この像は いつか撮った像
ああ そうだよ
またがると 留年するんだよ
#山田耕作の「この道」で。
“Boys, be ambitious”(「青年よ、大志を抱け) で有名なクラーク博士の像。
北海道大学の前身、札幌農学校の初代教頭で、北大生や道民にとってのヒーローの一人だ。
読者諸氏は、大空を背景に腕を真横に伸ばしたクラーク博士を想像するかもしれない。
腕を伸ばしたでっかい全身像は、市内中心部から小一時間かかる羊ケ丘展望台というところまで行かないと見れないのである。
北大にあるクラーク像は胸像だけなので注意していただきたい。
北大のクラーク像の目の前で、カメラを構えた観光客がキョロキョロしながら像の場所を尋ね、薄ら笑いを浮かべた北大生に、
「それ、それ。アンタの後ろにある、それだべさ」
と言われる姿は、北大キャンパスで1年を通して見ることのできる恒例行事である。
そんなクラーク像だが、やっぱり記念撮影のメッカで。
僕も、入学してすぐの頃、クラスの記念写真をここで撮ったものだ。
「クラーク像にまたがったやつは、絶対に留年する」
というジンクスがささやかれているのだが、調子に乗ってクラーク博士にまたがるヤツが、どのクラスにも1人くらいはいたものだ(ていうか、1人しかまたがれない大きさだけど)。
うちのクラスでまたがったやつは、1ヶ月もしないうちに大学に来なくなり、やっぱり留年した。
クラーク像の呪いなのか、彼が寮生で朝から晩まで酒びたりになる環境だったせいなのかは、判然としないのだが。
ちなみに当方は、留年するのが怖かったので、クラーク博士のほっぺにキスするにとどまった。
おかげで、留年を免れることができた。