サイバラの「ぼくんち」は大好きで,僕的”墓場に持って行きたいモノ”の一つにカウントされているわけですが,最近の「クソ掃き溜めの かもっち を捨ててやったわよ.ふんっ!」的な著作の数々にはかなりゲンナリな食傷気味でとんとご無沙汰だったり.
#ところで,「ぼくんち」って,けらえいこの「あたしンち」に対するアイロニーなんですか?先日,ふと気づいたのですが.
たまたま本屋さんに行ったら,「上京ものがたり」にはカバーもかかっておらず,好きにしてっ!って感じで読み放題だったし,薄くてすぐに読めそうでもあり(ていうか,そもそもサイバラのマンガってサクって読めるしー),僕の大っ嫌いなプライベート愚痴マンガ(e.g. 「私たちは繁殖している (3)」以降)だったら書棚に戻せばいいやとか思って,軽く読んでみたり.
中身としては,サイバラの上京から漫画家として成功するまでの自叙伝漫画.
書いてあることは,
身一つで上京して貧乏 → 夜のアルバイト → 甲斐性なしの男と同棲 → バイト仲間も同棲男も人間のクズ → イラストが売れない → やってられるか!
の無限ループな感じ.
そして,最後は大体こんな感じのシメ
つかれているひと.
かなしいひと.
くやしいひと.そして それを
ぜんぶ ずっと
がまんしているひと.なんかねえ
ちょっと みてわたって
もらえたらちょっとだけ.
ちょっと
わらってもらえたら今そんな
仕事をやれてうれしいな
私.
不覚にも,加藤鷹の「カリスマ男優の好きな相手をどうにも離れなくさせる心理戦術―必ず「もう一度!」と思わせる究極のテクニック」とかが並んでいる書棚の前で目を潤ませてしまいました.
クソみたいなことをじゃんじゃん書きなぐった後に,軽いヒューマニズムを持ってくるのはサイバラの決め球だとわかりきっている当方だけれど,またしてもヤツの手のひらの上で踊らされた感じ.
悔しいけれど,「上京ものがたり」を抱えて,目の充血が解消したタイミングを見計らって即買いしました.
ついでに,中島らもの「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」なんかも買ってきたりして,半分読んだり.
ダメ人間のダメ人間によるダメ人間のための本,万歳.