「ピタっと触れるだけでご乗車できる、便利でお得なICカード CI-CA」
といえば、奈良近辺に住んでいる人ならおなじみのフレーズ。この付近の乗合バスを運行している奈良交通が発行しているプリペイド式/定期型 ICカード CI-CA(シーカ) のキャッチコピーである。バスに乗ってるとよくアナウンスが放送される。
なお、奈良交通では同社発行の CI-CA の他に、PiTaPa と ICOCAも利用することができる。各ICカードが利用できるが、CI-CA は日中の特定の時間に使用すると割引額が大きいなどのメリットがあるそうです。僕はPiTapist (ピタピスト。ピタパ利用者の意。今、勝手に作った造語)なのでよー知りませんが。
先週の土曜日、久しぶりに奈良交通のバスに乗ったら、降車口のIC読み取り部にシリコン樹脂で作られた突起物が貼りつけられていた。
今日までに何度かバスに乗ったが、必ずしも全てのバスに装備されているわけではなかった。路線にもよるが、奈良交通のバスは「後乗り→前降り」という運用がなされている。そのため、乗った停留所を記録するために後ろの乗口に設置されたIC読み取り機にカードを読み込ませ、降りるときには前の降車口でICを読み込ませるという手続きが必要だ。
しかし、僕がここ数日で見た限り、後ろ側の読み取り機には突起が付けられておらず、必ず前だけに付けられていた。また、この期間中6回バスに乗ったが、読み取り部に突起が付けられていたのは3回だけだった。一方、京都府精華町、奈良県生駒市、奈良市と複数箇所/路線を利用したが、各地で目撃した。
つまり、全てのバスに装備されているわけではなく、かといって特定の地域のみで実施されているわけでもない様子だった。
無言で撮影するのも不気味だろうと思い、社交辞令的に、特に返事も期待せず、独り言を装って「これ、面白いなぁ。どうしてこんなのが付いてるんだろ~?」なんてブツブツ言っていると、それはそれで不気味だったのだろうか、運転手さんがポツリと話を聞かせてくれた。
なんでも、奈良交通のICカード読み取り機は、カードをピタリとタッチするよりも、1cm ほど浮かした方がうまく読み取れるそうだ。利用者がカードをかざしたときに、自然に浮くように突起を付けたとのこと。また、この部品の取付は本格導入が決まったわけではなく、現在は試験期間だそうだ。しばらくこの状態で様子をみるとのこと。だから、全てのバスに付いているわけではないのかもしれない。
確かに、奈良交通のICカード読み取り機には、他社の読み取り機とはちょっと違うクセがあるように思っていた。電車の改札などはまっすぐに軽く触れさせるだけで一瞬にして読み取れるのだが、奈良交通のバスはそうではなかった。
僕は財布にカードを入れたままタッチしているのだが、財布を当てた直後に手首を軽くひねるようにしないとうまく認識してくれない。最近はそのコツを掴んだのでトラブることはないが、始めの頃はなんどもエラーになった。降りるのが手間取るので、バスも発車できず、ほんの数秒から、長くても30秒ほどだがバスの遅延を引き起こしてしまったこともある。
他にもうまく読み取らせることができなくて、バスの運行に支障をきたすことが多いのだろう。それを解決したいというアイディアなのだろう。
見た目的には少々無様な解決策だけれど、シンプルな方法なので僕はこういうの嫌いじゃないです。きちんとトラブルが回避されるようになるといいですね。
・・・でもやっぱり、もう少しオサレにしてもいいだろうにとは思う。