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酸鼻な思い出

「あなたはエレファントだ」
と言われた。
学生の頃、20台半ばの頃のことだ。


その人をちょっとはキレル人だと思って感心していたし、多少は尊敬もしていて
少しくらいは好感をもっていたけれども
とても親しくしていた友が恋焦がれていた相手だったこともあり
付き合おうとも、付き合いたいとも思わなかった。

エレファントっていうほど太ってはいなかったので
正直驚き、そして、反論したら
エレファントの意味を勘違いしてないか?と言われた。
でも・・・・。

elephant
━ 【名】【C】 《(複) ~s, ~》
〔動〕 ゾウ(象)

New College English-Japanese Dictionary, 6th edition (C) Kenkyusha Ltd. 1967,1994,1998

そうですか?ホントに?
もう、その頃には、悲しくなってしまっていたのかもしれない。
生まれて初めて
「お母さん、なんで私を生んだの」
「お母さん、こんな私に育てたなんて」
(今考えてみれば、父親には考えが及んでない ^^;)
と思った。
直接母には言わなかったが、
一人暮らしの部屋で、すっかり酒に酔いながら声に出して言った。
人生で最も惨めな瞬間だった。

それが決め手だったのか
その人を完全に避けるようになった。
同じ講座に所属していたけれど。
出会うべき人ではなかったのよ、ウマが合わないってほどじゃなかったけれど。
その人に対する当時の私の感情は大きく変わった。。
本当に、大嫌いになった。

もう内容すら忘れてしまった些細な作業が最初だった。
年末の夜の実験室だったなぁ。
ケンカする価値もないほど嫌っていた人と付き合う結果になったのはあれが最初で最後。
それも含めて、色々良い思い出をくれた人だったな。
辛いこともたくさんあったけれど、
どれも大切な思い出。

きっかけは、この一言。
あの時の誤解を解きたいんだ。”エレファント”じゃなくて・・・

elegant [形]
1 〈服装・意匠・態度などが〉優雅な, 優美な, 上品な;〈趣味・習慣・文体などが〉洗練された, 気品のある

プログレッシブ英和中辞典第4版


この文章はフィクションです。
こちらのblogの記事からインスパイアされて書いたものです。
ここの記事に続けて、あちらを読むと、ストーリーが続いているかのような印象を抱きますが、まったく関係ありません。

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