NHK『ブギウギ』第121回

昨夜、『ブギウギ〜時を越える服部良一メロディー〜スペシャルコンサート』(NHK+のリンク)を見ていたら、オープニングで水城アユミ役の吉柳咲良が『ハッピー☆ブギ』を上手に歌いこなしていて聴き入ってしまったのだけれど、気になってプロフィールを調べたらホリプロのミュージカル『ピーターパン』の主演を務めていたそうだし、なるほどなと納得した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第121回めの放送を見ましたよ。

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第25週『ズキズキするわ』

1956年(昭和31年)の大晦日。いよいよ『第7回オールスター男女歌合戦』の公開生放送の日を迎えた。
直前に、またしても鈴子(趣里)と水城アユミ(吉柳咲良)の対決を煽る雑誌記事が出た。記事はアユミに肩入れしたものだった。
しかし、鈴子はもう何も心配することもなかった。純粋に歌いたい気分でいっぱいだった。意気揚々と楽しそうに収録会場へ向かった。

本番前、鈴子の楽屋にアユミが父・股野(森永悠希)とともに挨拶に訪れた。『ラッパと娘』を歌うことを許可してくれた鈴子に礼が言いたいと言うのだ。マネージャー・タケシ(三浦獠太)は喧嘩腰で彼らを迎えた。
しかし、鈴子は終始笑顔だった。アユミが自分の持ち歌をどのように歌うのか楽しみで仕方ないと激励した。

本番と生放送が始まった。
総勢30名もの流行歌手が次々と歌を披露する一大イベントである。

鈴子は舞台袖から全ての歌手の歌を聞いていた。そしていよいよアユミの出番となった。
アユミは新人とは思えぬ堂々とした歌と踊りで観客を魅了した。鈴子もその姿に見惚れ、彼女に合わせて静かに口ずさんだ。割れ知らず、少し涙も出てきた。

涙で濡れた化粧を直すために楽屋に戻ると、茨田りつ子(菊地凛子)が待っていた。本番前で緊張しているだろう鈴子のことをからかい半分、応援半分で待っていたのだ。
鈴子は今見てきたアユミのステージを興奮しながら話した。彼女は歌が上手いだけではなく、客の心を掴むカリスマ性も持っているとベタ褒めした。
そして、素早く化粧を直すと、鈴子は再び会場へ向かった。アユミに感化され、もう今すぐにでも歌いたくて爆発しそうな気分だった。

大トリの鈴子がステージに招き入れられた。
歌う前に鈴子は挨拶をした。登場した歌手はみんな素晴らしかったと褒めた。その上で、アユミは自分の若い頃にそっくりだと言って客を笑わせた。鈴子がそれほど美人ではないということは世間の一致した評価であり、鈴子なりのジョークであった。
そうやって客を笑わせると、鈴子は急に表情が引き締まった。自分もまだまだ負けてはいられないと言って『ヘイヘイブギー』を歌い始めた。

アユミの歌で観客は大いに盛り上がったが、鈴子のステージではそれ以上だった。テレビで中継を見ていた羽鳥(草彅剛)もそう感じていた。
舞台袖で見ていたアユミも見惚れて動けなくなった。曲の途中で出演者全員がステージに登場する演出になっていたが、アユミは一歩も動けなくなってしまった。りつ子に促されて、やっと歩くことができた。

こうして、鈴子はまだまだ大スターであることを多くの人々に再認識させる結果となった。

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NHK『ブギウギ』第120回

本日3月21日は、1986年に我が最愛の山瀬まみが『メロンのためいき』で歌手デビューした記念日であり、心からの喜びを申し上げる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第120回めの放送を見ましたよ。

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第25週『ズキズキするわ』

ある晩、愛子(このか)が翌日の学校に行きたくないと言い出した。足の速い転校生と競争することになり、負けるのがいやだからだ。

鈴子(趣里)は、負けるのがいやだという愛子に共感してみせ、学校を休んで勝負から逃げてもよいと話した。ただし、逃げたことは一生忘れられず心に付きまとうだろうと述べた。負けるのが嫌で逃げるくらいなら、負けて悔しい思いをした方がよいというのが鈴子の意見だった。
鈴子は、自分も年末にすごい歌手と一緒に歌う仕事があると話した。初めは自分が負けてしまうのではないかと恐れていた。しかし、今はその人と歌ってみたいとワクワクしているという。確かに怖い面もあるが、それ以上に楽しみなのだと話した。
鈴子は、愛子が逃げようが立ち向かおうがどちらでもよいと思っていると述べ、決断を本人に任せるとした。

翌朝、愛子は登校するかどうか決めかねていた。
その結論を見届ける前に、鈴子は羽鳥(草彅剛)の家へ出かけた。水城アユミ(吉柳咲良)に『ラッパと娘』を歌わせてやりたいと話すためだ。

鈴子は羽鳥に向かって、自分が卑怯者だったことを詫びた。近頃の自分は体力が衰え、仕事も減ってきている。アユミと自分を比べられ、惨めな思いをするのが怖かった。だからアユミに自分の歌を歌わせたくないと思いながらも、自分が許可しなかったと思われたくないので、羽鳥が許さなかったという体裁にしようとした。
しかし、今はむしろアユミと同じ舞台で歌うことが楽しみになってきたと話した。久しぶりに自分の『ラッパと娘』のレコードを聞き直したら、最高の歌だとワクワクした。すると不思議なことに、アユミがどのように歌うのかと興味が湧いてきた。しかも同じ舞台で聴けると思うとズキズキワクワクしてきた。だからアユミに『ラッパと娘』を歌わせてやりたいと話した。
鈴子本人は『ヘイヘイブギー』を歌うつもりだという。これは娘・愛子への思いが込められた歌である。ちょうど今、愛子も自分と同じようにライバルとの勝負で悩んでいる。そんな彼女のために歌いたいというのだ。

じっと話を聞いていた羽鳥は、鈴子に賛成した。鈴子の昂る感情が伝染し、羽鳥もふたりの対決が楽しみでワクワクしてきた。

鈴子はその足でテレビ局に向かい、アユミに自分の歌を歌わせることを許可した。
プロデューサー・代々木(遠山俊也)やディレクター・沼袋(中村倫也)は大きな話題になると大喜びした。

夜になって鈴子が家に帰ると、愛子が泣いていた。転校生との競争に負け、恥ずかしい思いをしたし、悔しくてたまらないと訴えた。
鈴子は、自分も勝負に負けたら恥ずかしくてたまらないだろうと話して聞かせた。しかし、悔しさを正直に言えるのが愛子らしいところだと褒めた。悔しさをバネにさらに立ち向かってもいいし、なんなら逃げてしまってもいい。人生はたいへんな道のりなのだと話した。

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NHK『ブギウギ』第119回

今日は天輝レオの公演を見に行くし、思いっきり桜パラソルを振ってこようと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第119回めの放送を見ましたよ。

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第25週『ズキズキするわ』

鈴子(趣里)は、若手歌手・水城アユミ(吉柳咲良)から、年末の特別番組で共演する際に鈴子の大ヒット曲『ラッパと娘』を歌わせてほしいと直談判された。鈴子は戸惑い、作曲者の羽鳥(草彅剛)に確認すると回答して返事を保留した。

羽鳥に相談すると言ったものの、鈴子はなかなかそれを実行する気になれなかった。しかし、アユミとの面会が隠し撮りされ、ふたりが『ラッパと娘』を巡って対立していると煽る雑誌記事が発表された。このままでは羽鳥にも迷惑をかけてしまうと思った鈴子は、重い腰を上げて羽鳥の家を訪問した。

その日、羽鳥はいつになく機嫌が悪かった。
羽鳥によれば、同曲は自分と鈴子の歌であり、鈴子が歌ってこそ完成する歌だという。それは鈴子もわかっているはずなのに、軽々しく扱われているようで気に入らないと言うのだ。
さらに、羽鳥はアユミの実力を認めるような発言をした。アユミが『ラッパと娘』をどのように歌うかはわからないが、鈴子以上に歌いこなしたとするなら、鈴子は表舞台から葬られてしまうと脅した。
鈴子は、羽鳥の言うことをおとなしく聞き、そのきつい言葉に意気消沈して帰って行った。

鈴子が辞したのち、妻・麻里(市川実和子)は今日の羽鳥は様子がおかしかったと嗜めた。鈴子に対して今までにないほど意地悪な物言いだったと指摘した。対する羽鳥は、様子がおかしかったのは鈴子の方だったと反論した。
それでも麻里は鈴子を擁護した。鈴子は雑誌に落ち目だと書かれて、ただでさえ落ち込んでいる。そんな時に有望な新人が出てきたらますます自信をなくすのも当たり前である。鈴子の記事では、羽鳥も同様に落ち目だと引き合いに出されていた。麻里は、羽鳥自身もその記事で取り乱しているのだと指摘し、苛立って様子がおかしいのは羽鳥の方だと述べた。

落ち込んだ鈴子が帰宅すると、まもなく愛子(このか)も学校から帰ってきた。ところが、愛子も元気をなくしていた。
一緒に登下校している一(井上一輝)によれば、学校に転校生が来たという。その子は足が速いと噂になっている。愛子はかけっこで誰にも負けたことはなかったのだが、その子には負けるかもしれないと思って落ち込んでしまったのだと言う。次の体育の授業で競争することが決まり、不安がっているというのだ。

鈴子は、負けてもいいし、一生懸命やることが大事なのだと話した。しかし、愛子は負けたくないし、一生懸命にやったならその分さらに勝たなければならないと答えた。
鈴子はそれ以上何も言わなかったが、愛子の気持ちもわかった。確かに、自信のあることで負けてしまうのは恥ずかしいことだと思うのだ。まさに、自分がアユミに対して抱いている感情だった。

アユミとの問題に結論を出せなくなった鈴子は、藁にもすがる思いで茨田りつ子(菊地凛子)に相談した。

りつ子は羽鳥以上に辛辣だった。りつ子は、鈴子の心を全て見透かしたようにズケズケと喋り出した。
りつ子によれば、鈴子は羽鳥に甘えているだけだという。鈴子はアユミと同じステージで比べられるのを恐れている。向こうは人気高騰中の若手歌手で、鈴子は声も体力も衰え始めている。だから、本心ではアユミに『ラッパと娘』を歌わせたくない。しかし、自分で断るのも面子が立たない。そこで、羽鳥を口実に、彼が断ってくれることを期待したのだ。羽鳥もそんな鈴子の卑怯なやり口を見抜いて怒ったのだろうと指摘した。

さらにりつ子は、歌手ならば自分の弱さを認め、それを取り込んで歌に昇華させるものだと話した。それに加えて、以前の鈴子ならアユミのような実力者と一緒に歌うことを楽しんだはずであると指摘した。歌手はワクワクする気持ちがなくなったら終わりである。鈴子が楽しめなくなったというなら、所詮はその程度の歌手だったわけだから、仕事を辞めてしまえと煽った。

おとなしく聞いていた鈴子だが、少しずつ表情に笑みが浮かんできた。りつ子の物言いに全く遠慮はなかったが、それがむしろ鈴子には快感だった。やっと鈴子はワクワクした気持ちになってきた。そして、アユミの歌を聴きたいという気分にまでなった。鈴子はりつ子を残して、足取り軽く帰って行った。
りつ子は鈴子の豹変ぶりに呆れた。

鈴子は帰宅する前に稽古場に寄った。そこでアユミのレコードを聞いてみようと探したが見つからなかった。
しかたなく、鈴子は自分の『ラッパと娘』をかけた。聞いていると、これまでに自分が歌ってきたステージや共演した演奏者の様子がありありと浮かんできた。
そして、アユミならばこの歌をどのように歌うのか聞きたいと思った。

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NHK『ブギウギ』第118回

水城アユミ役の吉柳咲良は第41回ホリプロスカウトキャラバンのグランプリということで、我が最愛の山瀬まみの後輩にあたるので応援していこうと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第118回めの放送を見ましたよ。

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第25週『ズキズキするわ』

最近の鈴子(趣里)は、なにかと若手有望歌手・水城アユミ(吉柳咲良)と比較される。年末の大型番組『オールスター男女歌合戦』でも鈴子とアユミの新旧対決が目玉として企画されていた。
鈴子のマネージャー・タケシ(三浦獠太)は何かとアユミを敵視していた。

実はアユミは、鈴子が大阪時代に世話になった大和礼子(蒼井優)と股野義夫(森永悠希)の娘だとわかった。礼子は早くに亡くなったが、股野が立派に育て上げ、今は彼がアユミのマネージャーも務めている。テレビ局のロビーで約18年ぶりに再会した鈴子と股野は、時間を作ってゆっくり話をする約束をした。
股野との面会の調整はマネージャー・タケシに任された。しかし、アユミを敵視するタケシは、股野からの連絡を勝手に断り、鈴子には一切知らせなかった。

ある日、1年前に愛子の誘拐未遂事件を引き起こした小田島(水澤紳吾)とその息子・一(井上一輝)が訪ねてきた。事件を起こした張本人がやってきたことで鈴子は警戒したが、愛子にとって一は最初にできた友達である手前、無下にはできなかった。家に招き入れて、小田島の身の上話を聞いた。
小田島は執行猶予で釈放されたのち、富山のある家の専属庭師として働き始めた。しかし、その家が北海道に引っ越すこととなった。一緒に北海道に移住することも検討したが、息子・一が東京に戻ることを願ったという。それで、その家での仕事を辞め、東京に戻ってきたという。自分は庭仕事以外にできることはないが、なんとしても仕事を見つけて東京で安定した暮らしをすると抱負を述べた。

それを聞いた鈴子は、自分の家で雇うことに決めた。一がそばにいることで愛子が喜ぶからだ。それに加え、亡き母・ツヤ(水川あさみ)が常々「義理と人情」と言っていたためである。今がまさに人情を破棄する場面だと思ったのだ。

こうして小田島が働き出したが、マネージャー・タケシは面白くなかった。彼は身代金の受け渡し役として、小田島と揉みあった。今でも小田島のことを恨み、信用していないのだ。
イライラしたタケシは、鈴子は人に甘いところがあり、周りから舐められるのだと悪態をついた。その勢いで、アユミの父・股野から頻繁に連絡のあることもつい漏らしてしまった。鈴子は股野にまでつけ込まれているというのだ。
股野から連絡のあったことは鈴子にとって初耳だった。鈴子はタケシをしかり、すぐに股野に会いに行った。

喫茶店で、鈴子は股野とふたりきりで会った。どちらも配偶者を早くに亡くしながらも娘を育てているという共通点があった。それですっかり打ち解けた。ただし、股野の娘・アユミは亡き母・礼子に憧れて歌手になったのに、鈴子の娘・愛子は歌に全く興味がなく、かけっこばかりしているという相違点もあった。

そしてついに、股野は本題を切り出した。実はアユミをそばに呼んでいて、彼女も喫茶店に入ってきた。
彼らは年末のオールスター男女歌合戦で、アユミが『ラッパと娘』を歌うことを許可してほしいというのだ。アユミが本気で歌手を目指すきっかけとなったのは、鈴子がその歌を歌う姿を見た時だという。その様子に心を奪われ、自分もこんなふうになりたいと思ったのだ。年末特別番組という大舞台で、どうしても思い入れのある歌を歌いたいと切に訴えた。
鈴子は返答に困った。とりあえず、作曲者の羽鳥(草彅剛)に相談してみると言って、その場は解散になった。

それから数日経ったが、鈴子は羽鳥に相談することもなく、頭を抱えていた。
そこへ、タケシがゴシップ雑誌の最新号を持って現れた。喫茶店で面会する鈴子とアユミの姿が隠し撮りされており、アユミが『ラッパと娘』を歌いたがっているということまで書かれていた。その記事は、いつもの記者・鮫島(みのすけ)の手によるものだが、あからさまにふたりの対立を面白おかしく掻き立てるものだった。

タケシは憤慨し、アユミには絶対に『ラッパと娘』を歌わせないと息巻いた。

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NHK『ブギウギ』第117回

先週からずっと花粉が原因と思われる咳が出まくって苦しいし、腹に力が入るから腹筋も痛くなってきたんだけれど、ふと見れば腹筋がかすかに割れ始めてきていて、これはこれでアリだなと思いもした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第117回めの放送を見ましたよ。

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第25週『ズキズキするわ』

1956年(S31年)秋。経済白書に「もはや戦後ではない」と記されるなど、日本は新しい時代へと進み始めていた。

愛子(このか)の誘拐未遂事件から1年が過ぎていた。愛子はたくさんの友達ができ、その子らと毎日遊んでいた。特に愛子はかけっこが得意で、男の子にも負けないほどだった。愛子は誰よりも早く走ろうと、寝室でも腕を振る練習やストレッチに余念がなかった。

その頃、芸能界では新人歌手・水城アユミ(吉柳咲良)が台頭していた。雑誌にも鈴子(趣里)との比較記事が書かれ、あからさまに鈴子よりも水城アユミを持ち上げる内容だった。『東京ブギウギ』の大ヒットから9年、もうブギや鈴子の時代は終わったとまで書かれていた。さらには、羽鳥(草彅剛)もスランプに陥り、彼もまた時代に取り残されたと悪様に書かれた。

鈴子は自分も歳をとり、体も昔ほどには動かなくなってきたこともあり、ある程度は仕方のないことだと言って気にしないようにしていた。しかし、マネージャー・タケシ(三浦獠太)は心底腹を立てた、

年末に『オールスター男女歌合戦』という番組が放送されており、今年で7回目となる。その番組から鈴子に出演依頼があり、鈴子とタケシは打ち合わせのために丸の内テレビジョンへ向かった。
プロデューサー・代々木(遠山俊也)とディレクター・沼袋(中村倫也)は、鈴子にトリを務めてもらうと話した。
ただし、そのトリ前に水城アユミを出演させたいという。沼袋は、鈴子と水城アユミの比較記事を見せながら軽薄な口調で、ふたりの新旧対決で盛り上がることは間違いないなどと話した。
マネージャー・タケシは水城アユミに敵対心を剥き出しにて反対した。しかし、鈴子は番組の演出上必要なことならと言って消極的ながら受け入れた。

打ち合わせを鈴子が帰ろうとすると、廊下で股野義夫(森永悠希)と再会した。彼は、鈴子が大阪の梅丸少女歌劇団に所属していた時のピアノ奏者で、退団後は大和礼子(蒼井優)と結婚して音楽教室などを開いていた。彼と会うのは礼子の葬式以来約18年ぶりだった。

しばし立ち話をしていると、彼を「お父さん」と呼びながら近づいてくる女性がいた。それは水城アユミだった。水城アユミは股野と礼子の実の娘で、股野が彼女のマネージャーをしているという。
鈴子と水城アユミはそれが初対面だった。アユミは鈴子の大ファンであり、両親からよく話を聞いて尊敬していると話した。鈴子も亡き礼子にはとても世話になったと話した。するとアユミは、まだ赤ん坊だったので母・礼子の記憶はないが、いろいろな話を聞いて鈴子と同じくらい母のことを尊敬していると話した。

そして、アユミと股野は番組打ち合わせのために会議室に入って行った。そこからは、ディレクター・沼袋の調子のいい声が聞こえてきた。鈴子に向けたのと同じか、それ以上の持ち上げぶりだった。

鈴子は、礼子のことを思い出してしばし呆然と立ち尽くしていた。
幼かった頃、礼子から「あなた、どうして踊るの?」と聞かれたことを反芻していた。

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NHK『ブギウギ』第116回

昨日からずっと咳が止まらなくて意気消沈している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第116回めの放送を見ましたよ。

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第24週『ものごっついええ子や』

愛子(このか)が3日間も学校を休んでいる。
せっかく新しい友達・一(井上一輝)ができて学校に行くのも楽しくなった矢先に誘拐騒ぎが起き、鈴子(趣里)から登校を禁じられた。そのせいで一と遊ぶ約束を破ってしまうことになったからだ。あろうことか一の父(水澤紳吾)が誘拐犯として逮捕され、一は遠い親戚に預けられることになった。愛子は一と別れの挨拶すらできなかった。
愛子はこういった一連の出来事は、自分の母が有名人であることに起因していると思い、腹を立てていた。

鈴子は、愛子と一をもう一度合わせてやる必要があると思った。そこで刑事・高橋(内藤剛志)に頼み込んで、一を家に連れてきてもらった。
初めは恥ずかしそうにしていた愛子と一だったが、すぐに打ち解けて仲良く遊んだ。ふたりとも一の父が起こした事件のことは理解していたが、何事もなかったかのように打ち解けていた。

帰り際、愛子は一に自分の少女漫画雑誌を渡した。ボロボロになった漫画雑誌1冊しか持っていない一へのプレゼントだという。一は女物の漫画なんて読めないと悪態をつきながらも、喜んでそれを受け取った。
こうして愛子と一は友情を確かめ合った。

さらに一は、鈴子に向かって生意気にも忠告をした。愛子は有名人の子どもだと言われてからかわれたり、鈴子が忙しくて寂しい思いをしているというのだ。鈴子は素直に聞き入れ、気をつけることを約束した。

この一連のできごとで、鈴子と愛子の母子関係も改善された。
鈴子は、愛子に寂しい思いをさせないことや、いい子に育つようにと必死になっていたが、その心配をよそに愛子が優しくていい子になっていることに気づいた。そのことを愛子と話し合った。愛子も、自分が一番会いたかった一を鈴子が連れてきてくれたことに感謝した。

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NHK『ブギウギ』第115回

鼻炎薬のおかげで鼻水とくしゃみはほぼ止まったのだけれど、喉の違和感と空咳の止まらなくなった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第115回めの放送を見ましたよ。

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第24週『ものごっついええ子や』

愛子(このか)が誘拐犯に狙われている。鈴子(趣里)は学校を休ませ、家から出させないようにした。
有名人の子だといってからかわれるので愛子は学校に行くのを嫌がっていた。そんな愛子が、今日に限って登校すると言って聞かなかった。新しくできた友達・一(井上一輝)と遊ぶ約束をしているからだ。激しい押し問答になったが、家事手伝い・大野(木野花)がなんとかなだめすかし、その日は自室にいることになった。

しばらくすると、誘拐犯(水澤紳吾)から身代金の受け渡しについて電話連絡があった。3万円を巾着袋に入れて、午後3時に日帝劇場のロビーに持ってこいという。ただし、鈴子本人では目立ちすぎるので、マネージャー・タケシ(三浦獠太)か家事手伝い・大野のいずれかが来るように指定した。犯人は鈴子の家の者を全員知っているというのだ。

こうして、タケシが身代金を持ってロビーへ向かった。もちろん、事前に何人もの私服警官が張り込みをしていた。
約束の午後3時になると、身なりの汚い男・小田島(水澤紳吾)が必死の形相でタケシに近づいてきた。タケシは金を渡すまいと逃げたが、小田島に追いつかれ揉み合いになった。そこへ張り込んでいた私服警官たちも駆けつけ、小田島は簡単に取り押さえられた。

こうして、犯人が捕まったことで愛子の誘拐騒ぎは一応収まった。
しかし、愛子はずっとふてくされていた。学校に行けなかったせいで、新しい友達・一に会えなかったからだ。自分が一方的に約束を破ったとして彼に嫌われてしまうと心配していた。それは全て鈴子のせいだと文句を言った。
鈴子は、明日謝れば許してくれるはずだと話した。

翌日、愛子は一の教室に行ってみた。すると、彼の姿はなかったし、担任教師からは転校すると聞かされた。放課後、彼と遊ぶ約束をしていた場所に向かったが、そこにもいなかった。愛子は、自分が約束を破ったせいで一が転校することになったのだと思い込み、自責の念に苛まれた。

刑事・高橋(内藤剛志)は鈴子の家で取り調べ状況について説明した。
容疑者・小田島大は、妻を早くに亡くし、男で一つで息子を育てていた。しかし、本人も病弱で思うように働くことができず、生活は困窮していた。それでも、息子にだけは惨めな思いをさせたくないと思っていたようだ。そんな矢先、鈴子が愛子の誕生会を開いた。近所の人なら誰でも参加することができ、小田島親子も来ていた。そこで鈴子の贅沢な暮らしや家族構成を知り、犯行を思いついたのだという。これからは、誰でも彼でも家に招くのはやめた方がいいというのが高橋の意見だった。
小田島の息子は、親切な遠い親戚が預かってくれることになった。今回の事件は未遂に終わったので小田島には執行猶予がつくだろうが、いずれにせよ当面の間は父子は離れ離れになってしまう。

ちょうど帰宅した愛子は、その話を聞いていた。そして、そこで話されている息子というのが、愛子が友達になるはずだった一のことだと悟った。
愛子は、一がいなくなったのは鈴子のせいだと喚いた。

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NHK『ブギウギ』第114回

週あたまから花粉でボロボロになっていたんだけれど、昨日生まれて初めて鼻炎薬を買ってきてのんだら調子が良くなって機嫌もよくなった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第114回めの放送を見ましたよ。

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第24週『ものごっついええ子や』

鈴子(趣里)の家に脅迫電話がかかってきた。3万円を支払わなければ、娘・愛子(このか)を誘拐するというものだった。

確かに、いつもなら愛子はもう学校から帰ってくる時間なのに帰宅しない。学校に電話で問い合わせると、愛子たちの学年は全員下校したという。近所を探し回っても愛子の姿は見つからなかった。

犯人から止められていたが、鈴子は警察に連絡した。すると高橋(内藤剛志)以下2名の刑事が密かに鈴子の家にやってきた。
高橋の聞き取りに対して、鈴子は誰かと揉めたり恨みを買うような覚えはなく、愛子が誘拐される心当たりはないと答えた。
次に犯人から電話がかかってきたら、なるべく話を引き延ばして、少しでも相手の素性を探るよう求められた。

その頃、愛子は一人で下校途中だった。
すると、汚い身なりでボロボロになった漫画雑誌を読んでいる少年(井上一輝)がいた。彼は愛子の姿を見ると声をかけた。愛子は覚えていなかったが、彼は先日の愛子の誕生日パーティに参加していたという。誰でも来ていいと言われたから参加したのだと話した。パーティで出てきた鶏肉がうまかったし、鈴子のような有名人の母親がいて羨ましいと話した。
しかし、愛子は普通の母親がよかったと答えた。鈴子は忙しくてほとんど家にいないし、学校では有名人の子どもだからとバカにされ友達もできない。

少年は、それでも愛子のことを心底羨ましがった。愛子は毎日美味いものを食べていられて幸せだと言うのだ。
それに比べて、自分は貧しい生活をしているという。楽しみといえば漫画雑誌を読むことだけだが、自分が所有しているのは今手にしている1冊だけで、しかもそれは小学校に入学する時に父から買ってもらったものだ。それ以外に読むものがないので、すでにボロボロになってしまったし、内容は全て暗記してしまっている。今は小学3年生だが、汚い服しか持っておらずバカにされるので学校にはほとんど行っていないなどと話した。

愛子は、友達がいなくて学校に行きたくないという点に自分との共通するものを見つけた。
少年は、明日も同じ場所で会うことを提案した。その時に、彼の唯一の漫画雑誌を読ませてくれるという。愛子は喜んで会う約束をした。

その後、いつもより遅かったものの、愛子は無事に帰宅した。鈴子は安堵しつつも、遅くなった理由を問い詰めた。愛子は友達と遊んでいたとだけ答えた。

その時、また電話がかかってきた。
鈴子が電話に出ると、男(水澤紳吾)は金の準備ができたかと尋ねた。鈴子がまだだと答えると、有名人ならそれくらいすぐに用意できるだろうと悪態をついた。
鈴子が単刀直入に名前を訊くと、相手は「おだじ」まで言いかけてやめた。どうやら、単純で間抜けな男のようだった。
名前を言いかけて焦った犯人は、翌朝にもう一度電話すると言って電話を切った。

愛子は家の中の物々しい雰囲気にビクビクしていた。しかし、鈴子も張り込んでいる刑事たちも、まだ本当のことを愛子には言わなかった。
その代わり、鈴子は翌日は学校を休んで家にいるよう命じた。学校嫌いの愛子なら喜ぶだろうし、誘拐から守ることもできるからだ。
しかし、愛子は反抗した。明日はどうしても学校に行くと言い張った。鈴子に理由は話さなかったが、少年との約束があるからだ。

その頃、愛子に会った少年は、薄暗く汚い自宅の隅でいつものように唯一の漫画雑誌を読んでいた。そこへ、父が帰宅した。父も少年と同じように汚い身なりだった。
父は新しい仕事が見つかったと話した。金が手に入るので、新しい服や漫画をたくさん買うことができると嬉しそうに話した。

その父は、鈴子の家に脅迫電話をかけた男だった。

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NHK『ブギウギ』第113回

花粉症ではないと信じているのだけれど、昨日はくしゃみと鼻水が止まらなくて難儀したし、昨夜から今朝にかけて寝ていてもくしゃみで何度か目が覚めてしんどい思いをしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第113回めの放送を見ましたよ。

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第24週『ものごっついええ子や』

1955年(昭和30年)6月、愛子(このか)は小学2年生になった。

愛子の8歳の誕生日を迎え、鈴子(趣里)は近所の親子を家に招いて愛子の誕生日パーティを開いた。
新しい家に越してきて5年が経ち、鈴子は近所の人々とすっかり馴染んでいた。そして、普段から友達のいない愛子のため、このパーティーで近所の子どもたちと仲良くさせようとしたのだ。
しかし、愛子は近所の子どもたちと口を聞こうとはせず、自分のパーティなのにひとりでいるばかりだった。ついには鈴子のおせっかいに嫌気がさし、自室に閉じこもってしまった。

パーティーは円満に終わったものの、鈴子は愛子のことがますます心配になった。彼女の父・愛助(水上恒司)はすでに亡くなっているし、鈴子も仕事で家を空けがちである。愛子には寂しい思いをさせたくないと思っているのだ。これまでも欲しがるものはなんでも与えてきたし、これからは鈴子が不在の時に遊んでくれる友だちをたくさん作って欲しいと願うのだった。
家事手伝い・大野(木野花)は干渉のしすぎだとやんわりとたしなめた。確かに愛子には同年輩の友だちはいないかもしれないが、家には大野がいるし、鈴子のマネージャー・タケシ(三浦獠太)も頻繁に出入りして愛子と遊んでくれる。ましてや、子どもはほっといても大丈夫だと言うのが大野の意見だった。しかし、鈴子は承服しかねた。

後日、愛子の誕生日パーティーの模様がゴシップ雑誌に面白おかしく掻き立てられた。
それもあって、愛子は学校の同級生たちからからかわれた。愛子は有名人の子で、雑誌に載るようなパーティを開いてもらえる。それなのに親譲の変な大阪弁を使って調子に乗っているなどと囃し立てられた。愛子は言い返すことなくじっと耐えていた。

愛子がそのような目に遭っているとは知らず、鈴子は羽鳥夫妻(草彅剛市川実和子)に子育ての相談に行った。妻・麻里の意見は大野と同様に、過干渉はよくないというものだった。鈴子には結論が出なかった。

鈴子が家に帰ると、愛子は一人であやとりをして遊んでいた。鈴子が一緒に遊ぼうとすると、愛子は拒絶して自室に引っ込んでしまった。その日は、鈴子の仕事は休みで一緒に遊ぶと約束していたのに、鈴子がどこかへ出かけてしまい、約束の破られたことに腹を立てていたのだ。

鈴子は子育ての難しさに思い悩んでしまった。いくら愛子が反抗的になっても、愛子が何よりも大切で大事であるという思いに変わりはなかった。

翌朝、鈴子は自らフレンチトーストを作った。それは愛子の大好物なのだ。
しかし、鈴子が作ったと知るや否や、愛子はまずいと言い捨てて、それ以上手をつけようとしなかった。
ついに鈴子も頭に血が上った。人が作ったものにケチをつけるのはよくない、そんな子はもう学校に行かなくていいし、教科書やランドセルは母が全て捨ててしまうなどと口走ってしまった。
愛子はマミーなんて大嫌いだと言い捨てて小学校に向かった。

愛子が玄関を出ると、門に封筒が挟み込まれているのを見つけた。
中を見てみると、雑誌の活字を切り抜いた脅迫文だった。「ムスメノ イノチガ オシケレバ・・・」などと記されていた。
愛子はバカバカしいと思い、それをくしゃくしゃに丸めて捨ててしまった。

愛子が登校した後、鈴子は大野にあらためて相談していた。その時、電話のベルが鳴った。
大野が電話に出ると、不審な口調の男(水澤紳吾)が福来スズ子を出せと繰り返すばかりだった。大野は相手の素性を確かめようとし、名前と要件を言うよう迫った。
すると男は、娘を誘拐されたくなかったら3万円出せと脅迫した。

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『ブギウギ』第112回

NHK大阪放送局で3月17日(日)まで開催されているブギウギ セット公開を見学に行った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第112回めの放送を見ましたよ。

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第24週『ものごっついええ子や』

1951年(昭和26年)11月。
羽鳥(草彅剛)は作曲数が2000に達し、自らで企画したパーティを主催することとした。彼の自分勝手な計画は周りを呆れさせるばかりだった。それでも、偉業の達成を讃えるために多くの人が協力することになった。

鈴子(趣里)と茨田りつ子(菊地凛子)は通常の歌のほかに、余興をするよう依頼されていた。
ふたりで相談した結果、ラインダンスを披露することにした。いつも直立不動で歌うりつ子が踊れば、羽鳥をびっくりさせることができると考えたからだ。りつ子は以前から鈴子の踊りのことを「下品だ」とバカにしていた。それを自分がやる羽目になることを最後まで抵抗していたが、羽鳥のためだと説得されて渋々応じた。鈴子の家に通って、足を高く上げるラインダンスの猛特訓を受けた。

こうして、パーティーの日になった。
鈴子の『東京ブギウギ』で開幕し、続いてりつ子が『別れのブルース』を歌った。いずれも羽鳥の代表的ヒット曲である。

りつ子は歌い終えると、前触れなく指を一つ鳴らした。
すると舞台袖から数人のダンサーが揃いの赤い衣装で現れた。ダンサーたちがりつ子の衣装を剥ぎ取ると、中からダンサーと同じ衣装が表れた。
鈴子も同じ衣装で再登場すると、バックバンドは再び『東京ブギウギ』の演奏を始めた。
鈴子とりつ子は、バックダンサーを従え歌い踊った。

りつ子のラインダンスは羽鳥を大層驚かせた。楽しくなった彼は自分もステージにあがり、一緒に踊った。

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