NHK『ブギウギ』第39回

今まで『王様のレストラン』を見たことがなくてTVerで少しずつ公開されているのを見ながら、「山口智子、やっぱいいねぇ。好き」と再認識しているわけだけれど、山口智子がYouTuberになってるのを知ってびっくりしたし、そこで公開されている動画を見て「信じたくなかったけれど、山口智子の夫はやっぱり唐沢寿明なんだな」と思い知らされた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第39回めの放送を見ましたよ。

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第8週『ワテのお母ちゃん』

鈴子(趣里)が大阪の実家に帰ってきた。
ツヤ(水川あさみ)は末期の癌で、ほとんど体の自由が効かなかった。寝床は2階だったはずだが、トイレに行くのもままならないということで1階に寝かされていた。鈴子が帰ってきて喜んだものの、布団から体を起こすこともできないほどで、声を出すのも苦しそうだった。

鈴子は梅吉(柳葉敏郎)に食ってかかった。良い病院で一流の医者に診せれば治るはずなのに、なぜそうしないのかと詰め寄った。しかし、梅吉は専門医(多々納斉)の往診を受けたが手の施しようがなかったのだと弁解した。

ツヤは、鈴子を残して早死にすることを謝った。鈴子の方も、危篤の知らせを受けてもすぐに帰ってこなかったことを謝った。ツヤよりも、客前で歌うことを優先したことを悔やんだ。自分はもっと偉大な歌手になりたかったのだと、選択を誤ったと言うのだ。
ツヤはこれからの鈴子の歌を聴けなくなることを残念がった。

鈴子は、歌を聴きたいなら長生きしろと迫った。死んだら二度と歌ってやらないと言うのだ。
そんなやりとりを廊下で泣きながら盗み聞きしていた梅吉は、涙を拭いて部屋に入ってきた。鈴子は意地悪な娘だと叱り、歌ってやれと命じた。しかし、鈴子は素直に聞き入れなかった。梅吉から頭ごなしに命じられたことに腹を立て、父に対して口汚く罵った。
鈴子と梅吉の口喧嘩はまるで漫才のようだった。ツヤはふたりのやりとりを見て笑った。

ツヤの笑いに触発されて、鈴子はその場で歌ってやることにした。
幼い頃から家でよく歌っていた十八番『恋はやさし野辺の花よ』(参考動画: 子役時代の歌唱シーン)を涙を流しながら歌った。

その日、ツヤは亡くなった。

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NHK『ブギウギ』第38回

今日も寒くてテンションのあがらない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第38回めの放送を見ましたよ。

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第8週『ワテのお母ちゃん』

六郎(黒崎煌代)が上京し、鈴子(趣里)の下宿を訪ねてきた。いつ帰ってこれるかわからないので、軍に入隊する前にどうしても鈴子に会いたかったという。
ふたりは布団を並べて語り合った。

鈴子は母・ツヤ(水川あさみ)の病気にことを心配していたが、六郎も詳しいことは知らされていないという。しかし、父・梅吉(柳葉敏郎)の様子がおかしいことから、そう長くはないことが察せられると話した。けれども六郎は、自分が戦争で敵をたくさんやっつければ母の病気も治るだろうと信じている風だった。

初めはいつも通りに明るく朗らかに話していた六郎だが、徐々に口調や話題が暗くなっていった。自分が一人前として認められて招集されたのは嬉しいが、軍隊に入ったら鈍臭いとバカにされるのではないかと不安だと言う。
そればかりか、最近は布団に入ると自分が死ぬ時のことを考えてしまうのだと打ち明けた。死ぬ時はきっとすごく痛い思いをしたり、恐怖を感じるのだろうと想像される。一人で死ぬのは恐ろしく、頭がおかしくなりそうだという。鈴子は六郎が死ぬことはないだろうと励ましたが、六郎の気はまったく晴れなかった。

六郎は、鈴子の布団に入り、鈴子に抱きついて泣いた。死にたくないと何度も呟いた。鈴子はそれ以上声はかけられず、ただ六郎の頭をなでてやった。

翌朝、六郎は何事もなかったかのようにいつもの様子に戻り、鈴子に見送られて出発して行った。

その頃、ツヤも梅吉に正直な気持ちを話していた。
自分が早死にするのは、自身の悪事の罰だと考えていた。その悪事とは、物心のついた後の鈴子を生みの母・キヌ(中越典子)に会わせないようにしていたことだ。さらにツヤは、自分の死後も鈴子をキヌに会わせないでほしいと梅吉に遺言した。自分には知りようのない将来の鈴子をキヌが知ることに耐えられないのだという。自分が醜い性格であることは理解するが、どうしても我慢ならないのだと話した。
梅吉は、ツヤは醜くないと慰めた。母親とはそういうものであり、ツヤこそ最高の母親だと言って落ち着かせた。

ある朝、鈴子が劇場に出かけようとすると大阪から電報が届いた。そこには「ハハキトク」と書かれていた。鈴子は大きなショックを受けた、その場に座り込んでしまった。
下宿の大家・チズ(ふせえり)はすぐに大阪に帰ることを勧めた。しかし、鈴子は舞台の本番があるので帰れないと言う。ひとまず劇場に向かった。

劇場で事情を話したが、演出家・竹田(野田晋市)は舞台を優先するよう告げた。客にとって鈴子の代役はいない。舞台を生業にしている者は親の死に目に会えなくて当然だと言うのだ。
羽鳥(草彅剛)は、鈴子は大阪に帰るべきだと主張した。しかし、それは鈴子やツヤのことを思ってのことではなかった。鈴子は今、母の危篤や弟の出生で正気ではいられない。その苦しい心境を歌に活かして、いつもより良いショーができて当然である。心労でそれができないと言うなら、ステージにあがる資格はないのだから大阪に帰ればよいというのだ。

鈴子は、以前にツヤから言われた言葉を思い出した。梅丸に入ることが決まった時、これからはツヤだけじゃなく、大勢の客に福を届けろと言われた。自分の芸名である福来スズ子もそれにちなんでいる。
鈴子は東京に残って、客前で歌うことこそが母の願いに叶うことだと思った。

その日、鈴子は見事にショーをやり遂げた。
鈴子は、自分は歌手としてもっと大きくなりたいと願った。

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NHK『ブギウギ』第37回

今朝はなんかしんどくて起きれなかったせいで夜になってしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第37回めの放送を見ましたよ。

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第8週『ワテのお母ちゃん』

ツヤ(水川あさみ)の体調は一向によくならない。金の心配をして大きな病院にかかろうともしない。銭湯の常連の医師・熱々先生(妹尾和夫)は、友人の医者(多々納斉)を連れてきてツヤの様子を診させた。
その医者の見立てでは、もう手の施しようがなく、ツヤの命はそう長くないというものだった。夫・梅吉(柳葉敏郎)は取り乱したが、ツヤはとっくに寿命を自覚しており落ち着き払っていた。
ツヤは梅吉に口止めし、子どもたちには黙っているよう命じた。鈴子(趣里)は東京で頑張っているし、翌日には六郎が出征する。彼らに余計な心配はさせたくないと言うのだ。梅吉はしぶしぶ従った。

出征を控えた六郎は丸刈りにし、軍隊で活躍することを夢見ていた。これまで周りからは鈍臭いなどとバカにされていたが、それを見返すつもりなのだ。銭湯の常連たちに向かって、たとえ敵に撃たれても最期まで銃を手放さず打ち返し続けるなどと豪語した。
その夜、六郎は病床の母にくっついて甘えた。甘えつつも、言葉だけは勇ましかった。
ツヤは今生の別れとなることを予感しつつも、六郎が帰ってくることを待っていると言って励ました。
翌朝、六郎は銭湯の常連たちに見送られて出発した。表に出ることもままならないツヤは、床から人々の万歳の掛け声を聞いていた。

その頃、梅丸楽劇団は今後の演出方針について激論が交わされていた。
演出家・竹田(野田晋市)は従来の舞台演出を大きく方向転換するという。戦地の兵隊や銃後の国民に寄り添い、劇団も彼ら同様に耐え忍んでいることをアピールしたいと主張した。当然、これまでの華やかで楽しいだけのものではなくなる。
その方針に鈴子は猛反発した。このような時代だからこそ、人々には日常を忘れて楽しめる従来型の演目をするべきだと主張した。
しかし、あくまで鈴子は演者の人であって、演出家の竹田の方に分があった。

鈴子は竹田方針に対してイライラしながら下宿に帰ってきた。
すると、下宿の前に六郎が立っていた。鈴子に会いにきたのだと言う。

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NHK『ブギウギ』第36回

我が家のリビングには山瀬まみの写真やグッズはひとつも置かれていないのに、札幌出身で活動休止中のバンドDrop’sのポスターは貼られているわけだけれど、今朝の朝ドラ放送5分前に東京のTC楽器でDrop’sでベース担当だった小田満美子さんが働いているってことを知って、「先週の東京出張の前にこの情報を知っていれば・・・。ギターの荒谷さんが一番好きだけど、小田さんは山瀬と名前が似てるってだけでいい人なのに。。。」と悔やんでドラマに集中できなくなった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第36回めの放送を見ましたよ。

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第8週『ワテのお母ちゃん』

1939年(昭和14年)9月、ナチス・ドイツのポーランド侵攻に端を発し、第二次世界大戦が始まろうとしていた。日中戦争も続いており、世間では戦争に協力しようという機運が高まっていた。

梅丸楽劇団には松永(新納慎也)に代わる演出家として竹田(野田晋市)が就任した。
竹田は劇団の方針転換を打ち出した。これまでの明るく楽しいだけの舞台ではなく、時局に合わせたものにするという。鈴子(趣里)のメイクは派手すぎると指摘し、より地味なものにするよう命じた。

鈴子はいつものように羽鳥(草彅剛)の家の夕食に招待された。
その日、羽鳥は珍しく酔っ払った。彼の敬愛する音楽教師・メッテルが国外退去処分になったからだ。メッテルはウクライナのキエフから来日し、音楽の楽しさを伝えることを信条としていた。羽鳥はそんな彼に薫陶を受けた。ところが、メッテルは近頃の日本国内の様子を見て「ニッポン人はおバカさんだ」と発言した。それによって日本から追い出されたのだ。
羽鳥はそれだけの理由で国外退去処分になったことに憤っていた。しこたま酔った羽鳥は、ふて寝すると言って寝室に引っ込んでしまった。

羽鳥の妻・麻里(市川実和子)によれば、羽からのプロポーズにもメッテルが関与していると言う。
結婚前、麻里は劇場側の喫茶店・バルボラで働いていた。羽鳥は毎日決まってアイスコーヒーを注文したという。ある日、羽鳥は「ナイスコーヒー」と注文した。その駄洒落に麻理は吹き出した。吹き出した直後、羽鳥はその場で交際を申し込んできた。交際に応じると、今度は1週間後にプロポーズされた。そしてそのまま結婚したのだと言う。
羽鳥は初めから、30日間連続でアイスコーヒーを注文する計画を立てていたという。そして、31日目に冗談を言って、笑ってくれたら告白することを決めていた。その通りになったのだ。
そして、羽鳥が結婚を急いだ理由はメッテルの教えだったという。メッテルはいい音楽のためには早く身を固める方がよいと教えられた。当時の羽鳥は劇場でジャズを演奏することを夢見ていて、それを叶えるために結婚したいのだと説明したという。
鈴子は、羽鳥の結婚の理由はきわめて自己中心的なものだと思った。しかし、麻里は彼のばかみたいな素直さに惚れて結婚を決めたと話した。

自身の恋愛事情を聞かれた鈴子は、失恋したばかりだと話した。
麻里はその失恋を芸の肥やしにすべきだと話した。生きていること全てが芸の肥やしなのだという。鈴子はその言葉に感銘を受けた。

その頃、鈴子の実家ではツヤ(水川あさみ)が相変わらず床に伏せていた。病気の原因はわからないままだが、どんなに専門医に診てもらうことを勧めても断り続けていた。金のことが心配だったからだ。国内が戦時体制に向かっており、銭湯の客足も減っているのだ。夫・梅吉(柳葉敏郎)もツヤのことをひどく心配していたが、金のことを思うと自宅療養以外に手はなかった。

そんなある日、弟・六郎(黒崎煌代)が召集令状を受け取った。それまでトロい子だと馬鹿にされていた六郎は、自分が一人前の男だと国から認められたと思って大喜びした。両親は六郎が兵隊になることを心配したが、本人の喜びように水を差すわけにはいかないと思った。一緒になって喜んでやった。

六郎が招集されたことは、すぐさま電報で鈴子に知らされた。

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NHK『ブギウギ』第35回

2泊だけの出張なのでバックパックひとつで身軽に来たんだけど、そもそもカバンがパンパンになっていて荷物を増やす余地は無かったのに、寄り道したFender Flagship TokyoRoland Store TokyoでそれぞれTシャツを1着ずつ買ったせいでカバンに入りきらなくなってゲンナリしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第35回めの放送を見ましたよ。

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第7週『義理と恋とワテ』

鈴子(趣里)は梅丸楽劇団の統括・辛島(安井順平)に移籍を取りやめたことを報告し、謝罪した。同席した羽鳥(草彅剛)が取り成そうとしたが、辛島の怒りはなかなか収まらなかった。それでも、梅丸に残ることは認めてくれた。

その場で、鈴子は賃上げ要求もした。実家の母・ツヤ(水川あさみ)の体調がよくないので金が必要だと理由を説明した。
加えて、日宝からは梅丸の1.5倍の給料を提示されたといい、自分の価値を試認識したのだという。辛島はイライラしながらも、検討を約束した。

そのまま、鈴子は羽鳥の家へ向かった。鈴子と羽鳥が男女の仲にあるというゴシップ記事が出てしまったことを彼の妻・麻里(市川実和子)に謝るためだ。
しかし、麻里は笑い飛ばすだけで、全く気にしていなかった。ふたりが恋愛関係にあるなどとはつゆほども思っておらず、何より記事に出ているふたりの写真があまりに変な顔の瞬間だったからだ。

それから麻里は、最近の羽鳥の様子を鈴子に話した。羽鳥は鈴子に歌ってもらうための「センチメンタル・ダイナ」をとても一生懸命に作っているという。普段は家族には自作曲を聞かせないのだが、今回は聞かせて感想を尋ねるほどだという。羽鳥は、鈴子が梅丸に残ってほしいと思っており、そのためには鈴子が気に入る良い曲を作らなければならいと考えているいう。
鈴子は、いい歌があるのが嬉しいのはもちろんのこと、羽鳥が自分を一人の人間として認めて大切にしてくれているのを嬉しいと思っていると話した。それが梅丸に残る決め手であると説明した。

秋山美月(伊原六花)が大阪に帰ることになった。彼女の出発前夜、ふたりはなかなか寝付けなかった。秋山は朝一番の始発列車に乗らなければならなかったが、夜遅くまで語り合った。ふたりで一緒に東京に出てきたのがつい昨日のことのように思えた。その日もなかなか寝付けなかった。
翌朝、鈴子が目を覚ますと、秋山は何も言わず出て行った後だった。しかし、鈴子は落胆しなかった。この日の「センチメンタル・ダイナ」初披露に向けて気合を入れた。

ステージで鈴子は、秋山のことを思いながら「センチメンタル・ダイナ」を歌った。今回の曲も客からの大喝采を浴びた。
秋山は汽車の中で鈴子のステージを想像し、それに合わせて座席に座りながらステップを踏んだ。伴奏のないタップダンスであったが、乗り合わせた客たちは惜しみない拍手を送った。

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NHK『ブギウギ』第34回

東京のとあるビジネスホテルに泊まっているのだけれど、部屋がめっちゃ狭くて意気消沈している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第34回めの放送を見ましたよ。

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第7週『義理と恋とワテ』

日宝への移籍交渉が露見し大騒ぎになってしまったことで、鈴子(趣里)は落ち込みながら下宿に帰ってきた。
下宿のすずこの部屋では作曲家・羽鳥(草彅剛)と作詞家・藤村(宮本亞門)が鈴子の帰りを待っていた。彼らは新曲『センチメンタル・ダイナ』の仕上げに取り掛かっており、最高の歌ができたと興奮していた。一刻も早く鈴子に歌ってほしいと思って、待ち構えていたのだ。

しかし、鈴子は自分にはそれを歌う資格がないと述べた。義理を欠いて勝手に移籍しようとしていた自分のような人間は歌う資格がないというのだ。
ところが、羽鳥は意に介さなかった。人生に浮き沈みはつきものであり、嬉しい時には気持ちよく、悲しい時には辛い気持ちなど、その時の心情に合わせて歌えば良いのだと助言した。
そして、今の鈴子が辛い思いをしていると知り、その心境に合わせて翌日までに曲を作り替えることを請け負った。

羽鳥、藤村と入れ替わりに、同室の秋山(伊原六花)が帰ってきた。
彼女はその日、ダンサー・中山(小栗基裕)からプロポーズの返事を催促された。しかし、秋山はまだ迷っていた。男役としてキャリアを積みたいという秋山の希望に反して、彼は娘役に転向するようあれこれと指示するという。秋山は彼のことが好きだったが、その態度には納得できないという。

秋山は自分が自分らしくいられなくなることをおそれていた。
それを聞いた鈴子も霧が晴れるような思いがした。鈴子も自分らしくいられることがなにより大事だと思うのだ。それで、日宝への移籍を断ることを決めた。

翌日、鈴子は日宝本社に出向き、正式に移籍契約を断った。梅丸に対する義理、そして羽鳥の作る曲を歌うことこそが自分の希望だと理由を説明した。日宝は鈴子と羽鳥が男女の仲にあると根も葉もない噂に基づく記事を見せて、鈴子を脅しつつも引き止めようとした。しかし、鈴子の決意は変わらなかった。

日宝の応接室を出た鈴子を松永(新納慎也)が追いかけてきた。松永は、自分が鈴子の愛の告白を断ったことが理由ではないかとまだ疑っていた。
鈴子は改めて、羽鳥の曲を歌いたいことが理由だと説明した。その真剣な様子に松永もやっと納得した。松永は鈴子を応援し、握手をして二人は別れた。

その日、秋山も中山のプロポーズを断ったと鈴子に報告した。中山のことはダンサーとして尊敬しているものの、自分を押し殺してまで結婚する相手ではないと分かったのだという。
秋山はこれを機に大阪へ帰ることを決めた。大阪で男役として活躍することこそが一番自分らしい生き方だと悟ったという。

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NHK『ブギウギ』第33回

明日と明後日は事情によりまとめ記事が遅れたり、場合によっては1日遅れになるかもしれないことを事前に予告しておく当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第33回めの放送を見ましたよ。

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第7週『義理と恋とワテ』

鈴子(趣里)が日宝へ移籍するという話を聞きつけ、梅丸楽劇団の統括・辛島(安井順平)が下宿に怒鳴り込んできた。すでに業界で噂になっており、梅丸社長・大熊(升毅)の耳にも入ったと言う。大熊社長はものすごい剣幕で怒っているという。

辛島は、鈴子を育てたのは梅丸だと指摘し、それを裏切る鈴子は義理と人情のない人間だとなじった。
そう言われて鈴子はひどくショックを受けた。母・ツヤ(水川あさみ)には幼い頃から義理と人情が大切だと言われており、鈴子自身もそれを信条に生きてきたつもりだ。その生き方を自らぶち壊してしまったことを思い知らされたからだ。
梅丸と日宝になんとか筋を通したいと思った。
加えて、今回の移籍話を持ってきた松永(新納慎也)に会って話がしたいと思った。彼に断りを入れるのが当然のことだし、なにより、鈴子は彼のことが大好きだったからだ。

しかし、辛島は鈴子が松永に会うことを許さなかった。今後一切、日宝側の人間には会わせないと言うのだ。接触を避けるため、今すぐ鈴子を軟禁状態にすると宣言した。
鈴子は軟禁場所へ移るための準備をすると言い、一時的に辛島を追いやった。そして、秋山(伊原六花)の協力で、下宿から逃げ出すことに成功した。

鈴子は松永と落ち合った。
移籍話が梅丸に露見したことを話し、これ以上は梅丸にも日宝にもいられる義理ではないと述べた。もう歌も踊りも諦めると言う。
その代わり、松永と一緒になりたいと愛の告白をした。自分と一緒に逃げて欲しいと懇願した。

ところが、松永はそれを断った。
松永は、アメリカに愛する女性がいると話した。将来はアメリカに渡り、その女性と結婚する予定だと言う。だから、鈴子と交際することはできないというのだ。
それを説明すると、人目を気にして松永は帰っていった。

鈴子は泣きながら夜の街を歩いた。
これまでの自分に対する松永の態度を思い出すと、彼も鈴子のことを好いていたとしか思えなかった。しかし、それは全て自分の勘違いだったことが悲しかった。梅丸に戻ることも、日宝に行くこともできなくな、歌と踊りを諦めざるを得なくなったことも悲しかった。

行くあてのなくなった鈴子は、所属レコード会社の事務所に向かった。
対応した社員の佐原(夙川アトム)もカンカンだった。鈴子は謝って梅丸に戻るしかないと話した。ちょっと売れたからといって、いい気になった鈴子に全面的に非があると指摘した。

そんなやりとりを聞きつけた茨田りつ子(菊地凛子)が会議室に入ってきた。りつ子は、下品な泣き声が部屋の外まで聞こえてきたなどといつものように鈴子を小馬鹿にした。
彼女は、鈴子がつけ上がったのは佐原らレコード会社側にも非があると指摘した。彼らやマスコミが「スイングの女王」などと鈴子を持ち上げたからだ。鈴子のような小娘なら、それでいい気になるのも当たり前だと皮肉混じりに話した。
その上で、今後どうするかは鈴子自身が決めることだと話した。自分の将来については本人にしか決める権利がないからだ。

鈴子は、りつ子の人を馬鹿にした口調がいつも気に食わない。しかし、言っていることはもっともだと思った。自分は少々売れたことで浮かれてしまい、義理と人情を忘れてしまったのだと反省した。

レコード会社の事務所にもいられなくなった鈴子は、下宿に戻った。
すると、作曲家・羽鳥(草彅剛)と作詞家・藤村薫(宮本亞門)が部屋で待っていた。
新曲がほぼ完成したという。今まさにふたりで作詞の最後の仕上げに取り掛かっていた。

楽しそうなふたりの様子を見ていると、鈴子はほんの少しだけ気が楽になった。

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NHK『ブギウギ』第32回

朝ドラまとめ記事はこれまで何百回書いてきたかよくわからないけれど、先週の金曜日(第30回)の記事を公開し忘れていて、こんなこと初めてだと慌てながら先ほど公開したわけだけれど、その間誰も何も言ってこなかったので、結局だれもこんなの読んでねぇじゃねぇかよとイジけかけつつも、今回のドラマは面白いので誰からも顧みられずとも続けていく所存の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第32回めの放送を見ましたよ。

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第7週『義理と恋とワテ』

演出家・松永(新納慎也)は大事な内緒話があると言って、鈴子(趣里)を喫茶店に連れ出した。彼に片想いしている鈴子は、ついに愛の告白をされるのではないかと思った。

ところが、松永の話は予想外のことだった。
松永は近い将来、梅丸のライバル会社である日宝に移籍することが決まっている。移籍にあたって、鈴子にも一緒に来て欲しいというのだ。日宝は梅丸よりも資金があり、立派なショーを行うことができると期待できる。しかし、肝心の人材が不足している。日宝側は鈴子を高待遇で迎えるつもりだという。

鈴子は回答を保留した。これまで梅丸に世話になった恩を感じているので、裏切るようなことはしたくないと思ったのだ。しかし、密かに恋をしている松永の誘いを断ることも心苦しい。加えて、自身の飛躍のチャンスでもあるのだ。
松永は3日間の猶予を与えた。

鈴子は何人かに正直に相談した。
作曲家・羽鳥(草彅剛)には猛反対された。自分の歌には鈴子が必要だから、行かないで欲しいというのだ。

秋山(伊原六花)は、鈴子の逡巡する気持ちをよく理解してくれた。好きな人から誘われたら嬉しい反面、言われるがままでよいのかと悩む気持ちがわかるという。
ちょうど秋山も憧れのダンサー・中山(小栗基裕)からプロポーズされていた。しかし、彼は本来男役の秋山にドレスを着させようとするなど、秋山の意にそぐわないことをさせようとするのだ。
ふたりはなかなか寝付けずに、寝床でため息ばかりついていた。

翌日、鈴子はまたしても松永に料亭へ呼び出された。
そこには日宝の大林社長(利重剛)らがやってきた。社長自ら、迷っている鈴子の説得に来たのだ。鈴子には現在の給料の1.5倍の額を出すし、移籍に関する梅丸との交渉も全て会社が行うので鈴子は何も心配はいらないという。
ただし、移籍を打診されていることは秘密にしておくよう釘を刺された。
鈴子は返事をせず、契約書だけ受け取って帰宅した。

下宿に帰ると、実家の弟・六郎(黒崎煌代)から手紙が来ていた。手紙によれば、彼は徴兵検査で甲種合格だったといって喜んでいる様子だった。これまで人から褒められたことがなく、初めて人から認められたことを嬉しく思っているのだろうと想像された。

手紙には、母・ツヤ(水川あさみ)の体調を崩しかけているとも書かれていた。ずっと腰が痛いと言っているという。何かの病気かもしれないので検査を受け、必要なら入院する必要があるかもしれない。しかし、それには金がかかる。ツヤや父・梅吉(柳葉敏郎)は金のことを心配して、なかなか病院にかかろうとしないのだという。

鈴子は母のことが心配だった。病院に連れていくよう返事を書こうとした。
そこで金のことが気になって、日宝から手渡された契約書を確かめてみた。そこには給料の額も書かれていて、悪くない額だった。

まさにその時、梅丸の辛島部長(安井順平)
が下宿に怒鳴り込んできた。

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NHK『ブギウギ』第31回

この前の土曜日は「義理と恋と俺」ってことで、OSK日本歌劇団の「レビュー in Kyoto公演」を見に行った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第31回めの放送を見ましたよ。

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第7週『義理と恋とワテ』

1939年(昭和14年)4月、鈴子(趣里)と秋山(伊原六花)が東京に来て1年が経った。梅丸楽劇団は好調であり、鈴子と秋山は名実ともに大人気のスターとなっていた。

大阪から梅丸少女歌劇団(USK)のp林部長(橋本じゅん)がやってきた。USKも相変わらず順調で、鈴子の同期のリリー白川(清水くるみ)と桜庭和希(片山友希)がスターとして活躍しているという。しかし、より充実させるために、鈴子と秋山に大阪へ帰ってきて欲しいというのだ。ふたりが無理なら、せめてどちらか一人だけでもと願うのだった。
しかし、鈴子も秋山も応じなかった。鈴子はもっと東京で勝負したいと思っていたし、秋山は憧れだったダンサー・中山史郎(小栗基裕)と交際していて東京を離れたくなかった。

その頃、鈴子は「スイングの女王」と呼ばれ、『ラッパと娘』のレコードもよく売れた。街のあちこちでも耳にするようになった。
次回作として、作曲・羽鳥善一(草彅剛)、作詞・藤村薫(宮本亞門)のコンビで新曲が作られることになった。

鈴子はレコード会社で藤村に引き合わされた。藤村は、作詞のインスピレーションを得ようと鈴子に無遠慮な質問をぶつけた。恋人の有無、これまでの交際人数、直近のキスの経験など矢継ぎ早に尋ねた。鈴子が答えあぐねているのもお構いなしに、藤村は自分の世界に没頭して作詞を始めた。鈴子は面食らってしまった。

レコード会社でそのような打ち合わせをしていると、「ブルースの女王」の通り名を持つ茨田りつ子(菊地凛子)が顔を出した。鈴子は彼女の『別れのブルース』が大好きだった。憧れの茨田りつ子に会えて感激した。
しかし、茨田は鈴子に対して失礼な態度で接した。ステージ上での派手なメイクをバカにしながら、素顔の方はジャガイモのようだから同一人物だとは思えなかったなどと評した。
鈴子は茨田のことがいっぺんに嫌いになってしまった。

その日の夜、秋山はしょんぼりとして下宿に帰ってきた。心配した鈴子は、行きつけのおでん屋台に誘って話を聞いた。
秋山は恋人のダンサー・中山から言われたことを話し出した。秋山はこれまで男役ダンサーとしてキャリアを積んできたが、中山から娘役に転向するよう勧められているという。そもそも、彼が秋山に交際を申し込んだのも、秋山の女性的な面を感じたかったからだと説明したという。告白された時の恥じらいや潤んだ瞳を見て、中山はときめいたという。その時に中山の感情を舞台で観客にも見せたい。そのためには、秋山が娘役になる必要があるというのだ。

秋山は、中山にあれこれと指図されることに疑問を感じ始めていた。恋人である以前に、先輩ダンサーなのだから指示に従うのが当然だと思う部分もある。しかし、どうも行き過ぎのような気もするのだった。
話を聞いた鈴子は、最終的に決めるのは秋山自身だと話した。ただし、その判断の参考のために、一度娘役をやってみるのもいいのではないかと助言した。

秋山は、鈴子の恋愛に水を向けた。松永(新納慎也)との関係について尋ねたのだ。
鈴子にもよくわからなかった。ほぼ1年前に額にキスをしてもらったことがあるけれど、その後の進展は全くないという。

翌日、鈴子の稽古は中止になった。新曲の練習をするはずだったが、藤村の作詞がまだ終わらないというのだ。
鈴子がひとりで佇んでいると、松永が姿を現した。内緒話がしたいと言われ、喫茶店に誘われた。鈴子はそれについていくことにした。

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NHK『ブギウギ』第30回

明日はOSK日本歌劇団の「レビュー in Kyoto公演」を見に行く当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第30回めの放送を見ましたよ。

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第6週『バドジズってなんや?』

ジャズの何たるかを掴みかけた鈴子(趣里)に対して、羽鳥(草彅剛)はもうあまりケチをつけなくなった。羽鳥のことを嫌いになり、歌もやめたくなりかけていた鈴子だったが、そのような思いはすっかりなくなっていた。その変化は周囲にもはっきりわかり、格段に歌が良くなったと評価された。
そして、いよいよ本番前日になった。

演出家・松永(新納慎也)に声をかけられた鈴子は、本番で上手く歌えるかひどく緊張していると話した。
松永は準備は万端だと言って安心させるとともに、いつものように自らの手でチョコレートを鈴子の口に入れた。そして、その日に限って、額にキスをして去って行った。
鈴子はドキドキした。

秋山のダンスの稽古も大詰めだった。
しかし、秋山は複雑な思いを抱えていた。相手役の一流ダンサー・中山(小栗基裕)の足を引っ張ってしまうのではないかと不安に思っていた。それと同時に、彼が他の女性ダンサーと一緒に踊る箇所では、嫉妬のようなものを感じるのだった。

そして、梅丸楽劇団(UGD)の旗揚げ公演が始まった。
まずは、秋山や中山らのダンスシーンで客の心を掴んだ。

そしていよいよ、鈴子の出番となった。
舞台袖で鈴子は緊張しながら、羽鳥の言葉を思い出していた。彼は、鈴子は自分で福来スズ子の有り様を作らなければいけないと言われたのだ。

「ラッパと娘」が始まると、鈴子は舞台を所狭しと動き回り、体全体を使った大きな身振りで歌った。
観客たちもそのような大胆な歌い方は初めてだった。観客たちは自然に手拍子を始めた。そして歌が終わると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
そんな中、客席にいた茨田りつ子(菊地凛子)だけは下品な歌い方だと吐き捨てた。

こうして、旗揚げ公演は大成功に終わった。
公演の様子は新聞でも取り上げられ、鈴子は「スイングの女王」という二つ名とともに大きな写真が掲載された。

大阪で新聞を見た父・梅吉(柳葉敏郎)は大興奮し、銭湯の常連客に出前の寿司を振る舞った。

そんな大騒ぎの中、母・ツヤ(水川あさみ)は風邪で寝込んでいた。しかし、鈴子の記事を見ると、少しだけ元気が出た。

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