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勝手に観光協会と宇都宮餃子

 ここ2年くらいの間に当方の車に乗ったことのある人ならご存知だろうが、当方の車では勝手に観光協会がヘビーローテーションである。飽きることなく、ひたすら再生され続けている。

 勝手に観光協会とは、みうらじゅん安斎肇のユニットで、呼ばれてもいないのに全国の観光地に出かけ、頼まれてもいないのにご当地キャラやポスターを作るというプロジェクトである。
 彼らの視察のクライマックスは、勝手にご当地ソングをつくり、夜更けに旅館の客室で録音するところである。全国都道府県のご当地ソングが作られており、CDで販売されている。
 そのCDが僕の車の中でエンドレスに流れているのである。

 ほぼ全ての歌を覚えてしまった。
 通信カラオケに、勝手に観光協会の歌が収録されていることも知っている。しばらくカラオケなんて行っていないが、誰かに誘われたらホイホイと付いていく。そして、頼まれもしないのに全都道府県48曲(北海道は2曲ある)を北から順番にエンドレスで歌ってしまいそうである。顰蹙を買うだろうが。


 カラオケに行かなくても、CDに合わせて車の中で歌うことはしょっちゅうだ。無意識のうちに勝手に観光協会の曲をハミングしていて、はたと気付いて一人で赤面することもある。

 栃木を歌った歌に「ソバユバロマンス」という曲がある。
 ピチカート・ファイヴを意識して作ったという曲であり、軽快でキャッチーなラブソングだ。男女の恋に関する歌詞なのだけれど、巧妙に栃木県の見所が紹介されるという内容だ。

 しかし、みうらじゅんの作った詩だけあって、もちろんギャグ路線。

宇都宮 餃子食べ その後 口づけ それでもラブラブ

とか。

 餃子を食べた後のニンニク口臭でもキスしてしまうほど、ふたりの愛は深いという意味だ。・・・バカバカしい。
 バカバカしいが、このフレーズは特に僕のお気に入りで、よく口ずさんでいる。

 今日もその場所を歌いながらスーパーに行ったら、「宇都宮 肉餃子」という商品が売られていた。
 思わず買ってしまった。この後調理して食べる。

 ひとつ問題なのは、餃子を食べた後にキスをするほどラブラブな女の子だけは、スーパーでは売られていなかったことだ。

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