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BKワンダーランド(1): 自殺未遂現場

本日、NHK大阪 春のふれあい広場 BKワンダーランド(5月5日まで)の見学に行ってきた。

目当てのイベント(茂山宗彦の落語)が始まるまで時間があったので、BKプラザという常設見学コースを回ってきた。直通エレベータで9階に登ると、過去の映像が視聴できるビデオ・オン・デマンド設備があるので、1974年(当方の生年)の紅白歌合戦の映像などを見ていた。白組トップバッターは西條秀樹で、紅組は山口百恵だった。両者とも初登場とのことだったが、さすがは昭和のスター、堂々とした歌いっぷりだった。

さて、このビデオ・オン・デマンド設備は、一人1時間までしか利用できないルールとなっている。制限があるものの、壁にかかっている紙に利用開始時刻を書き込んで、自主管理するというアナクロなシステム。で、当方はそのやり方を知らずに視聴していたら、係のおねーさんに注意されてしまった。

注意されて書き込んだからこそ、時刻をよく覚えている。11:50分利用開始(本当は、すでに5分くらい経過していたが、指摘された時間を書き込んだ)、12:00終了(山口百恵まで見て飽きたし、次のイベントの時間も迫っていた)。
つまり、当方が9階にいた時刻は、およそ11:45から12:05あたりである(ここ、俺のアリバイ)。


さて、このBKプラザ9階へは直通エレベータで行き来するのだが、そのすぐ横にはトイレがある(お土産コーナーの隣に位置する)。

僕が上に登る時、ちょっと尿意もあったのだが、「先に上を見学してからトイレに行こう」と思っていた。しかも、高いところで放尿するとなんとなく気分もいいから(本当か?)、9階でトイレを借りようと思って1階エレベータ横のトイレはスルーした。

先述のとおり、9階で紅白歌合戦のビデオを10分ほど見て、9階で小用を足し、すっきりした上で再びエレベータで1階に降りた。すると、1階エレベータ横のトイレが封鎖されているではないですか。

すぐに警察官もやって来た。”駆けつける” ってほどのテンションではなく、パトロールかっていうくらい落ち着いた足取りだった。どれくらい落ち着いていたかというと、僕が女性警官のオシリを眺めながら後ろを付いて歩けるくらいゆっくりとした足取りだった。イベントで人がごった返していたから、騒ぎを大きくしないための配慮だったのかもしれないし、緊急を要するような事件でもなかったせいかもしれないが。

現場では何もアナウンスはされていなかったので、何が起きたか僕は知らなかった。
ただ、現場にはカメラが1台入って、なにやら撮影していた。
「お膝元で事件が起きて、すぐさまカメラ出動とは、NHK的にはオイシイのか?」
とか、よくわからないことを想像しつつ、とりあえず僕も状況を写真にとってみた。
多少不謹慎かもしれないとは思ったけれど、メディアの報道に対して何か補完的な役割ができるかもしれないと思って。

帰ってきてチェックしたら、しっかりとNHKが映像つきで報道してる。しかし、特に素人の当方がメディア・チェックするような事件ではなかった。

4日正午前、大阪・中央区のNHK大阪放送局の1階のトイレで、男性が胸にけがをしているのが見つかり、警察は、男性が「包丁で自分の胸を刺した」と話したことなどから、自殺を図ったとみて詳しい状況を調べています。男性は意識があり、命に別状はないということです。

エレベータに乗る直前、1階のトイレを使用していたら、もしかしたら自分が第一発見者になっていたかもしれないなぁと思うと、惜しいと思うやら、事情聴取を受けずに済んでよかったと思うやら、でもやっぱり人生で一度くらいは警察から事情を聞かれてみたいと思ったり、いやいやそんなことしてたら目当ての茂山宗彦の落語を見逃したかもしれないと思ったり、複雑です。

ちなみに、その現場の目と鼻の先では、何事もないかのように声優の野沢雅子(代表作・ドラゴンボールの孫悟空)と古谷徹(代表作・ガンダムのアムロ)のトークショーが行われていて、古谷徹が「マチルダさぁ~ん!」なんて叫び声をあげていたりして、日本は平和だと思う。
ていうか、かの男性の命に別状がなかったから、安心してネタにさせていただいているのだが。

ただ、山奥などで人知れずひっそりと命を絶つでもなく、大都会の真ん中で派手なパフォーマンスとともに命を散らすでもなく、イベント会場の個室トイレというものすごく中途半端な場所で胸を刺したくなった彼の心境を思うと、なんだか無性に悲しくなってしまうのも事実。
つらくなって、誰かにかまってほしかったんだろうなぁ、と。会場にはあんなにたくさん人がいたのに、彼の身の上話を聞いてやる人間は誰もいなかったんだよ。それを思うと、つらいね。

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