「機動戦士ZガンダムI -星を継ぐ者-」ではたいそうガッカリさせられた当方ですが、今回の「機動戦士ZガンダムII -恋人たち-」はかなり楽しめました。
ストーリーは、ベルトーチカがアウドムラに合流するところ(TV版では「アムロ再び」あたりだっけ?)から、アーガマがアクシズのモビルスーツ部隊と接触したところ(TV版では「謎のモビルスーツ」)までです。
以下、ネタバレ。
まず、冒頭のシーンが”美しい & 笑える”作りになっています。
白い霧の中からベルトーチカの操縦する複葉機が飛んでくるシーンは、全て書き下ろしで構図もきれいでした。「前作は駄作っぽかったし、今回は騙されねーぞ」と頑なな心で劇場に足を運んだのですが、このシーンだけで僕の心は一気にときほぐされました。
アウドムラの巻き起こす気流の乱れで、ベルトーチカ機がうまく着艦できないところを、百式(クワトロ)、ガンダムMK.II(カミーユ)、リック・ディアス(アムロ)が総出で救出します。この展開はTV版ではなかったものですね。TV版では、ベルトーチカの初登場は “デキる女” なので自力で着艦するわけですから。でもって、最後にアムロのリック・ディアスがベルトーチカ機を腕で捕まえるわけですが、そこでクワトロが一言。
「さすがアムロ。優しい抱き方だ。」(うろ覚え)
笑った。
前作から、かなりクワトロ(シャア)の扱いが “スケベオヤジ系2.5枚目” ですが、2作目でも開始3分でこの扱いとはおみそれしました。
TV版では宇宙に上がってからレコアとのカラミが増えるクワトロですが、本作でもチョコチョコと絡んでいます。シャアのことを大好きな当方ですが、今回のシャアを見ているとあまりのスケベっぷりに、手を握っただけでレコアのことを孕ませてしまうのではないかと、気が気じゃありません。
ちなみにTV版では、百式のメガ・バズーカランチャーのエネルギー供給用のモビルスーツはゲルググのレプリカでしたが、今回はメタスでした。細かい変更点ですな。
ストーリー展開としては、矢継早に先頭シーンばかり続いて、時間の流れがいまいちよくわかりません。これはかなりのマイナスポイントだと思います。シーンの切り替わりに一工夫欲しかった。
さてさて、懸案のフォウ・ムラサメの声優問題(オリジナルの島津冴子が制作サイドのゴタゴタでオーディションも受けられずに降板した)ですが、今回の声優のゆかなさんですが、「まぁ、こんなもんかな」って感じでOKでした(それに比べて、ファの大根っぷりったら・・・)。
フォウのエピソードに関してはほぼTV版通りに進みますが(客船でカミーユと出会う→夜の香港でデート→香港市街で戦闘→ガルダの特攻作戦での戦闘→サイコガンダムコクピットでの会話→ガルダのブースター)、フォウのラストシーンの扱いが変わっていました。
TV版では銃で撃たれて怪我をしつつもカミーユを送り出し、煙の中に消えていくという展開です。それに対して今回の映画では、ベン・ウッダーに至近距離から頭部に銃口を向けられ撃たれます。ただし、引き金を引く瞬間、銃声は聞こえますが、シーンが変わっており実際にどこを撃たれたかはわからない。格納庫に横たわるフォウは映るが、傷口は一切わからない。しまいには、爆風に飛ばされて宙を舞ってフェイドアウト。
あの高度だし、海に落ちても普通は死ぬわなぁ。・・・とは思いつつも、演出的には「生死不明」って事にしたいんだろうなぁ。
今回の映画、裏タイトルが「新訳」。3作目の予告がラストに流れるのだけれど、TV版とは異なるエンディングになるということを大々的にほのめかしている。
となると、3作目でストーリーが大きく変わることは必然だと思うし、このままフォウは死んだものと扱われるかもしれない。
フォウは初恋の人ですが、まぁ、出てこなかったら出てこないまでだな。
さてさて、最後に全国3千万のハマーン・カーンファンの皆様へ朗報。
ハマーン様は、1シーンだけ登場でセリフもありますよ(ただし、お顔が拝めるのはほんの一瞬)。
しかし、それだけではハマーンファンの萌え度は高まるまい。
びっくりすることをお伝えしよう。
白いガザCが出ますよ。
白いノーマルスーツに身を包んだハマーン様ですよ。
当方、これだけで飯が2杯食えそうな勢いでした。
映画館へ急げ。