僕の生涯において高岡早紀には驚かされっぱなしで、30年くらい前には『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』でその可愛らしさに衝撃を受け、25年くらい前に映画でヌードになった時にはバストの大きさにビックリして、そのちょっと後に保阪尚希と結婚してマジかよ!?と思い、15年ほど前には布袋寅泰との不倫騒ぎで度肝を抜かれるなどした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第47回めの放送を見ましたよ。
宮城から東京に来て数時間後、百音(清原果耶)はわけも分からずテレビ局にいた。
翌日の採用面接の下見として気象会社を訪問したところ、社員の野坂(森田望智)とばったり出くわし、強引に連れてこられたのだ。テレビ局との契約で、気象予報士を4人派遣することになっている。その日は朝岡(西島秀俊)が他の用事で留守にしなければならないので、百音が頭数合わせに使われたのだ。
19時から放送される『ニュース・ナイトJ』には2分30秒の気象コーナーがある。いつもは朝岡が出演するが、今日は代理として神野マリアンナ莉子(今田美桜)が担当することになった。神野は現地リポートの経験はあるが、スタジオから予報や解説の読み上げは初めてのことである。周囲はみな神野のことを不安視したが、神野本人だけは自信満々だった。
放送の2時間半前(16時22分)になって、神野は自分で読み上げ原稿を作ると言い出した。予定では朝岡が事前に作った原稿と天気図を使用することになっていた。野坂は、神野には力不足に思われ、やめるよう説得した。しかし、神野は言い出したら聞かず、野坂が折れた。
放送1時間半前(17時30分)、ブリーフィングが行われた。その日の放送内容について気象班全員で確認をするのだ。神野の原稿に問題はなかった。野坂も納得する内容だった。
放送30分前(18時30分)、スタジオでリハーサルが行われた。番組を指揮するテレビ局職員・高村(高岡早紀)も神野を不安視する者の一人だったが、リハーサルを見て考えを改めた。神野の原稿も読み上げの立ち居振る舞いも完璧だったのだ。一同は安心して神野に任せることにした。
放送開始10分前(18時50分)、緊急ニュースが飛び込んできた。大手自動車会社に捜査が入ったのだという。土壇場で番組の放送内容が大きく変更されることとなった。2分30秒あったはずの気象コーナーは30秒に減らされ、ニュースキャスターが読み上げることになった。
神野の出番はなくされてしまったのだ。
全て終えて帰ろうとした百音は、自動販売機で飲み物を買うために局内の休憩所に立ち寄った。すると、同じように帰り支度をした神野に出くわした。
神野はそれまでの柔和な表情や口調とは打って変わり、口汚く「あー、やってらんない」とボヤくのだった。