我が最愛の山瀬まみが『居酒屋新幹線2』の放送開始(昨夜)を楽しみにしていると言っていたので、僕も録画しておいたものを見ようと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第69回めの放送を見ましたよ。
終戦から3ヶ月、日帝劇場が再開され、スター歌手たちを集めた公演が行われることになった。
鈴子(趣里)と楽団員たちは久しぶりに事務所に集まり、演目の相談をした。
当然のように満場一致で『ラッパと娘』を演奏することになった。福来スズ子の代表曲であるものの、派手な歌や踊りであるため戦争中は自粛していたのだ。戦争が終わって思う存分やれることとなり、鈴子も楽団員たちも大いに盛り上がった。
鈴子は自宅で家事をしながら、『ラッパと娘』の稽古をした。久しぶりに歌うのでメロディーや踊りを忘れているところがあったのだ。
その様子を見た愛助(水上恒司)は大いにはしゃいだ。そもそもが彼女の大ファンだった愛助は、往年の福来スズ子が帰ってくることが嬉しいのだ。
ところが、鈴子は不安になっていた。戦争があったことで、人々が変わってしまったのではないかと思うのだ。ましてや、今は戦後復興に必死な時である。以前のように自分の歌と踊りを楽しんでくれるかはわからない。
愛助は、福来スズ子の歌には力があるので心配はいらないと話した。鈴子はほんの少しだけ気が楽になったが、それでもまだ不安は拭えなかった。
いよいよ公演当日。鈴子は久しぶりに派手な衣装を身につけ、昔のように巨大なつけまつ毛を付けた。それでもまだ不安で落ち着かなかった。
すると楽屋へ、茨田りつ子(菊地凛子)が現れた。久しぶりの再会に鈴子は大いに喜んだ。
しかし、りつ子は沈み込んだ様子だった。東京の家が空襲で焼けてしまったのだと言う。そればかりか、特攻隊員の慰問に行ったことがずっと心に引っかかっているのだと話した。
特攻隊員たちは自分の歌を聞き、勇気づけられて出撃した。りつ子は、最終的に自分の歌が隊員たちの背中を押して死に追いやったのではないかと悩んでいるのだ。歌は人を生かすためにあるものなのに、それと反対のことをしてしまったと悔やんだ。
その話を聞いた鈴子は、戦争が終わった今こそ、自分たちの歌で人々を生かさなければならないと述べた。今はどん底なので、あとは良くなるばかりだ。歌えば歌うだけ人々は元気になるはずだから、好きなように歌おうと話した。
りつ子にそう話しているうちに、鈴子は自分の抱えていた不安が吹き飛んだ。溌剌としてやる気に満ち溢れた。
ひとりで興奮している鈴子を見て、りつ子は苦笑いした。それでも、りつ子の気持ちも少し軽くなった。
本番が始まり、最初はりつ子の出番だった。
りつ子は人気曲『別れのブルース』を歌った。歌いながら特攻隊員たちのことを思い出してしまったが、それがかえって歌の情感を高めた。観客たちは涙を拭いながら聞き入った。舞台袖で聞いていた鈴子も涙を止めることができなかった。
歌い終えたりつ子も頬を涙で濡らしていた。
舞台袖に引き上げてきたりつ子に、鈴子は賛辞を送った。
そして、次は鈴子の出番だった。雰囲気を入れ替えるかのように、大きく手を振りながら元気よくステージに躍り出た。
茨田りつ子(菊地凛子)の『別れのブルース』はフルコーラス流れました。グッときたね。
肝心の鈴子(趣里)の『ラッパと娘』は明日までお預けになったけれど、しかたあるまい。