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禁煙: 初日午後

昼休みに喫煙所で4-5本吸うのが日課だったが、今日は全く吸いたいとは思わなかった。
良い流れ。

14時頃、体が火照り始める。額にじっとりと汗が浮く。
風邪を引いてしまったのか、これがニコチンの禁断症状なのか判然としない。
なんせ、禁煙は生まれて初めてのことだから。
自分の体調の変化をとことんまで観察して楽しもうという気が起きてくる。
帰りに体温計を買おうと決意したのもこのころ。


15時頃、汗がいっせいに引く。
かすかな寒気もした。
その上、倦怠感と集中力の低下。
いや、もともと集中力の少ない人間であることは認めるけれど、きれいさっぱりと消し飛んだ。

なぜ週末から禁煙を始めなかったのかと後悔する。
確かに、「禁煙セラピー」でも、ストレスを感じたときに喫煙するクセのある人は休暇時にあわせて禁煙を始めた方が良いと書いてあった。

しかし、僕はたまたま昨夜読んでしまったんだ。
そして、すぐにタバコをやめる決心が付いた。
土曜日まで延ばしていたら、決心が揺らぐ可能性があった。
だから、仕方あるまい。
#もし、後に続く人がいたら、開始タイミングの問題は心に留めておくべきだ。

17時前、頭がクラクラしてマトモに座ってられない感じになってきた。
タバコを吸い始めた頃、煙を吸うたびに頭がクラクラした。
あの時の感じを思い出したり。
タバコを吸ってクラクラするのは仕方ないけれど、吸ってないのにクラクラするのは卑怯だよな。

喫煙初心者の頃、一吸いごとにクラクラして、クラクラするたびに「タバコをかっこよく吸いこなす将来の俺」を想像したっけ。
今は、タバコを我慢してクラクラして、クラクラするたびに「タバコと決別した将来の俺」を想像して乗り切る。

乗り切りつつも、本気でダメダメ感が漂ってきたので、ホームセンターに立ち寄って体温計を買って帰る。
体温は 37.8度だった。
微熱。
結局、体温を測っただけでは、自分が風邪なのかニコチンの禁断症状なのか、よく分からなかった。

テルモの電子体温計は店頭価格2,079円だった。
アマゾンじゃ1,780円じゃねーか。ちょっと悔しい。

体温計売り場が分からなくて、薬局のおばさんに聞いた。
おばさんは、水銀の体温計を愛していたようだ。
テレビでも見てれば、3分なんてあっという間だし」と、検温時間の長さをフォローする。
小さい子供だと、電子式は壊れちゃうかも」、いや、俺が使うんだし。
ほら、電子式は2,000円もしますよ。水銀のやつは800円」、安いの勧めてくれるのはありがたいけれど、水銀は扱いが面倒なんだもん。

どうしても僕が電子式を買うといって聞かないので、しまいには
いや、もう、買うのはお客さんですから、私はこれ以上言いませんけどね・・・
と捨て台詞まで言われてしまった。

どうして、クラクラする頭で、おばちゃんとここまで店頭バトルをしなくちゃいけないのか。
しかし、そのやり取りを、意外に堪能した僕がいた。

同様に、禁煙のプロセスを堪能している僕がいる。

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