昨夜、『ブギウギ〜時を越える服部良一メロディー〜スペシャルコンサート』(NHK+のリンク)を見ていたら、オープニングで水城アユミ役の吉柳咲良が『ハッピー☆ブギ』を上手に歌いこなしていて聴き入ってしまったのだけれど、気になってプロフィールを調べたらホリプロのミュージカル『ピーターパン』の主演を務めていたそうだし、なるほどなと納得した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第121回めの放送を見ましたよ。
1956年(昭和31年)の大晦日。いよいよ『第7回オールスター男女歌合戦』の公開生放送の日を迎えた。
直前に、またしても鈴子(趣里)と水城アユミ(吉柳咲良)の対決を煽る雑誌記事が出た。記事はアユミに肩入れしたものだった。
しかし、鈴子はもう何も心配することもなかった。純粋に歌いたい気分でいっぱいだった。意気揚々と楽しそうに収録会場へ向かった。
本番前、鈴子の楽屋にアユミが父・股野(森永悠希)とともに挨拶に訪れた。『ラッパと娘』を歌うことを許可してくれた鈴子に礼が言いたいと言うのだ。マネージャー・タケシ(三浦獠太)は喧嘩腰で彼らを迎えた。
しかし、鈴子は終始笑顔だった。アユミが自分の持ち歌をどのように歌うのか楽しみで仕方ないと激励した。
本番と生放送が始まった。
総勢30名もの流行歌手が次々と歌を披露する一大イベントである。
鈴子は舞台袖から全ての歌手の歌を聞いていた。そしていよいよアユミの出番となった。
アユミは新人とは思えぬ堂々とした歌と踊りで観客を魅了した。鈴子もその姿に見惚れ、彼女に合わせて静かに口ずさんだ。割れ知らず、少し涙も出てきた。
涙で濡れた化粧を直すために楽屋に戻ると、茨田りつ子(菊地凛子)が待っていた。本番前で緊張しているだろう鈴子のことをからかい半分、応援半分で待っていたのだ。
鈴子は今見てきたアユミのステージを興奮しながら話した。彼女は歌が上手いだけではなく、客の心を掴むカリスマ性も持っているとベタ褒めした。
そして、素早く化粧を直すと、鈴子は再び会場へ向かった。アユミに感化され、もう今すぐにでも歌いたくて爆発しそうな気分だった。
大トリの鈴子がステージに招き入れられた。
歌う前に鈴子は挨拶をした。登場した歌手はみんな素晴らしかったと褒めた。その上で、アユミは自分の若い頃にそっくりだと言って客を笑わせた。鈴子がそれほど美人ではないということは世間の一致した評価であり、鈴子なりのジョークであった。
そうやって客を笑わせると、鈴子は急に表情が引き締まった。自分もまだまだ負けてはいられないと言って『ヘイヘイブギー』を歌い始めた。
アユミの歌で観客は大いに盛り上がったが、鈴子のステージではそれ以上だった。テレビで中継を見ていた羽鳥(草彅剛)もそう感じていた。
舞台袖で見ていたアユミも見惚れて動けなくなった。曲の途中で出演者全員がステージに登場する演出になっていたが、アユミは一歩も動けなくなってしまった。りつ子に促されて、やっと歩くことができた。
こうして、鈴子はまだまだ大スターであることを多くの人々に再認識させる結果となった。