこへ、のぶ(永瀬ゆずな)が偶然通りがかり、一緒に遊んだ。
さらに、崇の母・登美子が血相を変えて現れた。柳井家の大事な子どもに怪我をさせたら大変だと言って、連れ出した崇のことを叱った。登美子は千尋を丁重に家へ連れ帰った。

のぶは登美子の剣幕に驚いた。美人なのにとても恐ろしかったからだ。さらに、のぶは、小さな子どもと一緒になってシーソー遊びをする崇のことを幼稚だとバカにした。
そこで嵩は、千尋が血を分けた兄弟であることを打ち明け、彼が元の家族のことを何も覚えていないことも寂しそうに語った。

その日の夕方、崇の母・登美子の機嫌はすっかり直っていた。崇の描いた家族の絵を褒めたり、久しぶりに崇の髪を切ってやったりした。その時、登美子は高知の町に用事ができたと話した。そのためしばらく留守にするが、この家で待っていてほしいと言うのだ。
嵩からの質問を遮るように、登美子は話題を変えた。崇の耳が、亡き父・清にそっくりだというのだ。新聞記者をしていた清は、人の話をちゃんと聞くのに向いている耳だと自慢していたという。それを受け継いだ嵩も、父のように優しさと強さを兼ね備えた素敵な人になるだろうと予言した。

翌日、登美子は嵩が学校に行っている隙を見て家を出た。しかし、何かを察した嵩は学校へは行かず、駅へ向かう登美子の後を追った。
嵩に気づいた登美子は、学校を休んだことを叱った。自分が返ってくるまでの間、柳井家でいい子にして待っているように念押しすると、振り返りもせずに歩き去った。

その頃、柳井家では大騒ぎになっていた。
登美子は、家を出ることを誰にも知らせていなかったのだ。それどころか、置き手紙で自分が再婚することと嵩を預けていくことを一方的に通知した。
柳井婦人・千代子(戸田菜穂)は怒り心頭だった。登美子たちが来たときから何やら様子がおかしかったし、そもそも夫の一周忌も終わる前に再婚するなど言語道断だというのだ。一方、夫・寛(竹野内豊)ははじめから分かっていたかのように落ち着き払っていた。

登美子が逐電したことは瞬く間に街中の噂になった。あれだけの美人なのだからまだ人生を謳歌するつもりなのだろうとか、息子を厄介払いするなど母親失格だなどと悪く言われた。
大人たちの噂話はのぶの耳にも入った。

のぶはふと気になってシーソーのある広場へ向かった。はたして嵩はそこにいた。
ふさぎ込む嵩に気づかれないよう接近したのぶは勢いよくシーソーに飛び乗って揺らした。あまりのことに嵩は痛がり怖がったが、のぶは手加減しなかった。弱虫はよくないというのが理由だった。
シーソーを揺らしつつ、のぶは嵩が学校をズル休みしたことも責めた。ズル休みも弱虫のすることだというのだ。

どんなに責めても反応の鈍い崇に対して、のぶはついに呆れてきた。
あまりの弱虫ぶりに、のぶは気が変わった。自分が崇のことを守ってやると宣言した。
それで崇の顔に少しだけ明るさが戻った。
これまで嵩は何度注意されても「朝田のぶさん」と他人行儀な呼びかけをシていた。しかし、この日を境に「のぶちゃん」と呼ぶようになった。

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NHK『あんぱん』第2回

「こっちが本物ですよ」と言っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第2回めをNHK+で見ましたよ。

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第1週『人間なんてさみしいね』

屋村(阿部サダヲ)は大量のパンを焼いて、子どもたちに配った。その美味しさに、子どもたちは大はしゃぎだった。
その様子を見ていた大人たちも食べたくなった。しかし、屋村は、子どもには無料で食べさせるが、大人からは金を取るという。しかも、その1個10銭だという。それは、大人たちが想像していた値段の10倍だった。屋村は、本場のパンを土佐で食べられるのだから当然の価格だと言ってまったく負けようとしなかった。

渋る大人たちをかき分けて、柳井千代子(戸田菜穂)がやってきた。彼女は残ったパンを全て言い値で買うという。彼女の夫であり医者の寛(竹野内豊)はパンに目がないのだ。

柳井家には、嵩(木村優来)とその母・登美子(松嶋菜々子)が居候している。父・清(二宮和也)を亡くして身を寄せているのだ。
嵩には血の繋がった弟・千尋(中沢元紀)がいた。彼は早い時期に土佐の柳井家の養子になっていた。今回身を寄せるにあたって久しぶりの再開であったが、千尋は崇のことをあまり覚えていなかったようだ。それは嵩にとってさみしいことだった。しかも千尋はすっかりと家に溶け込んでいた。柳井家では何もかもが洋風で、その日の夕食はチキンソテーだった。嵩はナイフとフォークの扱いに苦戦したが、彼より幼い千尋は難なくこなしていた。嵩はさらに疎外感を感じるのだった。

同じ頃、のぶ(永瀬ゆずな)の家でも夕食の時間だった。のぶは昼間食べたパンがどんなに美味しいかったか家族に嬉しそうに話した。時折、手を止めてぼんやりするので、家族はのぶがパンのことで頭がいっぱいだと言って笑った。
確かにのぶはパンを食べたことで幸せな気分だった。しかし、頭の半分では崇のことが気になっていた。父を亡くして仕方なく高知へやってきた彼に向かって、東京へさっさと帰れなどと酷いことを言ってしまったことを悔いていたのだ。

翌日、嵩はやはり校舎の裏で一人で弁当を広げていた。すると、また学校の悪ガキたちが嵩を取り囲み、弁当を取り上げようとした。それを見つけたのぶは、またしても悪ガキたちを追い払った。
ただし、嵩は、その悪ガキの一人に弁当箱を持たせてやった。その子は授業中に腹を鳴らしていた。朝ご飯を食べずにひもじい思いをシていることだろうと思って譲ったのだ。

のぶは、ちょうどいい機会だと思い、東京に帰れと言ったことを取り消して謝った。それを聞いた嵩は、のぶのことを乱暴だけれど優しい人だと評した。照れたのぶは、もう助けてやらないと言い捨てて逃げていった。

屋村は町の人々から鼻つまみ者になりかけていた。うどん屋の厨房を勝手に借りてパンを焼き、柳井夫人を相手に大稼ぎしたのに、厨房の拝借料をビタ一文払わなかったという。それ以後も、特に仕事をするでもなく、昼間から釣り竿を担いで町中をぶらぶらしている。イカサマ師かならず者だというのが町の大人たちの評価だった。

屋村が人気のない川に出てみると、そこには嵩がいた。ふたりは居場所のないもの同士として意気投合した。
しばらくすると、学校帰りののぶもやってきた。

のぶは屋村のパンが美味しかったと感想を述べ、パンを焼く方法を教えてほしいと願った。しかし、屋村はきっぱりと断った。自分はあちこちを旅して、気が向いたらパンを焼くだけで、その秘訣は教えないという。

嵩は、屋村のパンと同じかそれ以上に美味しいパンを以前に食べたことがあると話した。銀座のパン屋で父が買ってきてくれたものだという。銀座がどこにあるのかわからないが、のぶはいつかそこへ行ってパンを食べたいと思った。

家に帰ると、のぶは父・結太郎(加瀬亮)に、いつか銀座で美味しいパンを腹いっぱい食べたいと同じ話をした。結太郎は、のぶは面白い子だと言って褒めた。そして、女の子も大志を抱き、夢を持つことが必要だと話して聞かせた。
結太郎自信も土佐の偉人・坂本龍馬に憧れ、彼ですら果たせなかった大きな貿易会社を作ることが夢だと話した。

その頃、嵩は、父が買ってきてくれたパンを思い出し、その時の幸せだった家族の風景を絵に描いていた。

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NHK『あんぱん』第1回

別宅にはテレビがなくて、朝ドラ仕事がやりにくくて困っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第1回めをNHK+で見ましたよ。

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第1週『人間なんてさみしいね』

1927年(昭和2年)、高知県御免予[ごめんよ]町に朝田のぶ(永瀬ゆずな)は暮らしていた。高知では男勝りの女性を「はちきん」と呼ぶが、のぶはまさに周囲から「ハチキンおのぶ」と呼ばれていた。また、のぶは足も速かった。

この日ものぶは町中を駆け抜けて駅に向かっていた。父・結太郎(加瀬亮)は商事会社に努めていて、いつも忙しく各地へ出張へ出かけている。今日は久しぶりに父が汽車で帰ってくるのだ。それを出迎えるため、汽車と競争するように駅へ一目散に走っていった。

さすがののぶも汽車には敵わず、彼女が駅に着いた時には大方の乗客は汽車を降りた後だった。駅舎の入口には、のぶの知らない乗客たちが立っていた。父はまだ駅舎の外には出ていないようだ。
のぶは速度を緩めずに駅舎の中に入ろうとした。のぶの行く手には、のぶと同い年くらいの男の子(木村優来)とその母親(松嶋菜々子)が立っていた。勢い余ったのぶは、その男の子と衝突してしまった。

その拍子に、男の子は持っていた絵の具を地面にばらまいてしまった。ところが、のぶは謝るどころか、「気をつけや、ボケ!」と罵って去ってしまった。
同じ汽車に乗り合わせていた別の乗客(阿部サダヲ)は、ぶつかってきたのは向こうのほうだと慰めながら絵の具を拾い集めてくれた。しかし、男の子はどこか羨ましそうに、再会した父に甘えるのぶをぼんやりと眺めていた。

あくる日、のぶが小学校へ行くと柳井嵩[やないたかし]という転校生が紹介された。のぶは自分がぶつかった男の子だと気付いた。嵩は東京から来たという。その自己紹介は東京の言葉で、高知の言葉とは明らかに違っていた。地元の子どもたちは嵩の話し方をバカにしてからかった。

言葉遣いが違うばかりか、そもそも引っ込み思案である嵩には友だちができなかった。昼休みも、校舎の裏で一人で弁当を食べていた。その姿が悪ガキたちに見つかり、嵩はそこでもいじめられた。嵩の弁当のおかずは地元では見慣れないハイカラなものだったからだ。悪ガキたちに弁当を取り上げられてしまった。

のぶはその様子にいち早く気づいた。悪ガキたちの間に割って入り、弁当を取り返してやった。のぶは、集団でひとりをいじめるような卑怯者たちが許せなかったのだ。
嵩はのぶにお礼を言った。しかし、のぶは嵩のことを頼りないと思って軽蔑した。自分で弁当を捕物度せないばかりか、女の子に助けてもらい、しかものぶのことを「君」などと気取った呼び方をするからだ。
のぶは、「とっとと東京に帰れ!」と吐き捨てて去っていった。

嵩は気落ちした。自分だって高知に来たくて来たわけではないのだ。東京で幸せに暮らしていたころの家族のスケッチを見て自分を慰めた。

のぶが家に帰ると、羽多子(江口のりこ)は転校生のことをすでに知っていた。その転校生は、街の名士の一人である医者の柳井寛(竹野内豊)の家に住んでいるという。母によれば、嵩の父は急に病気で亡くなったのだという。残された母子ふたりで、親戚の柳井寛を頼って高知に来たということだった。

その話を聞いたのぶは、自分の嵩に対する行為を反省した。他に頼るところがなくて仕方なく来た相手に東京へ帰れと言ってしまったのだ。さらに、彼に深く同情した。自分も父のことが大好きである。きっと嵩も彼の父のことが好きなはずであり、そんな人を亡くした気持ちはどんなだろうかと慮った。

のぶは居ても立ってもいられなくなり、柳井の家へ向かった。
しかし、嵩になんと言ってよいのかも分からず、家の前で逡巡した挙げ句、そのまま引き返した。

しょんぼりと道を歩いていくと、ある商店の前に人だかりができていた。人をかき分けて覗いてみると、中心に嵩が居た。嵩は、町では見かけない知らない男から、籠に山盛りになったまんじゅうのようなものを貰っていた。それを一口かじった嵩は「うまい!」と満面の笑みで答えた。

のぶはそれまで知らなかったが、それはパンという食べ物だった。
同じく、のぶは知らないことだったが、パンを作った男は駅前で崇の絵の具を拾い集めてくれた屋村という男だった。彼は、ひとりでしょげかえっている嵩と偶然再会し、元気づけるために一肌脱いでくれたのだ。

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