人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
ご存知、「機動戦士ガンダム」のオープニングナレーションである。
スペースコロニーが自治独立を求めて戦争を引き起こしたことが、壮大なガンダム・サーガの幕開けである。
地球上の人口爆発を抑えることができなくなり、宇宙に移住するようになったというプロットこそ、ガンダム最大のドグマであり、ヒストリーであり、リアリティーであり、”フィクション”なのだ。
ガンダムを特徴付けるキーワードといえば、「ニュータイプ」「モビルスーツ」「ミノフスキー粒子」「スペースコロニー」などなど枚挙に暇が無い。
しかし、地味ではあるがもっとも重要なキーワードは「人口爆発」なのだ。人口爆発が無ければ、宇宙に移民などせずに済み、スペースコロニーはいらないし、独立戦争も起きないし、宇宙戦で優位に立つためのミノフスキー粒子も発見されないし、宇宙に進出することによる人類の革新もないのだ。
そう、人口爆発。
しかし、今日の日本に住んでいると、人口爆発という社会問題は、宇宙人が操るUFO以上に現実感の薄い話に思えてしまう。
日本の合計特殊出生率は1.2程度であるらしいし、晩婚少子化を憂う本はバンバン売れているらしい。
この調子だと、少なくとも日本人は宇宙に移民する必要はなさそうだ。ガンダムの世界が遠のいていく。
ところで、なぜ日本は少子化が進んでいるのか?
いろんな人がいろんなこと言っている。
女性の社会進出とか、政府や企業の援助が貧弱とか、2次元アニメの幼女タンの方がよっぽどかわいくて従順だから生身の子供はいらないとか、なんとか。
一部、それどうなのよ?という説明も入っていたり、いなかったりするが、少子化の理由なんて簡単だと思うのだけれど。
要するに、「避妊法と中絶法の普及」で片付く問題ではなかろうか?
人工中絶を非合法にすりゃ、ずいぶんと出生率は上がると思うが。
コンドームもついでに禁制品にしてしまえば、ずいぶんと妊娠する人も増えるのではないかと思うが。
もちろん、特に女性は「自分の妊娠をコントロールする権利」を有していて当然だと思うので、避妊と中絶の禁止を訴えるつもりはまったく無いけれど。
あと、コンドームに限って言えば、性感染症の予防などの観点からも使用が推奨されている昨今だから、なくなったら困るだろうし。
ていうか、「コンドームなんて久しく使ってないよなぁ」という僕の気持ちを知ってか、知らずか、某知人(温情で、名前は挙げないことにする)から、嬉しいんだか、嬉しくないんだか良くわからないプレゼントをもらってしまった。
あの~、これで僕に何をしろと?
繁華街に出かけて、女の子を引っ掛けて、ホテルにしけこんで、だけどホテルのコンドームは針で小さな穴が開けられているというイタズラがされているリスクがあるから、自前のコンドームを使えと?
つーか、♂であるところの某知人の「僕、実は木公さんのことが大好きでした!これで抱いてください!」という熱いメッセージだろうか?
だが、断る
しかし、既に自分の中に芽生えた衝動は押さえ込むことができなくなってしまった。
いざ、使用
まず、洗う。
気休めだとわかっていても、とにかく洗う。
コーヒーに砂糖をガッポリ入れて、よく混ぜる。
本当はバニラアイスが大好きなのだけれど、白くてドロッとしたものを使いたくなかった僕の心情は共感を得るはず。
コーヒーと砂糖を混ぜたものを投入。
漏斗がないので、じゃぶじゃぶこぼれた。
醤油さしをきれいに洗って、それで注げばよかったと後悔。
ところで、まな板の上に載せると茄子のように見えなくもない。
冷やす
食べた
中心はまだ凍っておらず、コーヒーがダラダラ垂れてきた。
そして、マズかった。
こんなことを一生懸命やっているんだから、自分がモテないのだと改めて悔やんだ。
そりゃ、コンドームを本来の目的で使う機会もないってもんよ。
結婚もできないし、子作りもできないし、日本の少子化へひとつ貢献してしまった気分。
なお、「ビリケンゆでたまご」が有名だよね。