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ブルーもしくはスカイブルー

夜,ずいぶんとお腹がすいて,イライラしだした.
昨日から読みかけの「恋愛中毒」を携え,ウェイトレス目当て「いつものヤツ」で通じる常連を目指すべくJunk Cafeに向かう.
車に乗り込んで,イヤな予感がして財布を見ると,千円札が1枚しか入っていなかった.小銭入れをチラッと見ても,銀色の硬貨が1枚あるだけで,あとは数枚の銅貨しか入っていなかった.銀貨だって,どうみても100円玉のようには見えない大きさで,ましてや500円玉ではなさそうな様子だった.
おそらく,今日日の小学生よりも所持金が少なそうな,僕.
Junk Cafe では,食事が大体800円強.食後には二百円強のコーヒーも飲みたい.こりゃきっと,すんでのところで所持金が足りないに違いない.
ブルー.

しかし,そこはポジティブシンキングな僕.
行きがけの某コンビニATMでちょっとお小遣いを増やすことを決意.
つーか,ここのアルバイトの女の子はちょっと好みだったり.自宅からちょっと離れたコンビニなんだけれど,タバコが切れるとわざわざ車で出かけて,その子からタバコを買うのが日々の小さな幸せだったり.
コンビニの駐車場に車を停め,店内をのぞいてみると,レジには男子アルバイトしか見当たらなかったり.当初の目的である現金の引き出しを終え,例のバイトの女の子が品出しでもしていないかと,商品を物色するフリをしながら店内をうろつくも,見当たらず.どうやらお休みの日らしい.
ブルー.

しかし,いいんだ,Junk Cafe は粒ぞろいの美人ウェイトレスが僕を温かく迎えてくれるはずだ.アクセルをいつもよりちょっと強めに踏みつつ,一目散に向かう.
コンビニでしたように,駐車場から店内を覗くと,お客さんがかなり少なく閑散としている.「しめしめ,長居しても迷惑がられないだろうし,ことによっては退屈そうにしている女の子たちとおしゃべりでもできるカモ」と妄想に胸膨らませながら店内へ.
つーか,なんですか?店員がみんな男性なんですけど?今日は,Junk Cafe の美人ウェイトレスの皆さんもお休みですか?
ブルー.

最近,鶏肉が食べたくて仕方がない.昨日のChicken Oriental Plateはなかなか美味かったけれど,さすがに2日連続っつーのも芸がないような気がしたので,今日はピラフの上にバンバンジーがのっているヤツ(メニュー名忘れた)をオーダー.マジで,ピラフ(フライドライス?)の上に蒸した鶏肉とゴマダレがのっていた.
ピラフにゴマダレって,ちょっとミスマッチ.これなら,よっぽど炒飯とバンバンジーを別個に頼んで食った方がましだった.
ブルー.

もう,とにかく「恋愛中毒」に集中するしか手がなくなった.
それほど美人でもなく,離婚経験もあり,家族とも折り合いが悪く,友達も少ない女性が,「やっと,心を開ける男性と出会えたわ」って感じでルンルンなところでページが止まっていたから,これからどんな幸福な未来が待っているのかと,わくわくしながら読み始めた.
しかし,ページをめくるたびに,不穏な空気が流れてくるんですけど・・・.
恋した男性のほかの愛人女性との確執,本妻との決戦,ストーキング,拉致監禁・・・.
思いっきりドロドロしてきたんですけどぉ!
これかぁ,これですか!?僕に山本文緒を紹介した女の子が「ドロドロした感じが男性には『女性ってこわーい』っていわれそうだから.あははっ.」と言っていた正体は.
読めば読むほど,ブルー.

帰宅し,「毒食わば,皿まで」の心境で,このドロドロした本に決別すべく一気に最後まで読み終えることに.
あ~あ,最悪の事態になっちゃった.救われない話しだなぁ.
ブルー.

そして,「恋愛中毒」の最終章 “ending”.


ひゃっほー!
逆転サヨナラホームランだよ!ママ!

Indroduction → 1章の展開で見事に裏をかかれた僕だったので,「もう騙されるもんか!」と注意深く読んでたけれど,5章 → ending で再びしてやられたよ.

読後感がサイコーだね.
いつか某女の子と一緒に澄んだ冬の空を見上げたときのような心境
スカイブルー.

そう言えば,今朝は冷えたので,長袖のシャツを着た.そのシャツの色を見て,また気分がよくなった.
スカイブルー.

ところで,こんなに楽しめる本をブックオフで購入したことで,著者に申し訳ない思いがしてきた.
中古で買ってきたということは,版元にお金が回らないわけであり,その結果著者の印税にも反映されないわけであり.
かと言って,数時間前まで1,000円しか持っていなかった貧乏人なので,同じ本を2冊買うのだけは勘弁させてほしかった.
んなわけで,新たに違う本を買って,とりあえず許してもらうことにしようと思った.
家を出る前に,買う本は決めていた.
今の気分に合わせた本だ.
時刻は22時を過ぎていたけれど,遅くまで開いている本屋を何件か知っていたので,とにかくその本を手に入れるまで帰ってくるつもりはなかった.

1件目,家から500mほどの本屋.
ここに目当ての本はなかった.
そのかわり,某知り合いカップルに出会った.
ふたりで仲むつまじく,雑誌を眺めていた.
変な時間に,変なところで会ってしまったと思ったのか,先方はちょっと気まずそうだった.^^;
普段の僕なら憎まれ口でも叩いてからかうところだけれど,今夜は気分がよかったので,迷惑にならない程度に挨拶だけして,そっとしておくことに.
つーか,僕は目的の本を求めて,次の店に行かなくてはならなかったし.

2件目,押熊の某書店.

無事に「ブルーもしくはブルー」を購入.

めでたし,めでたし.

なお,Amazon提供の表紙の画像ファイルと,今日買ってきた本の表紙は違った(Amazon提供はこっち).
僕が買ってきたやつの方がきれいだと思うので,写真うつりはよくないけれど,こっちを貼っておく.
スカイブルー.

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