昨年1月の1stアルバムに続き、先週2ndアルバム『マッチとオルガン』がリリースされた。
カワユイ後輩だからというリップサービス抜きで、1stアルバムは当方の心に沁みる一枚でした。おべっか抜きで会社のPCにもMP3ファイルが忍ばせてあり、BGMとして再生しながら仕事をすることもままある。
そんなわけで、2ndアルバムリリースの報を受けて、早速メールでオーダーした(送料込み 2,000円)。
そのCDが本日届いたので、早速CDプレイヤーにスロット・インッッッ!!!(アニメ・ヒーローの必殺技の雄叫びのノリ)した。
ホントの話なのかどうかは知らないが、多くの作家や音楽家、映画監督などは1作目が彼/彼女の最高傑作になり、後続作はあまりパッとせずに消えていくなんて話を耳にしたことがある。限りある才能の全てを処女作に注ぎ込んでしまい、そこで力尽きるなんて話だ。
さっき勢いよくCDをスロット・インしたのだが、モーターが回って音が鳴り出すまでの数秒の間、そんな不穏なことを考えたりしてしまった。
いよいよ1曲目「暗夜行路」が鳴りはじめた。
ブラスの音っぽいシンセサイザ(?)の不協和音っぽい(??)不穏なイントロが始まった。1stアルバムでは、アコースティックギターのチロチロ鳴っている透明感ある歌声の曲が気に入っていた当方なので、曲調ともあいまって非常に不安な感じになってしまった。
ああ、やっぱり2作目は・・・と、暗澹たる気持ちになってしまった。
ところが。
それをなんとか乗り切ると、2曲目「風待ち月」のイントロはチロチロ鳴るアコースティック・ギター。これですよ、当方が待っていたのは!という感じになる。さっきまでのモヤモヤした気分が、一気に晴れた。脳内の視覚イメージで言うなら、夜の濃い雲が風に吹かれて分かれていき、そこから綺麗に輝くお月さんが表れた感じ。
そう、タイトルがまさしく「風待ち月」だしね。
ここで、ふと思い至った。
1曲目にわざと重い曲を配して聴き手の緊張感を高め、2曲目でふっと弛緩させていい気分にさせるという演出なのかもしれない。そこまで計算した配曲なら、マジすげぇ。そして、俺、まんまとのせられた。そういうカラクリなんだろうと裏を読みながら、今もう一度聞きなおしたんだけれど、やっぱり我知らずに緊張→弛緩のプロセスにハマってしまい、ふっと気が抜けて気持ちよくなった。
俺の中で、1曲目~2曲目イントロまでの約5分間は神プロット認定。
単体の曲では、4曲めの「ミエナイモノ」が気に入った当方。
不器用にあくせく生きている人々を愛を持って揶揄している歌詞がいいです。ヴォーカルを追いかけるようにバックでギロギロ鳴っているエレキギターもいい感じです。
ご本人は、CDに添えたお手紙に「フワフワ路線ではなく、大地を踏みしめてっ!」というようなことを書いていたので、どちらかというと、重めな調子でまとめたかったのかもしれない。
それはそれで成功していると思います。でも、僕は、その重さや緊張感のあとにふっと表れる “フワフワ感” が快感だと思ってこのアルバムを聞かせていただきました。
そんなわけで、気になった人は彩子-Saiko web サイト: てんしのおなかをチェキラッ!