今朝は夢の中で緊急地震速報がけたたましく鳴り激しい揺れを感じたのだけれど、ちょうどスマホの目覚ましアラームが鳴り、それと連動して腕に着けている活動量計のバイブレーターが振動していたというわけで、目覚めの悪かった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第72回めの放送を見ましたよ。
戦争が終わり、自由に音楽活動ができるようになった。
それぞれが活動範囲を広げ、新たな段階へ進めるよう、鈴子(趣里)は「福来スズ子とその楽団」を円満に解散させた。
ただし鈴子は、マネージャー・山下(近藤芳正)と付き人・小夜(富田望生)だけは手元に残すつもりだった。
しかし、小夜は理由も告げず、一方的に付き人を辞めると言って姿を消してしまった。鈴子はショックを受けた。
それから3ヶ月が経ち、1946年(昭和21年)4月になった。
愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業に入社した。東京支社長・坂口(黒田有)の下で、宣伝部員として働いている。背広姿が決まっていて、鈴子は彼に惚れ直した。
そんな頃、マネージャー・山下が新しい仕事の話を持ってきた。
日本を代表する喜劇役者タナケンこと棚橋健二(生瀬勝久)が歌える女優を探しているのだという。タナケンは数多くの喜劇映画に出演したり、自身が演出/主演を務める舞台で大活躍している。またとないチャンスだという。
タナケンの次の舞台は、レビュー劇団のドタバタを描いた喜劇である。歌って踊れる女優が必要だが、それが見つからず難儀している。先方は、ぜひ鈴子に会ってみたいと言っているという。
鈴子は乗り気ではなかった。歌と踊りには自信があるが、これまで芝居は一度もやったことがないからだ。畑違いのことなどやりたくないと断った。
しかし、山下は食い下がった。楽団を解散したばかりの今だからこそ、活動の幅を広げるチャンスである。日本一のタナケンの胸を借りるつもりでやってみればいいと説得した。
その熱意に押され、鈴子は一度だけ会ってみることに同意した。
こうしてタナケンの劇団を訪問したが、散らかった会議室で鈴子たちはお茶も出されず2時間待たされた。
やっとタナケンが現れたかと思ったから、彼は鈴子を半ば無視して台本に目を通し始めた。劇団員は彼にだけ茶を出した。
鈴子と山下は、タナケンにうやうやしく挨拶をした。それでもタナケンは一言も喋らなかった。
鈴子が聞こえているのか?と尋ねると、やっとタナケンは口を開いた。
タナケンは、鈴子を好き好んで呼んだわけではないと話し出した。ある人に配役が難航していると話したら鈴子のことを強く推され、ほんの少しの興味で会っただけだという。自分の舞台に出すかどうかもわからないと言う。
鈴子は頭に来た。時間の無駄だと言って、帰ろうとした。
そこへ、作曲家・羽鳥(草彅剛)が入室してきた。彼は今回の舞台の音楽監督を務めているのだという。タナケンに鈴子のことを推薦したのも羽鳥なのだという。
羽鳥は新曲「コペカチータ」を書いたと言う。この曲は不思議なリズムで構成されていて、鈴子以外には歌いこなせないだろうと言う。今回の舞台は鈴子が歌ってこそ完成するのだと話した。
それを手掛かりに、羽鳥と山下マネージャーはタナケンに再び鈴子を推薦した。
タナケンは興味なさそうに認めた。
こうして、鈴子はタナケンの新しい舞台『舞台よ!踊れ!』への出演が決まった。