愛染さんのスタンプラリーの第3弾として、神戸市北区道場町にある鏑射寺へ。
冒頭の御朱印写真が暗いのは、薄暗い本堂の中で、愛染明王の目の前で撮影したから。そういう意味では、霊験あらたか・・・かもしれない。
西国愛染十七霊場の朱印帖は専用のものが用意されていて(たしか、2000円くらい)、各霊場のページが用意されている。見開きの右側に寺の名前や詠歌が印刷されていて、左側のページに貰い受けた朱印を貼り付けるようになっている。添付用の朱印状は、その場で書いてくれる寺もあるし、事前に書いて用意してあったものに日付だけ書いてくれる寺などもある。後者は、ちょっと興ざめだ。
鏑射寺では、イケメンの住職さん(みうらじゅん用語で「イケ住」)が目の前でサラサラと書いてくださった。その立ち居振る舞いも優美なのに、文字は力強くて感動した。
無事に御朱印は頂いたのだが、まだ肝心の愛染明王を見仏していなかった。
秘仏扱いで公開されていないのかもなぁ・・・と思いつつ、イケ住さんにおそるおそる伺ってみる。
すると、正面の本堂の中に安置されているとのこと。パッと見は立ち入り禁止のように見える本堂だが、自由に出入りしていいとのこと。ただし、開錠されいてる扉は一部だけなので、その場所を教えてもらっていざ向かう。
この、周りの人から情報を聞いて、秘密のドアを見つけて開けるという手順が、ドラクエっぽくて楽しかった(だから、入り方は教えない。読者も、人に話を聞いて見つけるが良い。)。
ワクワクしてお堂に入ると、中はとても暗い。おもわず「レミーラ」(ドラクエ1作目にのみ存在する、周りを明るくする呪文)と言いたくなる。
言いたくなるのだが、ぐっと言葉を飲み込んだ。
お堂の中には先客がいて、真ん中で一心不乱にお経を唱えていらっしゃる。彼の邪魔にならないように、忍足で本堂の左端まで移動した。
そこには、色彩鮮やかな真っ赤な愛染明王が安置されていた。座高1.3mくらいの像だろうか。わりと大きくて迫力がある。
この寺は明治に一度焼かれてしまい、打ち捨てられていたそうだ。それを昭和40年頃に復興したらしい。だから、建物も仏像も造られてからたかだか45年ほどなので、厳かな古めかさはない。けれども、極彩色に溢れた造形物に囲まれていると、仏教の唱える極楽浄土の雰囲気ってこんな感じなんだろうな、と感じることができる。
ただし、本堂の中は明り取りの窓も最小限で、ほの暗い電灯が2つついているだけなので、目が慣れてきてもはっきりとは見てとることはできないのだが。
境内も静かで、参拝客は僕のほかに3-4人。そのほかには、寺の子らしき子供たちが2人で追いかけっこをして遊んでいた。とても平和な雰囲気。
周りにはハイキングコースもあるらしく、のんびりと森林浴するのにもよい寺だと思った。
薄暗くて涼しい本堂の中で、一人孤独に哲学しちゃうのも良いだろう。
【独鈷山・鏑射寺(とっこさん・かぶらいじ)】
住所: 神戸市北区道場町生野1078-1
Tel: 078-986-4095
拝観料: 無料
駐車場: 境内の目の前にある。無料。